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交通事故の加害者になった場合の責任と対応方法を解説

交通事故の加害者になった場合の責任と対応方法を解説

日頃から車の運転に気を付けていたとしても、交通事故を起こしてしまう可能性をゼロにすることはできないので、加害者になった際の対処法を把握しておくことは大切です。

交通事故の加害者は、被害者に対して適切な処置を施さなければならず、事故対応を怠れば厳しい罰則が適用されてしまいます。

事故により生じた損害の補償など、やらなければならない手続きも多いため、本記事で交通事故の加害者になった際の対応方法をご確認ください。

交通事故発生直後にすべきこと

交通事故を起こしてしまった場合、加害者には3つの義務が課されていますので、それらの義務を慌てず果たしてください。

救護義務

交通事故で負傷した方がいた場合、加害者はその負傷者を助けなければいけません。

救護義務は交通事故の加害者に課されている義務で、救護を怠れば救護義務違反として重い罪に問われることになります。

負傷者を救護する際は、安全な場所に車を停止させ、必要に応じて救急車(119番)を呼んでください。

救急車が到着するまで数分間の時間を要しますので、現場に救急車が到着するまでに怪我の状況を確認し、止血等の処置を施します。

また、交通事故は当事者だけでなく、周囲の人を巻き込んでいることもあるため、接触があった方以外に負傷者がいないことも確認してください。

交通事故は接触したことで生じるイメージがありますが、接触がなかったとしても、相手が接触を回避するために転倒して怪我を負うなど、非接触でも事故が発生する可能性はあります。

救護義務違反は、いわゆる「ひき逃げ」をいい、該当者は10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。

行政上の処分としては違反点数が35点も付され、この違反点数だけで免許取消処分となり、3年間は運転免許を取得することができません。

救護義務が課されている状況で現場を立ち去ってしまうと、それだけで救護義務違反になってしまいますので、交通事故が起った際は必ず相手の状況を確認してください。

危険防止義務

交通事故対応が完了するまでの間、事故現場の道路は通行できなくなるため、加害者には二次災害を防ぐために危険防止義務が課されています。

負傷者の救護完了後に後続車を誘導することも危険防止義務の一つであり、危険防止義務違反をしてしまうと、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処される可能性があります。

加害者が負傷者を救護する際は、車内にある発煙筒や停止表示機材を使用し、後続車などに車が停止していることを知らせてください。

報告義務

報告義務は、警察に事故が発生したことを知らせる義務をいいます。

人身事故だけでなく、物損事故にも報告義務がありますので、交通事故の内容が軽微なものであったとしても警察には忘れずに連絡してください。

警察に連絡する際には、次の事項を伝えることになります。

<警察へ伝えるべき交通事故に関する情報>

  • ・事故発生の場所
  • ・事故発生の日時
  • ・負傷者の有無
  • ・負傷者の症状
  • ・破損物の有無
  • ・破損状況
  • ・積載物の有無
  • ・事故で処理した内容

 

警察官は現場に到着後、実況見分を行うことになりますが、警察への連絡を怠ってしまうと報告義務違反になり、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金に処される可能性があります。

被害者が警察に連絡しない見返りとして、金銭を要求してくるケースも想定されますが、警察への報告は法律で定められた義務ですので、応じないよう気を付けてください。

事故現場で加害者がしてはいけないこと

事故現場で加害者がしてはいけないこと
交通事故を起こした加害者も精神的なショックを受けますが、パニックになったことで不適切な行動をとらないよう注意してください。

救護義務の放棄

交通事故の加害者となった際にやるべき義務を紹介しましたが、課されている義務の中でも特に救護義務を放棄することは許されません。

救護義務の放棄は被害者の損害をより大きくするだけでなく、命の危険にも繋がります。

救護をしなかったことで命を落としてしまった場合、被害者の家族に消えることのない傷を負わせることになりますし、損害賠償金が増額する可能性も高いです。

救護義務違反に対する行政処分は被害者の状況に関係なく重く設定されていますので、被害者だけでなく、加害者自身のためにも救護義務を果たしてください。

現場で示談交渉・支払いを行う

交通事故の内容が軽微であれば、被害者との話し合いも穏便に済ませることもできますが、事故現場で示談交渉は行わないでください。

交通事故直後に身体的な損害が生じていなかったとしても、時間が経過したことで判明する症状もありますし、事故による後遺症が出てくることは珍しくありません。

交通事故のトラブルをその場で解決したとしても、新たに損害が判明すれば、再び示談交渉をすることになります。

自動車保険に加入している方は、保険会社が事故で生じた損害を補償してくれますが、事故現場の話し合いで補償内容を決めてしまった場合、保険会社から保険金が下りなくなる可能性があります。

再交渉は二度手間になるだけでなく、交通事故に関係する手続きが長期化する要因になりかねませんので、現場で示談交渉を行うのは止めてください。

加害者が治療中の被害者に対して取るべき行動

交通事故に伴う手続きは委任することもできますが、加害者と被害者の関係性が変わることはありません。
加害者の立場として誠意を見せないと、示談交渉がまとまりにくくなるなどの影響が出ることもあります。

被害者へのお見舞い

被害者は損害の補償だけでなく、加害者からの謝罪を求めていることもありますので、交通事故の損害は金銭を支払う以外に謝罪も必要です。

怪我を負った被害者に気遣いもしない加害者の要求をそのまま受け止めてくれる被害者はいませんし、被害者への心証が悪くなれば示談交渉が難航します。

示談成立までスムーズに展開するためには、被害者に謝罪する意思があることを示すことはとても大切です。

ただ気を付けないといけないのが、被害者へのお見舞いは承諾を得ていることが前提です。承諾を得ないで病院等へ行ってしまうと、別のトラブルが起こるリスクがあります。

大きな事故であれば、加害者がお見舞いに行くことを拒否する被害者もいますし、突然お見舞いに行ったことが不快感を与える結果になることもありますので、お見舞いに行けるかは事前に確認してください。

なお、加害者が被害者に直接連絡するのは難しいですので、加入している任意保険会社の担当者を介して、お見舞いの承諾を得るようにしてください。

示談交渉は保険会社に任せる

交通事故による損害賠償金は示談交渉で決めることになりますが、話し合いは加害者が加入している保険会社に任せるようにしてください。

自動車保険の契約の多くには、示談交渉サービスが含まれていますので、交通事故が発生しましたら保険会社に連絡してください。

加害者と被害者が直接示談交渉することも可能ですが、自身が専門家である場合を除き、事故に伴う損害賠償金の相場はわかりませんし、賠償金の額の調整も難しいです。

被害者に保険会社の担当者など代理人がいれば、相場以上の金額を賠償金として請求されることも考えられますので、専門的な話は専門家に任せるのが基本です。

加害者自身が負傷しているときの処置

交通事故は被害者だけでなく、加害者が負傷していることもありますので、自身の治療も並行して行ってください。
加害者の怪我については、健康保険を利用して治療することになります。

事故の治療費は相手方に請求できるケースもありますが、加害者が支払うべき賠償金の方が大きければ治療費の代金は相殺されてしまうので、受け取れないことが多いです。

また、通勤・業務中に発生した交通事故の場合、健康保険よりも労災保険が優先されるので、健康保険が利用できないケースもあります。

利用できる保険がわからないときは、保険を使用する前に専門家に確認してください。

交通事故の加害者が負う3つの責任

交通事故の加害者が負う3つの責任

交通事故を起こしてしまった場合、加害者には刑事・民事・行政上の責任を問われることになります。

刑事上の責任

交通事故による刑事上の責任は事故内容だけでなく、事故発生時の加害者の状態によっても変わってきます。

<主な刑事罰の種類>

  • ・過失運転致死傷罪
  • ・過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
  • ・危険運転致死傷罪
  • ・救護義務違反(ひき逃げ)
  • ・危険防止措置義務違反
  • ・報告義務違反
  • ・無免許運転

 
刑事上の責任は怪我の有無でも異なりますし、被害者が死亡した事故であれば罪はより重くなります。

前方不注意やスピード違反により人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪に問われる可能性がありますが、過失運転致死傷罪は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処される可能性があります。

ひき逃げや警察への報告義務違反は罰則の対象になるだけでなく、裁判での心証を悪くする行為ですので、義務違反は厳禁です。

民事上の責任

交通事故を起こした加害者は、被害者に与えた損害に応じて損害賠償金や慰謝料を支払わなければなりません。
不法行為に基づく損害賠償は、民法第709条「不法行為に対する損害賠償」で規定されており、加害者の不法行為によって生じた損害を補填することになります。

また、自動車損害賠償補償法で自動車の運行供用者に損害賠償責任を規定しています。

損害賠償の範囲には治療費だけでなく、仕事ができなくなったことによる休業損害や後遺症による逸失利益などがあります。

物損に対する補償としては破損した車や物を修理する費用や、修理時に使用する代車の費用などが含まれ、交通事故で被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料も支払わなければなりません。

行政上の責任

交通事故による行政上の責任としては、ルール違反をしたことによる交通反則通告制度により違反点数の加算と、反則金の支払いがあります。

自動車の点数制度は、運転者の交通違反や交通事故の種類に応じて点数を付けるもので、点数が一定以上になった場合、免許の停止や取消処分が下されます。

免許の取り消しなどは、過去3年間の累積点数で判断することになりますが、人身事故の違反点数は重く、1度の交通事故で免許の停止・取消になることもあります。

交通事故で特に注意しなければならないのが「ひき逃げ」で、救護義務違反の点数は35点と非常に高く、それだけで免許が取り消しになるので気を付けてください。

反則金は加害者が運転していた車両の種類によって異なり、安全運転義務違反による反則金の額は下記の通りです。

<安全運転義務違反に伴う反則金>

車両の種類 反則金の額
大型車 12,000円
普通自動車 9,000円
二輪車 7,000円
原付 6,000円

加害者の立場における示談交渉の内容と進め方

示談交渉は、民事上の責任を果たすために行うことになります。

示談交渉の流れ

加害者の立場として交通事故の示談交渉を行う場合、次の手順で進めます。

  • ・示談金・過失割合の提示
  • ・提示内容について被害者側と交渉
  • ・示談成立
  • ・成立した内容に基づき示談書を作成
  • ・損害賠償金・慰謝料の支払い

 

加害者が自動車保険に加入していれば、保険会社の担当者が被害者側に対して示談金の額や過失割合などを提示します。

被害者側は加害者側から提示された内容を確認し、示談に応じるかを決めますので、交渉すべき事項があれば双方の担当者が話し合うことになります。

示談内容がまとまりましたら、示談書を作成し、損害賠償金等の支払いを行えば一連手続きは完了します。

交通事故で生じる損害賠償の種類と相場

損害賠償金の額は、交通事故で生じた損害等によって異なります。

<損害賠償金・慰謝料の内訳>

  • ・治療費・入院費
  • ・休業損害
  • ・逸失利益
  • ・物損の賠償
  • ・入通院慰謝料
  • ・後遺障害慰謝料
  • ・死亡慰謝料

 
実際に支払うべき賠償金の額は事故内容によって変わり、過失割合が高いほど交通事故による賠償金は高くなります。
事故に伴う慰謝料については算定方法が3種類あり、いずれかの方法を用いて算出します。

<慰謝料の算定方法>

  • ・自賠責基準
  • ・任意保険基準
  • ・裁判基準

 
自賠責基準は国が定める最低限の金額基準をいい、自動車損害賠償保障法施行令によって基準が定められています。
自賠責保険は加害者が賠償金を支払えず、被害者が補償を受けられない状況を防ぐために設けられた保険です。

車を購入した際に自賠責保険への加入義務がありますが、補償基準は最低限の水準です。
任意保険基準は、保険会社が内部的に作成した基準をいい、保険会社によって基準となる額は異なります。

基準は公にはされていませんが、自賠責基準よりも賠償金の水準は高いです。
裁判基準は弁護士基準とも呼ばれる基準で、過去にあった判例に基づいて慰謝料の額を設定するものです。

被害者が求めている金額を満額受け取りたい場合、裁判基準に基づき請求することもありますが、他の基準よりも金額が高くなることから示談交渉がまとまらず、裁判に発展することも想定されます。

示談交渉が決裂した場合

示談交渉が決裂した場合、調停や裁判で解決することになります。

調停は裁判所で話し合いを行うことをいい、裁判は裁判所で勝ち負けを決める解決方法です。

裁判による解決は労力を要しますが、被害者側が裁判基準による損害賠償金を得たい場合には、裁判になる可能性も十分想定されます。

交通事故で裁判所から呼び出しを受けた際の流れ

交通事故の加害者になった場合、裁判所から呼び出されることもありますので、その際の対応方法をご紹介します。

裁判所が呼び出す理由

次のいずれかに該当する場合、加害者は裁判所から呼び出されます。

  • ・民事調停
  • ・民事裁判
  • ・刑事裁判

 
民事調停は裁判とは違い、勝ち負けを判断するものではなく、合意による解決を図る目的があります。

調停委員に対し、加害者・被害者が互いに示談交渉で折り合わなかった部分の主張をし、その内容に基づいて調停委員が調停案を作成します。

民事裁判は、示談交渉や民事調停でも解決できなかった際に行うことになり、被害者が裁判所に訴状を提出したときに裁判所から呼び出されますので、適宜対応しなければなりません。

裁判では勝ち負けを決めることになるため、加害者側も争いに勝つために書類等を作成するだけでなく、口頭弁論に立ち会う必要が出てきます。

刑事裁判は、刑事上の責任を問うときに行う裁判をいい、交通事故で起訴された場合に実施されます。
事故発生時点で逮捕されていない場合でも、後から起訴され、刑事裁判が行われるケースもあります。

裁判所からの呼び出しに応じないリスク

裁判所からは、民事調停・民事裁判・刑事裁判のいずれかの目的で呼び出されることになりますが、呼び出しに応じないと相応のデメリットを被ることになります。

民事調停を正当な理由なく欠席した場合、5万円以下の過料が発生しますし、民事裁判の呼び出し無視は加害者側が一切の主張をしなかった扱いになり、被害者側の主張が全面的に認められる結果となるので注意してください。

刑事裁判の呼び出しを無視した場合には、勾引状(こういんじょう)が発行されます。

勾引状は、裁判所から強制的に出頭させる目的で発行される令状ですので、加害者は必ず裁判に出廷することになります。

裁判所と検察からの呼び出しの違い

交通事故の加害者となった場合、検察から呼び出されることもありますが、検察は取り調べや略式裁判のために加害者を呼びます。

取り調べは事故内容を調べるために実施し、実際の事故状況等から起訴・不起訴を判断します。
呼び出しに応じないと身柄を確保するために、逮捕することもあるので基本的に呼び出しには応じなければなりません。

略式裁判は刑事裁判の一つで、通常の刑事裁判とは違い、書面上で刑事罰を決める裁判をいいます。
略式裁判は検察から手続きの説明を受けた上で実施することになるため、略式裁判を行うことへの同意を求めるために、検察が呼び出しすることもあります。

加害者も弁護士に依頼する選択肢を持つこと

実刑判決が下れば日常生活から離れる期間が生じますので、交通事故の対応は適切に行ってください。

交通事故の示談交渉については、被害者に納得してもらうだけでなく、損害賠償金の適正額を提示することも重要です。

弁護士は加害者が実務面で頼ることができる数少ない存在ですので、事故を起こしてしまったときは、弁護士を立てることを検討してください。