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交通事故の慰謝料で被害者がやってはいけない6つのこと

最終更新日 2021年 06月08日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠


交通事故の示談交渉において、被害者本人が交渉しても、なかなか慰謝料を増額できないことはご存じだと思います。

それには、理由があり、やり方によって慰謝料を増額させる方法もあります。

【動画解説】交通事故で慰謝料は相場から大幅に増額される


交通事故における慰謝料とは、簡単に言うと「精神的な苦痛を被ったことに対する損害賠償金」ということになります。

つまり、被害者は慰謝料を加害者側に請求することができるわけです。

そうは言っても簡単ではありません。

慰謝料請求は、法律問題であるためです。

色々な疑問がわいてくるでしょう。

  • 慰謝料とは、一体どういうものなのか?
  • 慰謝料はいくら請求できるのか?
  • 自分の場合の慰謝料の相場は、いくらなのか?
  • 相場以上の金額が認められる場合とは?
  • 保険会社と慰謝料額で合意ができない場合は、どうしたらいいのか?

慰謝料請求にも手順や注意するべきポイントがあります。

今回は、交通事故の被害者が慰謝料を請求する際に「やってはいけないこと」について、完全解説していきます。

交通事故の慰謝料請求までの流れ


まずは、交通事故にあった後に被害者が取るべき手続きについてお話しします。

ケガの場合、大きくは、次のように進みます。

治療

治療の終了

後遺障害等級認定

示談交渉・裁判

交通事故により被害者がケガを負った場合、まずは治療が優先されます。病院に入院するか通院して治療を受けます。

治療中は、示談交渉はしません。まだ損害額が確定していないためです。

ケガが完治すればいいのですが、治療の甲斐なく「これ以上の治療を続けても完治する見込みがない」と担当医から診断されることがあります。

これを「症状固定」といいます。

症状固定と診断されると、被害者の負ったケガは後遺症になります。

症状固定により治療が終了しますので、法律上、損害が確定し、
加害者側の任意保険会社との示談交渉に入っていきます。

しかし、症状固定の診断を受けただけでは、後遺症の重さがわからないので、すぐに示談交渉を始められるわけではありません。

後遺症の重さを確定させるため、「自賠責後遺障害等級」の認定を受けることになります。

自賠責後遺障害等級の認定を受けるには、損害保険料率算出機構(損保料率機構)という機関に申請します。

後遺障害等級には1級から14級まであり、1級のほうが重い後遺障害等級になります。

損保料率機構から後遺障害等級が認定されると、後遺症は後遺障害となります。

この後、被害者は加害者側の保険会社と損害賠償金について示談交渉を進めていくことになります。

【参考記事】「交通事故の被害に遭ってしまった場合、すぐやることを教えて下さい」

では、これから、交通事故の慰謝料で被害者がやってはいけない6つのことについて説明していきます。

加害者側の保険会社を“味方”と思ってはいけない

まず、加害者側の任意保険会社は任意保険基準によって算出した損害賠償金を提示してきます。

一見、大手保険会社がいうことなので正しいと思われがちですが、これはそもそも被害者が受け取ることができる金額よりも低いケースがほとんどです。

場合によっては2分の1や3分の1、10分の1も少ないということもよくあるケースです。

相手側の保険会社の担当者が、いくら紳士的な対応で、もっともらしい理由を話しても、低い損害賠償金額であることに変わりはないのです。

なぜ、保険会社が適正な示談金を提示せず、低い金額を提示するか、その理由をご存じでしょうか?

それは、株式会社としての保険会社は、「営利」を目的とした存在だからです。

利益を出さないと、経営者は交替させられてしまうのです。

そして、利益を出すには、支払いを少なくしなければならず、そのため、交通事故の被害者への支払いをできる限り低くしようという力が働くのです。

つまり、加害者側の保険会社を“味方”と思ってはいけない、ということです。

みらい総合法律事務所の解決事例を見て頂ければ、保険会社提示額の2倍、3倍などに増額するケースが多数ありますので、ご理解いただけるのではないか、と思います。

【参考記事】
みらい総合法律事務所の解決実績はこちら

慰謝料の種類を知らずに慰謝料請求してはいけない

慰謝料といっても、じつは交通事故に関係するものはひとつではありません。

「傷害慰謝料」、「後遺障害慰謝料」、「死亡慰謝料」の3種類があります。

さらに、死亡事故などの場合には、近親者が慰謝料を請求できる場合もあります。「近親者慰謝料」と言います。

傷害慰謝料

「傷害慰謝料」とは、交通事故によりケガ(傷害)をしたことに対する肉体的、精神的苦痛を慰謝するために支払われる損害賠償金です。

交通事故の損害賠償実務では、傷害慰謝料は、原則として入通院機関を基礎として、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(日弁連交通事故センター東京支部編)に掲載されている計算表に基づいて計算をしています。

【参照】公益財団法人日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について(青本及び赤い本)」

では、具体的に傷害慰謝料の計算方法を説明します。

(1)むち打ち症で他覚所見がない場合

むち打ち症で他覚所見がない場合、軽い打撲、軽い挫創などの場合は、入通院期間を基礎として下記の表に当てはめて慰謝料を計算します。

通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえて実通院日数の3倍程度を通院期間の目安として計算します。

「弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料(むち打ちなど軽傷)の算定表」
【弁護士基準】入通院慰謝料の算定表(軽傷)

【弁護士基準】入通院慰謝料の算定表(軽傷)

(2)(1)以外の場合には、下記の表に当てはめて慰謝料を計算します。

但し、通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえて、実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間のめやすにする場合もあります。

また、傷害の部位、程度によっては、慰謝料額を20~30%増額する場合もあります。

「弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料(重傷)の算定表」
【弁護士基準】入通院慰謝料の算定表(重傷)

【弁護士基準】入通院慰謝料の算定表(重傷)

死亡慰謝料

「死亡慰謝料」とは、交通事故により被害者が死亡したことで被った精神的損害に対して支払われるものです。

受取人は、配偶者や子などの相続人です。

被害者の立場や置かれている状況などによって金額が異なってきますが、概ねの相場金額は次のようになっています。

一家の支柱の場合2800万円
母親・配偶者の場合2500万円
その他の方の場合2000万~2500万円

後遺障害慰謝料

「後遺障害慰謝料」とは、交通事故で後遺障害が残った場合に精神的に被った苦痛に対して償われるものです。

精神的な苦痛の程度というのは、本来は事故ごと、被害者ごとに違うものですが、それぞれの事案によって判断するのは難しいため、大体の相場金額が決まっています。

裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額

等級保険金額
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

あくまで相場の金額ですから、もちろん金額がアップする場合があります。

これらについても、前掲の「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)に基づいています。

 
このように、慰謝料はひとつではないので、加害者側の保険会社から損害賠償金の提示があった場合、何も知らない被害者は、どの慰謝料がいくら提示されているのか正確にわからないということがあります。

そうした場合、安易に示談をしたために被害者が損をしてしまうというケースもあります。

ですから、まずはご自身が請求できる慰謝料の種類や相場の金額を知ることは大切なのです。

【参考論文】「慰謝料の現代的課題」- J-Stage(齋藤修 著)

 

症状固定の前に治療をやめてはいけない

交通事故で負ったケガの治療は症状固定までは必ず継続しなければいけません。

なぜなら前述したように、症状固定と診断された時点で後遺症となり、その後に後遺障害等級の認定を受けることで被害者は慰謝料の請求をすることができるからです。

ところが、被害者の中には途中で治療をやめてしまう人がいます。

たとえば後々、被害者の入院費や治療費を支払うのは加害者側の任意保険会社なのですが、この担当者からケガの治療中に、

「そろそろ治療を終えて示談交渉を始めたい」

とか

「今月で治療費の支払いを打ち切るので症状固定としてください」

と言われる場合があります。

保険会社としては、できるだけ治療費などの支払いを少なくさせたい理由から、このようなことを言ってくるわけですが、中には

「治療費が打ち切られてしまうなら、もう通院することはできないのか…」

と思い込んでしまって、まだ症状固定していないのに通院するのをやめてしまう被害者がいるのです。

すると、どうなるのかといえば、治療を最後まで受けられず、症状を悪化させてしまう可能性もあります。

ですから、くれぐれも安易に保険会社の担当者が言うことをうのみにして治療をやめてはいけません。

しっかり、担当の医師から「症状固定」の診断が出るまで、治療を続けることが大切です。

後遺障害等級をおろそかにしてはいけない

前述したように、被害者が自賠責後遺障害等級の認定を受けるには、損保料率機構という機関に申請します。

【参考情報】損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」

その後、ご自身の後遺障害等級が決定するのですが、じつはこの等級、必ずしも正しいとは限らないことに注意が必要です。

たとえば、申請に必要な書類や資料の不備。

何か、足りないものはないか、記述に間違いはないかなど、しっかり確認する必要があります。

上記の「裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額」の表を見てください。

1級が2800万円、3級が1990万円です。

本来であれば1級が認定されるべき被害者が3級と認定された場合、後遺障害慰謝料だけで810万円も低い金額になってしまうのです。

また、損害賠償金には慰謝料の他に、入通院費や治療費、付添費、交通費、逸失利益、将来介護費などさまざまな項目があります。

たとえば、逸失利益とはケガをして後遺障害が残ったために働くことができずに得ることができなくなった給料などの利益のことですが、これも等級が変われば当然金額も変わってきます。

なかには、後遺障害等級が1級違っただけで数千万円も賠償金額が違ってくる場合も多々あります。

つまり、後遺障害等級は被害者が慰謝料などを請求するうえで非常に重要なものなのです。

ですから、被害者は後遺障害等級を決しておろそかにしてはいけません。

等級の認定を受けたら、それが本当に正しいものなのか、しっかり確認することが大事です。

なお、認定された後遺障害等級に不満がある場合は「異議申立」をすることができます。

ただ、後遺障害等級の認定が正しいかどうかは、法的知識の他、医学的知識、等級認定システムの知識など、高度な知識が必要です。

また、異議申立といっても、ただ「不服がある」と主張するだけでは認められません。

等級認定システムを熟知した上で、効果的な立証活動をしていかなければなりません。

したがって、後遺障害等級が認定された際は、一度、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。

【参考記事】正しい後遺障害等級が認定される人、されない人の違い

損害賠償金の3つの基準を知らずに慰謝料請求してはいけない

後遺障害等級が認定されると、いよいよ示談交渉が始まります。

ところで、示談交渉の相手は誰かといえば、加害者が加入している自動車保険の任意保険会社です。

その担当者から、「当社で最大限努力して出した金額です」などと言って示談金が提示されます。

この時、被害者は「損害賠償金には基準がある」ことを知っておかなければいけません。

なぜなら、被害者の慰謝料が本来よりも低い金額で設定されている可能性が高いからです。

慰謝料の3つの基準とは、次の3つです。

・自賠責基準
・任意保険基準
・裁判基準

順番に説明していきます。

自賠責基準

自動車を運転する者には法律により自賠責保険に加入することが義務付けられています。

そのため、まず交通事故の被害者には加害者が加入している自賠責保険から損害賠償金が支払われることになります。

その際の基準がこの自賠責基準であり、必要最低限の金額になります。

自賠責保険ではカバーしきれない部分、つまり足りない分の損害賠償が発生する場合は、加害者が加入している任意保険から支払われます。

自賠責保険には支払限度があり、被害者が死亡した場合は3000万円、傷害による損害の場合は120万円となっています。

ケガの程度が比較的軽く、自賠責保険の範囲内で納まる場合には、この自賠責基準をもとに損害賠償金が算出されます。

後遺障害が残ってしまい、介護が必要な場合は4000万~3000万円。

その他の後遺障害の場合は、1級から14級の後遺障害等級に応じて3000万円~75万円の金額が支払われることになります。

自賠責法別表第1

第1級4000万円
第2級3000万円

自賠責法別表第2

第1級3000万円
第2級2590万円
第3級2219万円
第4級1889万円
第5級1574万円
第6級1296万円
第7級1051万円
第8級819万円
第9級616万円
第10級461万円
第11級331万円
第12級224万円
第13級139万円
第14級75万円

自賠責保険の詳しい支払い基準については、国土交通省のホームページをご参照ください。

【参考情報】国土交通省「自賠責保険(共済)の限度額と保障内容」

任意保険基準

加害者側の任意保険会社が損害賠償額を算定するときに使う保険会社の内部基準です。

内部的な基準なので、明確な基準が公表されているわけではありません。

金額は自賠責基準と弁護士基準(裁判基準)の間で設定されています。

被害者に後遺障害が残った場合、保険会社はそれぞれの社内内部基準によって算出した損害賠償金を提示してきます。

弁護士基準(裁判基準)

実際の交通事故の裁判の事例から導き出された損害賠償金の基準です。

法的根拠がもとになっているため、裁判をした場合に認められる可能性が高いのがこの基準による金額になります。

弁護士など法律関係者が使う書籍「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)に金額が記載されています。

裁判所や弁護士は、この赤い本を参考に損害賠償額を算定していきます。

任意保険基準では、そもそも被害者が受け取ることができる金額よりも低い金額が設定されます。

この3つの基準の中でもっとも金額が高いのは弁護士基準(裁判基準)であり、この金額が、本来被害者が受け取るべき金額です。

ですから、任意保険基準のことを知らないで示談をしてしまうと損をすることになってしまうのです。

どのくらい損をしてしまうか、私たち、みらい総合法律事務所が解決した極端な事例で見ていきましょう。

【実際の解決事例】約2億円損をするところだった被害者

46歳男性が、交通事故により頚髄損傷の傷害を負い、四肢麻痺の後遺症を残して自賠責後遺障害等級1級1号に認定されました。

保険会社は、被害者に対し、慰謝料として、7800万円を提示しました。

被害者がみらい総合法律事務所に示談交渉を依頼し、最終的に、裁判での決着となりました。

解決金額は、2億7664万2032円。

保険会社が提示した額の約3.5倍。

金額にすると約2億円増額したことになります。

被害者が、弁護士に依頼せず、保険会社が提示する任意保険基準で示談していたら、約2億円も損をしていた、ということになるのです。

慰謝料が増額するケースを知らないで示談してはいけない

慰謝料には相場があることは前にお話ししましたが、じつは相場よりも慰謝料が増額する場合があります。

被害者の精神的苦痛の程度が通常より大きいと思えるような場合

加害者側の過失の大きさや、事故後の態度の悪さなどにより、事故に対する被害者の精神的苦痛が増大したと認められる場合は、慰謝料が増額されることがあります。

【参考論文】「交通事故に関する加害者側の主張と慰謝料の増額」(畑中久彌著)

過去の裁判例では、加害者が、忘年会で飲酒後酩酊しながら自動車で帰宅する途中、高速道を一般道と錯覚して転回して逆そうし、謝罪の際も配慮の欠けた面があったことなどを理由として、慰謝料相場2800万円のところ、3600万円を認めた事例があります(東京地裁平成15年3月27日判決・交通事故民事裁判例集36巻2号439頁参照)。

また、加害者の酒酔い運転及びセンターラインーオーバーという悪質運転、事故後救助活動を一切しなかったこと、捜査段階で罪を逃れるため、被害者がセンターラインオーバーをしてきたと虚偽の供述をしたことなどを考慮し、慰謝料2800万円が相場のところ、本人分2600万円、妻分500万円、母分500万円の合計3600万円を認めた事例があります(東京地裁平成16年2月25日判決、自保ジャーナル1556号13頁参照)。

次は、みらい総合法律事務所で実際に解決した事例をご紹介します。

被害者男性が道路で寝ていたところ、飲酒運転の加害者にひき逃げされました。

被害者遺族は、はじめからみらい総合法律事務所に刑事事件への被害者参加と示談交渉を依頼しました。

刑事事件終了後、私たちは慰謝料増額を見越し、示談交渉をせず、提訴し、裁判での解決を目指しました。

裁判所に加害者の悪質性を訴えて慰謝料増額を主張したところ、慰謝料の相場2500万円のところ、大幅に慰謝料が増額され、3400万円が認められました。

解決総額は、9400万円です。

他の損害項目に入らないものを慰謝料で斟酌(しんしゃく)しようとする場合

顔や生殖機能、嗅覚などの後遺障害が認定されても後遺症逸失利益が算定しにくいような事案の場合は、逸失利益を認めず慰謝料を増額することで賠償額のバランスを取ろうとすることがあります。

過去の裁判例では、22歳の女性の外貌醜状の後遺症について、顔面醜状のためモデルになるのを諦めたこと、同僚などから「どうしたのか」」などと聞かれ、辛い思いをしたこと、腕の醜状のため半袖等の着用を控えていること、などを理由として、逸失利益は認めないが、慰謝料相場1000万円のところ、1450万円を認めた事例があります(大阪地裁平成11年8月31日判決・自保ジャーナル1335号3頁)。
交通事故の時に16歳であった女子に生じた大腿部の醜状痕(後遺障害等級第12級)について、逸失利益は否定されましたが、後遺障害慰謝料として、慰謝料相場金額が290万円のところ、慰謝料を増額して420万円が認められた事例があります。
(甲府地裁平成18年11月24日判決)裁判所ホームページ

被害者に特別の事情がある場合

被害者に特別の事情があり、通常の場合より被害者の無念さが大きいと認められると、慰謝料が増額されることがあります。

20歳の男子大学生の死亡事故について、息子を失った喪失感等から四十九日が過ぎたころから精神的に不安定となって自殺を図り、精神科に入退院を繰り返し障害等級2級の障害者手帳の交付を受けている事案について、当時の慰謝料相場額が2000万円~2200万円のところ、本人分2200万円、母親分300万円、父親分150万円の合計2650万円を認めた事例があります(名古屋地裁平成17年11月30日判決、交通事故民事裁判例集38巻6号1634参照)。
9歳の小学生男児の交通死亡事故について、交通事故発生直後に被害者の悲惨な状態を目撃した母親がPTSDに罹患しました。

裁判所は、母親の精神的打撃が深刻で現在に至るまで続いていることを考慮し、慰謝料の相場としては、2000万円~2200万円のところ、本人分1800万円、父親分200万円、母親分600万円の合計2600万円を認めた事例があります(東京地裁平成15年12月18日判決)。

まとめ

最後に、【交通事故の慰謝料請求で、被害者がやってはいけない6つのこと】をまとめておきましょう。

  • 慰謝料の種類を知らずに慰謝料請求してはいけない
  • 症状固定の前に治療をやめてはいけない
  • 後遺障害等級をおろそかにしてはいけない
  • 損害賠償金の3つの基準を知らずに慰謝料請求してはいけない
  • 慰謝料が増額するケースを知らないで示談してはいけない
  • 加害者側の保険会社を“味方”と思ってはいけない

ぜひ、忘れないようにしていただきたいと思います。