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交通死亡事故の示談金の相場金額と平均額を解説します

最終更新日 2021年 08月19日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通死亡事故の示談金の相場金額、平均額を解説します。

交通事故で被害者の方が亡くなった場合、ご遺族は慰謝料や逸失利益などの示談金(損害賠償金)を受け取ることができます。

その際、通常の場合は加害者側の保険会社と示談交渉を行なうことになるのですが、示談金(損害賠償金)の相場金額というのはあるのでしょうか?

平均額はいくらくらいになるのでしょうか?

今回は、交通事故の示談金(損害賠償金)について、さまざまな角度から考えていきたいと思います。

これから、交通事故の示談金(損害賠償金)について解説していきますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

示談金と損害賠償金の違いとは?

交通事故の損害賠償では、「示談金」「保険金」「損害賠償金」というものが出てきますが、これらは何が違うのでしょうか?

・示談金:被害者側と加害者側(保険会社)の間で示談によって損害金額が合意されるもの
・損害賠償金/被害者側から見た場合、被った損害をお金で賠償してもらうもの
・保険金/加害者側の保険会社の立場からは、保険契約に基づいて被害者に支払うもの

このように、状況や立場の違いによって呼び方が違うだけで、この3つは同じものということになります。

なお、本記事では主に「示談金」と表記します。

示談金と慰謝料は同じものではない

では次に、示談金と慰謝料は何が違うのかについてです。

慰謝料というのは多数ある損害賠償項目の1つとなります。

そして、慰謝料や逸失利益などの各損害項目を合わせたものが示談金となるわけです。

家計で考えると、1か月の支出の中に家賃や光熱費、食費などが入っているのと同じことになります。

慰謝料には4つの種類がある

じつは慰謝料には次の4つの種類があります。

被害者の方のケガや後遺症などの状況によって受け取ることができる慰謝料が変わってきます。

①入通院慰謝料(傷害慰謝料)

被害者の方がケガの治療のために入通院した場合の精神的苦痛に対して支払われるものです。

②後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)

被害者の方のケガが完治せず後遺症が残ってしまい、後遺障害等級が認定された場合に支払われるものです。

③死亡慰謝料

被害者の方が死亡した場合、被害者の方の精神的苦痛・損害対して支払われるものです。

受取人は被害者の方の相続人になります。

こちらの記事でも詳しく解説しています
交通事故の傷害慰謝料、後遺症慰謝料、死亡慰謝料を徹底解説

④近親者慰謝料

被害者のご親族が被った精神的苦痛・損害に対して支払われるものです。

両親(父母)、配偶者(夫・妻)、子供には、被害者本人の慰謝料の2~3割の近親者慰謝料が認められる場合があります。

その他にも、内縁の夫・妻、兄弟姉妹、祖父母に認められる場合もあります。

積極損害と消極損害とは?

被害者の方が交通事故により受けた損害は、大きく「物的損害」と「人身損害」に分けられます。

物的損害は自動車が廃車になったり、修理をする場合などの費用です。

一方、人身損害は被害者の方が負傷したり、死亡した場合の損害のことで、「財産的損害」と「精神的損害」に分けられます。

たとえば、入通院した際の治療費や休業損害などは実際の金額が発生しているので財産的損害です。

一方、入通院慰謝料や死亡慰謝料などは精神的な苦痛や損害に対して支払われるので精神的損害になります。

またさらに、各損害賠償項目は「積極損害」と「消極損害」に分けられます。

「積極損害」

被害者の方が現実に支払った、または支払いを余儀なくされた金銭的損害を積極損害といいます。

<積極損害の例>
①治療費
②付添介護費
③将来介護費
④入院雑費
⑤将来雑費
⑥通院交通費
⑦装具・器具等購入費
⑧家屋・自動車等改造費
⑨葬儀関係費
⑩損害賠償請求関係費用
⑪弁護士費用 など

こちらの記事も読まれています
【交通事故の治療費】どこまで請求できるのか?(入院費、介護費など)

「消極損害」

交通事故による加害行為がなければ、被害者の方が将来的に得ることができたであろう収入等の損害を消極損害といいます。

① 入通院慰謝料
② 死亡慰謝料
③ 休業損害
④ 逸失利益 など

死亡事故の場合に請求できる損害項目について

次に、被害者の方が交通事故で亡くなった場合に請求し、受け取ることができる損害賠償項目について見ていきましょう。

①葬儀関係費

・自賠責保険からの金額は60万円が上限。

・それ以上の金額については、「社会通念上、必要かつ妥当な実費」として通常100万円以内。
(※仮に葬儀費用に100万円がかかった場合、被害者のご家族は60万円を自賠責保険から受け取り、残りの40万円は加害者側の任意保険会社と示談交渉していく、あるいは初めから任意保険会社と100万円について示談交渉をしていく、という方法がある)

・加害者側の任意保険会社との示談交渉が決裂し、提訴した場合、裁判で認められる上限額は原則として150万円。
(※保険会社は概ね120万円以内の金額を提示してくる場合が多い)

・その他の墓石建立費、仏壇購入費、永代供養料などは、それぞれの事案によって判断される。

②死亡逸失利益(生きていれば得られたはずの収入等)

<死亡逸失利益の計算式>
(年収)×(就労可能年数に対するライプニッツ係数)×(1-生活費控除率)=(死亡逸失利益)

・死亡の場合、所得はなくなるため、「労働能力喪失率」は100%になる。

【参考情報】国土交通省「労働能力喪失率表」

・年収は、事故前年の年収を基本に算出する。

・就労可能年数は、原則として18歳から67歳とされる。

・現在と将来ではお金の価値に変動があるため、その差額を現時点で調整する必要があり(専門的には、中間利息を控除するという)、そのために用いるのがライプニッツ係数。

・ライプニッツ係数の算出は複雑なため、あらかじめ定められている。
(※民法改正により、2020年4月1日以降に起きた交通事故の場合は、ライプニッツ係数の率は3%となり、以降は3年ごとに見直されるようになっている)

【参考情報】厚生労働省「就労可能年数とライプニッツ係数表」

・被害者の方が男性の場合、生活費控除率は50%とされる。
(※ただし、一家の大黒柱で被扶養者がいる場合は、その人数によって30~40%になる場合がある)

<生活費控除率の目安>

被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合 40%
被害者が一家の支柱で被扶養者2人以上の場合 30%
被害者が女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合 30%
被害者が男性(独身、幼児等含む)の場合 50%
被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合
40%
被害者が一家の支柱で被扶養者が2人の場合
30%
被害者が女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合
30%
被害者が男性(独身、幼児等含む)の場合
50%

③慰謝料(被害者の死亡慰謝料、遺族などの近親者慰謝料)

「死亡慰謝料」

・被害者の方が死亡したことにより受けた精神的苦痛に対して支払われるもの。

・被害者の方の立場や状況によって、次のように概ねの相場金額が決められているが、あくまでも相場であるため、交渉によって増額させることも可能。

<死亡慰謝料の相場額>

被害者が一家の支柱の場合 2800万円
被害者が母親・配偶者の場合 2500万円
被害者がその他(独身者・幼児・高齢者など)の場合 2000万~2500万円
被害者が一家の支柱の場合
2800万円
被害者が母親・配偶者の場合
2500万円
被害者がその他(独身者・幼児・高齢者など)の場合
2000万~2500万円

「近親者慰謝料」

被害者の方の近親者(家族など)が被った精神的苦痛・損害に対して支払われるもの。

④弁護士費用(裁判をした場合)

示談交渉が決裂したために提訴して裁判になった場合などで弁護士が必要と認められる事案では、認容額の10%程度を相当因果関係のある損害として、弁護士費用相当額が損害賠償額に加算される。

なお、弁護士費用相当額は示談交渉では認められず、裁判で判決までいった場合に認められる。

つまり、本来であればご自身で負担しなければならない弁護士報酬の一部を加害者側に負担させることができる、ということになります。

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示談金(損害賠償金)の相場金額と平均額について

(1)慰謝料などの損害賠償金には3つの基準がある

慰謝料などの算出では次の3つの基準が用いられます。

①自賠責基準

法律により自賠責保険で定められている基準です。

自賠責保険は被害者救済の目的で設立されたものであり、自賠責基準の金額は最低限の補償内容となっているため、3つの基準の中ではもっとも低い金額になります。

②任意保険基準

自賠責保険だけでは被害者の方への補償が足りない場合に備えて各ドライバーなどが加入するのが、各損害保険会社が提供する任意保険です。

任意保険基準は非公表とされていますが、これまでの示談交渉の経験などから基本的に自賠責基準より少し高い金額が設定されていると考えられます。

③弁護士(裁判)基準

過去の裁判例から導き出されている基準で、法的根拠がしっかりしており、3つの基準の中ではもっとも高額になります。

被害者の方から依頼された場合、弁護士はこの基準で計算した金額を保険会社に主張していきますし、裁判でも主張していきます。

また、裁判では認められる可能性が高いことから弁護士(裁判)基準と呼ばれています。

(2)3つの基準の違いから示談金の相場金額と平均額を検討する

「自賠責保険の補償内容」

自賠責保険には支払限度額があります。

チェックボックス被害者が死亡した場合:3000万円
チェックボックス傷害による損害の場合:120万円
チェックボックス傷害により後遺障害が残り、介護が必要な場合:4000万~3000万円
チェックボックスその他の後遺障害の場合:1級から14級の後遺障害等級に応じて3000万円~75万円

「支払限度額1」

神経系統の機能、精神、胸腹部臓器への著しい障害により介護が必要な場合(被害者1名につき)

自賠責法別表第1

常時介護を要する場合
(後遺障害等級1級)
最高で4000万円
随時介護を要する場合
(後遺障害等級2級)
最高で3000万円

「支払限度額2」

上記以外の後遺障害の場合

第1級:最高で3000万円~第14級:最高で75万円

自賠責法別表第2

第1級 3000万円
第2級 2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円
第5級 1574万円
第6級 1296万円
第7級 1051万円
第8級 819万円
第9級 616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級 75万円

「自賠責基準による死亡慰謝料の相場金額」

自賠責保険における死亡慰謝料は、被害者本人の死亡慰謝料と、ご家族などの近親者慰謝料の合算として扱われます。

チェックボックス被害者本人の死亡慰謝料:400万円(一律)
チェックボックス近親者慰謝料:配偶者・父母(養父母も含む)・子(養子・認知した子・胎児も含む)の人数によって変わる。
・1人場合/550万円
・2人場合/650万円
・3人場合/750万円
※被扶養者の場合は上記の金額に200万円が上乗せされる。

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「任意保険基準による死亡慰謝料の相場金額」

被害者の方の家庭での立場や属性などによって金額が変わってきます。
(※非公表のため推定金額)

チェックボックス一家の支柱(一家の生計を立てている者):1500~2000万円
チェックボックス専業主婦(主夫)・配偶者:1300~1600万円
チェックボックス子供・高齢者など:1100~1500万円

「弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額」

前述したように、弁護士基準による死亡慰謝料の相場金額は、次の表のように被害者の方の家庭での立場や状況によって違ってきます。

「死亡慰謝料の相場金額」

被害者が一家の支柱の場合 2800万円
被害者が母親・配偶者の場合 2500万円
被害者がその他の場合 2000万~2500万円
被害者が一家の支柱の場合
2800万円
被害者が母親、配偶者の場合
2500万円
被害者がその他の場合
2000万~2500万円

(3)被害者のご遺族は弁護士(裁判)基準での解決を目指すべき

前述したように、死亡慰謝料は算定基準によって金額が大きく違ってきます。

加害者側の保険会社が提示してくる示談金と弁護士(裁判)基準で計算した金額では、2倍や3倍違うことはよくあることで、場合によっては、弁護士が交渉することで示談金が10倍以上も増額する場合もあります。

やはり、ご遺族としては弁護士(裁判)基準による解決を目指すべきです。

しかし、じつはそう単純にはいかないのが示談交渉の難しさです。

というのは、任意保険会社は利益を追求する営利法人であり、その限りは収入を増やして支出を減らすのが企業の目的だからです。

そのため、被害者の方への示談金(保険金)はできるだけ低く提示してくるわけです。

そして、被害者のご遺族が増額を望んでも、任意保険会社はその金額を認めません。

ところが、弁護士が示談交渉に入ると、あるいは最終的に裁判になると、被害者の方が受け取るべき本来の金額が認められる可能性が高くなるのです。

ですから、慰謝料などで争いになった場合は、やはり交通事故に強い弁護士に相談・依頼することを検討するのがいいと思います。

(4)交通死亡事故の示談金の平均額は?

では、被害者の方が死亡した場合の示談金の平均額はいくらくらいになるのかというと…実際にはケースバイケースということになります。

亡くなられた方の年齢、性別、職業、仕事の有無、交通事故の態様(悪質性の有無等)などによって、慰謝料や逸失利益などの金額は変わってくるからです。

ですから、平均額を知ることよりも、やはり被害者のご遺族としては、できるだけ弁護士(裁判)基準に近い金額に増額させることが、もっとも大切なことになると思います。

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そこで次に、みらい総合法律事務所で実際に示談金額の増額を勝ち取った事例についてご紹介していきたいと思います。

弁護士が被害者の方の代理人として示談交渉に入ることで、どのくらい示談金額が増額するのか、実際の示談交渉のリアルを知っていただきたいと思います。

みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例

増額事例①:17歳女性の示談金が3000万円増額

自転車に乗っていた17歳の女性が飲酒・わき見運転の自動車に追突された交通事故です。

ご遺族は、加害者側の保険会社との示談交渉を地元の弁護士に依頼。

示談金が約5893万円になったところで、その弁護士から「裁判をすると金額が下げられる可能性があるので、ここで示談としたらどうか」との提案があったものの、ご遺族は納得がいかなかったことから、みらい総合法律事務所にセカンドオピニオンとして相談をしたという経緯がありました。

みらい総合法律事務所の弁護士からは、「まだ増額可能」との意見があったことから、ご遺族は裁判を依頼されました。

裁判では、慰謝料の相場金額が2000~2500万円のところ、最終的には2800万円に増額され、合計で約8835万円に増額して解決した事例です。

増額事例②:21歳男性の示談金が約3300万円増額

21歳男性が路上に立っていたところ、自動車に衝突された交通事故。

加害者側の保険会社は示談金として約6171万円を提示しましたが、これに疑問を感じたご遺族がみらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士から「金額が低すぎる」という意見があったため、ご遺族は示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士と保険会社が交渉しましたが決裂したため、提訴して裁判に移行。

最終的には弁護士の主張が認められ、約3300万円増額の9500万円で解決となった事案です。

増額事例③:88歳男性が示談金で約3000万円増額

88歳の年金受給者の男性が、横断歩道のない道路を歩いていたところ、走行してきた自動車に衝突された交通事故です。

ご遺族は、当初から、みらい総合法律事務所に示談交渉を依頼。

そこで、弁護士が加害者側の保険会社と交渉しましたが、決裂したため提訴。

裁判では、慰謝料や過失相殺などが争われて和解に至らず、判決までもつれ込みました。

最終的には弁護士の主張が認められ、判決では弁護士(裁判)基準での金額算定が採用され、約3036万円で解決した事案です。

増額事例④:71歳女性の示談金が2.1倍に増額

71歳の会社経営者の女性が青信号の交差点を歩行中、右折自動車に衝突された交通事故。

四十九日が明けた後、加害者側の保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約2475万円の示談金を提示。

ご遺族は、この金額が妥当なものかどうかわからなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、「まだ増額できる」との判断だったことから示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉しましたが、増額に応じなかったため提訴。

裁判では、逸失利益と生活費控除率が争いになりましたが、最終的に5350円で解決しました。

当初提示額から約2.1倍に増額した事例です。

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