【物損】交通事故に遭い、車両に損害が生じたため修理した場合、事故歴がついて評価が下がってしまったことは損害として認められますか?<弁護士解説>

最終更新日 2015年 09月26日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

交通事故における評価損について、弁護士が解説します。

交通事故歴がついて評価が下がってしまったり、被害車両の修理をしても外観や機能に欠陥が生じてしまった場合には、評価損が発生していることになります。評価損とは、具体的には、交通事故前の車両価格と、事故後の車両価格の差額を指します。

評価損については、事案によって認められる場合と、認められない場合があります。評価損が認められた裁判例には、下記のものがあります。

  • 被害車両がメルセデスベンツE430である事案で、当該車両は高級車であり、新車登録から4ヵ月しか経過しておらず、走行距離も2,856㎞程度で、損傷がひどく修理費も高額だったこと等から、修理費の30%を評価損として認めた事例(東京地裁平成23年3月29日判決)
  • 被害車両がランボルギーニ・ディアブロSE30(150台の限定生産車)である事案で、当該車両は生産から10年以上経過しているものの、その希少性から愛好者の間で需要が高く、転売価値があるとして、修理費の30%を評価損として認めた事例(大阪地裁平成19年12月20日判決)
  • 被害車両が米国製乗用車で、事故歴があることにより評価損が発生するとして、車両本体に対しては10%、修理費に対しては30%を目安として評価損を認めた事例(札幌地裁平成11年1月28日判決)

上記裁判例に対し、評価損が認められなかった裁判例は下記のものがあります。

  • 被害車両がフォルクスワーゲン・ゴルフの事案で、当該車両は高級外車で新車登録から2年弱経過したにとどまるが、走行距離が45,814㎞と比較的多いこと、損傷が比較的軽微であり部品交換によって修復可能であること等から、評価損を否定した事例(東京地裁平成15年8月28日判決)
  • 被害車両がトヨタ・スープラの事案で、当該車両は登録から12年以上経過していること、損傷が比較的軽微で修理により完全に修復されたこと等から、評価損を否定した事例(東京地裁平成16年4月22日判決)

以上、交通事故の評価損については、少し難しいので、弁護士にご相談ください。