43歳女性の死亡事故で慰謝料を増額した判例

43歳の女性が交通事故で死亡した件についての判例を弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

東京地裁 平成18年10月26日判決(交通事故民事裁判例集39巻・5号・1492頁)

【死亡・後遺障害等級】
死亡事故

【損害額合計】
77,649,884円

【慰謝料額】
合計32,000,000円
死亡慰謝料の本人分として、27,000,000円
被害者の夫に、2,000,000円
被害者の子3人に、各1,000,000円

【交通事故の概要】
平成14年12月9日午前1時15分ころ、千葉県松戸市内を被害者が歩行中、酒酔いで居眠り運転の加害者の普通乗用自動車に衝突され、被害者は即死した。
被害者は、交通事故当時43歳の女性で、主婦として家事労働をするほか、アルバイトをしていた。
原告は、被害者の夫、長男、二男、長女である。
原告が弁護士に依頼し、弁護士が代理人として提訴。

【判例要旨】

(裁判基準額 母親、配偶者 24,000,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、合計で、32,000,000円の死亡慰謝料を認めた。

①加害者は、勤務先の忘年会等で飲酒し、飲酒後も、翌朝も車で出勤したいとの考えから、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態であったにもかかわらず加害車両を走行させ、その後、仮眠状態に陥り、時速50ないし55㎞で走行して被害者に衝突したという本件交通事故の悪質さや、加害者の運転動機の身勝手さ、そして、何より、薬局を経営する夫や、当時、高校生であった長男、小学6年生であった二男、小学4年生であった長女の成長を見届けることなく生命を奪われた、被害者の無念さなどを考慮した。
②被害者の夫は、本件交通事故の数時間前まで被害者と一緒に食事をしていたが、先に帰宅したことから、なぜ一緒に帰宅させなかったのか、後悔の念にさいなまれていること、また、本件交通事故によって、被害者の夫の生活は一変し、薬局経営の傍ら、家事にも従事し、いまだ母親の存在を必要とする子供たちを一人で養育するに至っており、家計的にも窮する状態に陥っていること。
③被害者の長男は、本件交通事故当時高校生であり、被害者の死亡による衝撃の大きさは、被害者への手紙に「本当に残念で今にもつぶれそうだよ。」と記していることから容易に推察することができ、被害者の死亡後、遅刻や欠席が増えるなど生活態度に変化が見られるようになったことについても、母親を失ったことによる影響がうかがわれること。
④被害者の二男は、本件交通事故当時小学6年生であり、翌春には中学校に進学することから、その制服姿を見せることなく母親を失った無念さや、あまりの突然さに母親の死を事実として受け容れることができなかったことがうかがわれること。
⑤被害者の長女は、本件交通事故当時小学4年生で、母親に甘えたい盛りであったところ、突
如、母親を失い、その寂しさの甚大さは被害者への手紙の最後に記した「もっとながくいてほしかった」、「もっと大きくなって、みていてほしかった」との言葉から容易に推察できること、また、母親の葬儀が終わるまで、けなげに母親の死に耐えていたことがうかがえること。

以上、43歳の女性の交通事故で慰謝料を増額した判例について、弁護士が解説しました。

死亡事故でお悩みの方は、弁護士にご相談ください。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
交通事故弁護士