交通事故で頭部外傷後の高次脳機能障害が残り、後遺障害等級3級3号に認定された事案

交通事故で高次脳機能障害の後遺症が残った事案で、慰謝料増額をした判決を弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

大阪地裁 平成17年4月13日判決(交通事故民事裁判例集38巻・2号・570頁)

【死亡・後遺障害等級】
後遺障害等級3級3号

【損害額合計】
159,630,392円

【慰謝料額】
合計21,000,000円
後遺症慰謝料の本人分として、18,000,000円
近親者(被害者の妻)に、3,000,000円

【事案の概要】
平成11年1月28日午前1時45分ころ、大阪府寝屋川市内の片側2車線の駐車禁止道路を被害者が自転車で進行中、軽四輪自動車が歩道に乗り上げ右側ドアを開けて駐車していたため、これを避けるために車道中央に出たところ、加害者の普通乗用自動車に追突された。被害者は、右頭蓋骨骨折(亀裂)、外傷性クモ膜下出血、急性硬膜下血腫、頭部外傷Ⅲ型、右橈骨頭骨折、右上腕骨顆上骨折、髄膜炎、遷延性意識障害等の傷害を負い、平成13年3月1日に症状固定した。被害者には、頭部外傷後の高次脳機能障害が残り、後遺障害等級3級3号に認定された。
被害者は、交通事故当時38歳の男性で、設計担当の会社員である。
原告は、被害者、被害者の妻である。
被害者らが弁護士に依頼し、弁護士が被害者らの代理人として提訴した。

【判例要旨】

(裁判基準額 19,900,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、合計で、21,000,000円の後遺症慰謝料を認めた。

①被害者は、多少の就労能力を残し、日常生活上のある程度の行動は可能であるとは言え、高次脳機能障害により著しい人格変化を来たし、従前の穏やかかつ温厚な人柄を喪失して怒りっぽく自己中心的性格に変貌を遂げた上、時折異常行動をするに至っているというのであり、そのために、生まれたばかりの子供を含めた愛する家族との幸福や、誇りをもっていたであろう仕事上の幸福のほとんどを失ったこと。
②被害者の妻は、終生連れ添い、頼るべき存在であった愛する夫が、設計士としての能力や誇り、穏やかな性格など、その人格をほとんど喪失したも同然の姿となり、もはや意思疎通すら十分にできず、攻撃性が強い、自己中心的な性格へと変貌を遂げたのを終生看視対象として気の休まらない生活を送らなければならなくなったばかりか、自己の仕事さえ辞めざるを得なくなったこと。

以上、交通事故で高次脳機能障害により後遺障害等級3級が認定された事案を弁護士が解説しました。

交通事故で高次脳機能障害の後遺障害等級が認定された時は、弁護士にご相談ください。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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