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目(眼)の後遺障害等級と慰謝料の相場と計算方法

最終更新日 2024年 02月17日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

目(眼)の後遺障害等級と慰謝料の相場と計算方法

交通事故の被害で目(眼)を負傷し、後遺症が残った場合、その後の生活に大きなハンデを負う可能性があります。

以前のように働くことができなくなれば収入の問題も起きてきますし、今後の人生でも大きな影響を受けてしまいます。

交通事故の問題を解決する手順としては、基本的に次のような流れになります。

交通事故の問題を解決する流れ
  1. 入通院をして治療を受ける
  2. 症状固定により後遺症が残ってしまった場合は後遺障害等級認定を受ける
  3. 等級によって加害者側の任意保険会社が慰謝料や逸失利益などを算定し、損害賠償金(示談金とも保険金ともいいます)を提示してくる。
  4. その金額で納得した場合は示談の契約をして金額の振り込みを待つ
  5. 金額に納得がいかない場合は裁判に進む

 

ここで問題なのは、

  • ・正しい後遺障害等級が認定されない
  • ・保険会社からの提示額が低すぎる

 
といった場合があることです。

目の後遺症の問題点

示談金の提示では、保険会社が適切な金額を提示してくることは、まずありません。

被害者の方は本来であれば受け取るべき金額の2分の1、3分の1、ケースによってはさらに低い金額を提示され、そのまま示談契約してしまうこともあるのが現実です。

そこで今回は、失明や視力低下など、目(眼)の負傷による後遺障害等級、慰謝料の相場金額や計算方法、示談交渉の注意ポイントなどについてお話ししていきます。

目(眼)の後遺障害の種類

目(眼)の後遺障害の種類

目(眼)の後遺障害

交通事故で目(眼)を負傷した場合の後遺障害には次のものがあります。

  • 失明
  • 調節機能障害
  • 運動機能障害
  • 複視
  • 視野障害
  • 外傷性散瞳
  • 流涙
  • まぶたの障害
  • まつげはげ など

 

※後遺障害等級認定では、視力とは、①眼鏡、②医学的に装用可能なコンタクトレンズ、③眼内レンズによる矯正視力のことです。

後遺障害等級とは?

交通事故により傷害(ケガ)を負い、入通院をして治療をしたものの、これ以上症状が改善する見込みがない、完治は難しいと主治医が判断した場合、「症状固定」の診断がなされます。

症状固定後は被害者の方に後遺症が残ることになります。

加害者側(通常は加害者が加入している任意保険会社)に慰謝料や逸失利益などの損害賠償金を請求する(保険会社から金額の提示がある)ためには、被害者ご自身の後遺症に対する「後遺障害等級」の認定を受ける必要があります。

後遺障害等級は、もっとも重い1級から順に14級まで設定されています。

さらに、後遺障害のある体の部位によって号数が細かく定められています。

詳しい動画解説はこちら

 

国土交通省:「自賠責後遺障害等級表」

目(眼)の後遺障害等級と慰謝料の計算

目(眼)の後遺障害等級と慰謝料の計算ここでは、目(眼)の負傷により後遺症が残った場合に認定される後遺障害等級と、弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料などについてまとめました。

ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。

失明

眼球を亡失(摘出)したもの、明暗を弁じ得ないもの、及びようやく明暗を弁ずることができる程度の状態です。

「後遺障害等級1級1号」

後遺障害 両眼が失明したもの
後遺障害慰謝料 2800万円
自賠責保険金額 3000万円
労働能力喪失率 100%

「後遺障害等級2級1号」

後遺障害 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
後遺障害慰謝料 2370万円
自賠責保険金額 2590万円
労働能力喪失率 100%

「後遺障害等級3級1号」

後遺障害 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
後遺障害慰謝料 1990万円
自賠責保険金額 2219万円
労働能力喪失率 100%

「後遺障害等級5級1号」

後遺障害 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
後遺障害慰謝料 1400万円
自賠責保険金額 1574万円
労働能力喪失率 79%

「後遺障害等級7級1号」

後遺障害 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
後遺障害慰謝料 1000万円
自賠責保険金額 1051万円
労働能力喪失率 56%

「後遺障害等級8級1号」

後遺障害 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの
後遺障害慰謝料 830万円
自賠責保険金額 819万円
労働能力喪失率 45%

視力低下

視神経の損傷、眼球の外傷などで視力が低下した状態です。

「後遺障害等級2級2号」

後遺障害 両眼の視力が0.02以下になったもの
後遺障害慰謝料 2370万円
自賠責保険金額 2590万円
労働能力喪失率 100%

「後遺障害等級4級1号」

後遺障害 両眼の視力が0.06以下になったもの
後遺障害慰謝料 1670万円
自賠責保険金額 1889万円
労働能力喪失率 92%

「後遺障害等級6級1号」

後遺障害 両眼の視力が0.1以下になったもの
後遺障害慰謝料 1180万円
自賠責保険金額 1296万円
労働能力喪失率 67%

「後遺障害等級9級1号」

後遺障害 両眼の視力が0.6以下になったもの
後遺障害慰謝料 690万円
自賠責保険金額 616万円
労働能力喪失率 35%

「後遺障害等級9級2号」

後遺障害 一眼の視力が0.06以下になったもの
後遺障害慰謝料 690万円
自賠責保険金額 616万円
労働能力喪失率 35%

「後遺障害等級10級1号」

後遺障害 一眼の視力が0.1以下になったもの
後遺障害慰謝料 550万円
自賠責保険金額 461万円
労働能力喪失率 14%

「後遺障害等級13級1号」

後遺障害 一眼の視力が0.6以下になったもの
後遺障害慰謝料 180万円
自賠責保険金額 139万円
労働能力喪失率 9%

調節機能障害

調節機能障害
人間が物を見る時、カメラでたとえると水晶体はレンズのような働きをして、その厚さを調節することでピントを合わせます。

ピントの調節で大切なのが、毛様体筋と呼ばれる筋肉。

毛様体筋を緩めると水晶体が薄くなり、遠くのピントを合わせます。

逆に、毛様体筋を収縮することで水晶体を膨らませ、近くの物にピントを合わせます。

この調節機能に障害が残った状態が調節機能障害です。

「後遺障害等級11級1号」

後遺障害 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
後遺障害慰謝料 420万円
自賠責保険金額 331万円
労働能力喪失率 20%

「後遺障害等級12級1号」

後遺障害 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
後遺障害慰謝料 290万円
自賠責保険金額 224万円
労働能力喪失率 14%

運動機能障害

眼球を動かす筋肉に障害が生じた状態です。

「後遺障害等級10級2号」

後遺障害 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
後遺障害慰謝料 550万円
自賠責保険金額 461万円
労働能力喪失率 27%

「後遺障害等級11級1号」

後遺障害 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
後遺障害慰謝料 420万円
自賠責保険金額 331万円
労働能力喪失率 20%

「後遺障害等級12級1号」

後遺障害 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 後遺障害慰謝料 290万円 自賠責保険金額 224万円 労働能力喪失率 14%

「後遺障害等級13級2号」

後遺障害 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
後遺障害慰謝料 180万円
自賠責保険金額 139万円
労働能力喪失率 9%

※複視は、眼球の向きが同じ方に向かないために外界の像が左右眼の対応点でない部位に投影されて、物、景色などが二重に見える状態。

※「眼球に著しい運動障害を残すもの」とは、眼球の注視野(頭部を固定し、眼球を運動させて直視することのできる範囲)の広さが2分の1に減じたもの。

視野障害

視野に障害が生じた状態です。

視野とは、眼前の一点を見つめた時に、同時に見ることができる外界の広さのことです。

半盲症、視野狭窄、視野変状などの症状がありますが、これらは視力が失われるのではなく、物の見え方、視野に関わる障害です。

「後遺障害等級9級3号」

後遺障害 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
後遺障害慰謝料 690万円
自賠責保険金額 616万円
労働能力喪失率 35%

「後遺障害等級13級3号」

後遺障害 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
後遺障害慰謝料 180万円
自賠責保険金額 139万円
労働能力喪失率 9%

※半盲症とは、視神経に障害が残ったことで、視界の一部(右半分または左半分)が見えなくなるもの。

両眼の同じ側が見えなくなるものを「同側半盲」、両眼の反対側が見えなくなるものを「異名半盲」、上半分か下半分だけが見えなくなるものを「水平半盲」という。

※視野狭窄とは、視野の一部が欠けて見えなくなるのではなく、視野自体が周辺から狭くなってしまう症状。

※視野変状とは、視野の中に点やまだら状にぼやけたり、黒ずんだりする箇所があり、その部分が見えなくなる状態。

まぶたの障害

①欠損障害

まぶたを欠損したことで、まぶたを閉じても黒目(角膜を覆ってる膜)が隠れない、あるいは黒目は隠れるが白目の一部が隠れないような状態です。

「後遺障害等級9級4号」

後遺障害 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
後遺障害慰謝料 690万円
自賠責保険金額 616万円
労働能力喪失率 35%

「後遺障害等級11級3号」

後遺障害 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
後遺障害慰謝料 420万円
自賠責保険金額 331万円
労働能力喪失率 20%

②運動障害

「後遺障害等級11級2号」

後遺障害 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
後遺障害慰謝料 420万円
自賠責保険金額 331万円
労働能力喪失率 20%

流涙

目(眼)から涙があふれ出るようになる状態で
す。

一眼に常時流涙を残すものは14級相当、両眼
に常時流涙を残すものは12級相当が認定され
ます。

まつげはげ

まつげの生えている周縁の2分の1以上にわたって、まつげのはげを残す状態です。

「後遺障害等級14級1号」

後遺障害 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
後遺障害慰謝料 110万円
自賠責保険金額 75万円
労働能力喪失率 5%

厚生労働省:「労災保険における「眼(眼球及びまぶた)の障害に関する障害等級認定基準」

目(眼)の後遺障害での慰謝料の計算例

目(眼)の後遺障害での慰謝料の計算例
ここでは失明して、後遺障害等級3級1号(一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの)が認定された場合で考えてみます。

たとえば、入院1か月(30日)、その後、通院6か月(実際の通院日数70日、平均して週に2~3回の通院)の場合の概ねの慰謝料額は次のようになります。

「失明(後遺障害等級3級1号)した場合の慰謝料の相場金額」

自賠責基準 裁判基準
入通院慰謝料 86万円 149万円
後遺障害慰謝料 861万円 1990万円
合計 947万円 2139万円

このように、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、約1192万円もの差ができてしまいます。

やはり、被害者の方は弁護士(裁判)基準での解決を目指すべきだと思います。

みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例

みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例
失明や視力障害の後遺障害は示談交渉や裁判で争点になることが多いものです。

ここでは、みらい総合法律事務所が依頼を受け、実際に増額解決した事例をご紹介します。

増額解決事例①:23歳男性の慰謝料等が約4.2倍に増額

23歳男性が交差点を歩行中、直進してきた自動車に衝突された交通事故です。

被害者男性には、左眼視野狭窄、左眼視力低下などの後遺症が残り、自賠責後遺障害等級はそれぞれ13級3号、13級1号で併合12級相当が認定されました。

すると、加害者側の任意保険会社が慰謝料などの示談金として約217万円を提示。

この金額が適切なものかどうか、被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉しましたが、低い金額の逸失利益に固執し、交渉が決裂したため提訴。

裁判では弁護士の主張が認められ、最終的に
約4.2倍に増額した930万円で解決した事例です。

増額解決事例②:失明等の32歳男性の慰謝料などが5500万円で解決

32歳男性が、頭部外傷や失明、視力障害などの後遺症を負った交通事故。

治療のかいなく、主治医から症状固定の診断がされたため、後遺障害等級の申請をしたところ、脳挫傷痕で12級13号、失明と視力障害で8級1号、まぶたの運動障害で12級2号、併合で7級が認定されました。

被害者男性は、ご自身で示談解決するのは困難と判断し、みらい総合法律事務所に依頼。

弁護士が加害者側の任意保険会社と交渉し、
5500万円で解決することができた事例です。

その他の解決事例はこちら

このように、示談交渉に弁護士が入ることで、慰謝料などの損害賠償金が増額することが、じつはとても多いのです。

眼の後遺症で加害者側と示談交渉をしてもなかなか進まない、慰謝料などが低すぎる、どのように交渉をしていけばいいのかわからない、といったことでお困りの方は一度、弁護士に相談してみてください。

【動画でも解説しています】
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