手・腕・足(脚)切断の後遺障害等級と解決事例集
この記事を読んでわかること
この記事では、交通事故による「手・腕・足(脚)の切断」で後遺症が残った場合の後遺障害等級認定や慰謝料等の損害賠償金などについて解説していきます。
具体的には、この記事を読むことにより次のことがわかります。
慰謝料が大幅に増額して解決した実際の事例
手・腕・足(脚)の切断の後遺障害等級
後遺障害等級認定の仕組み
後遺障害等級の認定基準
後遺障害等級が間違っていた時の対処法
交通事故の示談交渉における素人と弁護士の違い
交通事故の示談金が増額する理由
手・腕・足(脚)の切断で弁護士に依頼すると、どの程度増額するのか?
弁護士の正しい探し方
ぜひ、最後まで読んでください。
目次
【動画解説】【交通事故】手足切断の後遺障害等級と慰謝料請求のポイント
みらい総合法律事務所の実際の解決事例
まずは、みらい総合法律事務所で実際に解決した、足(脚)の切断の傷害における示談交渉の慰謝料増額事例をご紹介します。
左下腿切断により後遺障害等級5級5号が認定された24歳男性の事例
24歳のアルバイト男性がバイクで丁字路を直進中に右折してきた自動車に衝突された交通事故。
被害者男性は、左下腿切断の重傷を負い、自賠責後遺障害等級は5級5号が認定されました。
みらい総合法律事務所の無料相談を利用した被害者の方が、そのまま示談交渉を弁護士に依頼。
弁護士と加害者側の任意保険会社との間で示談交渉が始まり、逸失利益やと慰謝料、将来の装具費などが争点となりましたが、最終的には保険会社が譲歩。
弁護士が、任意保険基準よりも高額な弁護士(裁判)基準での解決を勝ち取り、示談金額(損害賠償金額)は約7874万円で確定した事例です。
この解決事例のように弁護士が示談交渉に入ると慰謝料などの損害賠償金(示談金とも保険金ともいいます)が大きく増額する可能性が高くなるには、なぜなのでしょうか?
また、示談交渉での弁護士(裁判)基準とは何なのでしょうか?
交通事故の慰謝料は弁護士に依頼をすると、なぜ増額することが多いか?
そして、交通事故で手・腕・足(脚)を切断するという重い傷害を負ってしまった場合、被害者の方はどうすればいいのでしょうか?
後遺障害等級は何のためにあるのか?
後遺障害等級は、どのように認定されるのか?
正しい後遺障害等級は、どうやって確認すればいい?
慰謝料などの損害賠償金は、いくら受け取ることができるのか?
保険会社が提示してきた金額は本当に正しいのか?
どのように示談交渉を進めていけばいいのか?
弁護士に相談・依頼すると、どのようなメリットがあるのか?
など、被害者の方にとっては、わからないことばかりでしょう。
そこで今回は、手・腕・足(脚)切断の場合の後遺障害等級と認定基準、慰謝料などの損害賠償金額や示談交渉などについてお話していきたいと思います。
図解解説:交通事故解決の手続きと全体の流れ
一般的に、交通事故の発生から被害者の方が損害賠償金を受け取るまでは次のような流れで進んでいきます。
各段階には後遺障害等級認定や示談交渉など、被害者の方やご家族が行なわなければいけないさまざまな手続きがありますが、まずは全体の大まかな流れを確認しておくことが大切です。
交通事故の被害者が知っておくべき7つの注意ポイント
次に、ポイントとなる各段階で、交通事故の被害者の方が知らないと損をしてしまう注意点について解説していきます。
(1)交通事故に巻き込まれた時すぐにやるべきこととは?
交通事故が発生した直後に被害者の方が冷静でいることは難しいと思いますが、手・腕・足(脚)の切断という重傷を負った場合は、まずは救急車を呼び、治療を受けることが最優先になります。
ただし、加害者の身元の確認、警察への連絡と実況見分調書の作成への協力、加害者と被害者ご自身が加入している保険会社への連絡など、やるべきことはさまざまありますので、これらを把握しておくことは大切です。
警察に通報しないと交通事故として処理されないことになってしまいます。
すると、実況見分調書が作成されず、後から加害者側に損害賠償請求する際に、事故状況を立証するのが難しくなってしまうなど不都合なことが起きてきますので注意が必要です。
(2)症状固定とは?被害者がやるべきこととは?
治療を続けていくと、ある段階で主治医から「症状固定」の診断を受ける場合があります。
症状固定とは、将来的にこれ以上の回復が見込めない状態に至ったためにケガの症状が固定するわけですから、この時点で治療は終了となり、被害者の方には後遺症が残ってしまうことになります。
ここで注意するべきなのは、加害者側の保険会社の担当者が「このへんで症状固定にしてください。これ以上の治療費は支払えません」などと言ってくることです。
なぜ、医者ではない保険会社がそんなことを言ってくるのか、不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。
その理由は、保険会社としては少しでも被害者への支払いを減らしたいから。
当然ですが、症状固定の診断は医学的なことですから主治医が行なうものです。
ですから、保険会社の担当者の言葉を簡単に信じたり、不安になる必要はありません。
症状固定の診断がないなら、治療の効果は上がっているということ。
安心して治療を続けて大丈夫です。
なお、ここで注意するべきなのは、治療費などの領収書は必ず保管しておくことです。
あとで示談交渉を行なう時に、まとめて保険会社に請求することができます。
ただし、その治療費が支払われるかどうかは、医学上、治療の必要性があったかどうかで決まることは覚えておいてください。
(3)後遺症と後遺障害の違いを理解する
後遺症と後遺障害……交通事故の被害者の方にとっては重要な項目ですが、ではこの2つの違いは何なのでしょうか?
「後遺症」
症状固定後に被害者の方に残った機能障害や運動障害、神経症状などのこと。
・機能障害……高次脳機能障害による認知や行動の障害、視力や聴力の低下や喪失など
・運動障害……手・足・指などの麻痺、上肢・下肢の関節の可動域制限など
・神経症状……痛み、しびれなど
「後遺障害」
後遺症に次の要件が認められることで損害賠償請求の対象になるもの。
・交通事故が原因であると医学的に証明されること
・労働能力の低下や喪失が認められること
・その程度が自動車損害賠償保障法(自賠法)で定める後遺障害等級に該当すること
(4)後遺障害等級はなぜ必要なのか?
慰謝料などの損害賠償金を算出する際、被害者の方によって後遺障害の程度や症状はそれぞれ違いがあるため、次のような問題が発生してしまいます。
・一人ひとりの損害賠償金額の項目を個別に計算するには、多くの時間と労力がかかってしまう
・慰謝料を計算する際、被害者一人ひとりが抱えている精神的、肉体的苦痛を正確に数値化するのは不可能
そこで、こうした問題を解消し、被害者の方の損害賠償金額を迅速かつ公平に算出するために設定されたのが後遺障害等級です。
なお、被害者の方の後遺障害がどの等級に該当するかを判断、認定する手続きを自賠責後遺障害等級認定といいます。
後遺障害等級は全部で14等級に分類されています。
もっとも重い等級が1級で、14級までの各等級には後遺障害が残った体の部位によって、それぞれ細かく号数が設定されています。
【参考記事】
国土交通省「自賠責後遺障害等級表
ご自身の等級が認定されることで慰謝料などの損害賠償金額が決まってくるので、後遺障害等級はとても重要なものです。
ですから、間違った等級が認定されないようにすることが大切になってきます。
(5)後遺障害等級認定の申請には2種類の方法がある
後遺障害等級認定を申請する方法として、次の2つがあります。
「被害者請求」
被害者自身が自賠責保険取り扱い会社に対し、後遺障害等級認定を行なう方法。
示談を行なう前にまとまった金額を受け取ることができるなどのメリットがある。
「事前認定」
加害者側の任意保険会社を通して後遺障害等級認定を行なう方法。
提出書類を自分で用意しなくていいので被害者の方の負担が少ない、というメリットなどがある。
被害者の方としては、どちらを選択すればいいのか悩むところかもしれませんが、一概にどちらが有利とはいえない部分があります。
というのも、被害者請求と事前認定には、それぞれメリットとデメリットがあるからです。
そのため、ご自身の後遺症の程度や状態、経済状況などから考えて、どちらかを選択することになります。
(6)後遺障害等級認定の申請で必要な書類は複雑!?
後遺障害等級認定の申請では、次のような書類や資料などを提出する必要があります。
「後遺障害等級認定の際に必要な提出書類等」
・支払請求書兼支払指図書
・交通事故発生状況報告書
・交通事故証明書
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
・医師の診断書(死亡の場合は死亡診断書)
・委任状(被害者自身が請求できない場合)
・休業損害証明書
・後遺障害診断書
・レントゲン・MRI等の画像 など
手・腕・足(脚)の切断による後遺障害の場合、等級が1級違っただけでも数百万円から数千万円も損害賠償金が違ってくることもあります。
ですから、被害者の方としては提出書類で記載内容に間違いや不備、不足などがないようにしなければいけません。
しかし、後遺障害等級認定の申請などしたことのない被害者の方にとっては、上記のような提出書類を完璧に用意するのは難しいことでしょう。
また、医師の経験や知識不足のために提出書類の不備や不足が発生するケースがあることを知っておくべきです。
このような問題に対処するためには、やはり交通事故の後遺障害等級に詳しく、実務経験のある医師に書類作成をお願いすることが必要ですし、同時に交通事故に強い弁護士に書類のチェックを依頼することも大切だと思います。
(7)等級に不満があれば異議申立できる
後遺症の症状というのは、被害者の方が感じていても、すべてが後遺障害と認められるわけではないことも知っておくべきです。
そして、本来よりも低い後遺障害等級が認定されてしまうケースもあることに注意しなければいけません。
では、こうした場合にどうすればいいのかというと、被害者の方は「異議申立」をすることができるのです。
後遺障害等級認定の場合は、自賠責保険取り扱い会社や任意保険会社から「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)という機関に対して書類などを送付して申請しますが、異議申立の場合は被害者の方が直接、損保料率機構に申請します。
異議申立が認められるには法的、医学的な根拠が必要です。
そのため、「異議申立書」や「陳述書」の他にも次のような書類や資料を再提出することになります。
・医師によって自覚症状欄や他覚所見、運動障害などが漏れなく記載された「後遺障害診断書」
・レントゲン画像では確認できなかった損傷部分が詳しくわかるようなCT画像やMRI画像 など
ただ単に、「自分の等級はもっと高いはずだから等級を上げてほしい」などと言っても異議申立は認めてもらえません。
やはり異議申立でも、交通事故に強い弁護士や医師に依頼することを検討するべきだと思います。
手・腕・足(脚)の切断による傷害で認定される後遺障害等級
手・腕・足(脚)の切断で認定される後遺障害等級には次のものがあります。
「手・腕(上肢)の切断」
・1級3号/両上肢をひじ関節以上で切断した場合
・2級3号/両上肢を手関節以上で切断した場合
・4級4号/一上肢をひじ関節以上で切断した場合
・5級4号/一上肢を手関節以上で切断した場合
「後遺障害等級1級3号(自賠法別表第2)」
・両上肢をひじ関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:3000万円
・労働能力喪失率:100%
「後遺障害等級2級3号(自賠法別表第2)」
・両上肢を手関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:2590万円
・労働能力喪失率:100%
「後遺障害等級4級4号(自賠法別表第2)」
・一上肢をひじ関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1889万円
・労働能力喪失率:92%
「後遺障害等級5級4号(自賠法別表第2)」
・一上肢を手関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1574万円
・労働能力喪失率:79%
「足(脚)(下肢)の切断」
・1級5号/両下肢をひざ関節以上で切断した場合
・2級4号/両下肢を足関節以上で切断した場合
・4級5号/一下肢をひざ関節以上で切断した場合
・4級7号/両足をリスフラン関節以上で切断した場合
・5級5号/一下肢を足関節以上で切断した場合
・7級8号/一足をリスフラン関節以上で切断した場合
「後遺障害等級1級5号(自賠法別表第2)」
・両下肢をひざ関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:3000万円
・労働能力喪失率:100%
「後遺障害等級2級4号(自賠法別表第2)」
・両下肢を足関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:2590万円
・労働能力喪失率:100%
「後遺障害等級4級5号(自賠法別表第2)」
・一下肢をひざ関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1889万円
・労働能力喪失率:92%
「後遺障害等級4級7号(自賠法別表第2)」
・両足をリスフラン関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1889万円
・労働能力喪失率:92%
「後遺障害等級5級5号(自賠法別表第2)」
・一下肢を手関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1574万円
・労働能力喪失率:79%
「後遺障害等級7級8号(自賠法別表第2)」
・一足をリスフラン関節以上で失つたもの
・自賠責保険金額:1051万円
・労働能力喪失率:56%
みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例集
次に、みらい総合法律事務所で実際に解決した事例について解説していきます。
「保険会社から提示された示談金額は低すぎるのではないか?」
「保険会社と示談交渉していくのは自分ひとりでは難しい」
「身体的、精神的につらい…これ以上、示談交渉を続けるのは限界…」
こうした理由などから、みらい総合法律事務所に相談、依頼される被害者の方とご家族が多くいらっしゃいます。
示談交渉に弁護士が入るとどうなるのか?
ご自身の状況や状態と照らし合わせながら、解決事例を参考にしていただければと思います。
みらい総合法律事務所の増額事例①:46歳男性の慰謝料等が1億1500万円に!
自宅の駐車場で立ち話をしていた46歳男性が自動車にはねられた交通事故。
重傷を負った被害者男性は、右大腿切断で自賠責後遺障害等級4級5号、左下腿切断で5級5号、併合で2級が認定されました。
被害者の方は、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、今後の対応や流れなどについて相談し、納得のいく回答を得たことで示談交渉のすべてを依頼。
弁護士と加害者側の任意保険会社が示談交渉をしたものの、保険会社が示談金の増額を渋ったため、弁護士が提訴しました。
裁判では、将来の介護費用と義足費用が争点となり、弁護士が正当性を主張。
最終的には、1億1500万円の示談金(損害賠償金)を獲得した事例です。
みらい総合法律事務所の増額事例②:47歳男性が下肢切断で約3倍の慰謝料等を獲得
47歳の男性が交通事故で脊髄損傷と下肢切断などの重傷を負った事例。
自賠責後遺障害等級認定に申請したところ、それぞれ5級で併合2級が認定されました。
加害者側の保険会社は、示談金として約5270万円を提示。
この金額が妥当なものかどうか疑問を持った被害者の方が、みらい総合法律事務所で無料相談したところ、事故状況などを精査した弁護士から「増額可能」の回答を得たことから、示談交渉を依頼されました。
示談交渉では、保険会社が増額に応じなかったため、弁護士が提訴。
裁判の判決では、ひき逃げがあったことも考慮され、慰謝料の相場(裁判基準)が2370万円のところ、2600万円に増額されるなどして、最終的には計1億4590万円で解決しました。
保険会社の当初提示額から9300万円超の増額で、約3倍の示談金を獲得することができたものです。
みらい総合法律事務所の増額事例③:51歳男性が慰謝料等で6000万円超を獲得
51歳男性が下肢切断の重傷を負った交通事故。
自賠責後遺障害等級は5級が認定され、加害者側の保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約4360万円を提示してきました。
この金額に疑問を感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士と保険会社の交渉では、最終的に約1700万円増額の6060万円で解決することができた事例です。
みらい総合法律事務所の増額事例④:31歳男性の慰謝料等が約3000万円増で解決
31歳の男性が、バイクで交差点に進入したところ、四輪車と衝突した出会い頭の交通事故でした。
左下腿開放骨折の傷害を負い、治療を続けましたが切断せざるを得なくなり、自賠責後遺障害等級は5級5号が認定され、示談交渉が開始されました。
被害者男性は事故前と比べて減収がなかったことから、加害者側の保険会社は逸失利益の計算を渋り、交渉は難航。
困った被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼することにしました。
保険会社との交渉が決裂したため、弁護士が提訴。
裁判では、過失割合と逸失利益が争われましたが、最終的には8100万円での解決となりました。
保険会社の当初提示額である約5060万円から約3000万円も増額したことになります。
交通事故の慰謝料の相場金額を知っておく
交通事故の被害者の方が加害者側に請求できる慰謝料の種類は、じつはひとつではありません。
「傷害慰謝料」、「後遺障害慰謝料」、「死亡慰謝料」の3つがあります。
前述したように、被害者の方の精神的、肉体的苦痛は数値化することができないため、慰謝料には過去の裁判例などから決まっている基準と大体の相場があります。
たとえば、後遺障害慰謝料の弁護士(裁判)基準による相場金額は次のようになっています。
「弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の相場金額」
後遺障害等級 | 慰謝料 |
---|---|
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
加害者側の保険会社から、すでに示談金の提示を受けている方は、今すぐ内訳に記載されている後遺障害慰謝料の金額を確認してみてください。
たとえば、腕・足(脚)の切断で後遺障害等級2級の認定を受けた場合、後遺障害慰謝料の相場金額は2370万円です。
これより低い金額が記載されているなら、「低すぎる」と考えてください。
それは、加害者側の保険会社の理屈と都合で提示された数字ですから、被害者の方は示談交渉で適切な金額を主張していく必要があります。
被害者の方が本来手にするべきなのは弁護士(裁判)基準で計算した損害賠償金額です。
だからこそ、簡単に保険会社が提示してくる金額で示談を成立させてはいけないのです。
弁護士が示談交渉に入ると損害賠償金が増額する本当の理由
残念ながら、被害者の方やご家族が加害者側の保険会社と示談交渉をしても、慰謝料などの損害賠償金を増額させることは難しいものです。
しかし、弁護士が保険会社との示談交渉に入ると慰謝料などの損害賠償金額が増額する可能性がグンッと高まります。
それは、みらい総合法律事務所が解決した慰謝料増額事例からもおわかりいただけると思います。
それはなぜなのか、増額する理由について考えてみます。
(1)慰謝料などの計算で使用される「3つの基準」を知る
保険会社や弁護士が交通事故の損害賠償金を計算する際には次の3つの基準を使っています。
「自賠責基準」
自賠責保険で補償される最低限の金額の基準。
自賠責保険には支払限度額があるため、3つの基準の中ではもっとも低い損害賠償金額になる。
「任意保険基準」
各任意保険会社が損害賠償額を算定する際に用いている基準。
それぞれの保険会社が独自に設定し、公表していないが、自賠責基準より高く、弁護士(裁判)基準より低い金額になる。
「弁護士(裁判)基準」
弁護士が慰謝料等の計算で用い、裁判でも主張する金額の根拠となる基準。
過去からこれまでの交通事故の裁判例から導き出された損害賠償金の基準で、法的根拠がベースになっているため、裁判をした場合に認められる可能性が高くなる。
3つの基準の中では、もっとも高額になる。
当然、これらのどの基準を用いるかで慰謝料などの損害賠償金額が変わってくることがポイントになります。
(2)民間の保険会社は利益の追求を目的とする営利法人
自動車の運転に関係する保険には、次の2つがあります。
「自賠責保険」
すべての運転者が加入する義務がある強制保険。
自賠責保険は対人保険制度であるため、人身事故の被害の場合にのみ保険金が支払われる。
自損事故による傷害(ケガ)や物損事故では保険金は支払われない。
「任意保険」
民間の保険会社が運営する自動車損害保険。
自動車の所有者やドライバーは、自賠責保険金だけでは被害者への損害賠償金をすべて支払えない事態に備えて任意保険に加入する。
ところで、民間の保険会社の目的とは何でしょうか?
何のために会社を運営しているのかといえば、それは利益の追求です。
利益を上げるためには収入を増やし、支出を減らす必要があります。
民間の保険会社にとって、被害者の方へ支払う保険金(損害賠償金)は支出です。
支出を少なくするため、民間の保険会社は自賠責基準か任意保険基準で計算した低い金額の損害賠償金を被害者の方に提示してくるのです。
(3)弁護士が主張するのはもっとも高額な弁護士(裁判)基準
弁護士が加害者側の保険会社と示談交渉する時は、弁護士(裁判)基準で計算した金額を主張していきます。
なぜなら、弁護士(裁判)基準は、これまでに積み重ねられてきた過去の裁判例をベースにしているため、法的根拠がしっかりしたものだからです。
示談が決裂した場合、弁護士は提訴して裁判に持ち込みます。
その際も主張していくのが、この弁護士(裁判)基準で計算した金額です。
そして、弁護士(裁判)基準には法的根拠があるので、最終的に裁判で認められる可能性が高くなるのです。
弁護士に相談・依頼すると得られる!これだけのメリット
ここまで、手・腕・足(脚)の切断の場合の後遺障害等級認定や示談交渉などについてお話してきましたが、いかがでしょうか?
ご自身で交通事故の示談交渉を解決するには、交通事故に関する法律だけでなく、後遺障害等級認定システムや損害保険、さらには医学的な知識が必要です。
また、示談交渉の相手は加害者側の保険会社であり、担当者は保険のプロです。
交通事故についても、保険についてもプロではない被害者の方が示談交渉を進めていくのが大変なのは当然のことです。
そこで、ぜひ考えていただきたいのが、弁護士に相談・依頼することです。
保険会社が提示してくる示談金額が本当に妥当なものかどうか、判断するのは素人では難しいですから、少なくともその点は弁護士に相談するべきだと思います。
そして弁護士に依頼すると、さらに被害者の方は次のようなメリットを手にすることができます。
難しく、煩わしい示談交渉から解放される
自分で交渉するより大幅に増額して解決することが期待できる
保険会社の都合ではなく、法律的に正しい解決ができる
弁護士を選ぶ際にもっとも大切なこと、それは…
ここは十分注意してください!
相談・依頼する弁護士は誰でもいいわけではありません。
もっとも大切なこと、それは交通事故に強い、後遺障害等級認定や示談交渉に強い弁護士に相談・依頼することです。
仮に何かの病気やケガで診察や治療、手術などを依頼する場合、自分の病気に対して専門外の医師にはお願いしないでしょう。
それと同じように、弁護士にもそれぞれ専門分野や得意分野があるので、交通事故が専門外の弁護士に相談・依頼すると、判断を間違ってしまったり、重要な見落としが生じる可能性があります。
交通事故の被害で苦しんでいるうえに、これ以上の損害を受けるなど、被害者の方としては絶対に避けなければいけないことです。
交通事故に強い、本当に頼りになる弁護士には次のような特徴があります
・交通事故に関する法律知識は当然持っている
・後遺障害等級認定システムや損害保険の詳しい知識を持っている
・傷害(ケガ)や後遺障害などに関する医学的知見も兼ね備えている
・交通事故の法的な実務経験が豊富である
これらを判断するには、法律事務所のウェブサイトを見るだけではわかりません。
できれば、直接会って面談して、遠慮なく質問などをして、ご自身で確認してみることが大切です。
その他、交通事故に強い弁護士を探すためにやってはいけないことがあります。
弁護士費用は高い?それとも適切?
「弁護士費用は高いから依頼するべきか迷ってしまう…」という方もいらっしゃると思います。
でも、それって本当ですか?
弁護士費用は本当に高いのでしょうか?
実際にかかる弁護士費用の相場を知っていますか?
多くの人は知らないと思いますが、じつは弁護士に依頼して裁判をしたほうが被害者の方が受け取ることができる損害賠償金額が増えることがあります。
どういうことなのか…詳しくはこちらのページをお読みください。
今までの考えが、勝手なイメージや単なる思い込みだったことに気づいていただけると思います。
自分の慰謝料が簡単にわかる!自動計算機とは?
みらい総合法律事務所では、簡単に慰謝料などの損害賠償金額を計算することができる自動計算機をウェブ上にご用意しています。
もちろん、どなたでもすぐにお使いになれます。
ぜひ、ご活用ください。
弁護士に相談するベストのタイミングは今!
みらい総合法律事務所では、交通事故問題の専門家集団として、
さまざまな後遺症と死亡事故の事案に注力して専門性を高めています
それは、交通事故に強い弁護士でなければ執筆できない次のような重傷事案に関する専門書を出版していることからも、おわかりいただけると思います。
「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)
「交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)
なお、みらい総合法律事務所では無料相談を随時受け付けています。
交通事故に強い、経験豊富な弁護士たちがお話を伺い、適切なアドバイスを致します。
まずは無料で相談をしてみて、納得のいく回答が得られたり、信用できる弁護士だと感じられたら正式に依頼されるとよいと思います。
手・腕・足(脚)の切断の被害にあわれた場合は、症状固定の後すぐにご相談いただくか、遅くとも示談金額の提示があった時点で弁護士に相談することをおすすめしていますので、一度ご連絡いただければと思います。