夫(40歳、妻と子3人、年収600万円)が交通事故で死亡しました。慰謝料額はいくら?

最終更新日 2014年 02月14日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故で死亡した場合、損害賠償額として請求できる項目は、主に以下のものがあります。

①葬儀費

②死亡逸失利益

③慰謝料

④弁護士費用(裁判をした場合)

上記①~④以外でも、即死ではなく、治療の後に死亡した場合は、実際にかかった治療費、付添看護費、通院交通費等を請求することができます。また、損害賠償を請求する際に必要な診断書、診療報酬明細書、交通事故証明書等の文書の取得にかかった費用も、損害賠償関係費として請求できます。

では、上述の被害者が交通事故で死亡した場合の損害賠償額がいくらになるのかを具体的にみていきましょう。

弁護士が依頼を受けて交渉や裁判を行う場合、日弁連交通事故相談センターが出している書籍「民事交通事故訴訟損害賠償算定基準」(通称「赤い本」と言います)を参考にして損害賠償額を算定します。この赤い本に書かれている基準を「裁判基準」といいます。以下の金額は裁判基準によりますが、通常、保険会社が示談の段階で提示する金額は裁判基準より低い場合がほとんどですので、注意が必要です。

①葬儀費

原則150万円で、下回る場合は実際に支出した額となります。

②死亡逸失利益

死亡逸失利益は下記の計算式で算定します。

基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

基礎収入とは、交通事故で死亡しなければ将来にわたり労働により得られたであろう収入です。

生活費控除とは、生きていれば支出したはずの生活費分を、基礎収入から差し引くことです。生活費控除率の目安は、被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合は40%、一家の支柱で被扶養者2人以上の場合は30%、女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合30%、男性(独身、幼児等含む)の場合は50%となっています。

就労可能年数は、原則67歳までです。ただし、職種、能力、地位等によって、67歳を過ぎても就労することが可能であったと考えられる事情がある場合には、67歳を超えた分についても認められることがあります。

ライプニッツ係数とは、損害賠償の場合、将来受け取るはずであった収入を前倒しで受け取るため、将来の収入時までの年5%の利息を複利で差し引く係数のことをいいます。

したがって、40歳、年収600万円で、被扶養者が妻と子供3人の被害者の場合の死亡逸失利益は、基礎収入600万円、生活費控除率30%、就労可能年数は、40歳から67歳までの27年間(ライプニッツ係数14.643)となり、計算式は以下のようになります。

6,000,000円×(1-0.3)×14.643=61,500,600円

③慰謝料

慰謝料は、被害者が一家の支柱の場合は2800万円、母親・配偶者の場合は2500万円、その他(子供、成人独身者、高齢者等)の場合は2000万円~2500万円が相場です。

今回の被害者は一家の支柱ですので、2800万円とします。

なお、妻子など近親者の慰謝料も数百万円程度認められますが、この場合は本人分の慰謝料額が減額され、全体の慰謝料額として金額の調整がなされます。

④弁護士費用

弁護士に依頼して裁判で損害賠償を請求した場合は、請求認容額の10%程度が弁護士費用として認められます。これは実際にかかった弁護士費用とは無関係です。

上述した請求額は、

1,500,000円(葬儀費用)+61,500,600円(死亡逸失利益)+28,000,000円(慰謝料)
=91,000,600円

となりますので、弁護士費用は91,000,600円の10%の9,100,000円
となります。

以上から、40歳、男性、妻と子3人、年収600万円の被害者が交通事故で死亡した場合の損害賠償額の合計は、

 1,500,000円(葬儀費用)+61,500,600円(死亡逸失利益)+28,000,000円(慰謝料)+9,100,000円(弁護士費用)

=100,100,600円

となります。

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