交通事故における休車損害とはなんですか?

最終更新日 2014年 01月29日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

休車損害とは、交通事故の被害車両が営業車両の場合に、車両の修理や買換えをする期間について、事故に遭わず営業していれば得られたであろう利益の損害のことです。

営業車両とは、タクシー、ハイヤー、路線バス、観光バス、営業用貨物トラックなどで、いわゆる緑ナンバーとも言われる車両です。

これらの車両において、修理や買換えの期間車両が使えなかったことによって営業上の損害が生じた場合には、休車損害が認められます。

被害車両以外に代替可能な車両(遊休車)があり、修理や買換えの期間にその車両を使用して営業ができる場合には、営業上の損害が生じませんので、休車損害は認められません。

ただし、たとえ遊休車があったとしても、同格の遊休車が多数存在し代替することが容易にできる場合を除き、所有者に遊休車を利用してやりくりする義務を負わせるのは相当でないとした裁判例もあります。(大阪地裁平成10年12月17日判決)

休車損害が認められる場合、金額の算定式は以下のようになります。

(1日当たりの営業収入 - 1日当たりの支出を免れた経費)×(休車期間)

1日当たりの営業収入は、通常事故前3ヶ月の平均売上を基準とします。ただし、被害車両の売上が、観光バスなどのように、季節によって変動するような場合には、1年間の売上を考慮して同時期の平均売上を基準とすることができます。

支出を免れた経費とは、被害車両を運行させていればかかったはずのガソリン代、車両修繕費、有料道路通行料等です。これに対して、自動車保険料や駐車場使用料などは、運行の有無に関係なくかかる経費ですので、控除されません。

休車期間は、被害車両の修理または買換えに要する相当な期間に限られます。

裁判例では、修理期間について、特殊な塗装等が必要なため、通常の修理期間よりも長くかかった事案について、営業車の場合は、特殊な塗装・仕様などが必要とされるのが通常であるとし、社名等を記載するなどの塗装が施された期間についても考慮した例があります。(東京地裁平成6年8月30日判決)

また、科学的検証のため事故から16日間警察署に被害車両が留置されていた事案では、留置期間も含めた修理完了までの期間について休車損害を認めた例があります。(名古屋地裁平成15年5月16日判決)

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