男子大学生の死亡事故における慰謝料増額判例

男子大学生の交通事故で慰謝料を増額した判例を弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

東京地裁 平成15年5月12日判決(交通事故民事裁判例集36巻・3号・697頁)

【死亡・後遺障害等級】
死亡

【損害額合計】
89,108,230円

【慰謝料額】
30,000,000円

【交通事故の概要】
平成12年2月1日午前1時15分ころ、神奈川県藤沢市内の交差点を被害者が軽二輪車で走行していたところ、右折禁止の標識があるにもかかわらず、一時停止も右方の確認もしないままハンドルを右に急に切り右折してきた加害者運転の普通乗用自動車に衝突された。(加害者運転の普通乗用自動車は盗難車であった。)被害者は、脳挫傷等の傷害を負い、平成12年2月5日午後1時8分に死亡した。
被害者は、事故当時19歳の男子大学生である。
原告は、被害者の両親である。
原告が弁護士に依頼し、弁護士が代理人として提訴。

【判例要旨】

(裁判基準額 独身の男女 20,000,000円~22,000,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、30,000,000円の死亡慰謝料を認めた。

①被害者は、本件事故により脳挫傷を被り、意識が一度も回復しないまま亡くなったこと。
②被害者が初めて親元を離れて大学生活を送っていた矢先のことであり、社会人生活は勿論のこと、大学生活すら全うすることができなかった無念さ・悔しさは、察するに余りあること。
③被害者の両親は、加害者から、本件訴訟に至るまで、本件事故に関し謝罪の言葉を受けなかったこと。
④加害者は、本件事故当時、暴力団の幹部組員であり、前科13犯の犯歴を有するほか、高級乗用車の連続窃盗事件に関与していたこと。
⑤加害者は、本件事故後逃亡を続けていたが、平成12年3月17日、警察に出頭し逮捕されたが、完全黙秘をしていて、本件事故を起こしたこと自体を否認していたこと。
⑥加害者が、刑事裁判において、被害車両が時速約70ないし80㎞の速度で右側部分にはみ出して追越しをしようとして衝突してきたとか、事実を確認せずに、宗教上の理由で被害者や原告らが輸血を拒否したことが原因で死亡したなどの主張をしたこと。
⑦加害者は、原告らに対し、現在に至るまで、被害弁償を全くしていないこと。

以上、男子大学生の交通事故で慰謝料を増額した判例について、弁護士が解説しました。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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