精神障害で後遺障害等級2級2号、視力障害で後遺障害等級2級1号、併合1級に認定された事案

【判決】

青森地裁平成13年5月25日判決(自動車保険ジャーナル第1403号)

【死亡・後遺障害等級】
後遺障害等級併合1級

【損害額合計】
168,243,251円

【慰謝料額】
合計37,800,000円
後遺症慰謝料の本人分として、32,000,000円
近親者2名(被害者の次女と長男)に各2,900,000円

【事案の概要】
平成9年8月23日午前9時35分ころ、青森県三戸市の交差点で、被害者が右折のため原付自転車で車線変更中、追い越そうとした被告運転の軽四輪貨物車に衝突され、頭部外傷、頭蓋骨骨折、脳挫傷、急性硬膜外血腫、右鎖骨骨折、右耳出血、症候性てんかんの傷害を負い、平成11年9月6日に症状固定した。被害者の症状は、痴呆、失禁等の精神障害で後遺障害等級2級2号、視力障害で後遺障害等級2級1号、併合1級に認定された。
被害者は、事故当時60歳の主婦で、障害者の夫と姑を介護しながら農業に従事していた。
原告は、被害者、被害者の次女、被害者の長男である。

【判例要旨】

(裁判基準額 28,000,000円)

以下の事情から、合計で、37,800,000円の後遺症慰謝料を認めた。

①被害者の精神神経障害の程度が高度で、視力障害もあるため、移動、食事、更衣、排尿排便、入浴等の基本的な日常生活動作にも他人の介助を必要とし、家の中では火や刃物、屋外では車といった危険の認識ができず、自傷行為や異物摂取、徘徊などもあるため、今後終生にわたり職業的付添人及び家族による常時の介護が必要であり、被害者の傷害の内容は死にも比肩しうるものであること。

②被害者の運転方法に落ち度はほとんどなく、過失割合が5%と認められたこと。

③加害者が、原告が時速50㎞でいきなり右折してきたので避けられなかった、などと客観的事実に反する発言をしたこと。

④被害者の次女と長男は、被害者の介護に追われ、勤務先も退職せざるを得なくなり、自らの家庭生活にも支障をきたすなど、近親者が本件事故により受けた精神的苦痛は筆舌に尽くしがたいものがあったというべきであること。