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交通事故の示談金の相場金額はいくら?6つの実例を解説

最終更新日 2021年 09月02日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

【交通事故の慰謝料】示談金の相場金額はいくら?ケース別で6つの事例を解説


【動画解説】交通事故の示談交渉でやってはいけない7つのこと

チェックボックス交通事故でケガを負い、後遺症が残った場合、被害者の方は加害者側から慰謝料などの損害賠償金(示談金)を受け取ることができます。

チェックボックス通常、加害者が任意保険に加入しているなら、その保険会社から示談金の提示がありますが、この金額は被害者の方が本来であれば受け取るべき金額より、かなり低いのが現実です。

チェックボックスそこで、その金額に納得がいかない場合は示談交渉に進んでいくことになるのですが、保険会社は被害者の方の主張を受け入れることはほとんどありません。
保険会社は営利法人のため、利益を出すために被害者の方への示談金をできるだけ低くしたいからです。

チェックボックスそのため、示談交渉が長引いてしまうこともよくあるのですが、あくまでも被害者の方が受け取るべき金額というのは、法的にも認められている金額であり、それが「適切な相場金額」ということになります。

チェックボックスでは、その適切な相場金額はいくらになるのでしょうか? 被害者の方は、どうすればその金額を受け取ることができるのでしょうか?

チェックボックスそこで被害者の方に力強いサポートができるのが、交通事故に強い弁護士という存在です。

チェックボックス本記事では、加害者側の保険会社が提示してくる金額と弁護士(裁判)基準で計算した金額に、どのくらいの金額の差があるのかについて、実際の増額事例から見ていきます。

これから、交通事故の慰謝料の適切な相場金額などについて解説していきますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

示談金の相場を知るために知っておきたい5つのこと

(1)慰謝料と示談金は違うものだと理解する

慰謝料と示談金は同じものと思っている方がいらっしゃるかもしれません。

また、慰謝料や損害賠償金、保険金などが出てきて、わけがわからないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、これには少し説明が必要でしょう。

チェックボックス示談金:被害者側と加害者側の間で示談により金額が合意されるもの
チェックボックス損害賠償金:被害者の方から見た場合、被った損害を賠償してもらうもの
チェックボックス保険金:保険会社の立場からは、保険契約に基づいて支払うもの

つまり、この3つは状況や立場の違いによって呼び方が違うだけで、同じものということになります。

慰謝料というのは、治療費や逸失利益、休業損害、将来介護費などさまざまある損害賠償項目の中の1つです。

言い換えるなら、慰謝料を含めた各損害項目の金額を合計したものが損害賠償金ということになります。

そして、慰謝料には主に、①「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」、②「後遺障害慰謝料」、③「死亡慰謝料」の3つがあることを覚えておいてください。

(2)示談金の相場は【弁護士基準】

交通事故でケガを負い、後遺症が残った場合、被害者の方には加害者側の任意保険会社から慰謝料などの示談金(損害賠償金)の提示があります。

じつは、示談金の計算には次の3つの基準が使われるのですが、どの基準で計算するのかによって金額に大きな違いが出てくるのです。

①自賠責基準

自賠責保険によって決められている基準で、金額はもっとも低くなります。

自賠責保険というのは被害者救済のために設立されたものであるため、限度額が設定されているからです。

この自賠責基準を示談金の相場を思ってはいけません。

②任意保険基準

各任意保険会社が独自に設定している基準です。

非公表となっていますが、過去のデータから自賠責基準より少し高いくらいの金額が設定されていると考えられます。

しかし、本来、被害者が受け取るべき示談金よりは低く設定されていますので、この金額も示談金の相場金額ではありません。

③弁護士基準

弁護士や裁判所が使う基準で、もっとも高額になります。

過去の膨大な判例から割り出されているため法的根拠がしっかりしており、裁判になった場合に認められる可能性が高いものです。

なお、弁護士は裁判になった場合だけでなく、被害者の方から依頼を受けて加害者側の保険会社と交渉する際にも、この基準で算出した金額を主張していきます。

つまり、被害者の方は、
チェックボックス加害者側の保険会社が提示してくる金額は適切な相場金額よりもかなり低いことが多い
チェックボックス弁護士(裁判)基準で計算した金額が、本来受け取るべき適切な金額である

ということを知っておくことが大切なのです。

この弁護士基準によって計算した示談金額こそが示談金の相場だと理解しましょう。

(3)一度、示談を成立させると変更はできない

示談交渉により、被害者側と加害者側の合意により示談が成立した場合、あとから変更することはできません。

たとえば、被害者の方に、「他にも損害賠償項目があったのに請求していなかった」「やはり示談金額に納得がいかないから示談をやり直したい」といった事情があっても、示談をやり直すことはできないのです。

ですから、加害者側の保険会社が言ってくること、提示してくる金額を鵜呑みにして示談を成立させてはいけないのです。

(4)示談には時効があることに注意する

法的な権利には、一定期間を過ぎるとその権利が消滅したり、発生したりする制度があり、これを時効といいます。

被害者の方が行なう損害賠償請求にも一定期間を過ぎると権利が消滅してしまう時効があり、この期限が過ぎてしまうことを「消滅時効」といいます。

チェックボックス消滅時効となると、その後は法的な一切の請求ができなくなってしまいます。
チェックボックスつまり、被害者の方の慰謝料などの損害賠償金が0(ゼロ)円になってしまうのです。

特に、被害者の方の主張を保険会社が受け入れず、示談金額が低いままで交渉が長引いている場合などは時効の期限に十分注意してください。

(5)保険会社が相場より低い示談金額を提示してくる理由

前述したように、加害者側の保険会社は自賠責基準や任意保険基準で計算した低い示談金を提示してくるのですが、それはなぜなのでしょうか?

おもな理由としては、被害者の方と保険会社では求めていることが正反対ということです。

被害者の方としては、交通事故でケガを負って、さらには後遺症が残った場合、精神的にも肉体的にも損害を被ったのですから、それに対する補償をできるだけ多く求めるでしょう。

一方、保険会社は利益を上げるために活動している営利法人ですから、支出となる被害者の方への示談金はできるだけ低く抑えようとします。

そこで、金額が低くなる基準で算定した示談金額を提示してくるわけです。

保険会社は被害者の方が適切な金額を主張しても受け入れようとはしません。

しかし、弁護士が代理人として交渉に入った場合、適切な相場金額に増額することが多くあります。

弁護士が示談交渉すると示談金が増額する理由について、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】
交通事故で弁護士が示談交渉すると慰謝料が増額する理由

示談金の正しい相場金額がわかる!
ケース別:実際の増額解決事例集


実際の示談交渉では、加害者側の保険会社は慰謝料などの損害賠償金について、どのくらいの金額を提示してくるのでしょうか?

それに対して、弁護士を代理人とした場合、どのくらい増額して解決するのでしょうか?

ここでは、みらい総合法律事務所で実際に解決した増額事例をケース別にご紹介します。

交通事故の損害賠償実務では、事故の状況やケガの症状、被害者の方の年齢や年収などによって適用される各損害賠償項目や金額が変わってきますので、ご自身の状況と照らし合わせて参考にしていただければと思います。

むち打ち症で後遺障害14級、慰謝料が約2.5倍に増額

52歳の男性が車両を停止していたところ、後ろから衝突された追突事故です。

被害者の方は、むち打ちによる頚部神経症のため後遺障害等級14級9号が認定されました。

加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金(示談金)として、174万3593円を提示。

この金額が妥当なものかどうか判断がつかなかった被害者の方が、みらい総合法律事務所に相談。

弁護士の見解は、「金額が低すぎる」というものだったため、示談交渉を依頼しました。

弁護士が保険会社と交渉をした結果、最終的に438万4355円で解決。

保険会社の提示額から約264万円の増額、約2.5倍に増額したという事例です。

弁護士基準による計算例

むち打ち症で、後遺障害等級14級9号が認定された場合の弁護士(裁判)基準による計算例は次のようになります。

「交通事故の概要」

・職業/兼業主婦(50歳・女性)
・過失割合/追突事故で被害者の過失は0%
・通院期間/180日(実際の通院日数は90日)
・後遺症/むち打ち症によるしびれや疼痛など
・後遺障害等級/14級9号
・治療費/すでに50万円を受領済み
・事故の前年度の年収/350万円
・その他/自賠責保険から後遺障害保険金として75万円を受領済み

「各損害項目の計算と積算」

    ・治療費/500,000円
    ・交通費/30,000円
    ・休業損害/575,342円
    <計算式:3,500,000万円÷365日×60日>
    ・入通院慰謝料/890,000円
    ・後遺障害逸失利益/801,447円
    <計算式:3,500,000円×5%(後遺障害14級の労働能力喪失率)×4.5797(5年のライプニッツ係数)>
    ・後遺障害慰謝料/1,100,000円
    ────────────────
    小計/3,896,789円

「損益相殺」
3,896,789円-500,000円(治療費)-750,000円(自賠責保険金)=2,646,789円

「被害者の方に支払われる損害賠償金額」
2,646,789円(+750,000円:自賠責保険金)

後遺障害10級で慰謝料が約2.2倍に増額!

61歳の専業主婦の方が自転車で直進中、道路外から出てきた自動車に衝突された交通事故です。

被害者の方は、左前後十字靭帯損傷などのケガを負い、後遺障害等級は10級11号が認定されました。

そこで、加害者側の保険会社は慰謝料など損害賠償金として689万3477円を提示。

この金額の妥当性を確認するため、被害者の方がみらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士の回答は「金額が低すぎる」というものだったことから、示談交渉を依頼されました。

弁護士と保険会社の交渉の結果、最終的に1550万円まで増額した事例です。

当初提示額から約860万円増額し、約2.2倍となっています。

弁護士基準による計算例

「交通事故の概要」

・会社員(41歳)
・過失割合/道路横断時の衝突事故で被害者の過失は30%
・入院期間/1か月(30日)
・通院期間/10か月(300日)で、実際の通院日数は150日
・後遺症/ひざの可動域制限等
・後遺障害等級/併合10級
・治療費/加害者側の任意保険会社から治療費として210万円を既に受領済み
・事故の前年度の年収/490万円(給与所得)
・その他/自賠責保険から後遺障害保険金として450万円を受領済み

「各損害項目の計算と積算」

    ・治療費/2,100,000円
    ・交通費/60,000円
    ・付添看護費/0円
    ・入院雑費/45,000円(1日1,500円)
    ・文書費/10,000円
    ・装具・器具購入費/0円
    ・入通院慰謝料/1,750,000円
    ・休業損害/1,208,219円
    <計算式:4,900,000万円÷365日×90日>
    ・後遺障害逸失利益/23,651,006円
    <計算式:4,900,000円×27%(後遺障害10級の労働能力喪失率)×17.8768(ライプニッツ係数)>
    ・後遺障害慰謝料/5,500,000円
    ────────────────
    小計/34,324,225円

「過失相殺」
34,324,225円×(100-30%)=24,026,957円

「損益相殺」
24,026,957円-2,100,000円(治療費)-4,500,000円(自賠責保険金)=17,426,957円

「被害者の方に支払われる損害賠償金額」
17,426,957円(+4,500,000円:自賠責保険金)

異議申立で後遺障害7級にアップ、慰謝料が約6倍に増額

会社代表者の男性が自動車を停車中に追突事故の被害にあい、頸椎捻挫、腰椎捻挫、馬尾神経障害などのため後遺障害12級が認定されました。

加害者側の保険会社は示談金として、418万1323円を提示。

そこで、示談交渉に入る前に被害者の方が異議申立をしたところ、後遺障害7級にアップ。

この時点で被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉を依頼されました。

弁護士と保険会社の交渉が決裂したため訴訟を提起。

裁判では弁護士の主張が認められ、最終的には約6倍に増額の2571万円(自賠責保険分を含む)で解決した事例です。

高次脳機能障害で後遺障害5級、慰謝料が約2750万円増額

20歳の男子大学生の交通事故の事例です。

事故の状況は、友人が運転する自動車に交差点で他の自動車が衝突、後部座席に乗っていた被害者の方が頭部外傷などを負い、高次脳機能障害で7級、外貌醜状で7級の併合5級が認定されたものです。

加害者側の保険会社は既払い金を除き、3343万3581円を提示。

そこで被害者の方が、みらい総合法律事務所に示談交渉を依頼しました。

弁護士が保険会社と交渉したところ、外貌醜状による逸失利益が争点となりましたが、最終的には6100万円で示談解決となりました。

保険会社の当初提示額から約2750万円が増額したことになります。

後遺障害1級で慰謝料が約3500万円増額!

交通事故により脳挫傷などの傷害(ケガ)を負った74歳(女性)の事例です。

ケガの状態がひどく、遷延性意識障害のため植物状態で、後遺障害1級1号が認定されました。

加害者側の保険会社は慰謝料などの損賠賠償金として、5563万2490円を提示。

ご家族が弁護士に相談したほうがいいと判断され、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士から慰謝料などの増額が可能であること、今後の示談交渉の進め方などの説明を受け、ご家族が示談交渉のすべてを依頼されました。

逸失利益の基礎収入、将来介護費、後遺障害慰謝などが争点となり、弁護士と保険会社の交渉は決裂したため、提訴。

裁判でも同じ点で争われましたが、最終的には弁護士の主張が認められ、9000万円で和解となりました。

保険会社提示額から約3500万円増額したことになります。

21歳男性の死亡事故で慰謝料が約3300万円増額

21歳の男性が路上に立っていたところ、走行してきた自動車に衝突された死亡事故です。

ご遺族に対し、加害者側の保険会社は慰謝料などの損害賠償金として、6171万5418円を提示。

みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士から「金額が低すぎる」との意見があったことで、示談交渉を依頼されました。

弁護士が代理人として交渉しましたが決裂したため提訴。

裁判では最終的に、約3300万円増額し、9500万円で解決した事例です。

なお、ケガの部位別の入院慰謝料と後遺障害慰謝の計算などについては、こちらの記事も参考にしてください。

【交通事故の慰謝料】ケガの症状別・計算基準別の相場金額を解説

示談金を相場以上で受け取るには弁護士も活用しよう


ここまで見てきたように、被害者の方がケガを負った部位や年齢などによって慰謝料などの損害賠償金は変わってきます。

加害者側の保険会社は通常では被害者の方が受け取るべき適正な慰謝料などよりも低い金額を提示してきます。

そこで弁護士が代理人として入ると、大幅に増額して解決することがとても多いのです。

交通事故の示談交渉では金額が大きいため、簡単に交渉成立とはなりません。

法的な専門知識が必要ですし、保険のプロである保険会社と話し合いをしていくための高い交渉力も必要です。

ですから、まずは一度、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。

説明に納得されたなら、依頼をするという段取りで進めていけば問題ありません。

被害者の方やご遺族は、難しい示談交渉から解放され、最終的には慰謝料などの増額を手に入れることができるでしょう。

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