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【後遺障害】交通事故の被害者が等級申請でやってはいけない5つのこと

最終更新日 2021年 02月22日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠


後遺障害等級の申請でやってはいけないこととは?

交通事故の被害者の方は、慰謝料などの損害賠償金を受け取るために、ご自身の後遺障害等級を申請する必要があります。

後遺障害等級は、もっとも重い1級から順に14級まであり、障害が残った体の部位によって各号数が定められています。

被害者の方は、後遺障害等級の認定を受けるためにやるべきことがあるのですが、同時に、やってはいけないことがあります。

この記事では、後遺障害等級に関する大切なポイントと、やってはいけないことについて解説していきます。

1.加害者側の保険会社の言いなりになってはいけない

交通事故にあい、ケガをした場合は入院や通院をして治療を行ないます。

当然、医療機関は被害者の方のケガの治療に全力で当たりますが、治療のかいなく完治しないこともあります。

その場合、担当医師が「症状固定」と診断します。

症状固定とは、もうこれ以上の治療をしてもケガがよくならない、完治しないという状態のため、ここで残った体の不具合は後遺症ということになります。

ところで、通院・入院などの費用は誰が支払うのかというと、加害者側の任意保険会社です。

そのため、加害者側の任意保険会社から

「今月で治療費の支払いを打ち切るので、症状固定としてください」

などと言われる場合がありますが、ここであまり深く考えずに、保険会社の言いなりになってはいけません

なぜなら、原則として症状固定としてしまうと、症状固定日以降に治療を行なったとしても、その治療費や交通費、休業損害などを加害者側に請求することができなくなってしまうからです。

ですから、症状固定については保険会社の話をうのみにせずに、担当医師としっかり相談することが肝心です。

2.症状固定の前に示談交渉を進めてはいけない

被害者の方は、加害者側の任意保険会社に対して「損害賠償請求」をすることができますが、中には「早く示談交渉を始めなければいけない」、「交渉は早く終わらせてしまいたい」と焦ってしまう人もいます。

しかし、焦ってはいけません。

なぜなら、ご自身の自賠責後遺障害等級が決定してからでないと、慰謝料などの正確な金額が出せないため、示談交渉を始めても無駄になってしまうからです。

ですから、症状固定の診断があってから後遺障害等級の申請をして、それから示談交渉をするようにしましょう。

通常は、事故後6ヵ月ほどで症状固定とされることが多いといえます。

なお、後遺障害等級は損害保険料率算出機構(損保料率機構)という機関に申請することになります。

【参考情報】損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/

この機関のもとで自賠責損害調査事務所が調査を行ない、最終的に損保料率機構が審査を行ないます。

該当する場合には、後遺障害等級の認定を受けることになります。

認定を受けると、ご自身の後遺症は後遺障害となり、その等級によって慰謝料などの損害賠償金額が決まることになります。

3.損害賠償請求の時効消滅を忘れてはいけない

損害賠償金(保険金とも示談金ともいいます)は、加害者側の任意保険会社と示談交渉することにより決めていきます。

その際、注意しなければいけないのは、請求には「時効」があることです。

自賠責保険に対する被害者請求の時効

傷害・死亡の場合は事故日から3年、後遺障害がある場合は症状固定日から3年です。

加害者に対する損害賠償請求の時効

加害者に対する損害賠償請求の時効は、「損害及び加害者を知った時」(民法724条)から、物損については3年、人身損害部分については5年です。

あるいは、損害及び加害者がわからなかったとしても、事故日から20年を経過すれば時効により消滅します。

後遺障害がある場合には、症状固定した時点で初めて後遺障害を含む損害について知ったことになるので、人身損害の時効は症状固定日から5年となります。

より正確には、事故等の時点が午前零時でない限り、初日不算入とされますので、当該日の翌日が起算点となります。(最高裁昭和57年10月19日判決)

4.間違った等級が認定されてはいけない

ここでひとつ、注意しなければいけないことがあります。

それは、ご自身の後遺障害等級が間違って認定される場合があることです。

では、本来であれば認定されるべき等級よりも低い等級が認められてしまった場合、どのようなことが起きるでしょうか?

たとえば、慰謝料などの損害賠償金額で大きな違いが出てきてしまいます。

特に重度の後遺障害の場合、等級が1級違っただけで、数千万円単位で賠償金額が違ってくるのが通常です。

ですから、間違った後遺障害等級が認定されないようにしなければいけません。

後遺障害等級の認定を受けるためには、さまざまな医学的な資料や書類を提出しなければいけません。

担当医から書いてもらう診断書などの資料もあります。

じつは、こうした資料が不足していたり、内容に不備があったために、本来とは違った後遺障害等級が認められてしまうこともあるのです。

ですから、不備や不足がないようにしっかり確認することが大切です。

5.等級に納得がいかない場合は泣き寝入りをしてはいけない

通常、申請から1ヵ月ほどで後遺障害等級が認定されます。

なお、高次脳機能障害などの症状が複雑な場合には、申請から6ヵ月かかるようなこともあります。

ところで、ここで問題が起きる場合があります。

それは、後遺障害等級が認定されない、あるいは認定された後遺障害等級が低くて、納得がいかない、という不服がある時です。

こんな時は、どうすればいいでしょうか?

じつは、被害者自らが「異議申立」(いぎもうしたて)ができるのです。

場合によっては、それでも納得のいかない結果が出されることもありますが、その時は何度でも異議申立することができます。

【参考情報】国土交通省「異議申立」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/proper.html#igimoushitate

ただし、注意しなければいけないのは、ただ「なぜ等級が認められないのか!」、「その等級は低すぎるのではないか?」と不満を書いても、「後遺症の症状がつらくて耐えられない」と訴えても、そうした書面提出では結果は変わることは期待できない、ということです。

望む結果を手に入れたいのであれば、損保料率機構からの回答に書いてある理由をよく読み、検討し、その理由を覆すような新たな医学的な証拠、たとえば新たな検査結果や画像、医師の診断書、意見書等の書面を提出して他覚的所見を補う必要があります。

つまり、被害者自らが積極的に新たな資料を集めなければいけないのです。

ですから、交通事故の後遺障害等級に詳しい医師に再検査や診断書の作成などの依頼をして、さらに、その内容に足りない部分がないか、交通事故に強い弁護士に確認してもらうことも検討するといいと思います。

みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例

ここでは、みらい総合法律事務所で実際に解決した慰謝料増額事例をご紹介します。

これから、加害者側の保険会社と示談交渉を進めていく際の参考にしていただければと思います。

増額事例①:7歳の男児の慰謝料などが約2300万円も増額

7歳男児が道路に座っていたところ、自動車に衝突された交通事故。

脳挫傷などのケガで、高次脳機能障害の後遺症が残ってしまい、後遺障害等級は2級1号が認定されました。

ご両親が加害者側の保険会社と示談交渉をして、慰謝料などの示談金が約9740万円になったところで、みらい総合法律事務所の無料相談を利用されました。

事故を精査した弁護士の見解は、「まだ増額は可能」というものだったことから、ご両親は示談交渉のすべてをされました。

弁護士が保険会社と交渉し、1億2000万円まで増額。

裁判をすれば、まだ増額が見込めましたが、ご両親が示談での解決を望まれたため、示談成立となった事例です。

保険会社の提示額から約2300万円増額したことになります。

増額事例②:50歳男性の慰謝料などが約2000万円アップの
4.27倍に増額!

50歳男性が横断歩道を歩いていた際に右折車に衝突された交通事故。

被害者男性は、足の指を欠損し、機能障害の後遺症が残ったため、後遺障害等級は9級が認定されました。

加害者側の保険会社は慰謝料などの示談金として約609万円を提示。

この金額が正しいものか判断のつかなかった被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、「後遺障害等級が間違っている可能性あり」との意見があったため、異議申立から示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士が異議申立をした結果、後遺障害等級は8級にアップしたため、ここから示談交渉を開始。

示談交渉は決裂したため弁護士が提訴し、裁判の結果、2600万円で解決した事例です。

保険会社提示額から約2000万円アップし、約4.27倍に増額した事例です。

増額事例③:55歳男性の慰謝料等が約7倍に増額!

55歳の男性が道路を横断していた際、直進してきた自動車に衝突された交通事故。

被害者の方は、頭部皮下血種などのケガを負い、後遺障害等級は12級14号が認定されました。

すると、加害者側の保険会社は約48万円を示談金として提示。

示談交渉をしましたが、保険会社の担当者は、「弁護士ではないから、弁護士基準による示談金アップの提示はできない」との対応だったことから、被害者の方が、みらい総合法律事務所の弁護士に示談交渉の依頼をされたものです。

そこで、弁護士が代理人として交渉をしたところ、約7倍増額の340万円で解決したという事例です。

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