交通事故で意思伝達不能、四肢・体幹の痙性麻痺による常時臥床等の遷延性意識章障害で後遺障害等級1級1号に認定された事案

交通事故で遷延性意識障害等の後遺症を残した事案で、慰謝料を増額した判決を弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

仙台地裁 平成21年11月17日判決(交通事故民事裁判例集42巻・6号・1498頁)

【死亡・後遺障害等級】
後遺障害等級1級1号

【損害額合計】
365,519,624円

【慰謝料額】
合計38,000,000円
後遺症慰謝料の本人分として、30,000,000円
被害者の両親に、各4,000,000円

【交通事故の概要】
平成16年1月21日午後3時35分頃、宮城県古川市内の歩道上で被害者が信号待ちしていたところ、加害者の普通貨物自動車が酒酔いで運転を誤り暴走して被害者に衝突した。被害者は、肺挫傷、右血気胸、出血性ショック、心肺停止、肝損傷、骨盤骨折、蘇生後脳症(低酸素血症)、脳挫傷(外傷性くも膜下出血)の傷害を負い、平成18年5月26日に症状固定した。被害者の後遺障害は、意思伝達不能、四肢・体幹の痙性麻痺による常時臥床等の遷延性意識章障害で後遺障害等級1級1号に認定された。
被害者は、交通事故当時14歳の男子中学生である。
原告は、被害者、被害者の母親である。
原告らが弁護士に依頼し、弁護士が原告を代理して提訴。

【判例要旨】

(裁判基準額 28,000,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、合計で、38,000,000円の後遺症慰謝料を認めた。

①加害者は、交通事故前、飲酒するのを分かっていながらあえて自動車を運転して宴会場に行ったこと。
②加害者が、妻から飲酒を控えるよう事前に言われていたにもかかわらず飲酒したこと。
③宴会では自制せず飲酒に及び、その分量もかなりの量であったと推認できること。
④帰宅時には代行か家人を呼んで帰るように言われていたにもかかわらず、あえて自ら普通貨物自動車を運転し、交通事故に至ったこと。
⑤交通事故から約35分後の飲酒検査の結果、呼気1ℓ当たり0.55㎎ものアルコールが検出されたこと。
⑥被害者は、歩道上で信号待ちをしていただけであって、何の落ち度もなかったところ、白昼、突如本件事故に遭い、重篤な状態に陥り、遷延性意識障害の後遺症が残る状態となったこと。
⑦被害者は、当時中学生であり、将来ある少年であったところ、一瞬にして一生涯にわたり介護を要する生活を余儀なくされたこと。
⑧交通事故は、相当程度の飲酒の上で普通貨物自動車を運転するという加害者の行為により惹起されたものであり、かかる飲酒運転により大切な我が子の健康を一瞬にして奪われた被害者の両親の悲しみは察するに余りあること。
⑨被害者は、遷延性意識障害となり、意識の回復はにわかに期待できない上、常時介護が必要な状態にあって、被害者の両親としてはまさに気力体力を消耗して介護に当たっているというべきであること。

以上、交通事故で遷延性意識障害等の後遺症を残した事案を弁護士が解説しました。

交通事故で遷延性意識障害になった時は、弁護士にご相談ください。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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