交通事故を高額の弁護士基準で示談するためにやってはいけないこと


交通事故の被害者が弁護士に相談したほうがいい理由のひとつに「弁護士基準」というものの存在があります。

では、この弁護士基準とは一体何でしょうか?

弁護士が勝手に決めた何かの基準がある、というわけではありません。

☑交通事故の被害に遭ったとき、被害者がしなければならないことをご存じですか?

☑交通事故の慰謝料に、なぜ3つの基準があるか、ご存じですか?

☑交通事故で被害者がやってはいけないことをご存じですか?

☑交通事故の示談で高額の弁護士基準で示談をする方法をご存じですか?

今後、交通事故の被害者が進めていかなければいけない「損害賠償請求」に大きく関わってくることなので、とても大切なことなのです。

そこで今回は、交通事故の被害者が知っておくべき損害賠償請求と弁護士基準で示談するためにやってはいけないことを解説します。

これから、交通事故の弁護士基準について説明しますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを詳しく解説した無料小冊子をダウンロードしておきましょう

 

STEP1:交通事故発生からの流れと必要な手続きを知る

まず、交通事故が起きてから、加害者が行なわなければいけない手継ぎとその流れについて理解しておきましょう。

通常は次のように進んでいきます。
 

①交通事故が発生

大変なことが起きてしまいましたが、まずは落ち着いて行動しましょう。
 

②事故状況や相手(加害者)の身元の確認

免許証や名刺、車検証などで必ず相手の身元を確認しましょう。
 

③警察へ通報、現場検証、実況見分調書の作成

実況見分調書は、加害者と被害者の過失割合を決めたり、示談交渉や裁判でも重要な資料になるので、警察には正直に、できるだけ正確に事故の状況を説明してください。

なぜなら、一度作成されてしまうと後から内容を修正するのは難しいからです。
 

④加害者、被害者双方の保険会社への通知

加害者の任意保険を確認して保険会社に連絡をするよう要求するとともに、自分の任意保険会社にも連絡をしておきましょう。

自分の任意保険に「弁護士費用特約」がついているかどうかの確認も必要です。

「弁護士費用特約」がついている場合には、弁護士費用を保険会社が保険金として支払ってくれる場合があるので、使った方がよいでしょう。
 

⑤ケガの治療(通院、入院)

ケガをした場合は、必ず医師の診断を受け、主治医の指示に従って一定期間は通院してください。

医学的な証拠がないと、適切な後遺障害等級が認定されませんし、後々の示談交渉で被害者が不利になってしまいます。
 

⑥治療完了後、後遺障害等級の認定

この後遺障害等級が何級かによって、大きい場合には損害賠償金額が数百万円から数千万円も変わってくることもあるので、非常に重要です。

また、認定された後遺障害等級が間違っていることもあります。

その場合には、「異議申立」という手続きが必要です。

しかし、それにも医学的知識や後遺障害等級認定の仕組みに関する専門知識が必要です。

後遺障害等級を正しく認定させるには、後遺障害等級認定システムや医学的知識が必要です。交通事故に強い弁護士に相談してみましょう



 

⑦加害者側の任意保険会社より損害賠償額の提示

多くの場合、示談交渉では、保険会社から示談金額が提示され、それに基づいて示談交渉が行われます。

提示金額をよく確認し、納得がいかない場合は示談交渉がスタートします。
 

⑧示談交渉を開始

交通事故の示談交渉の相手は加害者側の保険会社の担当者、保険のプロです。

手ごわい相手ですから、慰謝料増額のためには法律と保険に関する詳しい知識をもって交渉に臨まなければいけません。
 

⑨示談成立後は法的手続き

示談が成立したら法的手続きを行ない、被害者に保険金が支払われます。
 

⑩示談が決裂した場合は裁判に進む

提示金額に納得がいかず示談交渉が決裂した場合は裁判に進みます。

裁判というと、「やりたくない」と拒否反応を示す人もいますが、裁判にはメリットもあります。

何より、不当に低い金額で示談することは、決してはやってはいけないことです。

 
 

STEP2:損害賠償請求と示談交渉の注意点を学ぶ

では次に、損害賠償請求と示談交渉について注意するべきポイントがありますので学んでいきましょう。
 

慰謝料は損害賠償金の一部である

損害賠償請求とは、交通事故の被害者が被った損害に対する賠償金を加害者に請求することです。
損害賠償金にはさまざまな項目があります。
 

損害賠償金の項目例

治療費、付添費、将来介護費、入院雑費、通院交通費、装具・器具等購入費、家屋・自動車等改造費、葬儀関係費、休業損害、傷害慰謝料、後遺症慰謝料、逸失利益、修理費 など。

損害賠償金と慰謝料は同じものと思っている方もいますが、じつは損害賠償金の中の項目のひとつとして慰謝料がある、ということは覚えておいてください。
 

示談交渉の相手は加害者側の保険会社である

さて、上記⑦⑧でも触れましたが、交通事故の被害者には加害者が加入している任意保険会社から損害賠償金(示談金)の提示があります。

この金額に納得したならば示談交渉には進まず、契約書にサインをして、その後に被害者には損害賠償金が支払われるという流れになります。

しかし、金額に納得がいかない場合は示談交渉に入ります。

ここで注意しなければいけないポイントがあります。

それは、示談交渉の相手は加害者側の保険会社の担当者であり、保険のプロだということです。

保険会社の目的は、被害者救済ではありません。

保険会社が株式会社であれば、その目的は利益を出すことです。

ですから、「提示された損害賠償金額が低いから納得いかない、金額を上げてほしい」と被害者が主張したとしても、保険会社としては「はい、わかりました」とは決して言いません。

なぜなら、高い損害賠償金を支払うことは保険会社にとっては損失になってしまうからです。

そこで保険会社の担当者は、保険についてのさまざまな知識を駆使して、なぜこの金額なのかの理由を説明してくるでしょう。

通常、保険の知識などない被害者としては対抗できなくなり、結局は納得のいかない金額のまま契約書にサインをしてしまう、ということもよくあることです。

しかし、そのような示談をしてはいけません。

低すぎる金額で示談をしないため、一度弁護士に相談してみることをおすすめします


ところで、ここでひとつの疑問が湧いてきます。

そもそも、なぜ被害者が思っているよりも低い損害賠償金額が提示されるのでしょうか?

それは、損害賠償金額には3つの基準があるからです。

 

STEP3:損害賠償請求で登場する3つの基準を理解する

交通事故による損害賠償金額を計算する際には、3つの基準があります。

それは、①自賠責基準、②任意保険基準、③弁護士基準(裁判基準)といわれるものです。

それぞれを説明します。
 

自賠責基準で示談してはいけない

自賠責基準とは、自賠責保険に基づく基準のことです。

自動車を運転する者には法律により自賠責保険に加入することが義務付けられていますが、交通事故の被害者には、まず加害者が加入している自賠責保険から損害賠償金が支払われることになります。

そのため、ケガの程度が比較的軽く、自賠責保険の範囲内で納まる場合には、この自賠責基準をもとに損害賠償金が算出されます。

ちなみに、自賠責保険には支払限度があります。

被害者が死亡した場合は3000万円、傷害による損害の場合は120万円です。

ケガにより後遺障害が残り、介護が必要な場合は4000万~3000万円、その他の後遺障害の場合は1級から14級の後遺障害等級に応じて3000万円~75万円の金額が支払われます。
 

自賠責法別表第1

第1級 4000万円
第2級 3000万円
 

自賠責法別表第2

第1級 3000万円
第2級 2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円
第5級 1574万円
第6級 1296万円
第7級 1051万円
第8級  819万円
第9級  616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級  75万円

自賠責保険は必要最低限の保険のため、自賠責保険ではカバーしきれない部分の損害賠償が発生する場合があります。

そうした場合に備えて、各ドライバーが加入するのが任意保険であります。

自賠責保険では足りない部分の損害賠償金は任意保険から支払われることになります。

 

任意保険基準で示談してはいけない

任意保険基準とは、任意保険会社が損害賠償額を算定するときに使う保険会社内部の基準のことです。

内部的な基準なので、明確な基準が公表されているわけではありませんが、自賠責基準と弁護士基準(裁判基準)の間で設定されています。

交通事故の被害者が重い後遺障害を負った場合などは、任意保険会社が任意保険基準による算出した金額を示談金として被害者に提示してきます。

 

弁護士基準(裁判基準)

弁護士基準とは、実際の交通事故の裁判の事例から導き出された損害賠償金の基準で、裁判をした場合に認められうる基準のことです。

3つの基準の中で弁護士基準がもっとも高額となります。

これは、弁護士など法律関係者が使う「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍に記載されています。(日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年発行しているもので、表紙が赤いため、通称「赤い本」と呼ばれています)

裁判所や弁護士は、この赤い本を参考に損害賠償額を算定していきます。

つまり、弁護士基準こそが交通事故の被害者が適切で最大の損害賠償金額を勝ち取るために重要な基準だということです。

ここまでの話を整理すると、こういうことです。

まず加害者側の保険会社としては、損害賠償金額が自賠責保険の範囲内で納まる場合は、その金額を提示しますが、範囲内に納まらない場合は任意保険基準により算出した金額を被害者に提示してきます。

しかし、場合によっては、わざと自賠責基準で提示してくる場合があるので、注意が必要です。

そのような場合には、安易に示談してはいけません。

前述したように、任意保険会社は営利目的の会社ですから、損害賠償金額をなるべく低く試算して提示してきます。

ここで、被害者としては金額が低すぎると感じる場合があるわけです。

この段階で被害者が保険のプロである任意保険会社の担当者と交渉できればいいのですが、通常は保険の知識も法律の知識も被害者は持っていません。

そのため、親切な感じで人当たりのいい雰囲気の任意保険会社の担当者に「がんばって、基準いっぱいの金額を提示させていただきました」などと言われると、「大手保険会社が言うのだから間違いないのだろう」とか、「親切に対応してくれたのだから、この金額で示談したほうがいいのだろう」などと考えて契約書にサインをしてしまうのです。

しかしそれでは、被害者が適切な損害賠償金を手にすることができなくなってしまいます。

かといって、交通事故の被害者が頑張って交渉することによって、弁護士基準で示談できるか、というと、なかなか難しいでしょう。
 

被害者自身の示談交渉では弁護士基準で示談できない理由

なぜか、というと、示談交渉というのは、被害者と保険会社の双方が合意することで解決します。

どちらか一方が「ノー」と言えば、示談は成立しないことになります。

そこで、被害者が弁護士基準で示談するよう保険会社に迫っても、保険会社が「無理です」と言い続ければ、弁護士基準では示談できない、ということになるのです。

では、強制的に弁護士基準で示談する方法はあるか、というと、それは、「裁判」をすることです。

裁判をすれば、裁判所が弁護士基準で判決を出してくれます。

したがって、被害者が弁護士に依頼し、裁判になると、弁護士基準で解決する、ということになります。

そして、弁護士と保険会社が交渉し、保険会社が自賠責基準や任意保険基準から譲歩しなければ裁判になって、結局は弁護士基準で支払わなければならなくなります。

したがって、裁判になる前に、弁護士基準やそれに近い金額で示談した方が保険会社にとっても得なわけです。

そのために、弁護士が交渉すると、示談金額が増額することが多い、ということになります。

 

交通事故被害者は弁護士に相談したほうがいい理由

突然の交通事故で被害にあい、そのうえ後遺障害を負ってしまえば、被害者は苦しみを一生背負っていかなければならなくなってしまいます。

もちろん、お金ですべてが解決すわけではありませんが、被害者が負った肉体的、精神的苦痛や損害を賠償するために慰謝料などの損害賠償金があります。

被害者としては損害賠償金を手にする権利があるのですから、適正な金額を受け取るべきです。

しかし、ここまでお話ししたように、損害賠償金には3つの基準があり、被害者は正しい金額を受け取っていないケースが多くあるのです。

ですから、交通事故の被害者が弁護士基準による正しい損害賠償金を勝ち取るためには、やはり弁護士に相談するべきだと思います。

しかし、弁護士に相談する際には、交通事故が苦手な弁護士に相談してはいけません。

弁護士にも交通事故が得意な弁護士と苦手な弁護士がいます。

交通事故を解決するには、医学的な知識、後遺障害等級の認定システムの知識、保険の知識など、法律以外の膨大な知識が必要です。

普段、金融法務や企業法務ばかりやって、交通事故の案件をやっていない、という弁護士の場合、これらの知識は必要ないので、特に勉強していない、ということになるでしょう。

したがって、交通事故の被害者は、交通事故に強い弁護士に相談し、依頼することが大切です。

交通事故に強い弁護士は、交通事故の専門書籍を執筆したり、テレビのニュース番組から取材をうけたりしています。

交通事故に強い弁護士が依頼を受けた際には、示談交渉の時、法律のプロとして適切な弁護士基準による損害賠償金を主張していきます。

そこでも交渉が決裂した場合は、裁判に突入します。

弁護士は、法廷の場で被害者のために最大限の力を発揮し、正しい損害賠償金を勝ち取っていくのです。

みらい総合法律事務では、交通事故被害者の弁護に実績のある弁護士が無料相談を行なっています。

死亡事故と後遺障害に特化して専門性を高めています。

そこで弁護士の説明に納得がいったならば、正式に依頼をするという段取りで問題はありません。

ご依頼をいただいたならば、専門の弁護士たちが被害者とともに示談解決に向けて精一杯に取り組んでいきます。

まずは一度、気軽に相談していただければと思います。