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サンキュー事故とは?慰謝料とケース別の過失割合を解説

最終更新日 2025年 07月01日

サンキュー事故とは?慰謝料とケース別の過失割合を解説

この記事を読むとわかること

 

サンキュー事故は、進路を譲られた車が安全確認を怠ることで発生する交通事故です。

進路を譲った車が事故そのものには直接関与していないことも多く、その特異な発生形態から、過失割合の判断が複雑になりやすい事故とされています。

本記事では、サンキュー事故における慰謝料や過失割合について、詳しく解説します。

サンキュー事故とは

サンキュー事故とは、優先車両が非優先車両に進路を譲った際に発生する交通事故です。

進路を譲られた側の運転手が「ありがとう」と感謝することから、「サンキュー事故」と呼ばれています。

たとえば、右折車(非優先車両)が直進車(優先車両)に進路を譲られた場合、安全確認を怠って右折してしまうと、直進車の後方から進行してきたバイクや自転車と衝突するケースがあります。

このように、進路を譲った側と譲られた側の間では意思疎通ができていたとしても、その情報を把握していない他の車両やバイク、自転車が絡む事故であるため、過失割合は事故の発生状況によって大きく変動します。

サンキュー事故が発生しやすい状況

サンキュー事故は、優先車両側が道を譲ることで発生する交通事故ですが、進路を譲る状況そのものが事故の発生リスクを高める要因となります。

渋滞時の交差点では、直進車の進路先が詰まっているため、右折車に道を譲ることがあります。

道を譲られた右折車は、焦って進もうとすることで安全確認が不十分となり、直進車の後方から来たバイクや自転車に気付かず、衝突してしまう危険があります。
交差点以外では、駐車場の出入口もサンキュー事故が発生しやすい場所の一つです。

共通する特徴として、譲られた車が急いで交差点などに進入した結果、バイクや自転車と衝突することが挙げられます。

優先車両側の任意で進路が譲られますが、譲られたことをきっかけに発生する事故でもあるため、譲られた側の運転手は、状況に応じて慎重な運転を心掛けることが大切です。

サンキュー事故のケース別過失割合

サンキュー事故の過失割合は、事故の状況だけでなく、被害者の交通手段などによっても変動します。

信号機がない交差点での
サンキュー事故の過失割合

信号機のない交差点で発生するサンキュー事故では、進路を譲られた側の過失が重くなる傾向があります。

直進車が右折車に道を譲った際、直進車の後方から進行してきた車と右折車が接触した場合、自動車同士の場合の基本的な過失割合は「後方の直進車:右折車=2:8」です。

直進してきた車にも安全確認義務があるため、過失割合が0対10になることはありませんが、非優先車両である右折車の過失の方が大きくなります。

なお、事故は譲った側の後方から進行してきた直進車と、譲られた右折車が衝突して発生するため、進路を譲った運転手の過失が問われることは原則としてありません。

信号機がある交差点での
サンキュー事故の過失割合

信号機が設置された交差点で発生するサンキュー事故では、信号の表示状況や進入タイミングによって、過失割合が大きく左右されます。

たとえば、直進車の後方を走行していた車と右折車の双方が青信号で交差点に進入した場合、基本的な過失割合は「後方の直進車:右折車=2:8」です。

ただし、直進車側が赤信号、右折車側が青信号の状態でそれぞれ進入した場合には、過失割合は「後方の直進車:右折車=10:0」となり、直進してきた車に全面的な過失があると判断されます。

駐車場の出入口での
サンキュー事故の過失割合

駐車場の出入口で発生するサンキュー事故では、譲られた側の自動車に高い注意義務が課されるため、自動車同士の場合の基本的な過失割合は「後方の直進車:右左折車=2:8」です。

ただし、後方から直進してきた車側に著しい前方不注視や速度超過などの事情がある場合には、直進車側の過失が加算される可能性があります。

駐車場の出入口は交差点と異なり、見通しが悪く死角も多いため、譲られた側の運転手は進行前に左右の安全確認を徹底することが求められます。

自動車とバイクのサンキュー事故の過失割合

バイクは車に比べて視認性が低く、接近に気付きにくいため、譲られた側の運転手は進行前に十分な安全確認を行うことが求められます。

このような特性から、自動車とバイクのサンキュー事故では、自動車側の過失割合が高くなる傾向があります。

たとえば、信号機のない交差点で直進バイクと右折車が衝突した場合、基本的な過失割合は「バイク(直進車):右折車=1.5:8.5」とされるのが一般的です。

進路を譲ってもらったとしても、後方から直進してきたバイクは優先車両に該当するため、基本的には右折した側の過失が重くなります。
ただし、バイクが速度超過やすり抜けを行っていた場合には、バイク側の過失が加算される可能性があります。

信号機がある交差点での
自動車とバイクのサンキュー事故の過失割合

信号機がある交差点で発生するサンキュー事故のうち、自動車とバイクが関与するケースでは、バイク特有の視認性の低さや挙動の予測しにくさが影響し、過失割合の判断に違いが生じることがあります。

たとえば、直進バイクと右折車の双方が青信号で交差点に進入した場合、基本的な過失割合は「バイク(直進車):右折車=1.5:8.5」です。

双方が黄信号の状態で交差点に進入した場合の過失割合は「バイク(直進車):右折車=3:7」となり、バイク側の過失がやや増加します。

一方、バイク側が赤信号・右折車側が青信号の状態で進入した場合の過失割合は「バイク(直進車):右折車=10:0」と、直進してきたバイクに全面的な過失があると判断されます。

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渋滞時のサンキュー事故の
過失割合

渋滞時に発生するサンキュー事故は、停車中の車が右折車に道を譲った際に起きることが多く、過失割合の判断が難しくなります。

このような状況で、自動車同士で右折車が直進車と衝突した場合、基本的な過失割合は「バイク(直進車):右折車=3:7」です。

右折車の過失割合が高い点は通常のサンキュー事故と共通していますが、渋滞による視認性の低下や判断の難しさなどから、直進車側の過失がやや増加する傾向があります。

自動車と自転車のサンキュー事故の過失割合

自動車と自転車が関与するサンキュー事故は、交差点や渋滞中の道路、駐車場の出入口などで発生しやすく、過失割合の判断が難しいケースも少なくありません。

自転車もバイクと同様、車に比べて視認性が低く、速度や進路の予測が難しいため、譲られた側の運転手は進行前に十分な安全確認を行うことが求められます。

基本的には自動車側の過失割合が高くなり、信号機がある交差点で双方が青信号で進入して衝突した場合、基本的な過失割合は「自転車:右折車=1:9」とされるのが一般的です。

また、自転車側が赤信号、右折車が青信号で交差点に進入した場合でも、過失割合は「自転車:右折車=8:2」と、右折車側にも一定の過失が生じます。

なお、自転車が信号無視や急な飛び出しをしていた場合には、その状況が修正要素として考慮され、自転車側の過失割合が加算される可能性があります。

サンキュー事故による慰謝料の相場

サンキュー事故による慰謝料を請求する際は、慰謝料の種類だけでなく、その算定基準についても正しく理解しておく必要があります。

サンキュー事故で請求できる
慰謝料の種類

サンキュー事故で請求できる慰謝料には、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」があります。

入通院慰謝料は、事故による怪我の治療期間に応じて支払われるもので、通院日数や入院期間に応じて金額が変動します。

後遺障害慰謝料は、事故によって後遺障害を負った場合に支払われるもので、認定された後遺障害等級に基づいて金額が決定されます。

死亡慰謝料は、事故によって被害者が死亡した場合に遺族へ支払われるもので、被害者の年齢や家族構成などの事情によって金額が変動することがあります。

慰謝料の算定基準

慰謝料の算定基準には、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」があり、どの基準を用いるかは任意です。

自賠責基準は、最低限の補償を目的としているため、受け取れる金額は3つの基準の中で最も低くなります。

任意保険基準は、保険会社が独自に定めた基準であり、受け取れる金額は自賠責基準より高くなりますが、具体的な算定方法は公表されていません。

弁護士基準(裁判基準)は、裁判実務において認められる慰謝料の基準であり、3つの中では最も高額な慰謝料が認められる可能性があります。

サンキュー事故における
慰謝料の目安

以下の表は、代表的な3つの基準に基づく慰謝料の目安をまとめたものです。

サンキュー事故による慰謝料の金額は、事故の内容や被害の程度、適用される算定基準によって大きく異なります。

また、過失割合によっては慰謝料が減額される場合もあるため、事故状況を正確に把握することが求められます。

【入通院慰謝料の相場】

基準 金額の目安
自賠責基準 1日あたり4,300円
任意保険基準 自賠責基準よりも高い
(算定方法は非公開)
弁護士基準 通院3か月:50万〜80万円
通院6か月:90万〜120万円

 
【後遺障害慰謝料の相場(弁護士基準)】

等級 金額の目安 主な後遺障害の症状
1級 2,800万円 両眼失明、両上肢または両下肢の用の全廃など
5級 1,400万円 片眼失明かつ他眼の視力低下(0.1以下)、片上肢または片下肢の用の全廃など
9級 690万円 片眼の視力低下(0.06以下)、聴力障害、手指の一部欠損など
14級 110万円 局部に神経症状を残すものなど

 
【死亡慰謝料の相場(弁護士基準)】

被害者の属性 金額の目安
一家の支柱 2,800万円
配偶者・母親 2,500万円
高齢者・子どもなど 2,000万〜2,500万円

 

サンキュー事故を防ぐための
運転のポイント

サンキュー事故を防ぐためには、道を譲られた側の運転手が慎重な対応を心掛けることが重要です。

進路を譲られた際、「早く通過しなければならない」という焦りから安全確認を怠ると、事故につながるおそれがあります。

そのため、直進車に道を譲られた場合でも、急いで進行せず、周囲の状況を十分に確認したうえで発進することが大切です。

バイクや自転車は、交差点などに右折車がいることを想定していない場合があり、譲ってくれた直進車の後方から突然現れることもあります。

たとえバイク側に違反があったとしても、基本的には非優先車両である右折車の責任が問われるため、道を譲られた側は、視界が遮られている場合には一時停止を行うなど、冷静に安全確認を徹底することが事故防止につながります。

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サンキュー事故の過失割合・慰謝料を決める際の注意点

サンキュー事故における過失割合の判断は、慰謝料や損害賠償額に直結するため、慎重な対応が求められます。

過失割合・慰謝料は基本的に
示談交渉で決める

示談交渉では、過失割合や慰謝料の金額について当事者間で話し合いが行われます。

交渉が不調に終わった場合には裁判に発展する可能性もありますが、示談で解決できれば当事者双方の負担を軽減できるため、できる限り示談で決着を図ることが望ましいです。

通常、示談交渉は加害者と被害者の間で行われますが、加害者が任意保険に加入している場合には、保険会社の担当者が交渉の窓口になることもあります。

保険会社との交渉では、提示された示談金額が適正かどうかを冷静に検討し、納得できない場合には自身の意見をしっかり主張することが重要です。

なお、慰謝料の算定に用いる基準は任意であるため、弁護士基準をもとに交渉を進めることで、より妥当な金額を得られる可能性が高まります。

被害者の過失割合が高くなると慰謝料は少なくなる

過失割合は当事者間の話し合いによって決定されますが、加害者側の保険会社が支払額を抑える目的で、被害者側の過失を高めに見積もることもあります。

たとえば、信号のない交差点で右折車と直進バイクの衝突事故が起きた場合、「バイクにも過失がある」と主張され、被害者側の過失割合が引き上げられることも考えられます。

こうした主張を安易に受け入れてしまうと、慰謝料や賠償金の金額が不当に減額されるおそれがあるため、提示された過失割合の妥当性を慎重に確認することが重要です。

提示された慰謝料の額に納得できない場合や、交渉が難航する場合には、弁護士への相談も視野に入れてください。

弁護士は、事故状況や判例に基づく的確な助言を通じて、適正な賠償の実現に向けた支援を行います。
示談交渉を有利に進めるためにも、専門家の知見を取り入れつつ、冷静に対応する姿勢が大切です。

サンキュー事故の対応は
弁護士にお任せ

サンキュー事故は、道を譲られた側の運転手が安全確認を怠ることで発生しますが、事故の状況によって過失割合が変動するため、判断が難しい傾向にあります。

慰謝料の請求や示談交渉を適切に進めるためには、事故状況を整理し、証拠を確保しておくことが重要です。

特に保険会社との交渉では、不利な条件で合意してしまわないよう、慎重な対応が求められます。

適切な補償を受けるためにも、サンキュー事故に精通した弁護士に相談し、状況に応じた最善の解決策を見つけることをおすすめします。

サンキュー事故の慰謝料や過失割合でお困りの場合は、まずは一度、みらい総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

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監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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