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【後遺障害7級】の認定基準・慰謝料額と増額事例

最終更新日 2021年 07月26日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

後遺障害等級7級

今回は、後遺障害等級7級について解説します。

みらい総合法律事務所が実際に解決した事例を交えながら、後遺症の症状や後遺障害等級の認定基準、慰謝料等の損害賠償金額など、被害者の方が不安や疑問に思う点について見ていきたいと思います。

【動画解説】交通事故で正しい後遺障害等級を得られる人、得られない人の違い

交通事故発生から示談解決までの手続きと流れについて

交通事故が発生してから、示談成立や裁判による解決に至るまでの流れは、通常の場合、次のように進んでいきます。

被害者の方には、それぞれのステージにおいてやらなければいけない大切な手続きがありますが、まずは全体の流れを理解しておきましょう。

「交通事故発生から示談解決までの手続きと流れ」

①交通事故が発生
 ↓
②事故の状況や加害者の身元の確認
 ↓
③警察へ通報、実況見分調書の作成への協力
 ↓
④被害者、加害者双方の保険会社への連絡
 ↓
⑤入院・通院でケガの治療に専念する
 ↓
⑥主治医から症状固定の診断
 ↓
⑦後遺障害等級が認定され損害賠償額が提示
 ↓
⑧加害者側の任意保険会社との示談交渉が開始
 ↓
⑨示談成立(法的手続きの後、保険金の受け取り)
 ↓
⑩示談が決裂した場合は法的機関へ相談
 ↓
⑪最終的には訴訟を提起し、裁判での決着へ

症状固定の診断を受けたらどうする?

交通事故被害者の方は、入院や通院でケガの治療を続けておられると思いますが、ある段階になると主治医から「そろそろ症状固定としましょう」という診断を受ける場合があります。

症状固定とは、これ以上の治療を継続してもケガが回復しない、完治しないという状態ですから、被害者の方には後遺症が残ることになります。

ここで、被害者の方が行なわなければいけない重要なことがあります。
それは、自賠責後遺障害等級認定への申請です。

ご自身の後遺障害等級が認定されないと、加害者に対して損害賠償請求をすることができないので非常に大切なものなのです。

後遺障害等級認定の仕組みについて

被害者の方に後遺障害が認められ、加害者側に損害賠償請求するためには、入通院費や治療費、将来介護費、慰謝料や逸失利益などの金額を算出し、合計して損害賠償金額を出さなければいけません。

しかし、被害者の方一人ひとりで、その程度や症状に違いがあるため、すべてのケースでその損害額を個別に計算することは非常に難しくなってきます。
また、人の気持ちや感情を推し量り、一人ひとりが感じている苦痛を正確に数値化するのは不可能です。

そこで、迅速かつ公平に損害額を算出するために後遺障害を等級で分類したものが後遺障害等級であり、被害者の方それぞれがどの等級に該当するかを判断し、認定することを正式名称で「自賠責後遺障害等級認定」というわけです。

後遺障害等級は、1級から14級まで分類されており、1級がもっとも重度の後遺障害等級になります。

また、後遺障害が残った身体の部位によって、さらに各号数が細かく設定されています。

【参考記事】
国土交通省「自賠責後遺障害等級表

後遺障害等級認定には2種類の申請方法がある

後遺障害等級認定を申請するには、「被害者請求」と「事前認定」という2種類の方法があります。

ここでは、簡単にその違いをまとめておきます。

被害者請求……被害者が直接、加害者の加入している自賠責保険会社に申請する方法です。

事前認定……加害者が加入している任意保険会社を通して自賠責保険に申請する方法です。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、どちらが有利とはいえないため、被害者の方は、ご自身の経済状況や後遺症の程度などを考え合わせながら選択することになります。

後遺障害等級7級の認定基準と保険金額一覧

後遺障害等級7級では、眼や耳の障害から神経系統、内臓、手足指、外貌まで細かく1号から13号まで分類されており、労働能力喪失率は56%とされています。

この等級では該当する障害が増えてくるため、より専門的な知識が必要となってきます。

「後遺障害等級7級の認定基準及び保険金限度額」

<自賠法別表第2>

後遺障害保険金(共済金)額
1. 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの
7. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
8. 一足をリスフラン関節以上で失ったもの
9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
12. 外貌に著しい醜状を残すもの
13. 両側の睾丸を失ったもの
1,051万円

第7級1号

片方の眼が失明し、もう片方の眼の視力が0.6以下になった場合に認定されます。

ここでも視力は裸眼ではなく、眼鏡やコンタクトレンズなどでの矯正視力で判定されます。

第7級2号/3号

後遺障害等級第7級の2号と3号は聴力に関する分類となります。

交通事故による傷害(ケガ)によって両耳の聴力が低下した状態が7級2号に該当します。

認定の際には、単純な音が聴き取れるか(純音)、言葉を言葉として聴き取れるか(明瞭度)の2種類の検査を行ないます。

その結果、「40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度」と判断されることが必要になります。

7級3号の場合は、片耳の聴力を完全に失い、もう片方の耳の聴力が「1m以上離れた距離では普通の話し声が理解できない」と判断されると該当します。

7級4号/5号

軽易な労務以外の労務ができなくなってしまった原因が、脳や神経の障害の場合は7級4号、胸腹部の内臓などのケガによる障害の場合は7級5号が認定されます。

これは、一応労働することはできるものの、労働能力に支障が生じたため、簡単な労働しかできない状態です。

たとえば、7級4号の場合は、高次脳機能障害や外傷性てんかん、脊髄損傷等による手足の中等度の麻痺などにより、一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行なうことができないもの、とされています。

呼吸器や心臓、消化器、泌尿器、生殖器など障害の場合は7級5号に該当します。

7級6号/7号

片手の親指を含めた3本の指を失った場合、あるいは親指以外の4本の指すべてを失った場合、7級6号が認定されます。

一方、片手のすべての指、あるいは親指を含めた4本の指の機能を失った場合は7級7号が認定されます。

この場合、指の切断ではなく、麻痺などによって動かなくなってしまった場合が該当します。

なお、6号、7号ともに障害が残った手が利き手かどうかは関係ありません。

7級8号

片方の足をリスフラン関節以上で失った場合に7級8号が認定されます。

リスフラン関節とは医学用語で、足の甲の中間あたりにある関節で、ここから上の部分を失った状態が該当します。

7級9号/10号

片方の腕に偽関節を残し、著しい運動障害が残った場合が7級9号、片方の足に偽関節を残し、著しい運動障害が残った場合が7級10号に認定されます。

偽関節とは、骨折が治癒していく過程で正常に骨がつかずに、その部分があたかも関節のように動く状態になってしまい、正常に手足を動かすことができなくなっているものをいいます。

骨折箇所は、肩関節から手首までの間、股関節から足首の間の関節以外であれば、どの部位であっても該当します。

7級11号

両足の指すべての機能を失った場合、7級11号に認定されます。

具体的な障害としては以下のものがあげられます。

①両足の親指の第1関節(末節骨)の長さの2分の1以上を失ったもの
②両足の親指をのぞく4本の指すべてが、第1関節から第2関節(中節骨)の間で切断したもの
③両足の指が切断されなくても、親指をのぞくすべての指を動かせる可動域が2分の1以下になってしまったもの

7級12号

外貌に著しい醜状を残した場合、7級12号に認定されます。

外貌とは、手足以外で普段露出している部位、つまり頭・顔・首などをいいます。
醜い傷跡というのはどういうものかというと次のものが該当します。

①頭部に残った手のひら以上の大きさの傷、または頭蓋骨に残った欠損
(指は含まない掌の大きさのことで、個人差があるため通常は被害者の掌のサイズとするのが慣例)
②顔に残ったニワトリの卵以上の大きさの傷跡、または10円玉以上の大きさの窪み
③首に残った手のひら以上の大きさの傷跡
④耳の軟骨部分が2分の1以上欠けてしまったもの
⑤鼻の軟骨すべて、または大部分が欠損してしまったもの

ちなみに、以前は「女子の外貌」というように女性に限定されていましたが、法改正により現在は男性にも上記基準が適用されます。

7級13号

両側の睾丸を失ったもの、となっていますが、7級13号についても男女ともに適用されます。

具体的には以下のものが該当します。

①両側の睾丸を失ったもの
②両側の卵巣を失ったもの
③常態として精液中に精子が存在しないもの
④常態として卵子が形成されないもの

常態とは、一時的なものではなく、普段の状態のことを意味します。

後遺障害等級は、重い障害の場合、1級でも違うと、賠償金が大きく違ってきます。専門家に相談しながら進めましょう

みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例集

交通事故の実際の示談交渉では、加害者側の保険会社はどのくらいの金額の示談金を提示してくるのでしょうか。

被害者の方に代わって示談交渉に弁護士が入ると、どのくらい増額するものなのでしょうか。

初めての交通事故被害で苦しんでいる被害者の方には、実際の状況はわかりにくいものだと思います。

この項では、みらい総合法律事務所が被害者の方から依頼を受け、示談交渉や裁判を経て、実際に慰謝料増額を勝ち取った自賠責後遺障害等級7級の解決事例についてご紹介しますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

みらい総合法律事務所の増額事例①:44歳男性が異議申立で6倍超の損害賠償金を獲得

自動車を停車中、後部から追突されるという被害にあった、44歳の会社代表者の事例です。
被害者男性は、頸椎捻挫腰椎捻挫、馬尾神経障害などのケガを負い、膀胱、直腸障害などの後遺症が残りました。
自賠責後遺障害等級12級が認定されたことから、加害者側の保険会社は約420万円の示談金を提示しましたが、納得がいかなかった被害者男性が異議申立をしたところ、後遺障害等級が7級に上がり、この時点から、みらい総合法律事務所に示談交渉のすべてを依頼しました。
弁護士と保険会社との示談交渉が決裂したため訴訟を提起し、法廷の場で決着することに。
裁判では自賠責保険額を含め約2600万円での解決となり、被害者の方は6倍超の増額を手にすることができた事例です。

みらい総合法律事務所の増額事例②:5歳男児の損害賠償金が約1500万円増額

5歳男児が道路を横断していた際、直進してきた自動車に衝突された交通事故。
被害者男児は、外傷性くも膜下出血、重傷頭部外傷、頭蓋骨骨折などの傷害を負い、治療のかいなく症状固定の診断を受け、高次脳機能障害の後遺症が残ってしまいました。
自賠責後遺障害等級7級4号が認定され、加害者側の保険会社からは慰謝料などの損害賠償金として約2100万円が提示されました。
そこで、ご両親がみらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、「損害賠償金の増額は可能」とのアドバイスを受けたことから示談交渉を依頼。
弁護士と加害者側の保険会社との交渉で、約1500万円増額の3600万円超の示談金を獲得した事例です。

みらい総合法律事務所の増額事例③:28歳男性の損害賠償金が約2倍に増額

脳挫傷のため高次脳機能障害の後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級7級4号が認定された28歳のトラック運転手の事例です。
交通事故の状況は、被害者男性が自動車で交差点に進入した際、右折車に衝突されたものでした。
加害者側の保険会社は、慰謝料などの損害賠償金として約2100万円を提示。
この金額が妥当なものなのか判断がつかなかった被害者男性が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士から「まだ増額は可能」との意見があったため、示談交渉を依頼することにしました。
弁護士が保険会社との交渉の末、示談金が当初提示額から約2300万円増加し、4400万円で解決したものです。

みらい総合法律事務所の増額事例④:16歳女性の損害賠償金が約2300万円増額

16歳女性が自転車で交差点を横断中、赤信号無視の自動車に衝突され、頭部外傷のため高次脳機能障害の後遺症が残ってしまった交通事故です。
自賠責後遺障害等級7級4号が認定され、加害者側の保険会社からは支払い済みの治療費などを含め約3200万円の損害賠償金が提示されました。
この金額の妥当性に疑問を感じた被害者の方は、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、その後のすべての処理を依頼されたことで、示談交渉が開始されました。
弁護士と保険会社の交渉では、逸失利益の基礎収入と既存障害をどう考えるかが争われましたが、最終的には約5500万円で妥結。
被害者の方は約2300万円の増額を勝ち取ることができました。

【参考記事】
みらい総合法律事務所の解決実績はこちら

なぜ弁護士が示談交渉に入ると損害賠償金額がアップするのか?

このように、示談交渉に弁護士が入ると損害賠償金が大きく増額するケースが多くあります。
その理由はさまざまあるのですが、大きくは次の2つの要因があげられます。

ひとつは、民間の保険会社というのは営利法人ですから、やはりその経営の第一義は利益を出すことです。
ですから、法人としては支出となる被害者への保険金は、できるだけ低く抑えたいために、本来であれば被害者の方が受け取るべき金額よりも低い示談金額を提示してくるのです。

そして、ふたつめの理由ですが、慰謝料などの損害賠償金の計算には、①「自賠責基準」、②「任意保険基準」、③「弁護士(裁判)基準」という3つの基準があることです。

加害者側の保険会社が提示してくるのは、①「自賠責基準」か「任意保険基準」で計算した金額です。

しかし本来、被害者の方が手にするべきなのは③「弁護士(裁判)基準」で計算した金額なのです。

弁護士が主張するのは弁護士(裁判)基準による金額ですから、裁判に至った場合を含めて、最終的に認められる可能性が高い金額になるため、弁護士が示談交渉に入ると増額することが非常に多いのです。

詳しい解説はこちら

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