【逸失利益】自営業者が交通事故により死亡した場合、逸失利益はどのように算定されますか?<弁護士解説>

最終更新日 2015年 09月26日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

交通事故の死亡逸失利益について、弁護士が解説します。

死亡逸失利益とは、交通事故による死亡のため労働ができなくなって収入を得ることができなくなったために失われる利益のことです。

死亡逸失利益の計算式は下記のようになります。

基礎収入 × (1-生活費控除率) × 就労可能年数に対するライプニッツ係数

基礎収入

基礎収入とは、交通事故に遭い死亡しなければ労働により将来得られたであろう収入です。

自営業者や農林水産業者などの事業所得者の場合、原則として事故前年度の確定申告所得額によって基礎収入を算定します。

問題となるのは、確定申告をしていないケースです。

確定申告をしていない場合でも、相当の収入があったと認められる場合には、賃金センサスの平均賃金などを参考に認められる可能性があります。相当の収入があったことに関しては、帳簿、伝票、領収書、通帳等の資料を提出して立証していくことになります。

また、確定申告をしていても、税金対策等のため過少申告をしていた場合に、現実の収入額を基礎収入とできるかについてですが、認められない可能性が高いと考えます。自らの納税義務を果たしていないのに、被害を受けた場合にのみ権利を主張するという姿勢は、裁判所の判断においても通常認められないからです。もし現実の収入額を基礎収入としたい場合には、修正申告をしなければなりません。

生活費控除

生活費控除とは、生きていればかかったはずの生活費分を、基礎収入から差し引くことです。民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)に記載の生活費の控除率は下記の通りです。

  • 一家の支柱(被扶養者1人)の場合…40%
  • 一家の支柱(被扶養者2人以上)の場合…30%
  • 女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合…30%
  • 男性(独身、幼児等含む)の場合…50%

就労可能年数

就労可能年数は、原則として67歳までとします。
ただし、職種等によって、67歳を過ぎても就労することが可能であったと考えられる事情がある場合には、67歳を超えた分についても認められることがあります。

ライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは、将来受け取るはずであった収入を前倒しで受け取るため、将来の収入時までの年5%の利息を複利で差し引く係数のことをいいます。専門的には、中間利息を控除する、という言い方をします。

具体的な計算については、少し難しいので、弁護士にご相談ください。