後遺障害と死亡事故に特化。交通事故賠償に詳しい弁護士が解説。

無免許運転で高校生6人死傷(交通事故)

2015年08月31日
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無免許で自動車を運転した高校生が、6人死傷という事故を起こしました。

今回は、危険運転致死傷罪と無免許運転について解説します。

「信号柱に車衝突、高校生ら6人死傷 無免許か、東京・葛飾の交差点」(2015年8月30日 産経新聞)

8月30日午前0時40分頃、東京都葛飾区堀切の都道交差点で乗用車が信号柱に衝突。
運転していた高校2年生の男子生徒(16)が全身を強く打ち、2時間後に死亡。
同乗していた16~17歳の男女5人が重軽傷を負いました。

警視庁葛飾署によると、6人はいずれも都内の高校生で、車は死亡した男子生徒が用意したようです。

現場は見通しのよい直線道路。
車は交差点を直進しようとして道路左側にある信号柱に運転席側から衝突したようで、ブレーキ痕はなかったということです。
「自動車運転死傷行為処罰法」の中で、もっとも重い危険運転致死傷罪の適用には、特に危険な運転行為を「故意」に行ったことが必要となります。
たとえば、アルコールなどの影響により正常な運転が困難な状態での走行や、進行を制御することが困難な高速度での走行など、6つの要件があります。

今回はその中の、進行を制御する技能を有しないでの走行、が適用されるかどうか、ということになります。

詳しい解説はこちら⇒「自動車運転死傷行為処罰法の弁護士解説(2)」
http://taniharamakoto.com/archives/1236

「進行を制御する技能を有しないでの走行」とは、ハンドルやブレーキ等を操作するという初歩的な技能すら有しない場合が想定されています。

今回の事故の現場は見通しのよい道路ということですから、運転していた高校生は、進行を制御する技能を持っていなかったにも関わらず、故意に運転して事故を起こした可能性があります。

では次に、無免許運転について考えてみます。

じつは、危険運転致死傷罪の要件には無免許運転はありません。
免許を持っているかどうかではなく、事故当時に運転技術を持っていたかどうかで判断されるのです。
つまり、無免許でも運転技術があれば危険運転致死傷罪には問えないのです。

過去にも悪質な無免許運転だったにも関わらず、自動車運転過失致死傷罪と道路交通法違反という軽い刑の罪にしか問えず、社会的な非難が高まっていました。
そこで、本法律では、「無免許運転による加重」という犯罪類型が設けられ、無免許の場合、次のように刑が重くなるようになっています。

・危険運転致傷罪の場合、最高で懲役15年⇒懲役20年
・過失運転致死傷罪の場合、最高で懲役7年⇒懲役10年

※危険運転致死罪の場合は、すでに最高刑が規定されているので、無免許運転による加重は適用されません。

今回の事故では運転者が死亡していることと、未成年者だったことから少年法が適用され、被疑者死亡のまま書類送検、家庭裁判所に送致ということになると思われます。

しかし、仮に運転者が成人の場合であれば、同乗者5人に重軽傷を負わせていることと無免許だったことから、危険運転致傷罪に無免許による加重で、最高で懲役20年に問われる可能性があります。

いずれにせよ、無免許で自動車運転することは基本的な交通ルールの無視という規範意識の低さを問われるものであり、同時にそれ自体が大変危険な行為であるため厳しく罰せられるということです。

絶対にやってはいけない行為であると認識してほしいと思います。

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