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【後遺障害5級】の認定基準・慰謝料額と増額事例

最終更新日 2021年 07月26日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

5級慰謝料

交通事故の示談交渉は、認定される後遺障害等級によって大きく違ってきますが、今回は、そのうち、後遺障害等級5級について、解説します。

自賠責後遺障害等級は1級から14級までありますが、その中でも1級など非常に重い障害については、比較的認定がしやすいという面があります。

しかし、5級などのレベルになってくると、たとえば高次脳機能障害による症状などで判断が難しいケースが出てきます。

すると、判断の違いによって認定される等級が変わってしまい、結果的に被害者の方が受け取ることができる金額にも差が出てきてしまうということが起きてしまいます。

ですから、被害者の方とそのご家族は障害の状況をきちんと把握し、示談交渉では積極的に主張・立証していくことが大切です。

ここでは、後遺障害等級5級の認定基準・慰謝料額と解決事例を解説していきます。


【動画解説】交通事故の被害者が、後遺障害等級を確実に獲得していく方法

交通事故発生から示談解決までの流れと手続について

被害者の方にとって、交通事故発生から示談成立までの流れは、一般的には次のように進行していきます。

(1)交通事故が発生
 ↓
(2)事故の状況や加害者の身元の確認
 ↓
(3)警察へ通報、実況見分調書の作成への協力
 ↓
(4)被害者、加害者双方の保険会社への連絡
 ↓
(5)入院・通院でケガの治療に専念する
 ↓
(6)主治医から症状固定の診断
 ↓
(7)後遺障害等級が認定され損害賠償額が提示
 ↓
(8)加害者側の任意保険会社との示談交渉が開始
 ↓
(9)示談成立(法的手続きの後、保険金の受け取り)
 ↓
(10)示談が決裂した場合は紛争処理機関や法的機関へ相談
 ↓
(11)場合によっては訴訟を提起し、裁判での決着へ

症状固定から後遺障害等級認定への流れを確認しましょう!

ケガの治療を継続していたものの、主治医から「症状固定」の診断を受ける場合があります。

症状固定というのは、これ以上の治療を続けても完治や回復の見込みがないと診断される状態で、被害者の方には前述のような後遺症の症状が残ることになります。

ここで被害者の方とご家族がやらなければいけない重要なことがあります。

それは、自賠責後遺障害等級認定の申請です。

後遺障害等級が認定されないことには、加害者側の保険会社と示談交渉を進めることができませんし、ご自身が受け取るべき損害賠償金(示談金とも保険金ともいいます)の金額を決定することもできません。

また、ご自身の後遺障害等級が正しく認定されず、低い等級が認定されてしまうと、それだけで数百万円から数千万円も損害賠償金額で損をしてしまう可能性があるのです。

ですから、被害者の方にとって正しい後遺障害等級の認定を受けることは、とても大切なことなのです。

後遺障害等級認定の申請には2つの方法がある

後遺障害等級認定を受けるには、どうすればいいのでしょうか?

じつは、後遺障害等級認定を申請するには、「被害者請求」と「事前認定」という2つの方法があります。

「被害者請求」
被害者が直接、加害者の加入している自賠責保険会社に申請する方法。

<被害者請求のメリット>
①後遺障害等級が認定された場合、最終的な示談の前にまず自賠責保険金がまとまった金額で支払われるため、被害者側は金銭的な余裕をもったうえで、加害者側の保険会社と示談交渉を行なうことができる。

②被害者側が自分で資料を集めて申請するため、手続きの流れや、提出する書面を自分で把握できる。

<被害者請求のデメリット>
①被害者側が自分で資料を集めなければならないため手間がかかってしまう。

②遅延損害金が少なくなってしまう。

※示談交渉が決裂して裁判まで進み、判決があった場合、損害賠償金には事故時からの遅延損害金などがつくが、被害者請求で最初にまとまったお金をもらうと、被害者が最終的に受け取る損害賠償金が少なくなるため。

「事前認定」
加害者が加入している任意保険会社を通して自賠責保険に申請する方法。

<事前認定のメリット>
①加害者側の任意保険会社が手続きを行なってくれるため、被害者請求ほどは手間がかからない。

②最後にまとめて損害賠償金を受け取るため、付加される遅延損害金が増え、最終的な獲得金額が増える。

<事前認定のデメリット>
被害者には、どのような書類が提出されているのかわからないため、提出書類に不備・不足がないかどうか確認することができない。
そのため、正しい後遺障害等級が認定されず、自分のあずかり知らないところで不当に低い等級になってしまっている可能性がある。

どちらの方法を選択すればいいのかについては、それぞれにメリットとデメリットがあるためケースバイケースとなります。
被害者の方とご家族は、ご自身の置かれている経済状況や後遺症の程度などを考えながら選択する必要があります。

後遺障害等級認定の申請で必要な書類とは?

自賠責後遺障害等級認定の申請では、次のような書類や資料を提出する必要があります。

これらの内容に間違いがあったり、書類の不足があったりすると正しい後遺障害等級が認定されなくなってしまうので慎重に進めていかなければいけません。


・支払請求書兼支払指図書
・交通事故証明書
・交通事故発生状況報告書
・医師の診断書(死亡の場合は死亡診断書)
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
・休業損害証明書
・委任状(被害者自身が請求できない場合)
・戸籍謄本(死亡の場合)
・後遺障害診断書
・レントゲン・MRIなどの画像

後遺障害等級5級の認定基準と保険金限度額

後遺障害保険金(共済金)額
1. 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、
特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、
特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4. 一上肢を手関節以上で失ったもの
5. 一下肢を足関節以上で失ったもの
6. 一上肢の用を全廃したもの
7. 一下肢の用を全廃したもの
8. 両足の足指の全部を失ったもの
1,574万円

第5級1号

片方の眼を完全に失明してしまい、もう片方の眼が矯正視力で0.1以下になった場合、5級1号に認定されます。

第5級2号

脳や神経の障害によって、特に簡単な労務以外の労務ができなくなってしまった状態です。

後遺障害等級5級の労働能力喪失率は79%ですから、健康な人のほぼ4分の1程度の労働能力と判断されますが、できる仕事もかなり限定されるため、職場復帰はなかなか難しい状況です。

また、できる仕事において、量やスピード、正確性などについて、わかりやすく数値化できるものでもないため、判断の違いによっては、のちのち損害賠償金に大きな差が出てしまいます。

そのため、後遺障害等級認定に必要な「後遺障害診断書」を作成する医師とはコミュニケーションをしっかりとり、等級を低く判断されないようにすることも大切です。

第5級3号

胸腹部の内臓などへのケガにより障害を負ったことで、特に簡単な労務以外の労務ができなくなってしまった状態です。

5級3号に該当する内臓への障害で、もっとも多いのが泌尿器系の後遺障害です。
交通事故により尿道や膀胱、肛門などへのダメージを受けたことで、尿失禁の症状が残ったり、人工肛門をつけなければいけない状態になることがあります。
そうなると自分で排泄をコントロールすることが難しくなり、就労も難しい状態になってしまいます。

第5級4号/5号

片方の手を、肘関節から手首の間で切断した場合、または手首で橈骨・尺骨と手根骨を離断した場合、5級4号が認定されます。

また、片方の足を、膝関節と足首の間で切断した場合、下腿部で切断した場合、または足首で下腿骨と距骨を離断した場合は、5級5号が認定されます。

第5級6号/7号

一上肢の用を全廃した、とは、片方の腕を切断した場合だけでなく、次のような状態をいいます。

①肩・肘・手関節の完全強直
②健側に比して患側(障害のある側)の運動可能領域が10%以内に制限され、手指の障害が加わるもの
③肩・肘・手関節の完全麻痺
④先に近い状態で手指の障害が加わるもの

両腕の場合は1級4号、片腕の場合は5級6号となります。

また、一下肢の用を全廃したとは、片方の足を切断した場合だけでなく、次のような状態をいいます。

①股・膝・足関節の完全強直
②健側に比して患側の運動可能領域が10%以内に制限され、足趾の障害が加わるもの
③股・膝・足関節の完全麻痺、及びこれに近い状態で足趾の障害が加わるもの

両足の場合は1級6号、片足の場合は5級7号となります。

第5級8号

両足の指をすべて失った場合、5級8号に認定されます。

親指は第一関節より先、それ以外の指は第二関節より先を失った状態です。
また、指だけでなく、4級7号の基準にあるリスフラン関節(足の甲の中間あたりにある関節)より先を失った場合にも適用されます。

片足の場合では、8級10号が認定されます。

【参考情報】
国土交通省「自賠責後遺障害等級表」

みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例集

示談交渉の現場では、実際に保険会社からどのくらいの金額の示談金が提示されるものなのでしょうか?

そして、弁護士が被害者の方の代理として示談交渉をした場合、どのくらい増額するのでしょうか?

ここでは、みらい総合法律事務所が被害者の方から依頼を受け、実際に慰謝料増額を勝ち取った自賠責後遺障害等級5級の解決事例についてご紹介します。

なかなか、実際の示談交渉の現場を知る機会はないと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

みらい総合法律事務所の増額事例①:20歳男性が約6100万円獲得!

友人が運転する自動車が交差点で他の自動車と衝突し、後部座席に同乗していた20歳の男子学生が重傷を負った交通事故です。
被害者の方は頭部外傷などにより、高次脳機能障害で7級、外貌醜状で7級の併合5級の後遺障害等級が認定されました。
加害者側の保険会社は、既払い金を除いて、示談金として約3300万円を提示。
被害者の方は示談解決のために、みらい総合法律事務所に交渉を依頼しました。
弁護士が加害者側の保険会社と交渉を開始すると、外貌醜状に関する逸失利益が争点となりましたが、最終的には6100万円で解決に至りました。
当初の提示額から約2800万円の増額を勝ち取ったものです。

みらい総合法律事務所の増額事例②:24歳男性が約8000万円を獲得!

24歳のアルバイト男性がバイクで丁字路を直進していたところ、右折してきた自動車に衝突され左下腿切断の重傷を負いました。
自賠責後遺障害等級は5級5号が認定され、被害者男性はすぐに、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉を依頼しました。
弁護士と加害者側の保険会社との示談交渉では、逸失利益や慰謝料、将来の装具費などで争われましたが、最終的には保険会社が譲歩し、約8000万円の示談金(損害賠償金)で解決となりました。
これは、もっとも高額になる弁護士(裁判)基準による金額でした。

みらい総合法律事務所の増額事例③:48歳男性が約7900万円を獲得!

バイクで丁字路を右折しようとした48歳の男性が、右方向から進行してきた信号無視のトラックに衝突された交通事故。
外傷性脳損傷を負った被害者男性は、治療を続けたものの高次脳機能障害が残ってしまい、自賠責後遺障害等級は5級が認定されました。

加害者側の保険会社から示談交渉の要請が来たタイミングで、被害者男性は自分で解決するのは困難と考え、みらい総合法律事務所の弁護士に示談交渉を依頼しました。
弁護士が交渉を開始したところ、保険会社は「後遺障害等級5級はおかしい」と主張し、示談金額で折り合いがつかなかったため訴訟を提起し、裁判に突入しました。
裁判所の判断は、「後遺障害等級5級が相当である」というものだったため、最終的には裁判所の和解案に従い、約7900万円での解決となりました。

みらい総合法律事務所の増額事例④:18歳男子が約4700万円の増額

交通事故の被害により、18歳の男子に高次脳機能障害の後遺症が残ってしまいました。

自賠責後遺障害等級認定を申請したところ5級が認定され、加害者側の保険会社からは約3100万円の示談金(損害賠償金)が提示されました。
この金額が適切なものか判断がつかなかった被害者側は、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉を依頼しました。
弁護士と保険会社が示談交渉を行ないましたが決裂したため、訴訟を提起。
最終的に裁判で約7800万円の示談金が認められたものです。
保険会社提示額の約2.5倍、約4700万円も増額したことになります。

みらい総合法律事務所の増額事例⑤:51歳男性の示談金が約1.4倍に増額

51歳の男性が交通事故で下肢切断の傷害を負い、後遺障害等級5級が認定されました。
加害者側の保険会社は、示談金として約4400円を提示。
みらい総合法律事務所は相談に来られた被害者の方から受任し、弁護士が示談交渉を任されました。
加害者側の保険会社との交渉の末、最終的に約6100万円での解決となりました。
保険会社提示額から約1700万円増額、約1.4倍になったことになります。

【参考記事】
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