正しい後遺障害等級が認定される人、されない人の違いとは

最終更新日 2021年 01月01日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

この記事を読むと次のことがわかります

まず、あなたに知っておいていただきたいことは、後遺障害等級が間違っていると、被害者の方は、事故により怪我などの損害を被った上、適正な賠償額を得られずさらに損害を被る、ということです。

現実に、後遺障害等級が間違って認定されることが起こっています

私たち、みらい総合法律事務所では、年間1000件以上の被害者の方々から相談を受け、多くの交通事故の損害賠償事件を解決してきました。

そこで、この記事では、正しい後遺障害等級が認定される人、されない人の違いについて、まずは実際に私たちが依頼を受け、解決したオリジナルの事例などを紹介しながら、

☑自賠責後遺障害等級が正しく認定されることの重要性
☑後遺障害等級が正しく認定されるための方法

などについて解説していきたいと思います。

この記事を読むと次のことがわかります。

☑交通事故における後遺症と後遺障害等級の意味
☑後遺障害等級が間違っていると、どのくらい損をするのか
☑自分の後遺障害等級は何級か?
☑後遺障害等級認定の手続
☑後遺障害等級認定で重要なこと
☑後遺障害等級が間違っていた場合の対処法
☑後遺障害で高い慰謝料を受け取る方法
☑後遺障害等級認定を弁護士に相談したほうがいい本当の理由

交通事故で後遺症が残ってしまった方には、きっと役立つ情報です。

ぜひ、最後まで読んでください。

交通事故における後遺障害等級認定とは?

交通事故でケガをした場合、まずは保険会社から治療費等を払ってもらいながら治療をすることになります。

そして、治療をしつつも、その間に警察の事情聴取等に対応しなければなりません。

しかし、ケガが完全に治らず「症状固定」となり、「後遺症」が残ってしまうことがあります。

その場合には、これからの人生で苦痛が続くわけですから、その分の慰謝料などを支払ってもらう必要がありますが、そのためには「どの程度重い」後遺症なのかを判定しなければなりません。

それが、「後遺障害等級認定」です。

後遺障害等級は、交通事故でケガをした被害者に残った後遺症を、ケガをした部位や程度により類型化した表に基づいて評価し、〇級〇号というように認定されます。

後遺障害等級は1級~14級までに区分されていて、1級がもっとも重い後遺障害で、慰謝料などの賠償金額も高額になります。

たとえば、後遺障害等級1級は四肢麻痺や遷延性意識障害などで寝たきりになったような場合や両眼失明など、重篤な後遺症が残った場合に認定されます。

交通事故によって両足を膝関節以上で切断するというケガをしてしまった場合、治療を行なっても切断してしまった足は元に戻ることはありませんので、足の切断という後遺症が残った、ということになり1級5号が認定されます。

なお、片足を膝関節以上で切断した場合は、後遺障害等級4級5号です。

交通事故のケガでもっとも多いのは頸椎捻挫や腰椎捻挫です。

この場合、後遺症としては神経症状が残ってしまい、後遺障害等級は、12級13号か14級9号、ということになります。

認定された後遺障害等級に応じて、慰謝料や逸失利益などが計算され、損害賠償金トータルの金額が算出されることになるので、後遺障害等級認定の手続はとても大切です。

解決事例①:正しい後遺障害等級が認定されたことで慰謝料などが約4300万円も増額

31歳の女性が、交通事故で負ったケガのため外貌醜状と上肢機能障害の後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級でそれぞれ7級と12級が認定されたという事案です。

保険会社は、「被害者の過失が大きい」として、「すでに治療中に支払った治療費や休業損害を合計すると、これ以上払うものはない」と主張して示談金(損害賠償金)の支払いを拒否してきました。

被害者の方から相談を受け、みらい総合法律事務所で検討した結果、「後遺障害等級が間違っているのではないか」との結論になり、被害者の方は異議申立から示談交渉までのすべてを依頼されました。

異議申立の結果、後遺障害等級は上肢機能障害が12級から10級にアップしました。

その後、弁護士が保険会社と交渉しましたが決裂したため提訴。

最終的には裁判で当事務所の主張が認められ、約4300万円で解決した事例です。

解決事例②:異議申立により後遺障害等級がアップして慰謝料などが約18倍に増額

交通事故による右膝骨折で後遺症を負った男性の事例です。

自賠責後遺障害等級14級10号が認定され、加害者側の保険会社から示談金額として、248万6647円が提示されました。

金額に疑問を感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士から「後遺障害等級14級は12級に上がる可能性があります」との意見があったため、すべての手続きを依頼されました。

弁護士が新たな資料を付けて異議申立をしたところ、後遺障害等級は12級13号が認定されました。

その結果、最終的には、4500万円で相手側と和解が成立。

保険会社の当初提示額から、なんと約18倍に増額したことになります。

被害者の方は、あやうく約4250万円を損してしまうところだったわけです。

こうした事例を見ると、いかに後遺障害等級が大切なのかご理解いただけると思います。

そして、被害者の方だけで判断、交渉していくのがいかに難しいかもおわかりいただけるかと思います。

その他の解決事例はこちらから⇒ https://www.jikosos.net/topics

後遺障害等級が正しいかどうかは、法律知識だけでなく、医学的知識も必要となります。後遺障害事案を専門的に扱う弁護士に相談してみましょう。


交通事故における後遺障害等級認定の手続きについて

後遺障害等級認定を行なうのは誰か

後遺障害等級は、「損害保険料率算出団体に関する法律」という法律に基づいて設立された「損害保険料率算出機構」(略称「損保料率機構」)という団体が認定しています。

具体的な調査については、全国の都道府県庁所在地等に設置した自賠責損害調査事務所が行なっています。

【参考情報】損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
https://www.giroj.or.jp/cali_survey/survey_system.html

なお、下記のURLは、国土交通省の後遺障害等級表です。

後遺障害等級は、身体の部位や程度に応じて細かく決められています。

ご自身の後遺症が後遺障害等級表のどこに該当するのかを正しく理解することが、正しい後遺障害等級の認定につながることになります。

後遺障害等級はいつ申請するべきか

後遺障害等級認定を受けるためには、損保料率機構に対し、後遺障害等級の申請を行ないます。

申請を行うタイミングは、「症状固定」の診断がされてからです。

症状固定とは、これ以上治療を続けても治療効果が上がらないと医師が判断することです。

症状固定と診断されると、「後遺症が残った」ということになるので、医師に「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」(以下「後遺障害診断書」とします)を書いてもらいます。

後遺障害診断書と、その他それまでの治療の診断書などの医学的な資料を提出して、自分の後遺症が後遺障害等級の何級何号に当たるのかを審査してもらい、後遺障害等級認定に進むことになります。

症状固定の判断での注意点

症状固定は、治療の状態をみて医師が判断することになるのですが、その判断は簡単ではないことも多いです。

たとえば、打撲や骨折後に生じる運動障害や、むち打ちや脊椎の損傷等から生じる神経障害などは、その日によって症状の程度が変わるため、治療効果が上がっているのかどうか微妙なこともあります。

このときに、加害者側の任意保険会社の担当者や弁護士から、「治療期間が半年を過ぎていますから、そろそろ症状固定として後遺障害等級の申請をしたほうがいいですよ」と言われることもあります。

あるいは、「もう症状固定なので、治療を打ち切りますよ」と言われることもあります。

しかし、保険会社に言われるままに安易に症状固定としてはいけません。

なぜなら、症状固定とすると、その時点で被害者の方の交通事故による損害が確定したことになるからです。

症状固定とした後、「状態がよくなっているから、もっと治療を続けたい」と思っても、原則として症状固定後の治療費は加害者に請求できないので、自腹で支払わなければなりません。

また、入通院に関する慰謝料にも問題が起きてきます。

この慰謝料は入通院期間をもとに算定します。

入通院期間とは、治療を開始した日から症状固定日までとなるので、症状固定後に通院したとしても、慰謝料や交通費、休業損害等は加害者に請求できません。

さらに、治療期間が短いことで、症状もそれほど深刻なものではないのだろうと評価されてしまって、後遺障害等級が認定されない、ということもあり得ます。

こうした知識がないまま症状固定としてしまうと、後遺障害等級認定にも影響がおよび、もらえるはずの治療費がもらえなかったり、慰謝料額が少なくなってしまったりと、被害者の方が損をしてしまうことになってしまうので注意が必要です。

保険会社が症状固定をすすめてきたとしても、まだ治療効果が上がっているのであれば医師とよく話し合い、まだ治療が必要であることを保険会社に伝えてもらったり、その旨の診断書を書いてもらったりして、治療を継続すべきです。

そのためには、治療の段階から医師に自覚症状や治療の効果について伝えるなどのコミュニケーションをとり、良好な関係を作っておくことも大切になってきます。

なお、保険会社が「これ以上治療を継続するなら、治療費の支払いはできません」と言って治療費の支払いを打ち切ったとしても、治療効果がでているうちは自分で治療費を立て替えて支払い、後日、後遺障害等級が認定されれば、立て替えた治療費を請求することができます。

後遺障害等級認定の申請には2つの方法がある

損保料率機構に対する後遺障害等級認定の申請方法としては、事前認定被害者請求という2つの方法があります。

「事前認定」

事前認定とは、交通事故の加害者の加入している任意保険会社を通して後遺障害等級の申請をする方法です。

自動車の保険は、強制保険である自賠責保険と、任意で加入する任意保険があります。

自賠責保険は支払われる保険金が定額制となっていて、自賠責保険では足りない分を補うのが任意保険です。

任意保険会社は任意一括払いサービスとして、自社の負担分の損害賠償額と、本来自賠責保険で支払われるべき損害額を被害者に一括して支払う方法をとっている場合が多いです。

任意保険会社が一括払いを行なう場合は、被害者に賠償金額を支払った後に自賠責保険に本来自賠責保険会社が負担するべき金額を請求することになりますが、もし自賠責保険の支払の対象にならない部分まで任意保険会社が支払ってしまうと、任意保険会社が損をしてしまいます。

そのため、被害者の後遺症が自賠責保険の後遺障害等級に該当するかどうか、該当する場合は何級に認定されるのかを自賠責保険に事前に確認しておくことが必要になるので、事前認定といいます。

メリットは、加害者側の任意保険会社が後遺障害等級の申請手続を行なってくれるので、被害者の方がすることは特になく、手続きが楽であるということです。

デメリットは、保険会社が主導で行なうため、被害者の方が後遺障害等級についての知識などがないまま手続きが進められてしまい、どのような書類が提出されているのかなどが把握できなかったり、提出書類に不足があったために正しい後遺障害等級が認定されない場合があったりすることです。

「被害者請求」

被害者請求とは、被害者が加害者の加入している自賠責保険会社に直接申請し、後遺障害等級の認定を受ける方法です。

加害者の加入している自賠責保険会社に連絡をして、後遺障害等級認定の被害者請求に関する資料一式を送ってもらい、そこに書かれている方法に従って必要書類を自賠責保険会社に提出します。

主な必要書類は次のとおりです。

•支払請求書兼支払指図書
•交通事故証明書
•交通事故発生状況報告書
•診断書
•診療報酬明細書
•通院交通費明細書
•休業損害証明書
•印鑑証明書
•委任状(被害者本人が請求できないとき)
•自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
•レントゲン、MRI画像等
•その他症状を裏付ける検査結果や意見書等の医学的な資料

メリットは、事前認定のように任意保険会社を通さないので、被害者の方が申請の主導権を握ることになり、手続きの流れや提出する資料などを把握することができることです。

また、後遺障害等級が認定されれば、等級に応じた損害賠償金が自賠責保険会社から直接支払われるので、最終的な示談の前にまとまった金額を先に受け取ることができ、余裕をもってその後の交渉を進めることができるという点もあげられます。

デメリットは、被害者の方が自分で請求を行なうので、提出する資料を集めたりと手続に手間がかかることです。

後遺障害等級認定は、基本的に提出された書類のみで審査され、提出していない書類はないものとして扱われるため、自分の症状を裏付けるような診断書を提出していなかったり、診断書は提出したけれど自覚症状等の欄に十分な記載がなかったり、必要な検査や画像診断を行なっていなかったりと、資料が不足していると適正な後遺障害等級が認定されないことに注意が必要です。

交通事故で正しい後遺障害等級が認定されるために大切なこと

正しい後遺障害等級が認定されるためのポイント

後遺障害等級が正しく認定されるためのポイントは、自分のどの部位のどのような症状が、後遺障害等級表の何級何号に当てはまる可能性があるのかを把握し、その等級が認定されるために必要な要件を満たす医学的な資料を集めることです。

自分で自覚している症状のことを「自覚症状」、その自覚症状を証明する検査結果や画像など医学的な資料からの医師の所見のことを「他覚所見」といいます。

後遺障害等級が認定されるためには、この自覚症状と他覚所見、画像などが一致していることが必要になります。

後遺障害証明の具体例

「肘関節の後遺障害の場合」

たとえば、肘を骨折して、肘関節が動かしづらくなったという後遺症が残った場合には、まずは肘を動かしづらいという自覚症状があることになります。

この自覚症状に当てはまる可能性のある後遺障害等級は、12級6号の「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」、あるいは10級10号の「1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」の2つあるということを調べます。

12級より10級のほうが重い後遺障害になるのですが、後遺障害等級表の記載上は、「著しい」という文言が入っているかどうかの違いだけです。

しかし、実際に後遺障害等級が認定されるための要件は、12級6号の場合は、「骨折した側が健康な側の4分の3に可動域が制限されていること」、10級10号の場合は、「骨折した側が健康な側の2分の1に可動域が制限されていること」となっています。

後遺障害診断書に、ただ「肘関節骨折」と記載してあるだけでは上記の後遺障害等級は認定されないので、肘を動かしづらいという自覚症状の記載と、それを証明する他覚所見が必要なのです。

他覚所見は、肘関節の可動域に関する屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋等の検査をしてもらって、それぞれ何度になるかを記載してもらい、その可動域が4分の3に制限されているのか、2分の1に制限されているのかを証明することと、骨折が確認できるレントゲン等の画像などがあることです。

このような検査や画像の診断を、何も言わなくても医師が必ずやってくれるとは限りません。

また角度を測るのに、分度器を使わずに目測で記載してしまう、という医師も実際にいました。

当たり前のことですが、医師は治療を行なうのが仕事ですので、交通事故による後遺障害等級のことをよく知らないというのが普通です。

したがって、医師が必要な検査をしてくれていないのであれば、検査をして後遺障害診断書に記載してくれるように、被害者側でお願いしなければいけないのです。

被害者の方がこのようなことを知らずに、自覚症状や他覚所見の記載が不十分なまま診断書等を提出した場合、当然ながら適正な後遺障害等級が認定されません。

調査事務所では、提出された書類をもとに審査をするだけであり、わざわざ被害者に上位の後遺障害等級が認定されるように努力してはくれないからです。

「むち打ちの場合」

むち打ちで首の痛みや手足のしびれなどの自覚症状が残った場合、神経症状の後遺症として、14級9号の「局部に神経症状を残すもの」、あるいは12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に当てはまる可能性がありますが、後遺障害診断書に、「頚椎捻挫」等の診断名と、首の痛み等の自覚症状が書いてあるだけでは、後遺障害等級は認定されません。

後遺障害等級12級13号と14級9号の違いは、医学的に証明できているかどうかです。

後遺障害等級12級13号は医学的に証明できた場合であり、14級9号は医学的に証明できたとまでは言えないが医学的に推定できる場合です。

12級13号が認定されるためには、MRI画像で神経根の圧迫等が確認でき、神経学的検査で画像と整合性のある個所に陽性の結果が出ていることなど、自覚症状と他覚所見、画像などにより症状が医学的に証明されることが必要ですので、これらの所見や検査結果が後遺障害診断書に記載されている必要があります。

後遺障害等級14級9号に認定されるためには、画像や神経学的検査では証明できないが、ケガをしたときの状態や治療の経過、自覚症状の経過等から継続性、一貫性があり、症状が事故によるケガが原因であることが医学的に推定できることが必要ですので、それらが確認できるような後遺障害診断書や診断書等を提出しなければなりません。

後遺障害の内容は多岐にわたっており、一つのケガからも人によっていろいろな自覚症状がでるので、後遺障害等級認定を申請する際には、それぞれの症状について必要な他覚所見を漏れなく集めて提出することが大切です。

つまり、交通事故の被害者の方が後遺障害等級に関する正しい知識を持って、必要な資料を整えて提出しなければ、正しい後遺障害等級は認定されないのです。

後遺障害等級の要件を満たすように、医師に検査をお願いしたり、書面を書いてもらったり、レントゲンやMRI画像を撮ってもらったりと、被害者側が積極的に資料を集める努力が必要になります。

交通事故で正しい後遺障害等級を認定されるには、とてもハードルが高いことがご理解いただけたと思います。

正しい後遺障害等級が認定されなかった場合の対処法

書類の不備がなければ通常は1~2ヵ月(重傷の場合や判断が難しい場合はさらに数ヵ月かかる場合もあります)で、事前認定で申請した場合には加害者側の任意保険会社から、被害者請求で申請した場合には申請先の自賠責保険会社から審査の結果が送られてきます。

先にお話したように、自分の目指す後遺障害等級の基準を満たす資料を漏れなく提出していれば目指した後遺障害等級が認定されると思いますが、事前認定で任意保険会社に任せきりでどのような書類を提出しているかまったく知らなかったり、被害者請求を自分で行なったが基準を満たす資料に漏れがあったりした場合には、納得のいく結果がでないことになります。

そうなってしまった場合の対処方法としては、後遺障害等級について「異議申立」をすること、あるいは紛争処理申請をすることがあります。

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後遺障害等級認定の異議申立とは

【動画解説】交通事故の後遺障害等級が間違っている?(かなり損です)

後遺障害等級の異議申立とは、審査を行なった損保料率機構に対して、異議申立書等の書類を提出して、再度、後遺障害等級の申請をすることです。

異議申立書については、決まった形式はありません。

ポイントとしては、まず審査結果の理由等をよく読んで、なぜ後遺障害等級が認定されなかったのか、あるいはなぜ自分が目指していた後遺障害等級よりも低い等級になってしまったのかをよく検討します。

そして、その理由を覆すような新たな医学的な資料、たとえば再検査結果や画像、医師の診断書、意見書等の書面を提出します。

異議申立は何度でもすることができますが、審査結果に納得できないという不満や苦情、自覚症状がどんなにつらいかなどについて書いた書面だけを提出しても、結果は変わらないので注意が必要です。

異議申立をするには、後遺障害等級に関する審査基準を熟知し、それを立証するための医学的検査を認識した上で、医証を集める必要があります。

望む結果が得られなければ、結局は慰謝料額も変わりませんし、時間だけを浪費することになります。

異議申立をする際は、交通事故の後遺障害に強い弁護士に依頼することで結局は良い結果を得られると思います。

後遺障害等級に関する紛争処理申請とは

紛争処理申請とは、損保料率機構とは別の機関である「自賠責保険・共済紛争処理機構(以下「紛争処理機構」とします)」というところに、紛争処理申請書等の書類を提出して、後遺障害等級の申請をすることです。

紛争処理機構は、自賠責保険や共済保険の支払いに関し、被害者と保険会社等との間で生じた紛争について、公正かつ適確な解決による被害者の保護を目的として設立された指定紛争処理機関です(自動車損害賠償保障法23条の5)。

損保料率機構に新たな資料を提出して異議申立を何度かしたけれど結果が変わらなかったという場合でも、紛争処理機構では適正な後遺障害等級が認定されることもあります。

この場合、保険会社は紛争処理機構が出した結果に従わなければなりません。

ただし、損保料率機構への異議申立は、時効期間内であれば何度でも行なうことができるのに対し、紛争処理機構への申請は一度きりしかできませんので注意が必要です。

紛争処理機構の紛争処理のプロセスについては、次の情報を参考にしてください。

なお、紛争処理申請をしても納得のいく結果が出なかった場合には、裁判を起こすことになります。

弁護士への相談・依頼のすすめ

ここまで、交通事故の後遺障害等級などについてお話してきましたが、手続きなど難しいことが多いと思われたのではないでしょうか。

・後遺症を認めてもらうための裁判を行ないたい方
・ケガの治療中でも後遺症が残りそうな方
・後遺障害等級の申請をしたいと思っている方
・認定された後遺障害等級が適正なものかどうか判断してもらいたい方
・申請結果に納得がいかない方

これらの方々は、必ず一度は交通事故に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

後遺障害等級に強い弁護士を探す際のポイント

ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではないことに注意してください。

これまでお話してきたように、正しい後遺障害等級を認定してもらうためには、自賠責の後遺障害等級の認定基準を熟知し、その基準を満たすための医学的な知識を必要とします。

被害者の方に残った後遺症が、どの後遺障害等級の要件に該当するのかを知っていなければ、適切な判断ができません。

そして、等級認定基準を知っていても、どのような医証を提出すれば、その後遺障害等級が認定されるのか、という医学的な知識もなければ正しい後遺障害等級は認定されません。

また、後遺障害等級認定が間違っていた場合の異議申立も、法律的な知識だけでは適切な手続を取ることはできません。

異議申立で上位等級が認定されるためには、新たな医証を提出する必要があるためです。

ところが、弁護士は法律の専門家であり、後遺障害等級基準や医学の専門家ではありません。

司法試験にも出題されませんから、実務をやる中で勉強しなければなりません。

しかし、その内容は難解で膨大です。

弁護士業務の中でも、交通事故の後遺障害は専門的な分野になるため、後遺障害事案の解決実績がある弁護士でないと、わからなかったり間違ったりすることもよくあるので注意してください。

では、どうやって後遺障害に強い弁護士を探すかということですが、

☑豊富な実務経験がある
☑交通事故に関する専門書を執筆している
☑テレビの報道番組等から「専門家」として取材されている

などの点を参考にすると良いでしょう。

特に簡単に判断できるポイントは、「法律専門書」の出版です。

法律専門書というのは、法律実務家である裁判官や弁護士が参考にする難解な書籍のことです。

法律専門の出版社も営利を目的としますので、売れる本を出版したいと思っています。

売れる本とは何かというと、法律実務家の業界で、その分野の専門家として認知されている人が書いた本、ということになります。

そして、法律専門書を書くには実務経験だけでなく、さらに相当量の研究をしなければなりません。

したがって、後遺障害に関する法律専門書を出版していれば、まず間違いなく後遺障害に強い、ということがいえるでしょう。

ちなみに、みらい総合法律事務所では次のような交通事故の後遺障害に関する法律専門家向けの専門書を出版しています。

「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/5996

「交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/5573

「交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/7458

また当事務所は、これまでテレビの報道番組からも、「交通事故の専門家」として多くの取材を受けています。

起きてしまった交通事故をなかったことにすることはできませんが、せめて被害者の方が適正な後遺障害等級と損害賠償金額を得て、少しでも納得のいく解決ができるよう、私たちの知識と経験をぜひ活用していただければと思います。

みらい総合法律事務所では、実務経験が豊富な交通事故に強い弁護士たちが、いつでも無料相談を行なっていますので、的確なアドバイスができると思います。

まずは一度、ご連絡をください。

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