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【後遺障害8級】の認定基準・慰謝料額と増額事例

最終更新日 2021年 07月26日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

この記事を読むとわかること

これから、交通事故で後遺障害等級8級が認定された場合の慰謝料などについて解説していきます。

具体的には、この記事を読むことで、次のことがわかります。

  • 後遺障害等級認定の仕組み
  • 後遺障害等級8級の認定基準
  • 後遺障害等級が間違っていた時の対処法
  • 実際の解決事例では、どの程度示談金が増額したのか

【動画解説】交通事故で正しい後遺障害等級を得られる人、得られない人の違い

知らないと怖い!?交通事故の慰謝料の真実

交通事故の被害により、後遺症が残ってしまった被害者の方とご家族にお伝えしたいことがあります。

いわゆる慰謝料は、ひとつではないことをご存知でしょうか?

じつは、交通事故で認められる慰謝料には次のものがあります。

・入通院慰謝料(傷害慰謝料)
・後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)
・死亡慰謝料
・近親者慰謝料

入通院慰謝料とは、傷害(ケガ)の治療のために入通院する精神的な苦痛を慰謝するためのものです。

後遺障害慰謝料とは、後遺症が残ったときに、今後ずっと後遺症(後遺障害)を持ったまま生きていかなければならない精神的な苦痛を慰謝するためのものです。

そして、加害者側の保険会社から金額を提示された時、「後遺障害慰謝料」が以下の基準を満たしていない場合は、金額が低すぎるのではないか、と疑ってください

「裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額」

後遺障害等級 慰謝料
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

この表によると、後遺障害等級8級の後遺症慰謝料が、830万円であることがわかります。

では、後遺障害等級8級が認定される障害は、どのようなものか、次に解説していきます。

後遺障害等級8級の認定基準と保険金額


後遺障害等級8級は、脊柱や手足の関節への傷害による変形障害や運動障害、眼や指などの障害によって10の分類がされ、労働能力喪失率は45%になっています。

後遺障害等級は1級から14級まであり、等級が下がるにしたがって判断が難しくなり、少しの判断の違いが慰謝料などの損害賠償金額の差につながってきます。

しかし、後遺障害等級8級の場合は比較的、障害の判断がわかりやすい項目が多いのが特徴です。

後遺障害等級8級の認定基準及び保険金限度額

自賠法別表第2

後遺障害 保険金(共済金)額
1.一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの
2.脊柱に運動障害を残すもの
3.一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失ったもの
4.一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
5.一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6.一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7.一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8.一上肢に偽関節を残すもの
9.一下肢に偽関節を残すもの
10.一足の足指の全部を失ったもの
819万円

第8級1号

交通事故による傷害で片目を失明するか、矯正視力で0.02以下になってしまった場合が該当します。

8級1号は片方の眼の障害であり、もう片方の眼は事故による傷害の影響はなく正常であることに注意が必要です。

なお、障害が残った眼が左眼か右眼かという区別はありません。

第8級2号

脊柱が変形して運動機能に障害を残すものの中で、もっとも重い障害は6級5号ですが、それよりも症状が軽いものが8級2号に認定されます。

脊柱とは、いわゆる背骨のことで、これを構成する一つひとつの骨を脊椎といいます。

脊柱は7つの頸椎、12の胸椎、5つの腰椎、仙椎、尾椎の計26個の椎骨から成り立っています。

これらの骨が変形して神経を圧迫することで麻痺などの運動障害が起こります。

8級2号の認定基準は次の通りです。

①頸部、胸腰部の可動域が2分の1になった状態のもの
②頭蓋骨から頸部、さらに胸腰部の背骨にかけて著しい異常可動性があるもの

第8級3号/4号

8級に該当する障害の中で指に関係するものが3号と4号になります。

片手の親指を含む2本の指を失うか、親指以外で3本の指を失った場合、8級3号が認定されます。

また、片手の親指を含む3本の指、あるいは親指以外の4本の指の機能を失った場合は8級4号が認定されます。

【参考記事】
交通事故の脊柱圧迫骨折(頸椎・胸椎・腰椎)で慰謝料が増額した3つの解決事例

第8級5号

交通事故による傷害のために片方の足の長さが5cm以上短縮してしまった場合は8級5号が認定されます。

短縮障害は下肢(足)だけに認められるもので、上肢(腕)には認められません。

第8級6号/7号

上肢(腕)の三大関節とは、「肩」「肘」「手首」です。

骨折などにより、このうちの1つの関節機能を失い動かなくなってしまった場合、あるいは神経麻痺のために自分では動かせなくなってしまった場合、8級6号が認定されます。

下肢(足)の三大関節とは、「股関節」「膝」「足首」です。

骨折などにより、このうちの1つの関節機能を失い動かなくなってしまった場合、あるいは神経麻痺のために自分では動かせなくなってしまった場合、8級7号が認定されます。

要件は次の2点です。

①関節が強直したもの
②完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態になったもの

第8級8号/9号

片方の腕に偽関節を残し、運動障害がある場合が8級8号、片方の足に偽関節を残し、運動障害がある場合が8級9号に認定されます。

偽関節とは、骨折が治癒していく過程で正常に骨がつかずに、その部分があたかも関節のように動く状態になってしまい、正常に手足を動かすことができなくなっていることをいいます。

日常生活や仕事などに著しい障害が残った場合は、手足それぞれで7級9号・10号が認定されますが、補装具を装着すればできる場合は、それぞれ8級8号・9号が該当します。

なお、骨折箇所は、肩関節から手首までの間、股関節から足首の間の関節以外であれば、どの部位であっても該当します。

第8級10号

片方の足のすべての指を失った場合、8級10号に認定されます。

この基準には、右足か左足かという区別はありません。

詳しい動画解説はこちら⇒後遺障害等級8級の認定基準と慰謝料の動画解説

交通事故の被害者が知っておくべき6つの注意ポイント

(1)交通事故解決までの流れを知る

交通事故発生から被害者の方が損害賠償金を受け取るまでには、どのような手続きがあり、どう進行していくのでしょうか?

交通事故では、一般的には次のような流れで手続きが進んでいきます。

(2)症状固定とは?被害者がやるべきこととは?

交通事故で傷害(ケガ)を負い、治療を続けていると、ある日こんなことを主治医から言われる場合があります。

「そろそろ、症状固定としましょう」

症状が固定するわけですから、これ以上の治療を続けても、回復する見込みがないという診断であり、これ以降は後遺症が残ってしまうことになります。

残念なことですが、被害者の方としては次のステージに移行することになります。

損害賠償金額の提示を受け、加害者側の保険会社と示談交渉していくために、ご自身の後遺障害等級の認定を受けなければいけません。

(3)後遺症とは?後遺障害と何が違う?

交通事故による後遺症というのは、被害者の方に残った機能障害や運動障害、神経症状などをいいます。

後遺障害というのは、これらの後遺症について、次の要件が認められることで定義され、損害賠償請求の対象となるものです。

・交通事故が原因であると医学的に証明されること
・労働能力の低下や喪失が認められること
・その程度が自動車損害賠償保障法(自賠法)で定める後遺障害等級に該当すること

ここでは、脊髄損傷を例に考えてみます。

交通事故の被害で首や背骨に大きな力が加わり、脊椎の中を通っている脊髄を損傷したことで、手足に麻痺が残ってしまった場合、これは脊髄損傷による後遺症になります。

そして、この症状に上記の要件が認められると後遺障害となるわけです。

(4)後遺障害等級認定の仕組みは複雑!?

被害者の方が加害者側に対して損害賠償請求できる項目には、入通院費や治療費、将来介護費、慰謝料や逸失利益など、さまざまなものがあります。

これらを合計して損害賠償金額を算出するわけですが、被害者の方一人ひとりで、その程度や症状に違いがあるため、すべてのケースでその損害賠償額を個別に計算するには膨大な時間と労力が必要となります。

また、慰謝料の算出では、被害者の方一人ひとりが感じている精神的、肉体的苦痛を正確に数値化するのは不可能です。

そうした理由から、損害額を迅速かつ公平に算出するために後遺障害を等級で分類したものが後遺障害等級であり、被害者の方がそれぞれどの等級に該当するかを判断し、認定する手続きを正式名称で「自賠責後遺障害等級認定」というのです。

後遺障害等級は、もっとも重度の1級から順に14級まで分類されており、後遺障害が残った身体の部位によって、さらに各号数が細かく設定されています。

【参考記事】
国土交通省「自賠責後遺障害等級表

後遺障害等級認定には、法律知識以外に、医学的な知識と後遺障害等級システムの知識が必要です。交通事故に精通した弁護士の力を借りた方が良いでしょう。


(5)後遺障害等級認定の申請方法は2種類ある

後遺障害等級認定を申請するには、次の2つの方法があることを覚えておいてください。

「被害者請求」
被害者の方が直接、加害者の加入している自賠責保険会社に申請する方法です。

「事前認定」
加害者が加入している任意保険会社を通して自賠責保険に申請する方法です。

それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらの申請方法がいいとは簡単には言えません。

被害者の方は、ご自身の置かれた経済状況や後遺症の程度などを考え合わせながら選択することになります。

(6)後遺障害等級に不満があれば異議申立ができる

後遺障害等級が認定されなかったり、本来より低い等級しか認定されなかったという場合には、「異議申立」をすることが認められています。

しかし、異議申立は簡単に認められるものではありません。

後遺障害等級認定の手続きは、「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)という団体が行なっているのですが、「納得がいかない」とクレームを入れたからといって簡単に後遺障害等級が上がるわけではないのです。

異議申立をするには、さまざまな書類や資料を提出し直さなければいけません。

たとえば、医師によって自覚症状欄や他覚所見、運動障害などが漏れなく記載された「後遺障害診断書」や、レントゲン画像では確認できなかった箇所が詳しくわかるようなCT画像やMRI画像などです。

後遺障害等級は1級違っただけでも、被害者の方が受け取る損害賠償金が大きく違ってきますので、あきらめずに異議申立をしていくことが大切です。

みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例

交通事故の被害者の方は、次のような疑問を感じていることと思います。

・実際の交通事故の示談交渉は、どのように行なわれるのか
・加害者側の保険会社は、どのようなことを言ってくるのか
・加害者側の保険会社は、どのくらいの示談金を提示してくるのか
・示談交渉に弁護士が入ると、どのくらい増額するものなのか

初めての交通事故被害で苦しんでいる被害者の方には、示談交渉の実態はわかりにくいものだと思います。

ここでは、みらい総合法律事務所が被害者の方から依頼を受け、示談交渉や裁判を経て、実際に慰謝料増額を勝ち取った後遺障害等級8級の解決事例についてご紹介します。

ご自身の状況と照らし合わせるなどして、参考にしていただければと思います。

増額事例①:40歳男性の慰謝料等が約6300万円増額で約3.4倍に!

40歳の男性が自動車を運転中に後ろから衝突され、頚環軸椎骨折などの傷害を負った交通事故です。

治療を続けましたが、頚部可動域制限や左肩疼痛などの後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級はそれぞれ8級と14級で、併合8級が認定されました。

加害者側の保険会社は、すでに支払い済みの金額をのぞいて慰謝料などの損害賠償金として約2650万円を提示。

この金額が妥当かどうか判断できなかった被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉を依頼しました。

保険会社は「後遺障害等級自体が間違っている」と主張し争ってきたため、弁護士との交渉は決裂。

弁護士が訴訟を提起し、裁判に移行しましたが、裁判所は弁護士の主張を認め、後遺障害等級8級を前提に、損害賠償金として約8970万円を支払う判決を下しました。

当初提示額から約3.38倍の増額を勝ち取ったことになります。

増額事例②:25歳男性が損害賠償金で約3倍の増額

25歳の男性会社員の方がバイクで直進中に、左方道路から走行してきた自動車に衝突され、脊椎圧迫骨折などのケガを負った交通事故。

被害者の方には、脊柱変形で8級、神経症状で14級9号の併合8級の後遺障害等級が認定され、加害者側の保険会社からは慰謝料などの損害賠償金として約1100万円が提示されました。

この金額が妥当なものかどうか判断ができなかったため、被害者の方がみらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士から「増額は可能」との意見があったことから示談交渉を依頼することにしました。

弁護士が保険会社と交渉をしたものの譲歩しなかったため提訴し、裁判に突入しましたが、最終的に弁護士の主張が認められて約3300万円で解決した事例です。

加害者側の保険会社の当初提示額から約3倍に増額したことになります。

増額事例③:23歳男性が約1200万円の増額を獲得

雨の日に傘を差して横断歩道を自転車で走行していた23歳の男性大学院生が、右折してきた自動車に衝突された交通事故です。

被害者の方は胸椎と腰椎の圧迫骨折のケガを負い、脊柱変形の後遺症が残り、自賠責後遺障害等級は8級相当が認定されました。

加害者側の保険会社は、治療費など既に支払い済みの金額をのぞき、慰謝料などの損害賠償金として約3100万円を提示。

この金額が適切なものなのかわからなかった被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士の判断は増額可能というものだったことから、示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士と保険会社の交渉では逸失利益について合意できなかったため、訴訟を提起。

裁判では、損害賠償金として4300万円超が認められ、解決することができたものです。

増額事例④:示談交渉で60歳女性が約2000万円獲得

60歳の女性が、脳挫傷、右鎖骨遠位端骨折などのケガを負ってしまいました。

交通事故の状況は、被害者女性が交差点を自転車で横断中に、右折してきた自動車に衝突されたものでした。

治療を続けましたが後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級は高次脳機能障害で9級10号、鎖骨変形で12級5号の併合8級が認定されました。

加害者側の保険会社は、既払い金の他に慰謝料などの損害賠償金として約1400万円を提示しましたが、この金額が妥当なものか確認したいと考えた被害者女性が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士の見解は「まだ増額できる」ということだったので、示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士と保険会社の交渉では、被害者の方の事故前の収入が低かったことから逸失利益が争点となりましたが、最終的には労災給付を含め2000万円で解決することができた事例です。

増額事例⑤:示談交渉で19歳男性の損害賠償金が2倍以上に!

被害者である19歳男性会社員が自転車を押しながら歩道を歩行していたところ、路外から車道に出ようとした自動車に衝突された交通事故です。

腰椎圧迫骨折で脊柱変形、その他に難聴の後遺症も残ってしまい、被害者男性には自賠責後遺障害8級と14級の併合8級が認定されました。

加害者側の保険会社は、慰謝料などの損害賠償金として約2300万円を提示しましたが、この金額で示談をしてもいいのかどうか悩んだ被害者男性が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用して弁護士と面談を行ないました。

弁護士の見解は、「まだ増額できるので、ここで示談を成立させるべきではない」というものだったことから、被害者男性は示談交渉のすべてを弁護士に依頼しました。

示談交渉では保険会社が譲歩しなかったために弁護士が提訴し、裁判で争うことになりましたが、最終的には約4700万円で解決することができました。

【参考記事】
みらい総合法律事務所の解決実績はこちら

保険会社から提示された金額で素直に示談してはいけないことがおわかりいただけたと思います。

このように、交通事故の示談交渉は、弁護士に依頼することで大きく増額することがあります。一度専門家に相談してみましょう。