後遺障害と死亡事故に特化。交通事故賠償に詳しい弁護士が解説。

交通事故の慰謝料に税金はかかるのか?

最終更新日 2020年 09月03日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故で後遺症を負った場合、被害者の方は慰謝料などの損害賠償金を加害者側から受け取る権利があります。

ところで、ここでひとつの疑問が湧いてこないでしょうか。

「慰謝料に税金はかかるのだろうか?」

被害者の方は、それまでの日常や健康な体を奪われ、今後の収入の問題などでも不安を抱える可能性があります。

死亡事故の場合、亡くなった方は戻ってきません。

そこで、慰謝料などの損害賠償を受け取ることができるのですが、その金額が大きくなればなるほど、もし税金がかかるのであれば、その額も大きくなってしまいます。

税金が大きくなれば、結果として実質的に受け取る額は少なくなってしまうのですから、これは被害者の方やご遺族にとっては大きな問題になってきます。

そこで今回は、交通事故の慰謝料と税金の関係についてお話していきます。

これから、交通事故の慰謝料と税金の関係などについて解説していきますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを解説した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

示談解決までの流れを確認しましょう!

通常、交通事故の発生から示談解決までの流れは次のように進行していきます。

①交通事故が発生
 ↓
②事故状況や相手(加害者)の身元の確認
 ↓
③警察へ通報、実況見分調書などの作成に協力
 ↓
④加害者、被害者双方の保険会社へ通知
 ↓
⑤ケガの治療(入院・通院)
 ↓
⑥症状固定の診断により治療完了
 ↓
⑦後遺障害等級の認定(不満があれば異議申立)
 ↓
⑧賠償損害額確定(加害者側の保険会社から提示)
 ↓
⑨示談交渉
 ↓
⑩示談成立で慰謝料の受け取り
 ↓
⑪示談が決裂した時は弁護士に依頼し裁判での決着へ

知っていますか?慰謝料の基礎知識

普段、何気なく「慰謝料」という言葉を使ったり、触れたりしていると思いますが、交通事故の慰謝料については意外に知らないこともあるのではないでしょうか。

(1)慰謝料と損害賠償金の違いとは?

慰謝料と損害賠償金は同じものと思っている方もいるかもしれませんが、慰謝料というのはさまざまにある損害賠償項目のひとつになります。

「交通事故の主な損害賠償項目」

治療費、入院雑費、通院交通費、付添費、休業損害、傷害慰謝料、弁護士報酬、後遺障害慰謝料、逸失利益、将来介護費、将来雑費、損害賠償請求関係費用、装具・器具等購入費、家屋・自動車等改造費、修理費、買替差額、評価損、代車使用料、休車損、登録関係費、など。

(2)慰謝料には3種類ある

じつは、交通事故の被害者が受け取ることができる慰謝料はひとつだけではなく、次の3つの慰謝料が存在します。

「傷害慰謝料」

交通事故により外傷(ケガ)を受けたことに対する肉体的な苦痛や、入院や通院を余儀なくされることなどへの精神的苦痛を緩和するために支払われるものです。

傷害慰謝料は、入院日数や通院日数をもとに計算することになります。

事案により異なりますが、原則として、慰謝料計算表に基づいて計算します。

「後遺傷害慰謝料」

交通事故の後遺症により、後遺障害が残った場合に被った精神的苦痛に対して償われるものです。

ただし、精神的苦痛の程度は事故ごと、被害者ごとに違うものであり、各事案によって判断するのが難しいことから、概ねの相場金額が決まっています。

裁判基準による
後遺障害慰謝料の相場金額

等級 保険金額
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

「死亡慰謝料」

交通事故で被害者の方が死亡したことにより被った精神的損害に対して支払われるものです。

被害者の方の立場や置かれている状況などによって金額は異なりますが、概ねの相場金額は次のとおりです。

・一家の支柱の場合  2800万円
・母親・配偶者の場合 2500万円
・その他の方の場合  2000万~2500万円

その他の方というのは、独身の男女、子供、幼児、高齢者などです。

なお、死亡慰謝料の受取人は、配偶者や子などの相続人になります。

動画で確認したい場合はこちら

交通事故の被害者が受け取る慰謝料に税金はかかるのか?

損害賠償金には、治療費や入院費、慰謝料など人的損害と、自動車が壊れたというような物的損害があり、この区別により税金も違ってきます。

「被害者本人が損害賠償金を受け取った場合」

1.人的損害について

交通事故によって心身に加えられた損害について支払を受けた場合には非課税とされています。

これには、治療費や慰謝料,休業損害や逸失利益といった損害賠償項目が含まれます。

2.物的損害について

交通事故によって資産に加えられた損害について支払を受けた場合も、原則として非課税となります。

資産としては、事故にあった車両の修理費などが該当します。

ただし、損害を受けた資産が事業用資産の場合、次のようなケースでは注意が必要になりますので、国税庁のホームページから該当部分を抜粋します。

(1) 商品の配送中の事故で使いものにならなくなった商品について損害賠償金などを受け取ったケース

棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは、収入金額に代わる性質を持つものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。

(2) 車両が店舗に飛び込んで損害を受けた場合で,その店舗の補修期間中に仮店舗を賃借するときの賃借料の補償として損害賠償金などを受け取ったケース

この損害賠償金などは、必要経費に算入される金額を補てんするためのものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。

(3) 事故により事業用の車両を廃車とする場合で、その車両の損害について損害賠償金などを受け取ったケース

車両の損害に対する損害賠償金などは非課税となります。

ただし、車両について資産損失の金額を計算する場合は、損失額から損害賠償金などによって補てんされる部分の金額を差し引いて計算します。

なお、この場合、損害賠償金などの金額がその損失額を超えたとしても、全額が非課税となります。

【参考情報】国税庁タックスアンサー
「No.1700 加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき」

「遺族が損害賠償金を受け取った場合(被害者死亡)」

交通死亡事故の場合、被害者本人が死亡しているので、ご遺族が損害賠償金を受け取ることになりますが、この場合も人的損害と物的損害では税金の処理が異なることに注意が必要です。

人的損害については、被害者本人が損害賠償金を受け取った時と同様に、所得税は非課税となります。

物的損害については、被害者の方の所有物が損害賠償請求権という債権に代わったことになるので、相続財産として相続税の対象となります。

なお、これらの損害賠償金には加害者本人から支払がなされる損害賠償金だけではなく、損害保険契約に基づき加害者が加入している損害保険会社から支払を受ける場合も含みます。

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