物損事故の場合、加害者に請求できる損害賠償の種類はどのようなものがありますか?<弁護士解説>

最終更新日 2015年 09月27日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

交通事故における物損に関して、弁護士が解説します。

交通事故は、人身事故と物損事故に分けられます。

人身事故とは、交通事故により人について損害が生じた場合を言います。被害者が傷害を負ったり、死亡したりした場合です。

物損事故とは、交通事故により財物(物)についてのみ損害が生じた場合を言います。被害者が怪我を負ったりはしていないが、自動車が破損してしまったり、ガードレールなどを壊してしまったりした場合です。

物損事故の場合に加害者に請求できる項目としては、主に以下のものが挙げられます。

修理費

被害車両の修理が可能な場合に、修理にかかる費用です。

買替差額

被害車両が物理的又は経済的に修理不能と認められる状態になったとき、あるいは買替えすることが社会通念上相当を認められる場合は、買換えをすることになります。この場合には、被害車両の車両時価額と売却代金(スクラップ費用等)との差額を買替差額として請求できます。

登録手続関係費

被害車両の買換えが必要な場合、車両の登録に関連する費用を請求できます。

評価損

事故歴がついて車両の評価が下がってしまったり、車両の修理をしても外観や機能に欠陥が生じてしまい、事故前の車両価格に比べ事故後の車両価格が低下してしまった場合、低下してしまった部分を評価損といいます。事案によって、認められる場合と認められない場合があります。

代車使用料

修理や買換えのため、被害車両が使用できなくなった場合は、代車の必要性があれば、相当な期間について代車使用料を請求することができます。必要性がある場合とは、被害車両を営業や通勤等に利用していた場合などです。被害車両が自家用車で、休日に趣味などで利用するにとどまるような場合には、認められにくいです。

休車損害

被害車両が営業車両で、車両の修理や買換えをする間営業ができなかった場合、車両を運行して営業していれば得られたであろう利益について、休車損害として請求することができます。営業車両とは、タクシー、ハイヤー、路線バス、観光バス、営業用貨物トラックなど、主に緑ナンバーの車両です。

営業損害

交通事故により車両が店舗等に追突し、そのためその店舗が休業せざるを得なくなったような場合に、店舗が営業していれば得られたであろう利益について、営業損害として請求することができます。

その他

車両のレッカー代、保管料、見積費用、廃車料などが請求できる場合があります。

慰謝料

物損事故の場合、原則として慰謝料は認められませんが、車両が民家に追突して家屋を損壊させる等、住居の平穏を脅かした場合には、家屋の修繕費の他に、例外的に慰謝料を認めた裁判例があります。

以上、交通事故における物損関係について、弁護士が解説しました。

物損について争いになった場合には、弁護士にご相談ください。