交通事故により、大切にしていた愛車に損害が生じた場合、物損の他に、愛車に傷をつけられたことに対する慰謝料を請求することはできますか?

最終更新日 2014年 01月29日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故により物損が生じた場合、物損に対する慰謝料は、原則として認められません。

慰謝料は交通事故により被った肉体的・精神的な苦痛を緩和するために支払われる金銭ですので、自動車が傷つけられたとしても、修理や買換え等によって損害を回復することができるため、それにより精神的な苦痛も回復できると考えられるからです。

したがって、交通事故により大切にしていた愛車を傷つけられた場合、愛車を傷つけられて精神的損害を被ったと主張しても、それに対する慰謝料は原則として認められません。

裁判例では、メルセデス・ベンツの車両損害に対する慰謝料が請求された事案で、被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情がなければ認められないとしています。(大阪地裁平成1年3月24日判決)

なお、自動車の損害ではありませんが、例外的に物損に対する慰謝料が認められた裁判例には、以下のものがあります。

・トラックが民家に衝突し、家屋と庭に損害が生じた事案について、家屋と庭の補修代の他に、慰謝料50万円を認めたもの。(岡山地裁平成8年9月19日判決)

・霊園の墓石等に衝突し、墓石の倒壊により骨壺が露出する等した事案について、墓地等が通常所有者にとっての敬愛追慕の念の対象となるという特殊性に鑑み、慰謝料10万円を認めたもの。(大阪地裁平成12年10月12日判決)

・交通事故により被害者が制作した陶芸作品が損壊した事案について、財産的損害は否定したが、陶芸作品が代替性のない芸術作品の構成部分であること等から、慰謝料100万円を認めたもの。(東京地裁平成15年7月28日判決)

無料相談対象(取扱事案)について
  • 後遺症編
  • 死亡事故編