交通事故で重度の高次脳機能障害、てんかん等で後遺障害等級1級3号、半盲症について9級3号、併合で1級に認定された事案

交通事故で重度の高次脳機能障害が残った事案で、慰謝料を増額した判例について、弁護士が解説します。

【交通事故の判決】

東京地裁平成16年6月29日判決(交通事故民事裁判例集37巻・3号・838頁)

【死亡・後遺障害等級】
後遺障害等級併合1級

【損害額合計】
359,780,289円

【慰謝料額】
合計38,000,000円
後遺症慰謝料の本人分として、30,000,000円
近親者2名(被害者の両親)に各4,000,000円

【交通事故の概要】
平成9年4月24日午前10時50分ころ、神奈川県足柄上郡内の高速道路において、被害者が乗用車の助手席に同乗中、運転者が運転操作を誤り中央分離帯等に衝突したため、被害者は急性硬膜下血腫、脳挫傷、肋骨骨折、外傷性くも膜下出血、肺挫傷、両側前腕開放骨折等の傷害を負い、平成11年8月2日に症状固定した。被害者の障害は、幼児がえり等の重度の高次脳機能障害、てんかん等で後遺障害等級1級3号、半盲症について9級3号、併合で1級に認定された。
被害者は、事故当時25歳の男性で、大学院の博士課程に在籍していた。
原告は、被害者、被害者の両親である。
原告らが弁護士に依頼し、弁護士が代理人として提訴。

【判例要旨】

(裁判基準額 28,000,000円)

本件交通事故では、以下の事情から、合計で、38,000,000円の後遺症慰謝料を認めた。

①被害者が交通事故により受けた脳損傷の程度はかなり高度であり、認知障害、記憶障
害などの重度の高次脳機能障害を負い、知能及び人格の面でも大人から幼児に変わってしまったことが認められること。
②被害者は大学院の博士課程に在籍し、学業優秀であり、奨学金を受け、就職先も内定していたが、交通事故により労働能力を100%喪失し、常に他人の介護が必要となってしまったこと。
③被害者の両親は、以前の輝かしい生活と洋々たる前途を一瞬にして奪われた被害者を常時身近にいて見守り看護せざるを得ず、被害者の死亡にも比肩すべき精神的苦痛を被ったというべきであること。

以上、交通事故で重度の高次脳機能障害等で後遺障害等級1級が認定された事案について、慰謝料を増額した判例を弁護士が解説しました。

後遺障害等級1級で慰謝料増額が争いになった時は、弁護士にご相談ください。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
交通事故弁護士