交通事故における自賠責保険の被害者請求とは?

最終更新日 2014年 02月12日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

自賠責保険の被害者請求とは、交通事故の被害者が、加害者の自賠責保険会社に直接損害賠償額の支払いを請求する手続のことをいいます。これに対し、加害者が自賠責保険会社に対し、被害者に支払った損害賠償額を請求する手続を加害者請求といいます。

もともと保険という制度は、契約者が保険金を請求するものですので、被害者に対する損害賠償額を加害者が支払った場合に、加害者から自賠責保険会社に対して請求する加害者請求が本来のかたちといえます(自動車損害賠償保障法15条)。

しかし、加害者請求しかできないとすると、加害者が支払いを拒んでいる場合等は被害者の救済が図れず、被害者の保護という自動車損害賠償保障法の目的を達することができません。そこで、被害者保護のため、契約当事者ではない被害者が、直接加害者の自賠責保険会社に請求できるという被害者請求権を認めたのです(自動車損害賠償保障法16条)。

被害者請求は、①仮渡金請求と②本請求の2種類があります。

①仮渡金請求

加害者が治療費等の損害賠償金の支払いを行わないなどの場合に、当面の治療費や生活費等に充てる目的で請求することができるのが仮渡金です。金額は、死亡事故の場合は290万円、それ以外の場合は、傷害の程度に応じて、40万円・20万円・5万円と分かれています。被害者のみが請求可能で、請求できるのは1度だけです。

②本請求

治療が完了した場合や、後遺症が残り症状固定し全損害額が確定した段階で請求することができるのが、本請求です。金額は、死亡事故の場合は3000万円、傷害による損害の場合は120万円、介護を要する後遺障害の場合は4000万~3000万円、その他の後遺障害の場合は1級から14級の後遺障害等級に応じて3000万円~75万円となっています。

請求する場合は、加害者の加入している自賠責保険会社に必要書類を提出します。主な必要書は下記の通りです。被害者本人でなくても、被害者から委任を受けた者は委任状を提出すれば請求することができます。なお、以前は内払金請求というものがありましたが、現在では本請求と統一されています。

<被害者請求の主な必要書類>

・支払請求書兼支払指図書
・交通事故証明書
・交通事故発生状況報告書
・診断書または死亡診断書
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
・休業損害証明書
・印鑑証明書
・委任状(被害者本人でない者が請求するとき)
・戸籍謄本(死亡事故の時)
・後遺障害診断書(後遺障害が残った時)
・レントゲン、MRI画像等

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