後遺障害と死亡事故に特化。交通事故賠償に詳しい弁護士が解説。

脊髄損傷の後遺障害と慰謝料増額事例

最終更新日 2020年 02月21日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

この記事を読んでわかること

この記事では、交通事故による「脊髄損傷」で後遺症が残った場合の後遺障害等級認定や慰謝料等の損害賠償金などについて解説していきます。

私たちは、「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)その他、裁判の現場で裁判官や弁護士等の専門家が参考にすの専門書籍を出版しており、多数の脊髄損傷事案を解決してきました。

その経験を踏まえて、弁護士が専門的見地から、交通事故で脊髄損傷になってしまった時の示談交渉の知識を包括的かつ網羅的に説明していきます。

私たちが実際に解決したオリジナルの事例もご紹介します。

きっとお役に立つ知識があるはずです。

具体的には、この記事を読むことにより、次のことがわかります。

☑脊髄損傷の後遺障害等級
☑後遺障害等級認定の仕組み
☑後遺障害等級の認定基準
☑後遺障害等級が間違っていた時の対処法
☑交通事故の示談交渉における素人と弁護士の違い
☑交通事故の示談金が増額する理由
☑脊髄損傷で弁護士に依頼すると、どの程度増額するのか?
☑弁護士の正しい探し方
☑慰謝料が大幅に増額して解決した実際の事例

交通事故による傷害の中でも重度なものに脊髄損傷があります。

脊髄には重要な神経が通っているため、損傷した場合には手足に麻痺が生じたり、下半身不随や寝たきり状態になってしまう可能性があります。

脊髄損傷を負ってしまった場合、その後の生活、人生は大きく変わってしまいますから、被害者の方とご家族にとっては慰謝料などの損害賠償金の示談交渉が重要になってきます。

そのため、交通事故の脊髄損傷の場合には知っておかなければならないことがたくさんあります。

なぜなら、それらによって、示談金額が大きく違ってきてしまうからです。

これから、交通事故の脊髄損傷になった場合に、知らないと損をする知識について説明していきます。

最後までお読みください。

目次

これから、交通事故の脊髄損傷について解説していきますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう

みらい総合法律事務所の実際の解決事例

まずは、私たちが実際に解決したオリジナルの事例をご紹介します。

「頚髄損傷により四肢麻痺の後遺症を負った46歳男性の事例


46歳男性が頚髄損傷の傷害を負った交通事故の事例です。

治療をしましたが、症状固定により四肢麻痺の後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級は1級1号が認定され、加害者側の保険会社からは示談金として7800万円が提示されました。

はたして、この金額は妥当なものなのかどうか被害者のご家族は判断がつかなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士は「この提示額は低過ぎる。まだまだ増額可能」との見解だったことから、示談交渉の一切を委任しました。

裁判では在宅介護費が争点となりました。

そこで、弁護士が丁寧に主張を積み重ねた結果、最終的には提示額の約3.5倍、約1億9800万円増額の2億7664万2032円で解決することができました。

弁護士に依頼せず示談をしていたら、約2億円も損をしていたことになります。

弁護士を替えたら約9000万円増額した事例


次は、脊髄損傷のような重傷で賠償額が高額の事案においては、弁護士によって獲得できる賠償額が大きく違ってくる場合がある、という事例です。

弁護士を選ぶ際の参考にしていただければと思います。

交通事故で脊髄損傷になり、自賠責後遺障害等級1級が認定された事案です。

被害者は、弁護士に依頼し、第一審の地方裁判所では、約1億4000万円の損害賠償を命ずる判決が出されました。

判決が出た時点で、その金額の妥当性について、みらい総合法律事務所が相談を受けました。

私達が膨大な訴訟資料を大急ぎで検討したところ、将来の介護費用などいくつかの点で立証不足があると判断しました。

そこで、私たちが控訴審を担当し、特に将来の介護費用について丁寧に立証しました。

その結果、高等裁判所では、加害者に対し、約2億3000万円の損害賠償を命じる判決が出されました。

第一審で、約1億4000万円の判決が、控訴審で、約2億3000万円の判決ですので、約9000万円増額したことになります。
これは、脊髄損傷の被害者としては、十分気をつけたいところですね。

こんなことが現実に起こっています。

あなたが提示された示談金額も正しいとは限りません。

そして、脊髄損傷のような重傷事案であればあるほど、示談交渉では主張する金額の差が大きく、弁護士に依頼した方が増額しやすいと言えるでしょう。

そして、弁護士によっても、獲得できる慰謝料額が異なることがある、ということです。

その理由についても解説します。

このように、弁護士に依頼すると、大幅に増額するケースがあります。増額可能かどうか判定しますので、ぜひ一度ご相談ください。提示前でも結構です。


【関連動画】
交通事故の慰謝料は弁護士に依頼をすると、なぜ増額することが多いか?

交通事故発生から損害賠償金の受け取りまでの流れを確認


交通事故の発生から被害者の方が損害賠償金を受け取るまで、交通事故の問題はどのように進んでいくのでしょうか?

被害者の方とご家族には今後やらなければいけない、さまざまな手続きがあります。

それらを、できるだけスムーズに進めていくためにも、まずは全体の流れを理解しておくことが大切です。

「交通事故発生から損害賠償金の受け取りまでの手続きと流れ」

(1)交通事故が発生
 ↓
(2)事故の状況や加害者の身元の確認
 ↓
(3)警察へ通報、実況見分調書の作成への協力
 ↓
(4)被害者、加害者双方の保険会社への連絡
 ↓
(5)入院・通院でケガの治療に専念する
 ↓
(6)主治医から症状固定の診断
 ↓
(7)後遺障害等級が認定され損害賠償額が提示
 ↓
(8)加害者側の任意保険会社との示談交渉が開始
 ↓
(9)示談成立(損害賠償金の受け取り)
 ↓
(10)示談が決裂した場合は最終的には訴訟を提起し、裁判での決着へ

脊髄とは?その仕組みと働きを解説


次に、脊髄についてお話していきたいと思います。

人体の中心には背骨があり、体を支えています。

背骨は一つひとつの脊椎によって構成されており、下から上へ尾椎(3~5椎)、仙椎(5椎)、腰椎(5椎)、胸椎(12椎)、頸椎(7椎)と全部で約30個の脊椎からなっています。

この脊椎の中を通って脳に続く神経幹を脊髄といい、人体の中枢神経系を形成しています。

脊髄の中枢神経は脳からの情報を全身の末梢神経に伝え、同時に末梢神経からの情報を脳に伝えます。

神経は、さまざまな情報を伝達していますが、その中でももっとも重要なのが運動と感覚の情報です。

脊髄は一度傷ついてしまうと再生しないため、交通事故で激しい外力が加わり脊髄が損傷してしまうと、上肢や下肢に麻痺がおこり、手足が動かない、感覚がなくなるといった症状が起きてしまうのです。

【参考情報】日本脊髄外科学会「脊髄・脊椎の位置関係」
http://www.neurospine.jp/original29.html

脊髄損傷の症状と後遺症について


次に、脊髄損傷の具体的な種類や状態などについて見ていきます。

脊髄損傷では、麻痺が生じますが、頸髄損傷では、四肢麻痺、胸髄損傷では体幹と両下肢の対麻痺、腰髄損傷では両下肢の対麻痺が生ずるとされています。

脊髄損傷の種類

脊髄損傷は、その損傷の程度により2種類に分けられています。

①完全麻痺
上肢(手)または下肢(足)が完全硬直、または完全に弛緩した状態。

②不完全麻痺
上肢または下肢を連動させることができても稼働範囲等に問題がある状態。

麻痺の種類

麻痺は、次の4つに分類されます。

①四肢麻痺
上位頸髄損傷、中下位頸髄損傷で生じる。

上位頸髄損傷では呼吸麻痺を伴う。

②片麻痺
左右どちらか片方の手足に麻痺を生じるもの。

③対麻痺
左右両方の手または足に麻痺を生じるもの。

通常は、主に両側の足の麻痺をさす。

胸腰髄損傷で生じる。

④単麻痺
四肢のうち、手足のいずれかのひとつに麻痺を生じるもの。

なお、第2腰椎以下の脊柱内の馬尾神経が損傷された場合でも、下肢の運動麻痺(運動障害)、感覚麻痺(感覚障害)、尿路機能障害又は腸管機能障害(神経因性膀胱障害又は神経因性直腸障害)など、脊髄損傷の場合と同様の障害を生じることから、脊髄損傷に含めます。

麻痺の程度

①高度の麻痺
障害のある上肢または下肢の運動性や支持性がほとんど失われ、物を持ち上げて移動させたり、立ったり、歩行したりといった基本動作ができない程度の麻痺。

<診断基準例>
☑完全強直、またはこれに近い状態にあるもの。

☑上肢においては、三大関節および5つの手指のいずれの関節も自動運動によっては可動させることができないもの、またはこれに近い状態にあるもの。

☑下肢においては、三大関節のいずれも自動運動によっては可動させることができないもの、またはこれに近い状態にあるもの。

☑上肢においては、随意運動の顕著な障害により、障害を残した一上肢では物を持ち上げて移動させることができないもの。

☑下肢においては、随意運動の顕著な障害により、一下肢の支持性および随意的な運動性をほとんど失ったもの。

②中程度の麻痺
障害のある上肢または下肢の運動性や支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限があるもの。

<診断基準例>
☑上肢においては、障害を残した一上肢では仕事に必要な軽量の物(概ね500グラム)を持ち上げることができないもの、または障害を残した一上肢では文字を書くことができないもの。

☑下肢においては、障害を残した一下肢を有するため、杖もしくは硬性装具なしには階段を上ることができないもの、または障害を残した両下肢を有するため、杖もしくは硬性装具なしには歩行が困難であるもの。

③軽度の麻痺
障害のある上肢または下肢の運動性や支持性が多少失われており、基本動作を行なう際の巧緻性および速度が相当程度失われているもの。

<診断基準例>
☑上肢においては、障害を残した一上肢では文字を書くことに困難を伴うもの。

☑下肢においては、日常生活は概ね独歩であるが、障害を残した一下肢を有するため不安定で転倒しやすく速度も遅いもの、または障害を残した両下肢を有するため、杖もしくは硬性装具なしには階段を上ることができないもの。

【参考情報】公益社団法人日本整形外科学会「脊髄損傷」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spinal_cord_injury.html

脊髄損傷で認定される後遺障害等級を解説


脊髄損傷による後遺症は神経系統の障害に分類されるため、認定される後遺障害等級は麻痺の範囲・程度、ならびに食事・入浴・用便・更衣等の生命維持に必要な身の回りの処理動作について、介護が必要かどうか、また、介護の程度(常時介護か随時介護か)などにより、判断されます。

脊髄損傷で認定される後遺障害等級には、重いものから順に次のものがあります。

後遺障害等級1級1号(別表第1)

・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・自賠責保険金額:4000万円 
・労働能力喪失率:100%

<麻痺の範囲と程度>
・高度の四肢麻痺
・高度の対麻痺
・中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
・中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

後遺障害等級2級1号(別表第1)

・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・自賠責保険金額:3000万円 
・労働能力喪失率:100%

<麻痺の範囲と程度>
・中等度の四肢麻痺が認められるもの
・軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
・中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの

後遺障害等級3級3号(別表第2)

・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・自賠責保険金額:2219万円 
・労働能力喪失率:100%

<麻痺の範囲と程度>
・軽度の四肢麻痺が認められるものであって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要しないもの
・中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要しないもの

後遺障害等級5級2号(別表第2)

・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・自賠責保険金額:1574万円 
・労働能力喪失率:79%

<麻痺の範囲と程度>
・軽度の対麻痺
・一下肢の高度の単麻痺

後遺障害等級7級4号(別表第2)

・神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・自賠責保険金額:1051万円 
・労働能力喪失率:56%

<麻痺の範囲と程度>
・一下肢の中等度の単麻痺

後遺障害等級9級10号(別表第2)

・神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・自賠責保険金額:616万円 
・労働能力喪失率:35%

<麻痺の範囲と程度>
・一下肢の軽度の単麻痺

後遺障害等級12級13号(別表第2)

・局部に頑固な神経症状を残すもの
・自賠責保険金額:224万円 
・労働能力喪失率:14%

<麻痺の範囲と程度>
・運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの
・運動性、支持性、巧緻性および速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺

【参考情報】国土交通省「自賠責後遺障害等級表」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

後遺障害等級認定を申請したのに等級が認定されなかったり、本来より低い等級が認定されてしまうケースがあります。

そうした場合は「異議申立」をすることができます。

後遺障害等級認定の手続きは、自賠責保険取り扱い会社や任意保険会社から「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)に書類などを送付し、この機関が行ないます。(実際の調査は全国にある自賠責損害調査事務所が行ないます)

損害保険料率算出機構の調査について、さらに詳しく知りたい方は、以下もご参照ください。

【参考情報】損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
https://www.giroj.or.jp/cali_survey/survey_system.html

異議申立もこの機関に対して申請するのですが、ここで知っておかなければいけないのは、クレームのように「認定された等級に納得がいかない」、「もっと高い等級を認定してほしい」とただ言っても認めてはもらえないことです。

正しい後遺障害等級が認定されるためには、法的、医学的な根拠が必要なのです。

そのため、医師によって自覚症状欄や他覚所見、運動障害などが漏れなく記載された「後遺障害診断書」や、レントゲン画像では確認できなかった箇所が詳しくわかるようなCT画像やMRI画像など、さまざまな書類や資料を提出し直す必要があります。

交通事故で脊髄損傷のように重度の後遺障害が残る場合は、等級が1級違っただけでも数百万円から数千万円も損害賠償金が違ってくる場合があります。

正しい後遺障害等級認定を受けるためには、正しく異議申立することが大切ですから、弁護士に相談することも検討したほうがいいと思います。

そして、脊髄損傷について、正しい後遺障害等級が認定されたら、いよいよ示談交渉の開始です。

異議申立は、後遺障害等級認定システムを熟知し、かつ、医学的知識が必要です。交通事故に精通した弁護士に相談しながら進めましょう


みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例集


ここでは、私たちが交通事故の被害者の方から依頼を受け、示談交渉や裁判を経て、実際に慰謝料増額を勝ち取ったオリジナルの解決事例についてご紹介します。

実際に交通事故の示談交渉はどのように行なわれるのか、経験がなければわからない世界だと思います。

ぜひ、ご自身の状況と照らし合わせながら参考にしていただければと思います。

みらい総合法律事務所の増額事例①:66歳男性の慰謝料等が1億3200万円で解決

66歳の男性が自転車で走行中、交差点を右折してきた自動車に衝突された交通事故。

脊髄損傷による四肢麻痺の後遺症のため、被害者男性は寝たきり状態となってしまい、自賠責後遺障害等級は1級1号が認定されました。

男性とご家族は自分たちでは示談交渉の解決は困難と考え、当事務所に相談・依頼されました。

弁護士が保険会社との交渉を試みましたが、決裂したために訴訟を提起。

裁判では、将来治療費や将来介護費、介護器具等の費用、慰謝料などが争われましたが、裁判所から和解勧告がなされて、最終的には示談金額1億3200万円で和解が成立しました。

みらい総合法律事務所の増額事例②:51歳男性が7級で慰謝料など3500万円獲得

51歳の男性が頚髄損傷の傷害を負った交通事故。

自賠責後遺障害等級は、神経機能障害で7級4号が認定され、加害者側の保険会社は約2200万円の示談金を提示してきました。

被害者男性は交通事故に関する知識がなく、示談金額が妥当なのかどうか判断できなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用して弁護士の見解を聞きました。

弁護士は「まだ増額が可能」と判断したため、被害者男性は弁護士にすべての交渉を依頼することにしました。

弁護士と保険会社が示談交渉を行ない、最終的には約1300万円増額の3500万円での解決となりました。

みらい総合法律事務所の増額事例③:47歳男性が併合2級で約9300万円の増額

47歳の男性が自動車の交通事故により脊髄損傷と下肢切断を負った事例。

後遺症が残ってしまったため、自賠責後遺障害等級認定を申請したところ、脊髄損傷で5級、下肢切断で5級の併合2級が認定され、加害者側の保険会社からは慰謝料などの損害賠償金として約5270万円が提示されました。

この金額が妥当なものかどうか確認したいと考えた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士の見解は「増額可能」とのことだったので、被害者男性は示談交渉などすべてを依頼することにしました。

弁護士と保険会社の交渉では相手側が増額に応じなかったため、提訴して裁判に突入。

裁判では、争点のひとつだった慰謝料について弁護士(裁判)基準では2370万円のところ、ひき逃げ事案であったことが考慮され2600万円が認められるなど、最終的な損害賠償金額は約9300万円増額の1億4590万円で解決となりました。

当初提示額から約2.8倍に増額したことになります。

みらい総合法律事務所の増額事例④:50歳男性が1級で約1億5300万円獲得

交通事故の被害で、50歳の男性が脊髄損傷を負った事例。

治療を行ないましたが、四肢麻痺の後遺症を残して症状固定となり、自賠責後遺障害等級は1級1号が認定されました。

加害者側の保険会社は示談金として約1億600万円を提示しましたが、被害者の方の親族はこの金額で示談すべきかどうか不安になったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士の意見は「増額可能」というものだったため、そのまま示談交渉を依頼されました。

弁護士と保険会社の交渉が決裂したため提訴し、裁判に突入。

裁判では在宅介護費が争点となりましたが、最終的には弁護士の主張が認められ1億5300万円で解決となりました。

当初提示額から約4700万円増額したことになります。

このように、弁護士に依頼すると、大幅に増額するケースがあります。増額可能かどうか判定しますので、ぜひ一度ご相談ください。提示前でも結構です。

脊髄損傷で損害賠償請求できる項目とは?

交通事故による脊髄損傷で四肢麻痺などの後遺症が残った場合に損害賠償請求できる主な項目には、次のようなものがあります。

・治療費
・入院付添費
・入院雑費
・傷害慰謝料
・後遺症慰謝料
・逸失利益
・将来介護費
・将来雑費
・装具・器具等購入費
・車椅子代
・介護ベッド、マットレス等代
・家屋・自動車等改造費
・損害賠償請求関係費など

このうち、いくつかの損害について、説明します。

(1)車椅子

脊髄損傷で腰髄以上で損傷がなされた場合には、一般的に両下肢の対麻痺が生じ、車椅子が必要となる場合があります。

裁判実務においては、現実に車椅子を使っているか、使っているとして、何台の車椅子を使っているか、等を立証していくことになります。

複数の車椅子の使用を認めているものとして、大阪地裁平成19年7月26日判決、名古屋地裁平成18年8月29日判決などがあります。

(2)介護ベッド、マットレス等

布団ではなく、ベッドにすること、電動ベッドにすることにより、介護動作、起居移乗動作等が容易になるので、下肢麻痺があれば認められやすいと言えます。

(3)自宅改造費

トイレ、昇降リフト、バリヤフリー、浴室等、脊髄損傷による日常生活の困難を回避するため、自宅改造が必要となる場合があります。

この場合、裁判実務においては、改造の必要性、支出額の相当性、他の家族も改造による利益を得ていないか、などが争われます。

将来介護費は裁判の争点になりやすい

脊髄損傷では重度の後遺障害が残ってしまうため、被害者の方は他人の介護を受けなければ生活できなくなってしまいます。

そうした場合に認められるのが「将来介護費」です。

将来介護費は次の計算式で算出します。

将来介護費 = 年間の基準額 × 生存可能期間に対するライプニッツ係数

年間の基準額は、職業介護人に介護を依頼した場合は実費全額、近親者が介護を行なう場合には1日につき8000円が目安とされています。

【出典】「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)
https://n-tacc.or.jp/book

実際の金額は、被害者の症状や具体的な看護の状況によって増減します。

複数の介護人が必要な場合などでは、基準よりも高額な介護費が認められるケースもあります。

将来介護費は損害賠償項目の中でも高額になりやすいものです。

また、具体的にどのような介護を行なっているのか、今後どのような介護が必要になるのかなどを証明して費用を算出するため、加害者側の保険会社との間で問題となり、裁判では争いになりやすい項目だといえます。

過去の裁判例では、次のようなものがあります。

脊髄損傷による完全対麻痺、膀胱直腸障害で後遺障害等級1級3号が認定された事例において、裁判所は、
・胸部以下の自動運動ができない
・入浴、排便、衣服の着脱、食事の用意等の介助が必要
として、
・母67歳までは1日8000円
・以降は職業付添人1日1万2000円
を認めた事例があります(東京地裁平成17年10月27日判決、交通事故民事裁判例集38巻5号1455頁)。

脊髄損傷による四肢麻痺、呼吸筋麻痺等で後遺障害等級1級1号が認定された事例において、裁判所は、
・体重90キロであること
・痙性でいきなり手足が硬直することがあること
等から、
・妻60歳までは職業介護1.5名分1日2万1000円と妻8000円の合計1日2万9000円
・以降は職業介護人2名分1日2万8000円
を認めました(大阪地裁平成19年4月10日判決、自保ジャーナル1688号13頁)。

したがって、裁判では、将来介護費用についての立証活動がとても重要ということになります。

将来介護費用が認められるのは、一般的には1級と2級が認定された場合です。

しかし、3級以下の場合にも介護の必要性を立証することにより将来介護費用が認められる場合があります。

相場にかかわらず、介護が必要な事情がある場合には、主張するようにしましょう。

なお、この場合、示談交渉では難しいので、弁護士に依頼して裁判になるでしょう。

過去の裁判例を紹介します。

頸髄損傷で左手指巧緻運動障害、左下肢脱力、左手握力低下等により9級10号が認定された57歳男性について、一人での服の着脱、荷物の持ち運び、字を書くこと、入浴時に自分の身体を洗うこと等が困難であり、随時妻の介護を要するとして、1日4000円を認めた事例
(大阪地裁平成21年8月25日判決・交民42巻4号1051頁参照)

第5頸髄損傷により軽度四肢麻痺で3級3号が認定された67歳女性について、入浴全介助、衣類の着脱時、日常生活動作についても随時介護が必要として、1日5000円を認めた事例
(名古屋地裁平成23年10月14日判決・交民44巻5号1338頁参照)

慰謝料には3つの種類がある

交通事故の被害にあった場合に請求できる慰謝料には「傷害慰謝料」、「後遺障害慰謝料」、「死亡慰謝料」の3つがあります。

慰謝料には過去の裁判例などから決まっている基準があり、大体の相場があります。
たとえば、後遺障害慰謝料の相場金額は次のようになっています。

「裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額」

後遺障害等級 慰謝料
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

すでに保険会社から示談金の提示がある場合、内訳に記載されている後遺障害慰謝料の金額を見てみてください。

たとえば、後遺障害等級1級の後遺障害慰謝料の相場金額は2800万円ですから、これより低い金額が記載されているなら、それは加害者側の任意保険会社の理屈と都合で計算されたもので低すぎる、ということになります。

さらに、事情によっては、上記の相場より慰謝料が増額するケースもあります。

過去の裁判例では、脊髄損傷による四肢麻痺により後遺障害等級1級が認定された60歳女性の事例で、慰謝料相場2500万円のところ、本人分3000万円、夫の分600万円の合計3600万円が認められた事例もあります(徳島地裁平成28年8月25日判決・交通事故民事裁判例集49巻4号1024頁)。

したがって、慰謝料の増額事由がないかどうか、必ず弁護士に相談しながら進めることが大切です。

なぜ保険会社は慰謝料などで低い金額を提示してくるのか?

実は、保険会社を示談交渉をすると、保険会社が提示してくる示談金額は、適正賠償額より低い金額であることが多い、ということをご存じでしょうか?

それには理由があります。

営利法人の保険会社の場合は、その大きな目的は利益を上げることです。

そのため、被害者に示談金(損害賠償金)を支払うことは会社としては支出になるので、できるだけ低くしたいのが本音です。

そうした理由から、示談金を低く提示してくるわけです。

もうひとつの問題は、こうした事実を知らない被害者の方が保険会社の提示額のまま示談を成立させてしまっているケースが後を絶たない、という事実です。

交通事故の被害にあって、後遺症が残ってしまい精神的、肉体的につらい思いをしているうえに、本来より低い金額の損害賠償金しか受け取ることができないのでは、被害者にとってはさらに大きな損害を被ることになってしまいます。

特に、脊髄損傷のような重傷事案では、私たちが入ることによって、保険会社提示額から数千万円増額することも少なくありません。

被害者としては、こうした事態は避けるべきだと思います。

なぜ弁護士が示談交渉に入ると損害賠償金額が増額するのか?

慰謝料増額事例集からもおわかりいただけるように、弁護士が示談交渉に入ると慰謝料などの損害賠償金額が増額する可能性が高くなります。

それは、なぜなのでしょうか?

(1)慰謝料などの算出には3つの基準があるから

まず、知っておいていただきたいことは、慰謝料などの損害賠償金の計算には次の3つの基準が使われていることです。

①自賠責基準
自賠責保険に基づく基準で、3つの基準の中ではもっとも低い金額になります。

②任意保険基準
各任意保険会社が、それぞれ独自に設定している内部基準です。

③弁護士(裁判)基準
これまでの実際の交通事故の裁判例から導き出された損害賠償金の基準で、裁判をした場合に認められうる基準です。

3つの基準の中では、もっとも高額になります。

(2)民間の保険会社は利益を追求する営利法人だから

自賠責保険は対人保険制度であり、すべての運転者が加入する義務がある強制保険です。

一方、任意保険は民間の保険会社が運営するものです。

自動車の所有者やドライバーが、自賠責保険金だけでは被害者への損害賠償金がすべて賄えない事態に備えて加入するものです。

前述したように、民間の保険会社は営利法人です。

営利法人は、利益を上げることがその経営の目的です。

利益を上げるために必要なのは、法人の収入を増やして、支出を減らすことですから、保険会社は自賠責基準か任意保険基準で計算した低い金額の損害賠償金を提示してくるわけです。

(3)弁護士はもっとも高額な弁護士(裁判)基準を主張するから

そもそも、被害者の方が手にするべきなのは弁護士(裁判)基準で計算した金額です。

そのため、弁護士が加害者側の保険会社と示談交渉する際は、この基準で計算した金額を主張していきます。

示談が決裂すれば弁護士は提訴して裁判に持ち込みますが、この弁護士(裁判)基準には法的根拠があるので、裁判で認められる可能性が高くなります。

そのため、弁護士が示談交渉に入ると慰謝料などの損害賠償金が増額する可能性が高くなるのです。

実際の解決事例を読んでいただくと、弁護士に依頼することで大きく増額するケースがあることがわかると思います。ぜひ一度ご相談ください


弁護士が頼りになる理由と依頼するメリットとは?

脊髄損傷のような重大な後遺障害を負った被害者の方とご家族が、慰謝料などの損害賠償金でさらに損害を被ることは避けなければいけません。

そのためには、ぜひ弁護士に相談・依頼することを検討してください。

弁護士に相談・依頼すべき理由は、7つあります。

①被害者と弁護士は利害が一致する
②刑事事件への適切なアドバイスをしてくれる
③適正な弁護士基準で示談交渉をしてくれる
④被害者が示談交渉するよりも示談金が増額することが多い
⑤煩わしい保険会社との示談交渉から解放される
⑥裁判すると、実は賠償額が増えるカラクリがある
⑦弁護士費用を保険会社が払ってくれるシステムがある

被害者の方には、ぜひこれらのメリットを手に入れて、今後の人生を進んでいっていただきたいと思います。

いちばん大切なのは脊髄損傷に強い弁護士を選ぶこと


弁護士を選ぶ際に、もっとも大切なこと、それは交通事故に強い、後遺障害等級に強い弁護士に相談・依頼することです。

通常、弁護士には医師などと同様に専門分野や得意分野がありますから、交通事故が専門外の弁護士に頼んでも、被害者の方が望む結果が得られないどころか、マイナスにもなりかねません。

弁護士であれば誰でもいいというわけではないことを知ってください。

特に、脊髄損傷の慰謝料額は、億単位での高額の請求になることも多いです。

過失割合が10%違うと1千万円単位で金額が違ってきてしまいます。

また、損害項目も多岐にわたりますので、漏らしては損をしてしまいます。

したがって、弁護士を選ぶ際には、交通事故に精通し、かつ、脊髄損傷に関する高度の知識を持っている弁護士を探すことをおすすめします。

ここでは、そのような弁護士を探す際のヒントを説明します。

ポイントは、

☑交通事故に強い
☑脊髄損傷に詳しい

という点です。

まず、【交通事故に強い】という点では、以下の点に注意してみましょう。

  • 交通事故に関する専門書を出版しているか
  • 解決実績は豊富か
  • 代表弁護士の経験年数が豊富か
  • 報道番組から「交通事故の専門家」として取材を受けているか
  • 専門特化しているか

弁護士のホームページで上記の点を確認してみるといいでしょう。

(1)交通事故に関する専門書を出版している

裁判所や弁護士が業務を行う際に参考にする法律専門書を出版するには、相当量の専門書や裁判例等を研究しなければいけません。

そして、裁判官や弁護士がその書籍を購入してくれるには、その分野の専門家として認知されていることが必要です。

したがって、交通事故に関する専門書を出版している弁護士は交通事故に強いと考えていいでしょう。

(2)解決実績は豊富か

交通事故の案件も経験を様々な事案を経験しなければ、適切な処理ができません。

豊富な解説実績があるかどうかは、有効な判断基準となります。

(3)代表弁護士の経験年数

ご自身の仕事を考えていただくといいでしょう。

いくら一生懸命勉強しても、長年の経験がないと、思わぬところでミスをすることがあります。

したがって、法律事務所の代表弁護士の経験年数にも注目しましょう。

(4)報道番組から「交通事故の専門家」として取材を受けているか

報道番組が交通事故に関して報道する際、専門家を探すのですが、専門家ではない弁護士を紹介すると、大変なことになってしまいます。

また、間違ったコメントをされても大変です。

したがって、慎重に探しますので、報道番組から「交通事故の専門家」として取材を受けていれば、交通事故の強いと推測ができるでしょう。

(5)専門特化しているか

医師が専門を細分化して、専門性を高めているように、弁護士も専門を細分化すればするほど専門性が高まります。

専門を細分化しているかどうかも調べてみましょう。

ちなみに、みらい総合法律事務所は、

  • 交通事故の専門書を何冊も出版しています。
  • 代表弁護士が25年以上の豊富な経験があります。
  • 交通事故の相談を年間1000件以上扱っています。
  • ニュース番組から「交通事故の専門家」として取材を受けています。
  • 死亡事故と後遺障害に特化して、更に専門性を高めています。

そして、【脊髄損傷に詳しいか】という点では、なんといっても、「脊髄損傷に関する法律専門書」を出版しているか、がポイントになるでしょう。

私たちみらい総合法律事務所は、

「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)

という法律専門書を出版していますが、このような書籍を出版していれば、脊髄損傷について研究している、ということがわかります。

以上の点に注意して、弁護士を探すようにしましょう。

私たちは、交通事故問題の専門家集団として、さまざまな後遺症と死亡事故の事案に特化して専門性を高めています。

それは、交通事故に強い弁護士でなければ執筆できない次のような重傷事案に関する専門書も出版していることからも、おわかりいただけると思います。

「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)
「交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)

なお、みらい総合法律事務所では無料相談を随時受け付けています。

交通事故に強い、経験豊富な弁護士たちがお話を伺い、適切なアドバイスを致しますので、まずは無料で相談をしてみて、納得のいく回答が得られたり、信用できる弁護士だと感じられたら正式に依頼されるとよいと思います。

交通事故の後遺障害等級認定や示談交渉などでお困りの方は、ぜひ一度、みらい総合法律事務所にご相談ください。

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