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交通事故で保険会社が低い慰謝料を提示してくる理由

最終更新日 2021年 09月02日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の慰謝料はいくらもらった?保険会社の提示額が安すぎる理由とは

交通事故の慰謝料をいくらとするか話し合う時、保険会社から被害者に提示される額は、本来もらえる額より少ない傾向にあります。

これには理由があり、対応の進め方を見直すことで、妥当な金額まで慰謝料を増額できる場合が多くあります。

保険会社は交通事故被害者の味方ではありません。それどころか、交通事故被害者は「少しでも慰謝料を増やしたい」、営利企業である保険会社は「少しでも支払い額を減らしたい」というように、利害が対立しています。

担当者がどんなに親切だとしても、提示された金額にすぐ合意しようとせず、まずは本記事で以下のポイントを確かめてみましょう。

・なぜ、保険会社の提示額は少なくなるのか?
・本来、交通事故の慰謝料はどうやって計算するのか?
・妥当な金額をもらうには、どんな点に注意すればいいのか?


【動画解説】残念ながら、交通事故被害者が交渉しても慰謝料が増額しない理由

交通事故の慰謝料とは?

交通事故の被害者に支払われる示談金は、「慰謝料」とよく呼ばれます。実のところ、慰謝料とは損害全体の一部に過ぎません。

示談金は積極損害・消極損害・慰謝料の3つで構成されており、それぞれきっちり計算して加害者に請求できます。

詳しくは下記の通りですが、本記事では損害賠償の費目全体を「慰謝料」と呼びます。

なじみがある言葉というだけでなく、実際に支払われる金額を大きく左右する要素でもあるからです。

【積極損害とは?】

交通事故に遭ったことで、被害者が実際に負担することになった費用を言います。

分かりやすく言えば、治療や看護のための各種費用です。

―積極損害の費目―

・治療関係費
・付添看護費
・入院雑費
・通院交通費
・装具・器具購入費
・将来介護費
・家屋・自動車改造費
・葬儀費用

【消極損害とは?】

交通事故のせいで失われてしまった、被害者が今後得られるはずの利益を言います。

具体的には、治療や後遺障害のせいで得られなくなった収入を指します。

―消極損害の費目―

・休業損害
・後遺障害による逸失利益
・死亡による逸失利益

【慰謝料とは?】

交通事故の被害者が負った「精神的苦痛」に対する賠償金を言います。財産以外の損害に対しても賠償しなければならないとする、民法第710条の規定に沿ったものです。

―慰謝料の費目―

・入通院慰謝料(傷害慰謝料)
・後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)
・死亡慰謝料

【参考記事】
論文「損害賠償額の算定と損害概念」(太田 知行)

保険会社から提示される慰謝料が低い理由とは?


慰謝料を取り決める時は、交通事故の加害者が任意保険に加入している場合、被害者と保険会社が話し合いをします。

ここでいう話し合いは、「示談」や「示談交渉」と呼ばれます。

悩ましいのは、はじめに保険会社から提示される慰謝料の額が低くなりやすい点です。

しかも、本来もらえる金額に比べて2分の1、10分の1……と大幅に低いケースが珍しくありません。

なぜこんなことが起こるのか、その理由は以下の5つです。

治療期間が短い

人身事故の慰謝料は、治療期間を基準に計算します。

医師が「これ以上続けても症状が良くなることはない」と診断する日まで治療しないと、慰謝料が少なくなってしまいます。

後遺症が残る場合、ここで言う診断は、「症状固定」と呼ばれます。

通院日数が少ない

同じ理由で、自己判断で通院をやめてしまっても、慰謝料が減る要因になります。

よくあるのは、「仕事に差し支えない程度まで痛みが引いた」等の理由で、病院から足が遠のいてしまう場合です。

他にも、保険会社から治療費打ち切りを言い渡され、通院を断念してしまうケースがあります。

また、医学的に治療の必要がないにもかかわらず、慰謝料を十分確保するつもりで自主的に通院しても、もらえる金額は増やせません。

整骨院・接骨院に通うのであれば、その必要があるとの医師の判断があり、実際に指示を受けてからにしなければなりません。

後遺障害等級認定が適正でない

慰謝料の金額に大きく影響する「後遺障害等級認定」は、損害保険料率算出機構(損保料率機構)に提出した診断書などの資料を検討した上で行われます。

この時、症状固定日までの「症状の一貫性・連続性」が分かる治療歴がないと、後遺障害の重さに合う等級が得られず、支払われる慰謝料も少なくなってしまいます。

そこでやはり、症状固定まで指示に従って治療を続けることが重要です。

かつ、設備が整った医療機関を受診し、主治医とのコミュニケーションもしっかりとって、必要な検査や治療は全て受けなければなりません。

被害者の過失割合が大きい

「過失割合」とは、事故発生に対する責任の割合を指します。

例えば、被害者に30%の過失割合があるとすると、慰謝料は総額の70%しか支払われません。

そこで、少しでも支払い額を減らしたい保険会社は、加害者に有利な事情ばかり主張して、被害者の過失割合を増やそうとします。

本来、過失割合は、「事故当時の状況」「当事者の事情」を総合的に勘案して話し合うものです。

また、道路交通法や判例に基づく一定の基準もあります。

過失割合を正しくするには、公平で評価基準に詳しい専門家のサポートが必要です。

自力で示談交渉している

慰謝料が少なくなる最大の原因は、自力での示談交渉です。

保険会社の担当者は示談のプロで、法律・医学の両分野に精通しています。

対して被害者は、自身と身近な人の事故の経過しか知り得ません。

支払の高額化を防ぎたい担当者は、こうしたスキルの差を利用して、話し合いの主導権を被害者に握らせないのです。

そこで示談交渉を専門家に任せることも検討しましょう。

慰謝料が少なく見積もられている例


弁護士の元には、保険会社が提示する金額に違和感を持った人の相談が、最近でも多数寄せられています。

ここで一度、実際にみらい総合法律事務所が解決した実例を見てみましょう。

【相談事例①】約1700万円も低い慰謝料を提示された例

バイク運転中の21歳男性が、右折してきた自動車と衝突し、右股関節に後遺症(10級11号)が残った例です。

保険会社は当初、慰謝料などの損害賠償金として1298万1785円を提示しました。

被害者から弁護士に依頼があり、示談金額の妥当性確認と交渉を行ったところ、2959万7101円で解決となりました。

【相談事例②】約570万円も低い慰謝料を提示された例

自転車運転中の47歳女性が、見通しの悪い交差点で左右確認をよくせずに直進し、右側から直進してきた自動車に追突された例です。

治療の結果、右肩と左股関節に後遺症が残り、併合9号の等級認定を得ました。

保険会社は、被害者側の過失割合が大きいと主張し、示談で349万4124円の支払いを提案してきました。

弁護士が対応し、訴訟を起こしたところ、最終的に923万8426円で解決しています。

【相談事例③】約1200万円も低い慰謝料が提示されたケース

バイク運転中の40歳男性が、信号のない交差点で直進する自動車と衝突した例です。

治療を続けましたが、高次脳機能障害(7級4号)が残りました。

保険会社は当初、1791万400円の支払いを提案しましたが、弁護士は「増額可能」と判断しました。

結果、示談交渉で2942万5300円まで増額され、解決しています。

【参考記事】
みらい総合法律事務所の解決実績はこちら

弁護士の交渉で交通事故慰謝料がアップする理由とは?


被害者の代わりに弁護士が示談交渉したケースでは、慰謝料の増額に成功した例が多数あります。

下記のように、正しい基準を使って金額を計算し、被害者の治療をしっかりと支えられることが理由です。

弁護士基準を使った慰謝料算定ができる

交通事故慰謝料の算定方法には、自賠責基準・弁護士基準・保険会社が独自で作成した基準の3つがあります。

被害者が本来もらうべきなのは、判例に沿って作られた「弁護士基準」に沿って計算した金額であり、同時に3つの基準の中で最も高額化します。

裁判基準とも呼ばれる上記基準は、弁護士が示談交渉する時に当然活用されます。

つまり、見込める金額を最大限請求できるのです。

後遺障害等級認定をサポートできる

後遺障害の各等級に当てはまる症状は、「自動車損害賠償保障法施行令(別表第一・別表第二)」である程度まで決まっています。

しかし、個別のケースでどう認定するか、その方法や基準までは一般に知られていません。

損保料率機構に所属する担当者以外なら、実際に多数の申請(異議申立を含む)に触れた弁護士しか知らないでしょう。

こうした弁護士の知識・経験から「どんな検査を受ければいいのか」詳しく提案できれば、残存した症状の重さに合う等級認定を得られるようになります。

過失割合を正しく評価できる

慰謝料に影響する「過失割合」は、どうやって主張するかが問題です。

評価方法までは図書館等で調べられても、個別の示談交渉のテクニックまではなかなか学べません。

交渉に長けた弁護士に任せれば、被害者の立場で「適切な過失割合」と「その正当性」を相手にしっかり説明できます。

【参考記事】
弁護士に相談依頼したら損か得か?後悔しないための7つのポイント

交通事故慰謝料の相場【弁護士基準】


以下では、最新の弁護士基準(裁判所基準)から、交通事故慰謝料の相場を紹介します。

手元に保険会社の提示額がある人は、早速見比べてみましょう。

ただし、紹介する相場額は絶対ではありません。「傷害の部位や程度」「治療内容」等の要素を考慮し、さらに増額する場合もあります。

※以下で紹介する入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の相場は、2021年版『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』より引用・編集を行っています。

入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料は、入院のみなら53万円以上・通院のみなら28万円以上が相場です。

原則は下記表に当てはめて、「入院期間3か月+通院期間2か月→慰謝料の相場は177万円」とのように読みます。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の相場

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の目安
入通院慰謝料(傷害慰謝料)の目安

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料の裁判基準での相場は、以下表の通りです。

また、ここで紹介するのは被害者本人に対するものです。

障害が重い場合、別に近親者の分も慰謝料請求できる場合があります。

後遺障害等級 慰謝料の相場
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の相場は下記の通りですが、失われた命を一律で評価することは、当然不可能です。

具体的な事由を斟酌し、遺族の苦しみに合う金額を決めなくてはなりません。

被害者の状況 死亡慰謝料の相場
(近親者への支払い分を含む)
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
独身の男女、子供、幼児等 2000万~2500万円

【参考記事】
交通事故の慰謝料で被害者がやってはいけない6つのこと

弁護士に依頼して交通事故慰謝料がアップした事例


交通事故の慰謝料請求では、怪我や後遺症の重さに関わらず、保険会社との交渉を弁護士にバトンタッチすることで増額できたケースが多数あります。

ここでは、みらい総合法律事務所で対応した例をいくつか紹介します。

43歳女性で約2倍に増額できた例

みらい総合法律事務所への相談のきっかけは、示談金額の妥当性です。

当初保険会社から提示されたのは、わずか約136万円でした。

無料相談で「低すぎる」と弁護士が意見し、そのまま示談交渉の依頼を進めたところ、約265万と当初のおよそ2倍の金額で解決しました。

事故状況 自転車で走行中、右折してきた自動車に衝突される
受傷部位 左上顎骨骨折等
後遺障害 神経症状の後遺症(14級9号)
保険会社の提示額 136万3766円
解決金額 264万7209円 

35歳男性で約2倍に増額できた例

みらい総合法律事務所への相談のきっかけは、示談金額の妥当性です。

被害者に提示された金額は、約476万円でした。

「まだ増額可能」とした弁護士が裁判基準で算定を行い、約1016万円とおよそ2倍の金額で解決しています。

事故状況 バイクで走行中、対向右折車に衝突される
受傷部位 右鎖骨遠位端骨折等
後遺障害 右肩関節可動域制限の後遺症(12級6号)
保険会社の提示額 476万806円
解決金額 1016万427円

46歳男性で約4.67倍に増額できた例

保険会社から提示された約389万円の示談金の妥当性を確認するため、みらい総合法律事務所へ相談した例です。

本件では、「等級認定の異議申立」がよいと弁護士が判断し、そのまま手続きを進めたところ、第8級の認定を獲得しました。

保険会社との交渉は、訴訟まで粘り強く対応し、解決時の金額は約1819万円とおよそ4.67倍まで増額できています。

事故状況 自転車で走行中、対向してきたバイクに衝突される
受傷部位 腰(第三腰椎圧迫骨折)等
後遺障害 脊柱変形の後遺症(8級)
保険会社の提示額 388万7840円
解決金額 1819万円

51歳男性で当初ゼロ→5889万円の獲得に成功した例

後遺症が重いことから、保険会社の損害賠償に不安を感じ、みらい総合法律事務所へ相談した例です。

保険会社が加害者の過失割合をゼロと主張している点等を踏まえて、弁護士が訴訟を提起しました。

その結果、加害者の過失割合は75%で決着し、5889万円の獲得に成功しています。

事故状況 道路端で作業中、直進してきたトラックに衝突される
受傷部位 頭部(外傷)等
後遺障害 高次脳機能障害(併合4級)
保険会社の主張 加害者の過失はゼロ
解決金額 5889万円

【参考記事】
交通事故を弁護士に相談すべき理由と注意点

まとめ


交通事故の示談金は「積極損害」「消極損害」「慰謝料」の3つに分かれており、それぞれきっちり計算して合計したものが、一般に慰謝料と呼ばれています。

これらの金額の計算方法には、妥当性を踏まえた「弁護士基準」がありますが、一般に入手できる書籍やインターネットには詳しく載っていません。

いきなり保険会社から支払い額を提示されても、それが十分かどうかは、被害者にとって非常に見極めづらいものなのです。

保険会社提示の慰謝料が少なくなる原因として多いものを、改めてここでまとめます。

・症状固定まで治療を続けていない
・自己判断で通院を止めてしまった
・医師の指示なしで自費診療を受けた
・後遺障害等級認定が正しくない
・自力で保険会社と交渉し、知識や経験の差で不利になっている

保険会社提示額の妥当性を確認するため弁護士に相談したケースには、多数の増額例があります。

金額算定における弁護士基準、等級認定を意識した医療機関のかかり方、事故状況による過失割合の評価など、知識・経験をフル活用したサポートが得られるからです。

また、交渉が決裂した場合でも、弁護士による訴訟対応でしっかり解決できます。

無理に自力で対応しようとせず、保険会社の提案に違和感を少しでも覚えたら、交通事故対応に慣れている弁護士へすぐ問い合わせましょう。