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交通事故相談SOS | みらい総合法律事務所

後遺障害2級の認定基準・慰謝料金額と増額事例

最終更新日 2023年 12月11日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

後遺障害2級の認定基準・慰謝料金額と増額事例

 

交通事故の被害にあった場合、慰謝料などの損害賠償金を受け取るためには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。

後遺障害2級は、後遺障害等級の中では1級の次に重度が高いもののため、慰謝料や逸失利益などの損害賠償金は、かなり高額になります。

ここで争点になるのは、加害者側の任意保険会社が被害者の方が受け取るべき適正な金額よりも、かなり低い金額を提示してくることです。

重度の後遺障害を負い、そのうえ低額の損害賠償金で示談を成立させてしまうことは、被害者の方やご家族はなんとしても避けるべきだと思います。

そこで本記事では、後遺障害2級の「認定基準」や「慰謝料額の算定方法」、また「みらい総合法律事務所で実際に解決した慰謝料等の増額事例」などについて解説していきます。

本記事で、交通事故の損害賠償の正しい知識を得て、示談交渉などに備えていきましょう。

これから、交通事故の後遺障害2級について多角的に解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

 

みらい総合法律事務所で実際に解決した後遺障害2級の事例集

みらい総合法律事務所で実際に解決した後遺障害2級の事例集
これから、みらい総合法律事務所で実際に解決した後遺障害2級の事例を紹介していきます。
解決事例から次のことがおわかりいただけると思います。

・後遺障害2級では、保険会社はどのくらいの金額を提示してくるのか?
・加害者側の保険会社は、被害者の方が直接・単独で示談交渉をしても、増額の要求を受け入れない実態。
・そこで弁護士が示談交渉に入ると、どのくらい金額が増額するのか?
・裁判を起した場合は、いくらくらいの増額が実現するのか?

ご自身の場合と照らし合わせて、今後の示談交渉の参考にしていただければと思います。

解決事例①:7歳女児が高次脳機能障害で1億2,000万円を獲得

引用元:みらい総合法律事務所

 
7歳の女児に、高次脳機能障害の後遺障害が残ってしまった交通事故です。

後遺障害2級1号が認定された後、ご両親が加害者側の任意保険会社と示談交渉し、示談金(損害賠償金)が約9,742万円になりました。

しかし、ご両親はこの金額に疑問を感じ、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。
弁護士の説明に納得がいったため、示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉し、示談金が1億2,000万円まで増額。
弁護士の見解としては、提訴して裁判で争えば、さらなる増額が期待できましたが、ご両親は裁判まではしたくないとの希望であったため、ここで示談成立となりました。

保険会社の当初提示額から約2,258万円が増額したことになります。

高次脳機能障害では、さまざまな後遺症が残ってしまうため、将来にわたった介護が必要になります。
動画で詳しく解説しましたので、ご覧ください。

わかりやすい動画解説はこちら

 

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解決実績

解決事例②:15歳男子で将来介護費用も認められて1億1,900万円を獲得

引用元:みらい総合法律事務所

 
15歳の男子が自転車で交差点に進入したところ、直進してきた自動車に衝突され、脳挫傷などの傷害(けが)を負った交通事故です。

重い後遺症が残り、後遺障害等級は2級1号が認定されました。
ご両親は後遺障害が重度で、自分たちでは示談解決できないと考えたため、みらい総合法律事務所の弁護士に示談交渉を依頼されました。

弁護士が交渉したところ、保険会社は被害者の方の将来介護費用を拒否。
そこで弁護士が立証を重ね、粘り強く交渉したところ保険会社が譲歩。

最終的には、1億1,900万円で解決した事例です。

後遺障害2級では、将来に渡る介護が必要となり、将来介護費用が高額になります。
そのため、示談交渉や裁判では大きな争点になる場合があります。
わかりやすい動画をご用意しましたので、ご視聴ください。

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解決実績

解決事例③:46歳男性の損害賠償金が1億1,500万円で解決

引用元:みらい総合法律事務所

 
46歳の男性が自宅の駐車場で立ち話をしていたところ、自動車に衝突された交通事故です。

右大腿と左下腿の切断という重傷を負い、後遺障害等級はそれぞれ4級5号、5級5号で併合2級が認定。
被害者の方は、みらい総合法律事務所に今後の示談交渉の流れを相談し、すべてを依頼されました。

弁護士が加害者側の任意保険会社と交渉しましたが、保険会社が示談金の増額に同意しなかったため提訴。

裁判では、将来介護費用と義足の費用などが争点になりましたが、最終的に1億1,500万円で解決となりました。

複数の後遺障害がある場合は「併合」という形で等級認定されます。
詳しい解説は、こちらをご覧ください。


 

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解決実績

解決事例④:66歳女性が高次脳機能障害で約7,016万円を獲得

引用元:みらい総合法律事務所

 
66歳の女性が自動車の助手席に同乗中に交通事故にあい、頭部外傷を負いました。

治療をしましたが症状固定により、高次脳機能障害の後遺症が残り、後遺障害等級は2級1号が認定。
被害者の方は当初から、弁護士に任せることを決めていたため、みらい総合法律事務所の弁護士にすべてを依頼されました。

加害者側の任意保険会社は、自宅付添費や将来介護費用などで争ってきましたが、弁護士が粘り強く交渉し、最終的には約7,016万円で解決しました。

交通事故の損害賠償実務は基本、①被害者の方の症状固定後、②後遺障害等級の認定、③示談金額の提示、④示談交渉、という流れで進んでいきます。
症状固定の重要性を解説しました、ご覧ください。


 

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解決実績

その他の解決実績を知りたい方はこちらから

 

慰謝料・損害賠償金の自動計算機をご利用ください!

みらい総合法律事務所では、交通事故慰謝料・損害賠償金がすぐにわかる自動計算機をご用意しています。
リンク先の「(8)後遺症慰謝料」の部分で簡単に計算できますので、ご気軽に使ってみてください。

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フローチャート解説:交通事故の流れと手続き

交通事故の発生から後遺障害等級が認定され、示談が解決するまでの流れをフローチャーにしました。

全体像を把握できると、より交通事故の知識が深まり、さらなる損失を回避することができると思います。

<フローチャート解説:交通事故の発生から示談成立までの流れ>

 

後遺障害2級の認定基準と慰謝料額

後遺障害2級の認定基準と慰謝料額

後遺障害2級の内容を確認

後遺障害等級は、もっとも重い1級から順に14級まであり、障害が残ってしまった部位や症状などの違いによって各号数が細かく設定されています。

後遺障害2級では、1級と同様に、「要介護」と、「介護の必要がないもの」の2種類があります。

「自賠責後遺障害等級表」

【自賠法別表第1】
自賠責後遺障害等級2級(介護が必要なもの)

後遺障害 後遺障害慰謝料
(弁護士(裁判)基準)
1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2,370万円

 

【自賠法別表第2】
自賠責後遺障害等級2級(要介護ではない)

後遺障害 後遺障害慰謝料
(弁護士(裁判)基準)
1. 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2. 両眼の視力が0.02以下になったもの
3. 両上肢を手関節以上で失ったもの
4. 両下肢を足関節以上で失ったもの
2,370万円

【参考記事】:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)

要介護の認定基準とは?

後遺障害2級で「要介護」が認定されるためには次の基準を満たす必要があります。
2級1号と2級2号があり、認定基準の違いは次のようになります。

随時介護を要するもの(2級1号)
  • 随時介護を要する後遺障害の中で、神経系統の機能、または精神に著しい障害を残したものです。
  • 脳や神経に深刻なダメージを受けたことで、「高次脳機能障害」や「脊髄損傷」などの後遺障害が残ってしまい、生命を維持するには介護が必要な状態です。

 

随時介護を要するもの(2級2号)
  • 随時介護を要する後遺障害の中で、胸部・腹部の内臓の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するものです。
  • 呼吸器、循環器、腹部臓器(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、脾臓、腹壁瘢痕ヘルニア等)、泌尿器、生殖器の障害に分類されます。

 
後遺障害1級の介護レベルは「常に介護を要するもの」で、寝たきりなどのため、日常生活すべてにおいて常に介護が必要な状態です。

それに対して、2級の「随時介護を要するもの」は、運動障害や失認、失語などはあるものの、本人には意識があり、たとえば自宅内では食事や排泄などに介護が必要であるが、その他の行動では、ひとりでできるものもある状態になります。

要介護ではない後遺障害2級の認定基準

「2級1号」

  • ・片方の目が失明し、失明していない方の目の視力が0.02以下になった場合に認定されます。
  • ・なお、0.02以下の視力というのは裸眼ではなく、矯正視力になります。

 

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「2級2号」

  • ・失明しないまでも、両眼の視力が裸眼ではなく矯正視力で0.02以下になってしまった場合に認定されます。
  • ・2級2号の認定基準は両眼のため、片方の眼の矯正視力が0.02以下であっても、もう片方の眼の矯正視力が、たとえば0.3や0.5などの場合は認定されず、認定される等級が下がることになります。

 

「2級3号」

  • 両腕の肘から下を失った場合に認定されます。

 

「2級4号」

  • 両足の膝から下を失った場合に認定されます。

 

【参考記事】:肢体の障害(厚生労働省)

後遺障害等級については、法的な知識の他、医学的な知識も必要で、高い専門性が要求されます。一度ご相談ください。


交通事故の慰謝料で外してはいけない基礎知識

交通事故の慰謝料で外してはいけない基礎知識

交通事故の慰謝料は4種類あります

①傷害慰謝料(入通院慰謝料)

交通事故の被害で負った傷害(ケガ)の治療のために入院・通院した際に被った精神的苦痛や損害に対して支払われるもの。

②後遺障害慰謝料

  • ・治療を続けたものの症状固定の診断を受けて、後遺障害が残ってしまった場合の精神的苦痛や損害に対して支払われるもの。
  • ・後遺障害等級の違いや計算基準の違いによって金額が大きく変わってくる。

 

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③死亡慰謝料

  • ・交通事故で亡くなった被害者の方の精神的苦痛や損害に対して支払われるもの。
  • ・被害者の方はすで亡くなっているため、受取人はご家族などの相続人になるが、相続人には法的に順位や分配割合が規定されていることに注意が必要。

 

④近親者慰謝料

  • ・被害者の方の近親者(家族など)が被った精神的苦痛や損害に対して支払われるもの。
  • ・被害者の方が亡くなった場合、あるいは重度の後遺障害が残り将来に渡る介護が必要な場合などで受け取ることができる。

 

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算定基準の違いで慰謝料額は決定的に変わる

交通事故の慰謝料は一律に決められるわけではなく、次の3つの基準で算定されます。
つまり、算定基準の違いによって金額が大きく変わってくるわけです。

加害者側の保険会社が、どの基準で計算しているのかを確認することが大切です。

1.自賠責基準

自賠責保険で定められている基準で、もっとも金額が低くなる。

2.任意保険基準

各任意保険会社が独自に設けている基準(各社非公表)で、自賠責基準より少し高い金額になるように設定されている。

3.弁護士(裁判)基準

  • 被害者の方が本来受け取るべき金額になる基準で、金額がもっとも高額になる。
  • ・これまでの膨大な裁判例から導き出されているもので、弁護士や裁判所が用いる。
  • ・被害者の方から依頼を受けて、弁護士が加害者側の任意保険会社と示談交渉をする際も、提訴して裁判になった際でも、弁護士(裁判)基準で計算した金額を主張・立証していく。

 

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後遺障害2級の慰謝料計算と相場金額について

後遺障害2級の慰謝料計算と相場金額について

傷害慰謝料(入通院慰謝料)の計算方法と相場金額

傷害慰謝料(入通院慰謝料)について、自賠責基準と弁護士(裁判)基準の両方で計算してみますが、次のポイントに注意してください。

傷害慰謝料の算定でのポイント
  • 自賠責基準:認められる入通院日数(治療の対象日数)には規定がある。
  • 弁護士(裁判)基準:自賠責基準より数倍も高額になる。

①自賠責基準による傷害慰謝料の計算式

傷害慰謝料の自賠責基準での金額は次の計算式で求めます。

4300円(1日あたりの金額)×入通院日数=傷害慰謝料(入通院慰謝料)

 
ここで注意していただきたいのは、入通院日数(治療の対象日数)は、次のどちらか短いほうが採用されることになります。

A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」

入通院日数(治療の対象日数)について、ここでは次の条件で考えてみます。

  • 治療期間:1か月の入院+5か月通院……180日間/li>
  • 実際に治療した日数:入院1か月+通院5か月のうち平均で週1回の通院をしたとすると……30日+22日(22週×1日)=52日間

 
A)4,300円×180日=774,000円
B)4,300円×52日=223,600円

この場合、日数が短いB)が採用されるため、認められる傷害慰謝料は223,600円になるわけです。

②弁護士(裁判)基準による傷害慰謝料の算定方法

弁護士(裁判)基準による傷害慰謝料の算定では計算式は使わず、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出します。

算定表には、ケガの程度によって「軽傷用(むち打ち症で他覚症状がない場合)」と「重傷用」があります。

<弁護士(裁判)基準による傷害慰謝料(入通院慰謝料)の算定表(軽傷用)>

 
<弁護士(裁判)基準による傷害慰謝料(入通院慰謝料)の算定表(重傷用)>

 
たとえば、自賠責基準での計算例と同条件(1か月の入院+5か月の通院)で金額を割り出す場合、「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院5か月」が交わった部分を見ます。

「141」となっているので、弁護士(裁判)基準での傷害慰謝料は「141万円」になります。

単純計算で自賠責基準と弁護士(裁判)基準の金額を比較すると、その差はかなり大きくなります

自賠責基準……223,600円
弁護士(裁判)基準……1,410,000円

 
◎その差は約4.43倍!

慰謝料は、弁護士(裁判)基準で解決するべきということを忘れないでください。
 

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後遺障害慰謝料の算定方法と金額早見表

後遺障害慰謝料は、あらかじめ概ねの金額が決められています。

後遺障害慰謝料の算定でのポイント
  • 後遺障害慰謝料は認定された後遺障害等級(1級~14級)の違いによって金額が変わる。
  • 自賠責基準と弁護士(裁判)基準では金額に大きな差が生じる。

 
自賠責基準と弁護士(裁判)基準での等級別の概ねの相場金額を早見表にまとめてみたので、金額の違いを知っていただきたいと思います。

<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の早見表>

 

被害者の方にとって後遺障害等級が大切な理由

被害者の方にとって後遺障害等級が大切な理由
後遺症が残ったら、ご自身の後遺障害等級認定の申請を行なってください。
なぜかというと、加害者が任意保険に加入している場合、慰謝料などの損害賠償金はこの保険会社から提示されるのですが、金額の算定に後遺障害等級が必要になるからです。

自動車損害賠償保障法(自賠法)で規定されている後遺障害等級は症状がもっとも重い1級から14級までがあり、さらに後遺障害が残った身体の部位の違いによって号数が細かく分類されています。

後遺障害等級認定は、全国にある自賠責調査事務所が具体的に調査し、最終的な認定は損害保険料率算出機構(損保料率機構)という機関が行ないます。

今後、ご自身の後遺障害等級は慰謝料などの損害賠償金額に大きく影響してくるので、被害者の方とご家族にとっては非常に大切になってきます。

【参考記事】:当機構で行う損害調査(損害保険料率算出機構)

後遺障害等級に関わる5つの注意ポイント

後遺障害等級に関わる5つの注意ポイント

ポイント①後遺障害等級認定の申請手続きは2種類ある

後遺障害等級認定を申請する際、「被害者請求」「事前認定(一括払い制度)」という2つの方法があるのですが、それぞれメリットとデメリットがあるので、ご自身やご家族の状況などによって選択されるといいでしょう。

①被害者請求

被害者の方が直接、加害者の加入している自賠責保険会社に申請する方法です。

わかりやすい動画解説はこちら

 

被害者請求のメリット
  • 後遺障害等級が認定された場合、最終的な示談の前に自賠責保険金がまとまった金額で支払われるため、被害者の方とご家族は金銭的な余裕をもって、加害者側の保険会社と示談交渉を行なうことができる。
  • 被害者側で資料を集めて申請するため、手続きの流れや、提出する書類を自分で把握できるというメリットも。

 

被害者請求のデメリット
  • 被害者側で資料を集めなければいけないので、手間がかかる。
  • 裁判まで進み、判決があった場合、損害賠償金には事故時からの遅延損害金などがつくが、被害者請求で最初にまとまったお金をもらうと最終的に受け取る損害賠償金が少なくなるので、結果として遅延損害金も少なくなってしまう。
  • 提出書類は、よく確認して、もし不備や不足があった場合には担当の医師に新たな検査をお願いするなどして、被害者側が積極的に資料を集める必要があります。

 

②事前認定(一括払い制度)

・加害者側の任意保険会社を通して、自賠責保険に申請する方法です。

・自賠責保険と任意保険は別の保険のため、被害者の方は本来それぞれの保険に請求を行なうことになるのですが、それでは手続きが煩雑で、自賠責保険の設立目的である被害者保護の理念が欠けてしまいます。

・そこでまず、任意保険会社から自賠責保険金を含めて慰謝料などの損害賠償額を一括して支払い、その後に任意保険会社が自賠責保険会社に対して加害者請求として求償するということが行なわれます。
これが一括払い制度です。

自賠責保険では足りない部分の金額を補うのが任意保険という関係になっています。
そのため、任意保険会社は、最終的な示談の前に自賠責保険の判断としての被害者の方の後遺障害等級や自賠責保険金から受け取るお金の額を知っておきたいと考えます。

・そこで、事前に後遺障害等級を認定してもらうので、事前認定というのです。

事前認定のメリット
  • 加害者側の任意保険会社が手続きを行なってくれるため、被害者請求ほどの手間がかからない。
  • 裁判まで進んだら、判決の際には損害賠償金に事故時から計算される遅延損害金がつくが、被害者の方としては事前認定で申請しておいて、判決後に損害賠償金を受け取ったほうが遅延損害金は多くなるため、最終的な受取金額も増える。

 

事前認定のデメリット
  • 被害者の方は、どういった書類が提出されているのかわからないので、提出書類に不足がないかどうか確認することができない。
  • そのため、等級が認定されない、間違った後遺障害等級が認定されてしまう、といった問題が生じる場合がある。

 

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自賠責保険と任意保険の関係とは?

自賠責保険と任意保険の関係とは? width=

①自賠責保険について

自賠責保険は、正式名称を自動車損害賠償責任保険といい、自動車損害賠償保障法(自賠法)で規定されています。

自動車やバイクなどの車両を運転するすべてのドライバーに加入が美務づけられており、強制保険と呼ばれることもあります。(自賠法第5条)

自賠責保険は、人身事故の被害者救済を目的に設立された保険のため、自損事故によるケガや物損事故には適用されません
保険金が支払われるのは、人身事故で被害者の方がケガや死亡した場合のみになります。

自賠責保険は法律により、支払い限度額が決められています。

損害の範囲 支払限度額(被害者1名につき)
傷害
(ケガ)
による損害
・慰謝料
・治療関係費
・文書料
・休業損害
など
最高120万円
後遺障害による損害 慰謝料・逸失利益など ・障害の程度により神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護が必要な場合:最高4,000万円
随時介護が必要な場合:最高3,000万円
・上記以外の場合
第1級~第14級:最高3,000万円~75万円
死亡による損害 慰謝料(死亡慰謝料・近親者慰謝料)・葬儀費・逸失利益など 最高3,000万円
死亡するまでの傷害による損害 ※傷害(ケガ)による損害の場合と同じ 最高120万円

 
後遺障害2級の場合、随時介護が必要な後遺障害の場合の自賠責保険金の限度額は3,000万円、介護の必要がない場合は2,590万円となります。

自賠責保険金額早見表

【自賠責法別表第1】(介護が必要となった場合)

第1級 4000万円
第2級 3000万円

 

【自賠責法別表第2】(要介護でない場合)

第1級 3000万円
第2級 2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円
第5級 1574万円
第6級 1296万円
第7級 1051万円
第8級 819万円
第9級 616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級 75万円

【参考記事】:「自賠責保険の限度額と保障内容」(国土交通省)

②任意保険について

車両の運転者や所有者が任意に加入する保険で、加入義務はありません。

自損事故を含む人身事故だけでなく、物損事故にも対応しています。

被害者請求の場合、交通事故の慰謝料などの損害賠償金は、まず自賠責保険からの保険金が支払われますが、重度の後遺障害が残ってしまった場合では高額になるため、自賠責保険金だけでは足りない、カバーしきれないということが起きてきます。
そうした場合に備えて加入するのが任意保険です。

被害者の方は、自賠責保険からの保険金だけでは足りない部分(自賠責保険金を上回る分)の損害賠償金額については加害者が加入している任意保険に請求し、示談交渉を行なっていくことになります。

後遺障害等級が間違っている場合は異議申立ができます!

後遺障害等級が間違っている場合は異議申立ができます!
認定された等級は絶対に正しいわけではなく、間違った等級が認定される場合があります。

このままでは慰謝料などの損害賠償金で損をしてしまうことになるので、後遺障害等級が認定されない、あるいは認定された等級に不服がある場合は異議申立ができることを覚えておいてください。

ただし、異議申立をして正しい等級認定を受けるためには、医師の診断書や各種書類、資料が必要になります。
等級に納得がいかない場合は一度、交通事故に強い弁護士に相談されることをおすすめしています。

みらい総合法律事務所では、後遺障害等級の異議申立をする際にも、弁護士が被害者の方を全面サポートしていきます。

後遺障害等級が高い場合、1級でも違うと賠償金が数千万円も違ってくることがあります。
等級に納得がいかない場合は、交通事故に強い弁護士に相談しながら手続きを進めていきましょう。

わかりやすい動画解説はこちら

 

被害者の方が受け取ることができる損害項目について

加害者が任意保険に加入している場合、その保険会社から損害賠償金(状況に応じて示談金とも保険金ともいいます)の提示があります。

損害賠償金は、慰謝料や治療費、逸失利益、将来介護費用などのさまざまな項目を合算したものになります。

わかりやすい動画解説はこちら

保険会社がかなり低い損害賠償金を提示してくる理由

加害者側の任意保険会社が提示してきた損害賠償金額に納得がいくなら示談成立となりますが、損害賠償金で注意したいのは加害者側の任意保険会社は、かなり低い金額を提示してくることです。

保険会社(株式会社の場合)はボランティアで運営されているわけではなく、利益を追求することを目的としているので、被害者の方に支払う金額をできるだけ低く抑えようとするわけです。

わかりやすい動画解説はこちら

 
さらに注意していただきたいのは、被害者の方が単独で示談交渉をしても、保険会社は増額要求に応じることはほとんどないという現実です。
 

 

すると示談交渉が長引いてしまい、なかなか解決しない、いつまでも示談金を受け取ることができない、といったことになってしまいます。

ですから、交通事故の示談交渉でもめてしまった場合、まずは交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめしています。

被害者やご家族がすぐに使える、交通事故の慰謝料などの損害賠償項目のチェックリストを作成しました。
受け取り漏れがないか、金額は正しいかをチェックする際にご使用ください。

交通事故の慰謝料・示談交渉・弁護士相談チェックリスト

後遺障害2級の方が損をしないための3つのポイント

後遺障害2級の方が損をしないための3つのポイント

後遺障害2級では適正な逸失利益を主張・立証する

交通事故の被害にあわなければ、将来的に得られるはずだった利益(収入)のことを逸失利益といい、被害者の方の年齢や職業などによって金額が変ってきます

さまざまある損害賠償項目の中でも、逸失利益は金額がかなり大きくなるものの1つのため、加害者側の任意保険会社は適正金額よりも低く見積もった金額を提示してくることがほとんどです。

逸失利益の詳しい算定は複雑になるため、正確な金額を知りたい場合は弁護士に相談してください。

後遺障害2級では正確な将来介護費用を受け取るべき

後遺障害2級では、将来介護費用も大切になってきます。
なぜなら、脳や脊髄の神経系にダメージを受け、高次脳機能障害や遷延性意識障害(植物状態)、脊髄損傷などの後遺障害がある場合、生命を維持するには随時介護が必要だからです。

将来介護費用は、これから生涯に渡って必要になるので高額になります。
そのため、加害者側の任意保険会社はさまざまな理由をつけて、金額を低く抑えようとしてきます

将来介護費用の立証・算定も複雑なため、交通事故の損害賠償実務に精通した弁護士に相談することで、適正な金額を算定することができます。

身体障害者手帳が交付されると得られるメリットがある

後遺障害を負った場合、後遺障害等級とは別に身体障害等級の認定を受けることができます。

身体障害等級が認定されると、「身体障害者手帳」の交付を受けることができます。
各種手当を受け取ることができ、医療費の助成、税金の控除、公共料金の減税、福祉サービスの利用など、さまざまなサービスを受けることができます。

なお、国や各地方自治体などから、さまざまな福祉支援を受けるとこができる制度もあります。
こちらの記事で確認してください。

後遺障害2級の場合、示談交渉は難航する可能性がありますので、まずは一度、みらい総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

 

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