18歳男子アルバイトの死亡事故で慰謝料を増額した判例

18歳男子アルバイトの交通事故の判例について、弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

札幌地裁小樽支部 平成15年11月28日判決(判例時報1852号・130頁)

【死亡・後遺障害等級】
死亡事故

【損害額合計】
95,498,315円

【慰謝料額】
合計30,000,000円
死亡慰謝料の本人分として、25,000,000円
被害者の父に、2,000,000円
被害者の母に、3,000,000円

【交通事故の概要】
平成14年6月29日午前0時40分ころ、北海道小樽市内で被害者が自動二輪車を運転中、飲酒で意識もうろう状態の加害者の普通乗用自動車がセンターラインを越え、対向乗用車に衝突後暴走して被害者に衝突し、被害者が死亡した。
被害者は、交通事故当時18歳の男性で、音楽活動の傍らアルバイトをしていた。
原告は、被害者の両親である。
原告が弁護士に依頼し、弁護士が代理人として提訴。

【判例要旨】

(裁判基準額 独身の男女 20,000,000円~22,000,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、合計で、30,000,000円の死亡慰謝料を認めた。

①加害者は、本件交通事故前、帰りには飲酒運転をして帰宅するつもりで小樽市内の居酒屋に自動車を運転して赴き、約5時間にわたって友人たちと飲酒し、少なくともビールを中ジョッキ6ないし7杯、ワインをグラスで1ないし2杯以上飲み、居酒屋を出る時には、声も大きく、ろれつも回らない状態で、まっすぐに歩くことができず、左右にふらつきながら歩く状態であったこと、そのような状態であったにもかかわらず数㎞離れた自宅まで自動車を運転して帰ろうとしたこと、本件交通事故時には意識がもうろうとしており事故のことをよく記憶していないこと、本件事故前にも何度も飲酒運転を繰り返しており、シートベルトは常にしていなかったことが認められ、交通法規を遵守する意思は全く認められず、飲酒運転による交通事故としての犯情は極めて悪質であるといえること。
②被害者は、本件交通事故時18歳であり、母親と同居して、高校を卒業後友人たちと音楽活動をする傍ら回転寿司店でアルバイトをして家計を助けており、将来は一家の支柱に準ずる立場で母親を助けながら生活していく予定であったことが認められ、加害者の極めて悪質な飲酒運転による交通事故により未だ若年であるにもかかわらずその生命を奪われ、筆舌に尽くしがたい無念さを味わったであろうこと。
③長男を18歳という若さで失った被害者の父親の精神的苦痛は察するに余りあるもので
あること。
④被害者の母親は、被害者の父親と離婚後、父親からの養育費の支払もなく経済的に困難な中で被害者を育て上げ、被害者の成長をひたすら楽しみにしていた中で加害者の悪質な飲酒運転に起因する本件交通事故により被害者を失ったことが認められるところ、18歳という若さで息子を失った精神的苦痛は察するに余りあるものであること。

以上、18歳男子アルバイトの交通事故で慰謝料を増額した判例について、弁護士が解説しました。

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「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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