交通事故で後遺障害等級認定される人、されない人の違いとは

【目次】

●交通事故における後遺障害の等級認定とは
●交通事故における後遺障害等級認定の手続とは
・後遺障害等級認定を行うのはだれか
・後遺障害等級をいつ申請するのか
・後遺障害等級認定の申請の方法
・後遺障害の事前認定とは
・後遺障害の被害者請求とは
●交通事故で後遺障害が認定されるためには
・後遺障害等級が認定されるためのポイント
・後遺障害証明の具体例
●交通事故で後遺障害の認定が正しくされなかったとき
・後遺障害等級認定の異議申立とは
・後遺障害等級に関する紛争処理申請とは
●弁護士など専門家への相談のすすめ

交通事故における後遺障害の等級認定とは

誰も交通事故に遭いたい人はいないと思います。

それでも遭ってしまうのが交通事故です。

交通事故でケガをして、治療をしても、障害が残ってしまうこともあります。

いわゆる「後遺症」というものです。

交通事故の損害賠償では、後遺症を「後遺障害」という等級に分類して損害を計算します。

交通事故の被害者は、わからないことだらけでしょう。

☑後遺障害とは何なのか?
☑自分は、後遺障害が残ったと言えるのか?
☑自分の後遺障害等級は何級か?
☑どうしたら、高い後遺障害等級が認定できるのか?
☑後遺障害が認定される診断書の書き方は?
☑後遺障害等級が間違っているときはどうしたら?
☑後遺障害で高い慰謝料をもらえる方法は?

今回は、とても難しい後遺障害等級について、わかりやすく解説していきます。

これから、後遺障害について解説していきますが、その前に、交通事故解決のプロセス全体がわかる無料小冊子をダウンロードしておきましょう。


交通事故でケガをした場合には、まずは治療をすることになります。

治療をしつつも、その間に警察の事情聴取等に対応しなければなりません。

そして、保険会社から治療費等を払ってもらいながら治療をし、治療が終わっても、完全に治らず、「後遺症」が残ってしまうことがあります。

「後遺症」が残った場合には、今後苦痛が続くわけですから、その分の慰謝料などを増額してもらわなければなりません。

そのためには、「どの程度重い」後遺症なのかを判定しなければなりません。
それが、「後遺障害等級認定」です。

交通事故における後遺障害の等級認定とは、交通事故によりケガをした被害者に残った後遺症を、ケガをした部位や程度により類型化した表に基づいて評価し、○○級○○号というように認定することをいいます。

後遺障害等級は、自賠法施行令に定められており、1級~14級までに区分されています。

このうち、後遺障害等級1級が最も重い後遺障害ということなり、慰謝料など賠償金額も高額となります。

たとえば、後遺障害等級1級というのは、四肢麻痺や遷延性意識障害などで寝たきりになったような場合、両眼失明など、重篤な後遺症が残った場合に認定されることになります。

後遺症というのは、簡単にいえば、治療を行ったけれども治らなかった症状のことです。

たとえば、交通事故によって両足を膝関節以上で切断するというケガをしてしまった場合、治療を行っても切断してしまった足は元に戻ることはありませんので、足の切断という後遺症が残った、ということになります。

この場合の自賠責後遺障害等級は、1級5号(両足を膝関節以上で切断した場合)が認定されます。

片足を膝関節以上で切断した場合は、後遺障害等級4級5号です。

交通事故のケガでもっとも多いのは、頸椎捻挫や腰椎捻挫ですが、この場合、後遺症としては、神経症状が残ることになります。

この場合の後遺障害等級は、12級13号か、14級9号、ということになります。

交通事故の被害者に残ってしまった障害を後遺障害等級表にあてはめて、等級を認定することになります。

そして、認定された後遺障害等級に応じて、慰謝料や逸失利益などが計算されることになりますので、後遺障害等級認定手続は、とても大切な手続きということになります。

ここで、後遺障害等級認定の手続が、いかに大切なのか、について、実際の例を見ながら説明してみます。

これは、みらい総合法律事務所で実際に解決した事例です。

後遺障害等級が間違っていて慰謝料が4.8倍に!

56歳男性が、骨折等の傷害を負い、左肩関節機能障害の後遺症を残し、自賠責後遺障害等級12級6号が認定されました。

保険会社は、被害者に対し、示談金として248万9233円を提示していました。

そこで、被害者は、みらい総合法律事務所に示談金が妥当かどうか、相談をしました。

当事務所で検討したところ、示談金の前に、そもそも後遺障害等級12級6号の認定が間違っていると判断しました。

そこで、損保料率機構に異議申立をしたところ、後遺障害等級は10級10号にあがりました。

そして、弁護士が保険会社と交渉し、最終的に、1211万円で解決しました。

後遺障害等級がアップしたことにより、示談金が、約4.8倍に増額したことになります。

後遺障害等級が間違っていて慰謝料が18倍に!

男性が、交通事故で右膝骨折の傷害を負い、自賠責後遺障害等級14級10号が認定されました。

保険会社からは、示談金額として、248万6647円が提示されました。

被害者が、みらい総合法律事務所に示談金の妥当性について相談したところ、

「後遺障害等級14級が認定されていますが、12級に上がるかもしれません。」

と言われたため、依頼。

弁護士が新たな資料を付けて、異議申立をしたところ、12級13号が認定されました。

その結果、最終的には、4500万円で和解が成立しました。

保険会社の提示額が約248万円です。

これが4500万円になったわけですから、なんと18倍に増額したことになります。

これらの例を見ると、いかに後遺障害等級が大切なのかご理解いただけると思います。

そして、いかに素人では判断が難しいか、もおわかりいただけるかと思います。

後遺障害等級が正しいかどうかは、法律知識だけでなく、医学的知識も必要となります。後遺障害事案を専門的に扱う弁護士に相談してみましょう。


下記のURLは、国土交通省の後遺障害等級表です。

これを見るとわかるように、後遺障害等級は身体の部位や程度に応じて、細かく決められています。

自分に残った後遺症が、後遺障害等級表のどこに該当するのか、を正しく理解することが、正しい後遺障害等級の認定につながることになります。

交通事故における後遺障害等級認定の手続とは

後遺障害等級認定を行うのはだれか

では、「後遺障害等級」は、誰が認定するのでしょうか?

後遺障害等級は、「損害保険料率算出団体に関する法律」という法律に基づいて設立された「損害保険料率算出機構」(略称「損保料率機構」)という団体が認定しています。

具体的な調査については、全国の都道府県庁所在地等に設置した自賠責損害調査事務所が行っています。

後遺障害等級をいつ申請するのか

症状固定とは

後遺障害等級を認定してもらうためには、損保料率機構に対し、後遺障害等級の申請を行わなければなりません。

申請を行うタイミングは、「症状固定」という診断がされてからです。

症状固定とは、簡単にいうと、これ以上治療を続けても治療効果が上がらないと医師が判断することです。

症状固定と判断されると、後遺症が残った、ということになります。

症状固定と診断され、後遺症が残ってしまった場合には、医師に「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」(以下「後遺障害診断書」とします)を書いてもらいます。

この後遺障害診断書と、その他それまでの治療の診断書などの医学的な資料を提出して、自分の後遺症が後遺障害等級の何級何号に当たるのかを審査してもらい、後遺障害等級認定に進むことになります。

交通事故を解決するには、色々な手続があり、多くの知識が必要となります。交通事故発生から解決までに必要な知識をざっと知りたい方は、以下の無料小冊子をダウンロードしてください。

症状固定とするときの注意点

症状固定は、被害者の治療の状態をみて医師が判断することになるのですが、その判断は簡単ではないことも多いです。

たとえば、打撲や骨折後に生じる運動障害や、むち打ちや脊椎の損傷等から生じる神経障害などは、その日によって症状の程度が変わっていたりと、治療効果が上がっているのかどうか、微妙なこともあります。

このようなときに、加害者の任意保険会社の担当者や弁護士から、「治療期間が半年を過ぎてますから、そろそろ症状固定として後遺障害等級の申請をした方がいいですよ」と言われることもあります。

あるいは、「もう症状固定なので、治療を打ち切りますよ」と言われることもあります。

しかし、保険会社に言われるままに安易に症状固定としてはいけません。

ここで一番覚えておいてほしいことは、症状固定とすると、その時点で被害者の交通事故による損害が確定したということになる、ということです。

つまり、症状固定とした後、やっぱり治療をしてもらうとよくなっているからもっと治療を続けようと思って治療を続けても、原則として症状固定後の治療費は加害者に請求できませんので、自腹で支払わなければなりません。

また、入通院に関する慰謝料は入通院期間を基に算定しますが、入通院期間とは、治療を開始した日から症状固定日までとなりますので、その後通院したとしても、それに対する慰謝料や交通費、休業損害等も加害者に請求できません。

さらに、治療期間が短いことで、症状もそれほど深刻なものではないのだろうと評価されてしまって、後遺障害等級が認定されない、ということもあり得ます。

被害者にこのような知識がないまま症状固定としてしまうと、後遺障害等級の認定にも影響がおよび、もらえるはずの治療費がもらえなかったり、慰謝料額が少なくなってしまったりと、被害者の方が損をしてしまうことになってしまいます。

 
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このように、症状固定というのは、非常に重要な意味を持ちますので、本当に治療によってもう改善の余地はないのかどうか、医師とよく話し合って決めることが大切です。

保険会社が症状固定をすすめてきたとしても、まだ治療効果が上がっているのであれば、医師からまだ治療が必要であることを保険会社に伝えてもらったり、その旨の診断書を書いてもらったりして、治療を継続すべきです。

そのためには、治療の段階から医師に自覚症状や治療の効果について伝えたりとよくコミュニケーションをとり、良好な関係を作っておくことも大切になってきます。

また、たとえ保険会社が「これ以上治療を継続するなら、治療費の支払いはできません」と言って治療費の支払いを打ち切ったとしても、治療効果がでているうちは自分で治療費を立て替えて支払い、後日、後遺障害等級が認定されれば、立て替えた治療費を請求することができます。

後遺障害等級の判断は、専門的知識が必要です。後遺障害などを専門的に扱う弁護士に相談するには、こちらから


 

後遺障害等級認定の申請方法

損保料率機構に対する後遺障害等級認定の申請方法としては、事前認定被害者請求という2つの方法があります。

後遺障害の事前認定とは

後遺障害等級の事前認定とは、交通事故の加害者の加入している任意保険会社を通して申請する方法です。

自動車の保険は、強制保険である自賠責保険と、任意で加入する任意保険があります。

自賠責保険は支払われる保険金が定額制となっていて、自賠責保険では足りない分を補うのが任意保険です。

任意保険会社は、任意一括払いサービスとして、任意保険会社の負担分の損害賠償額と、本来自賠責保険で支払われるべき損害額を、被害者に一括して支払う方法をとっている場合が多いです。

任意保険会社が一括払いを行う場合は、被害者に賠償金額を支払った後で、自賠責保険に本来自賠責保険会社が負担するべき金額を請求することになりますが、もし自賠責保険の支払の対象にならない部分まで任意保険会社が支払ってしまうと、任意保険会社が損をしてしまいます。

ですので、被害者の後遺症が、自賠責保険の後遺障害等級に該当するかどうか、該当する場合は後遺障害等級で何級に認定されるのかを自賠責保険に事前に確認しておくことが必要になるのです。

このように、任意保険会社が支払の前に後遺障害等級を確認するという意味で、任意保険会社を通して申請することを事前認定というのです。

事前認定のメリットは、後遺障害等級の申請手続を加害者の任意保険会社が行ってくれるので、被害者が自分ですることは特になく、手続きが楽であるということです。

デメリットは、保険会社が主導で行うため、被害者が後遺障害等級についての知識などがないまま手続きが進められてしまい、どのような書類が提出されているのかなどが把握できなかったり、提出書類に不足があったために正しい後遺障害等級が認定されない場合があったりすることです。

交通事故の損害賠償額は、認定された後遺障害等級を基に算定されますので、書類に不足があったために実際の症状より軽く評価されてしまい、低い後遺障害等級しか認定されなかったり、そもそも後遺障害はないとして後遺障害等級が認定されなかったりした場合には、損害賠償額が本来もらえる額より少なくなってしまい、被害者が損をすることになってしまいます。

後遺障害の被害者請求とは

被害者請求とは、被害者が、加害者の加入している自賠責保険会社に直接申請し、後遺障害等級の認定を受ける方法をいいます。

加害者の加入している自賠責保険会社に連絡をして、後遺障害等級認定に関する被害者請求に関する資料一式を送ってもらい、そこに書かれている方法に従って必要書類を自賠責保険会社に提出します。

主な必要書類は以下のとおりです。

  • 支払請求書兼支払指図書
  • 交通事故証明書
  • 交通事故発生状況報告書
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 休業損害証明書
  • 印鑑証明書
  • 委任状(被害者本人が請求できないとき)
  • 自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
  • レントゲン、MRI画像等
  • その他症状を裏付ける検査結果や意見書等の医学的な資料

後遺障害等級における被害者請求のメリットは、事前認定のように任意保険会社を通さないので、被害者が申請の主導権を握ることになり、手続きの流れや、提出する資料などを被害者が把握することができることです。

また、後遺障害等級が認定されれば、等級に応じた損害賠償金が自賠責保険会社から被害者に直接支払われますので、最終的な示談の前にまとまった金額を受け取ることができ、その後の交渉を余裕をもって進めることができるという点も挙げられます。

デメリットは、被害者が自分で請求を行うので、提出する資料を集めたりと手続に手間がかかることです。

また、後遺障害等級の審査は、基本的に提出された書類のみで審査され、提出していない書類はないものとして扱われるため、自分の症状を裏付けるような診断書を提出していなかったり、診断書は提出したけれども自覚症状等の欄に十分な記載がなかったり、必要な検査や画像診断を行っていなかったりと、資料が不足していると、適正な後遺障害等級が認定されないことです。

ただし、上述したように、このデメリットは事前認定の場合も同様です。

交通事故で後遺障害が認定されるためには

後遺障害等級が認定されるためのポイント

後遺障害等級が認定されるためのポイントは、自分のどの部位のどのような症状が、後遺障害等級の表の何級何号に当てはまる可能性があるのかを把握し、その等級が認定されるために必要な要件を満たす医学的な資料を集めることです。

自分で自覚している症状のことを「自覚症状」、その自覚症状を証明する検査結果や画像など医学的な資料からの医師の所見のことを「他覚所見」と言いますが、後遺障害等級が認定されるためには、この自覚症状と他覚所見、画像などが必要になります。

そして、自覚症状と他覚所見が一致していることが必要です。
 

後遺障害証明の具体例

たとえば、肘を骨折して、肘関節が動かしづらくなったという後遺症が残った場合には、まずは肘を動かしづらいという自覚症状があることになります。

この自覚症状に当てはまる可能性のある後遺障害等級は、12級6号の「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」、あるいは10級10号の「1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」の2つあるということを調べます。

12級と10級では、10級の方が重い後遺障害になるのですが、後遺障害等級の表の記載上は、「著しい」という文言が入っているかどうかの違いだけです。

しかし、実際に後遺障害等級が認定されるための要件は、12級6号の場合は、「骨折した側が健康な側の4分の3に可動域が制限されていること」、10級10号の場合は、「骨折した側が健康な側の2分の1に可動域が制限されていること」となっています。

後遺障害診断書に、ただ「肘関節骨折」と記載してあるだけでは上記の後遺障害等級は認定されません。

肘を動かしづらいという自覚症状の記載と、それを証明する他覚所見が必要です。

他覚所見は、肘関節の可動域に関する屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋等の検査をしてもらって、それぞれ何度になるかを記載してもらい、その可動域が4分の3に制限されているのか、2分の1に制限されているのかを証明することと、骨折が確認できるレントゲン等の画像などがあることです。

このような検査や画像の診断を、何も言わなくても医師が必ずやってくれるとは限りません。

また、角度を測るのに、分度器を使わずに目測で記載してしまう、という医師も実際にいました。

当たり前のことですが、医師は治療を行うのが仕事ですので、交通事故による後遺障害等級のことをよく知らないというのが普通です。

したがって、医師が必要な検査をしてくれていないのであれば、検査をして後遺障害診断書に記載してくれるように、被害者側でお願いしなければいけないのです。

被害者がこのようなことを知らずに、自覚症状や他覚所見の記載が不十分なまま診断書等を提出した場合、当然ながら適正な後遺障害等級が認定されません。

調査事務所では、提出された書類をもとに審査をするだけであり、わざわざ被害者に上位の後遺障害等級が認定されるように努力してはくれません。

つまり、交通事故の被害者が後遺障害等級に関する正しい知識を持って、必要な資料を整え、提出しなければ、正しい後遺障害等級は認定されない、ということになってしまうのです。

同じように、たとえば、むち打ちで首の痛みや手足のしびれなどの自覚症状が残った場合、神経症状の後遺症として、14級9号の「局部に神経症状を残すもの」あるいは12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に当てはまる可能性がありますが、後遺障害診断書に、「頚椎捻挫」等の診断名と、首の痛み等の自覚症状が書いてあるだけでは、後遺障害等級は認定されません。

後遺障害等級12級13号と14級9号の違いは、医学的に証明できているかどうかです。

したがって、後遺障害等級12級13号は医学的に証明できた場合、14級9号が医学的に証明できたとまでは言えないが、医学的に推定できる場合です。

12級13号に認定されるためには、MRI画像で神経根の圧迫等が確認でき、神経学的検査で画像と整合性のある個所に陽性の結果が出ていることなど、症状と他覚所見、画像などにより症状が医学的に証明されることが必要ですので、これらの所見や検査結果が後遺障害診断書に記載されている必要があります。

後遺障害等級14級9号に認定されるためには、画像や神経学的検査では証明できないけれども、ケガをしたときの状態や治療の経過、自覚症状の経過等から継続性、一貫性があり、症状が事故によるケガが原因であることが医学的に推定できることが必要ですので、それらが確認できるような後遺障害診断書や診断書等を提出しなければなりません。

上記はほんの一例です。

後遺障害の内容は多岐にわたっており、一つのケガからも人によっていろいろな自覚症状がでると思いますので、後遺障害等級の認定を申請する際には、それぞれの症状について必要な他覚所見を漏れなく集めて提出することが大切です。

ですので、後遺障害等級の要件を満たすように、医師に検査をお願いしたり、書面を書いてもらったり、レントゲンやMRI画像を撮ってもらったりと、被害者側が積極的に資料を集める努力が必要になります。

交通事故で正しい後遺障害等級を認定されることが、素人にはとてもハードルが高いことであることがご理解いただけたものと思います。

正しい後遺障害等級が認定されるためには、医学的知識と自賠責後遺障害等級認定システムの知識が必要です。ぜひ一度ご相談ください。


交通事故で後遺障害の認定が正しくされなかったとき

後遺障害等級の申請をした場合、書類不備がなければ通常1~2ヵ月(重傷の場合や判断が難しい場合はさらに数ヵ月かかる場合もあります)で審査の結果が送られてきます。

後遺障害等級の審査は、損保料率機構が行っていますが、結果は、事前認定で申請した場合には加害者の任意保険会社から、被害者請求で申請した場合には申請先の自賠責保険会社から送られてきます。

上述したように、後遺症が残った場合に、自分の目指す後遺障害等級の基準を満たす資料を漏れなく提出していれば、目指した後遺障害等級が認定されると思いますが、事前認定で任意保険会社に任せきりでどのような書類を提出しているかまったく知らなかったり、被害者請求を自分で行ったけれども、基準を満たす資料に漏れがあったりした場合には、納得のいく結果がでないことになります。

そうなってしまった場合の対処方法としては、後遺障害等級について異議申立をすること、あるいは紛争処理申請をすることがあります。

なぜ、異議申立までして、正しい後遺障害等級認定を受けなければならないのでしょうか?

それは、後遺障害等級が間違っていると、被害者が受け取ることができる慰謝料などの賠償金の金額が大きく違ってきて、被害者が大損する恐れがあるからです。

みらい総合法律事務所が解決した事例を紹介しましょう。

ある男性が、交通事故に遭い、右膝骨折の傷害を負い、神経症状の後遺症が残り、自賠責後遺障害等級14級9号が認定されました。

保険会社は、この後遺障害等級14級9号を前提として、慰謝料などの示談金額として、2,486,647円が提示しました。
被害者が、示談金額の妥当性について、みらい総合法律事務所の無料相談を利用しました。

みらい総合法律事務所の弁護士が被害者から詳しく事情を聞き、また、資料を検討したところ、後遺障害等級14級9号は誤りであり、12級13号が認定されるべきではないか、と考えました。

そこで、被害者は弁護士に依頼し、異議申立をしたところ、12級13号が認定されました。

その結果をもって保険会社と交渉しましたところ、最終的には、4500万円で裁判上の和解が成立しました。

保険会社が正当な示談金として提示した慰謝料などは、2,486,647円であったのに、最終的に被害者が獲得した金額は、4500万円です。

賠償金が約18倍に増えたことになります。

このように、後遺障害等級が違うことにより、慰謝料など賠償金が大きく違ってくるので、必ず正しい後遺障害等級認定を受けなければならないのです。

医学的知識や自賠責後遺障害等級認定システムに関する知識がなければ、正しい後遺障害等級を認定してもらうことは難しいものです。ここまでで、「まずは、弁護士に無料相談してみよう」と思った方は、こちらから。


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後遺障害等級認定の異議申立とは

後遺障害等級の異議申立とは、審査を行った損保料率機構に対して、異議申立書等の書類を提出して、再度後遺障害等級の申請をすることです。

異議申立書については、決まった形式はありませんが、ポイントは、審査結果の理由等をよく読んで、なぜ後遺障害等級が認定されなかったか、あるいは認定されているとしても自分が目指していた後遺障害等級よりも低い等級になってしまったのはなぜかをよく検討し、その理由を覆すような新たな医学的な資料を提出することです。

たとえば、後遺障害等級が認定されなかった理由が、「他覚的所見に乏しい」ということであれば、新たな検査結果や画像、医師の診断書、意見書等の書面を提出しなければなりません。

異議申立は何度でもすることができますが、この審査結果に納得できないという不満や苦情、自覚症状がどんなにつらいかなどについて書いた書面だけを提出しても、結果は変わりませんので注意が必要です。

異議申立をするには、後遺障害等級に関する審査基準を熟知し、それを立証するための医学的検査を認識した上で、医証を集める必要があります。

この点についても、素人では難しいと言わざるを得ないでしょう。
 

後遺障害等級に関する紛争処理申請とは

紛争処理申請とは、損保料率機構とは別の機関である「自賠責保険・共済紛争処理機構(以下「紛争処理機構」とします)」というところに、紛争処理申請書等の書類を提出して、後遺障害等級の申請をすることです。

紛争処理機構は、自賠責保険や共済保険の支払いに関し、被害者や保険会社等との間で生じた紛争について、公正かつ適確な解決による被害者の保護を目的として設立された指定紛争処理機関です(自動車損害賠償保障法23条の5)。

損保料率機構に新たな資料も提出して異議申立を何度かしたけれど結果が変わらなかったという場合でも、紛争処理機構では適正な後遺障害等級が認定されるということもあります。

この場合、保険会社は、紛争処理機構の出した結果に従わなければなりません。

損保料率機構への異議申立は、時効期間内であれば何度でも行うことができるのに対し、紛争処理機構への申請は一度きりしかできませんので、注意が必要です。

紛争処理申請をしても納得のいく結果が出なかった場合には、裁判を起こすしかなくなります。

弁護士など専門家への相談のすすめ

交通事故によるケガで後遺症が残った場合、損害賠償金額は、認定された後遺障害等級を基準に計算されます。

後遺障害等級が重いほど損害賠償金額は高額になりますので、後遺障害等級認定されなかったり、認定されたとしても低い等級であったりすると、本来もらえるはずの損害賠償金よりも、何百万、場合によっては1000万円以上も少ない金額になってしまったりすることもあります。

実際に、みらい総合法律事務所で解決した事例をご紹介します。

31歳女性が、交通事故で怪我をして、外貌醜状と機能障害の後遺症が残り、自賠責後遺障害等級で、外貌醜状7級と機能障害12級が認定されたという事案です。

保険会社は、被害者の過失が大きいので、すでに治療中に支払った治療費や休業損害を合計すると、これ以上払うものはない、として、示談金の支払いを拒否してきました。

みらい総合法律事務所で被害者から相談を受けたところ、後遺障害等級が間違っているのではないか、との結論になり、異議申立をしました。

その結果、自賠責後遺障害等級は、上肢機能障害が12級から10級にアップしました。

そして、この件は、最終的には当事務所の主張が認められ、4,296万円で解決しました。

保険会社から支払を拒絶された事例が、異議申立の結果、後遺障害等級が変わり、その結果、0円と提示された賠償金が4,296万円も増えたのです。

被害者だけだったら、どうしたらよいかもわからなかったでしょう。

そのまま諦めたら、4000万円以上も損をしたことになります。

ですので、後遺障害等級が何級なのかというのは非常に重要になってくるのですが、今まで説明を読んでいただければわかる通り、適正な後遺障害等級に認定してもらうためには、自覚症状が後遺障害等級の何級に該当するのか、それを証明するために必要な他覚所見はなにかなど、後遺障害等級に関する知識や、高度な医学的知識が必要になるのです。

一般の方が独学で知識を得るのはとても大変ですし、後遺症に苦しめられている被害者の方には、さらに酷なことだと思います。

ですので、後遺症を認めてもらうための裁判を行いたい方はもちろんですが、治療中でも後遺症が残りそうな方や、後遺障害等級の申請をしたいと思っている方、認定された後遺障害等級が適正なものかどうか判断してもらいたい方、申請結果に納得がいかない方などは、必ず一度は交通事故に詳しい弁護士などの専門家へご相談されることを強くおすすめしています。

ただ、弁護士であれば誰でも大丈夫というわけではありません。

これまで説明してきたとおり、正しい後遺障害等級を認定してもらうためには、自賠責の後遺障害等級の認定基準を熟知し、その基準を満たすための医学的な知識を必要とします。

ところが、弁護士は、法律の専門家であり、後遺障害等級基準や医学の専門家ではありません。

弁護士業務の中でも、交通事故の後遺障害は専門的な分野になるため、後遺障害事案の解決実績がある弁護士でないと、わからなかったり間違ったりすることもよくありますので注意してください。

私たちの法律事務所は、交通事故による後遺症と死亡事故に専門特化しており、無料相談もお受けしています。

すでに他の弁護士に相談しているという方でも、セカンドオピニオンのようなかたちでご相談いただいてももちろん大丈夫です。

起きてしまった交通事故をなかったものにすることはできませんが、せめて被害者の方が適正な後遺障害等級と損害賠償金額を得て、少しでも納得のいく解決ができるよう、私たちの知識と経験をぜひ活用していただければと思います。

ここまで読んで、「まずは、弁護士に無料相談してみよう」と思った方は、こちらから。