【物損】交通事故により営業車が使用できなくなった場合、営業していれば得られたであろう収益は損害として認められますか?<弁護士解説>

最終更新日 2015年 09月26日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

交通事故で営業者が被害にあった場合の問題について、弁護士が解説します。

交通事故の被害車両が営業車両の場合に、車両の修理や買い替えをする間営業ができなかった場合、車両を運行して営業していれば得られたであろう利益のことを休車損害といいます。

営業車両とは、タクシー、ハイヤー、路線バス、観光バス、営業用貨物トラックなど、主に緑ナンバーの車両を指します。これらの車両は、営業する場合は許認可が必要であったりするため、代車を使用することが通常困難であることから、修理や買い替えの期間に車両が使えなかったことによって営業上の損害が生じた場合には、休車損害が認められます。
なお、代車を使用して営業することが可能である場合は、代車使用料が損害となります。

また、代車ではなくても、被害車両以外に代替可能な車両(遊休車)があり、それを使用して営業ができる場合には、休車損害は認められません。ただし、たとえ遊休車を有していたとしても、保有車両の稼働率や、運転手の人数、勤務体制、業務の受注体制等の事情から、遊休車を使用することが容易でない場合にまで所有者に遊休車を利用する義務を負わせるのは相当でないとした裁判例もあります。(大阪地裁平成10年12月17日判決)

休車損害が認められる場合、算定式は以下の通りです。

(1日当たりの売上 - 1日当たりの支出を免れた経費)×(休車期間)

1日当たりの売上は、事故前3ヶ月の平均売上を基準とするのが多いようです。ただし、被害車両が、観光バスなどのように季節によって売上が変動するような場合には、1年間の売上を考慮して同時期の平均売上を基準とすることが合理的でしょう。

支出を免れた経費とは、被害車両が通常通り運行していれば支出したはずのガソリン代、車両修繕費、有料道路通行料等が該当します。これに対し、自動車保険料や駐車場使用料などは、運行の有無に関係なく支払わなければならない経費ですので、控除されません。

休車期間は、被害車両の修理または買い替えに要する相当な期間について認められます。裁判例では、警察の科学的検証のため事故から16日間警察署に被害車両が留置されていた事案で、留置期間も含めた期間について休車損害を認めたものもあります。(名古屋地裁平成15年5月16日判決)

以上、交通事故で営業車が使用できなくなった場合の問題について、弁護士が解説しました。

営業車の被害について問題になった時は、弁護士にご相談ください。