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【後遺障害6級】の認定基準・慰謝料額と増額事例

最終更新日 2021年 08月12日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

6級慰謝料


【動画解説】交通事故の被害者が、後遺障害等級を確実に獲得していく方法

後遺障害等級6級の慰謝料の相場

交通事故で傷害(ケガ)を負ってしまった被害者の方の中には、残念ながら完治せず後遺症を抱えてしまう方がいらっしゃいます。

後遺症が残った場合には、その後もずっと後遺症に苦しめられることになります。

精神的苦痛が続く、ということになりますので、その精神的苦痛に対しても補償をしてもらう必要があります。

これが「後遺症慰謝料」です。

また、後遺症が残った場合には、仕事にも支障が出ます。職業も制限されるかもしれません。

そこで、本来であれば稼げたはずのお金を稼げない、ということもあります。

その分を補償してもらわなければなりません。

これが「逸失利益」です。

では、残った後遺症について、度の程度の後遺症慰謝料や逸失利益が認められるのか。

症状は様々なので、一定の基準を設けておく必要があります。

そのために設定されているのが、自賠責後遺障害等級です。

1級から14級に区分されており、この後遺障害等級によって、後遺症慰謝料と逸失利益が計算されることとされています。

そこで、後遺症が残った場合は、ご自身の後遺障害等級の認定を受ける必要があります。

裁判実務では、後遺障害等級によって、一応の慰謝料の相場も決められています。

以下のとおりです。

「裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額」

後遺障害等級 慰謝料
第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

後遺障害等級6級の後遺障害慰謝料の相場は1180万円です。

この金額より低いなら、それは適正な金額ではないということになります。

上記の慰謝料の金額については、裁判所も利用する以下の書籍に基づいています。

【出典】「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)
https://n-tacc.or.jp/book

後遺障害等級6級の逸失利益の計算


次に、逸失利益の計算ですが、これも後遺障害等級によって計算されることになります。

逸失利益は、次の計算式によって求められます。

(基礎収入額)✕(労働能力喪失率)✕(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

基礎収入は、原則として事故前の収入を基礎とします。

労働能力喪失率は、後遺障害等級によって、次のとおり定められています。

労働能力喪失率

等級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 35
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

そこで、6級は、67%です。

ライプニッツ係数は、将来受け取るお金を今、一括で受け取るので、中間利息を控除するものです。

【参考情報】
「就労可能年数とライプニッツ係数表」国土交通省

たとえば、40歳の年収500万円の男性が、後遺障害等級6級の認定を受けたとして逸失利益を計算します。

500万円✕0.67✕18.327=6139万5450円

そこで、被害者は、この金額を請求していくことになります。

後遺障害等級6級の認定基準と保険金額


後遺障害等級6級は、脊柱(背骨)への傷害(ケガ)による著しい変形障害や運動障害、手足の関節、眼や耳などの障害によって8つに分類され、労働能力喪失率は67%になっています。

この等級では、比較的わかりやすい症状だけでなく、判断が難しいものもあります。

たとえば、脊柱を構成する脊椎や、手足の関節などに残ってしまった障害は外部からではわからないために、レントゲン画像やMRIを使った診断など専門的な知識も必要になってきます。

「後遺障害等級6級の認定基準及び保険金限度額」

【自賠法別表第2】

後遺障害 保険金(共済金)
1. 両眼の視力が0.1以下になったもの
2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が
40センチメートル以上の距離では普通の話声を
解することができない程度になったもの
5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失ったもの
1,296万円

第6級1号

交通事故のケガによって両眼の視力が矯正視力で0.1以下になってしまった場合に6級1号が認定されます。

ちなみに、眼の障害については、後遺障害等級表上は、眼球の障害とまぶたの障害が定められています。

眼球の障害には、視力障害、調節機能障害、運動障害及び視野障害があり、まぶたの障害には欠損障害と運動障害があり、それぞれ相当等級が認定されます。

第6級2号

この等級の咀嚼(そしゃく)機能については、お粥や豆腐、柔らかい肉や魚のような噛む必要があまりなく、ラクに飲み込むことができるものしか食べられない状態が該当します。

言語機能については、4つの子音のうち2つが発音できなくなった状態が該当します。

4つの子音とは、具体的には次の通りです。

①口唇音/ま行音・ぱ行音・ば行音・わ行音、ふ
②歯舌音/な行音・た行音・ら行音・ざ行音・しゅ・じゅ・し
③口蓋音/か行音・が行音・や行音・ひ・にゅ・ぎゅ・ん
④咽頭音/は行音

これらの咀嚼能力と言語能力の障害のどちらかがある場合、6級2号が認定されます。

両方の障害がある場合は、4級2号に等級が上がります。

6級3号/4号

両耳の聴力が完全に失われたわけではなく、ほとんど聞こえない状態が6級3号に該当します。

認定の際には、単純な音が聴き取れるか(純音)、言葉を言葉として聴き取れるか(明瞭度)の2種類の検査を行ないます。

その結果、「耳に接しなければ大声を解することができない程度」を判断基準としています。

日常生活では、耳に直接口を当てて大声を出してようやく聞こえる状態、ということになります。

6級4号の場合は、片耳の聴力を完全に失い、もう片方の耳の聴力が「40cm以上離れた距離では普通の話し声が理解できない」と判断されると、該当します。

6級5号

交通事故によるケガにより、脊柱が変形して運動機能に障害を残すものが6級5号に該当します。

脊柱とは、いわゆる背骨のことです。

背骨を構成する一つひとつの骨を脊椎といい、脊柱は7つの頸椎、12の胸椎、5つの腰椎、仙椎、尾椎の計26個の椎骨から成り立っています。

もともと人間の背骨はS字のようなカーブを描いていて、この湾曲の角度をレントゲンから計測する方法を「コブ法」といいます。

6級5号の変形障害の基準では、このコブ法の基準に照らし合わせて、50%以上湾曲している場合に認定されます。

運動障害では、頸部と胸腰部にそれぞれ脊椎圧迫骨折、もしくは脊椎完全脱臼があること、または脊椎の固定術が施されていることで硬直か、これに近い状態になっていることが要件となります。

なお、可動域に関しては硬直、もしくは健常者の10%程度まで制限されていることが要件として必要です。

【参考記事】
交通事故の脊柱圧迫骨折(頸椎・胸椎・腰椎)で慰謝料が増額した3つの解決事例

6級6号/7号

上肢(腕)の三大関節とは、「肩」「肘」「手首」です。

このうちの2つの関節機能を失い、動かなくなってしまった場合、あるいは神経麻痺のために自分では動かせなくなってしまった場合に6級6号が認定されます。

下肢(足)の三大関節とは、「股関節」「膝」「足首」です。

このうちの2つの関節機能を失い、動かなくなってしまった場合、あるいは神経麻痺のために自分では動かせなくなってしまった場合、6級7号が認定されます。

なお、従来は「人口骨頭や人工関節を挿入したもの」という基準もありましたが、人工骨・関節の品質、耐久性が向上したため、現在ではその場合は8級、10級に分類されるようになっています。

6級8号

片手の5本の指全部、または親指を含めた4本の指を失った場合、6級8号が認定されます。

なお、指を失った手が利き手かどうかは関係ありません。

【参考情報】
国土交通省「自賠責後遺障害等級表」

後遺障害等級6級で慰謝料が増額した解決事例


後遺障害等級の認定を受けると、通常、加害者側の保険会社から慰謝料などの示談金(状況によって、損害賠償金とも保険金とも呼ばれますが、すべて同じものです)の提示があります。

その時、被害者の方としては次のような疑問や不安を感じることがあるのではないでしょうか。

・交通事故の示談交渉は、どのように行なわれるのか?
・保険会社が提示してきた金額は低すぎるのではないか?
・自分で交渉して解決できるのだろうか?
・示談交渉に弁護士が入ると、どのくらい増額するのか?

ここでは、みらい総合法律事務所が被害者の方から依頼を受け、示談交渉や裁判を経て、実際に慰謝料増額を勝ち取った後遺障害等級6級の解決事例についてご紹介します。

実際の示談交渉では、保険会社はいくらくらいの示談金を提示してくるのか。

示談交渉は、どのように進んでいくのか。

まだ、示談交渉に入っていない被害者の方も、示談交渉が思うように進んでいない方も、ぜひ参考にしていただければと思います。

増額事例①:18歳男子大学生の慰謝料等が約4.1倍に増額!

18歳の男子大学生が被害にあった交通事故です。

足に多数の骨折を負い、左足関節機能傷害、足指機能障害、短縮障害、下肢醜状痕などの後遺症が残ったことで、自賠責後遺障害等級認定を申請したところ、すべての障害の併合で6級が認定されました。

示談交渉が始まり、加害者側の保険会社は治療費や休業損害などの既払い金以外の慰謝料などの損害賠償金として約1800万円を提示してきましたが、被害者の方は、この金額がはたして妥当なものかどうか判断ができなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用しました。

弁護士が精査したところ、損害賠償金の大幅増額が可能との見解だったことから、被害者の方はすべてを弁護士に委任することにしました。

弁護士が示談交渉に入りましたが、保険会社は増額を拒否したため訴訟を提起。

裁判では7500万円が認められ、解決となりました。

当所の提示額から約4.1倍に増額した事例です。

増額事例②:34歳男性の慰謝料等が1000万円増額!

34歳男性が自動車で直進中、路外から飛び出してきた自動車に追突された交通事故です。

被害者の方は、びまん性脳損傷等を負い、治療のかいなく高次脳機能障害や両眼半盲等の後遺症が残り、自賠責後遺障害等級はそれぞれ7級4号、9級3号、12級相当が認定され、併合6級が認められました。

加害者側の保険会社は、慰謝料などの損害賠償金(示談金)として、約1680万円を提示。

そこで被害者の方は、先にご自身が契約していた保険会社に人身傷害保険を請求し、労災などとあわせて約5100万円を受領。

その後に、みらい総合法律事務所の弁護士に依頼して訴訟を提起し、裁判での決着に進みました。

裁判では、弁護士の主張が認められ、約1000万円の増額を獲得。

被害者の方は、合計で7800万円を受け取ることができた事例です。

増額事例③:31歳女性が支払い拒否から約4300万円獲得

交通事故により、左鎖骨骨折、顔面神経損傷、右手指骨折などのケガを負った31歳の女性の事例です。

被害者女性は、症状固定により外貌醜状や上肢機能障害の後遺症が残ったため、自賠責後遺障害等級認定を申請したところ、外貌醜状で7級12号、上肢機能障害で10級10号の併合6級が認定されました。

示談交渉と並行して進行していた刑事裁判で、加害者側が「事故の原因はすべて被害者にある」と主張していたため、加害者側の保険会社が損害賠償金の支払いを拒否するという事態になり、困ってしまった被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用しました。

弁護士からは、「裁判を起こして、加害者に非があったことを主張していくことが最善の方法である」とのアドバイスを受けたことで、すべてを委任することにしました。

裁判では弁護士の主張が認められ、最終的には約4300万円を獲得することができたという事例です。

増額事例④:45歳男性が併合6級で6650万円獲得

夜間、交差点の真ん中を45歳の男性が歩行中、タクシーに衝突され、脳挫傷と右足骨折のケガを負ってしまった交通事故です。

治療を継続したものの完治せず、症状固定となり高次脳機能障害と右足可動域制限の後遺症が残ったため、自賠責後遺障害等級認定を申請したところ、それぞれ7級と12級で併合6級が認定されました。

被害者の方は自分で示談交渉を解決するのは困難だと考えたため、インターネットで検索して、みらい総合法律事務所を知り、無料相談を経て、示談解決の依頼をされました。

弁護士が加害者側の保険会社と交渉をしましたが、保険会社は被害者の過失が大きいことと事故による減収がないことを主張し、示談交渉は決裂。

裁判で争われた結果、逸失利益が認められ、最終的には6650万円が認められたものです。

増額事例⑤:32歳男性がタクシーとの交通事故で3300万円を獲得

タクシーとの交通事故で、最終的に裁判で和解が成立した事例です。

事故の状況は、被害者男性がバイクで直進中、停車から急発進したタクシーに追突されたものでした。

タクシー会社の対応が悪く、被害者男性は自分では対処が難しいと感じ、みらい総合法律事務所の弁護士に示談交渉を依頼。

弁護士が申請書類を用意し、後遺障害等級認定に申請したところ、胸椎圧迫骨折による後遺症で6級5号が認定されました。

通常、労働能力喪失率が67%のところ、タクシー会社は「被害者は30%程度しか喪失していない」と主張して激しく争ってきたため、弁護士が提訴し、舞台は裁判の場に移りました。

弁護士は、被害者の方が増収していたことで逸失利益の算定については苦心しましたが、最終的には裁判所から3300万円の和解案が出され、これに被害者の方も納得されたことで和解が成立したものです。

【参考記事】
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後遺障害等級認定で注意するべき7つのポイント

被害者の方が正しい後遺障害等級認定を受け、その後の示談交渉でも適切な損害賠償金を受け取るためには、注意しなければいけないポイントがあります。

(1)治療効果があがっているのに治療を終了してはいけない
(2)必要な検査をせずに後遺障害等級認定の申請をしてはいけない
(3)認定された後遺障害等級が正しいものと信じてはいけない
(4)損害賠償請求権には時効があることを忘れてはいけない
(5)認定された後遺障害等級に納得がいかなければあきらめてはいけない
(6)弁護士に相談せずに後遺障害等級を認めてはいけない
(7)弁護士の選任を間違えてはいけない

これらのポイントは非常に重要なものですから、ぜひこちらの記事をお読みになって正しい知識を手に入れていただきたいと思います。

おそらく、被害者の方にとっては知らなかったことばかりだと思います。

後遺障害等級6級では画像などの専門的診断が必須!

脊柱や手足の関節の後遺障害等級認定では、画像が必須です。

たとえば脊椎の場合、エックス線写真やCT画像、MRI画像などにより、脊椎圧迫骨折等を確認することができるかどうか、脊柱の後彎又は側彎の角度がどの程度か、脊椎固定術が行なわれたかどうか、などで等級を判断していきます。

傷害(ケガ)の箇所によってはレントゲン画像では確認できなくても、CT画像やMRI画像では確認できる場合があるので注意が必要です。

また、後遺障害等級認定で必要な後遺障害診断書には、自覚症状欄や他覚所見、運動障害なども漏れなく医師に記載してもらってください。

こうした部分に間違いや不備があると、そのまま等級の違いに影響してしまい、慰謝料などの損害賠償金にも大きな差がついてしまいかねませんので、被害者の方は損をしないためにも細心の注意を払うことが大切です。

後遺障害等級に不服がある場合は異議申立ができる

被害者の方が気をつけなければいけないことのひとつは、認定された等級が間違っている場合です。

仮に1級でも低い等級が認定されてしまうと、被害者の方が受け取る損害賠償金(保険金とも示談金ともいいます)が数百万円から数千万円も違ってくるケースがあり、大きな損失を被ってしまう場合があるのです。

ですから、万が一ご自身が認定された後遺障害等級に不満があるのであれば、けっしてあきらめてはいけません。

被害者の方には「異議申立」をする権利が認められているからです。

ただ、異議申立をするには、被害者の方に残った機能障害や運動障害、神経症状などの後遺症が、適切な後遺障害等級に該当するために必要な要件を把握し、これらを「自覚症状」と「他覚所見」という医学的な書類に正しくまとめて提出し直す必要があります。

こうしたことは専門家でないと難しいものですから、やはり弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

異議申立について、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】
後遺障害等級認定とは?認定の仕組みと異議申立のポイント