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【遅延損害金】交通事故の損害賠償金に利息をつけて払ってもらえる?

最終更新日 2024年 02月17日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠


【遅延損害金】交通事故の損害賠償金に利息をつけて払ってもらえる?

交通事故の損害賠償における損害とは

交通事故の被害を受けた場合には、様々な損害が発生しますが、
まずはその詳細を解説していきます。

概説

大きく分けて、人身損害物的損害に分けられます。

人身損害とは、交通事故による被害者が負傷又は死亡した場合の損害です。

物的損害とは、自動車が損壊したりしたなどの物の損害のことです。

人身損害は、さらに財産的損害と精神的損害に分けられます。

財産的損害は、さらに積極損害と消極損害に分けられます。財産的損害は、交通事故によって被害者に生じた財産的、経済的な不利益のことです。

積極損害は、交通事故のために、被害者が支出を余儀なくされることによる損害をいいます。

例としては、治療費、通院交通費などです。

消極損害とは、交通事故にあわなければ得られたであろうと考えられる利益のことであり、仕事を休むことによって失った休業損害や後遺症が残ることによる逸失利益が挙げられます。

精神的損害とは、交通事故によって被害者に生じる精神的苦痛のことです

【参考記事】
交通事故の慰謝料で被害者がやってはいけない6つのこと

 

後遺症が残った場合の損害


後遺症が残った場合にも、財産的損害と精神的損害が発生します。

財産的損害としては、逸失利益です。失礼とは、後遺症が残ったことによって、仕事に支障が生じ、労働能力が喪失してしまうことによって、将来の収入が減少するという損害です。

精神的損害については、後遺症が残ることによって、将来精神的苦痛が継続することによる損害となります。

死亡事故の場合の損害

死亡事故の場合にも、財産的損害と精神的損害が発生します。

財産的損害としては、葬儀費用と死亡逸失利益があります。逸失利益については、被害者が生存していれば将来労働によって得られたであろう収入を得られなくなることによる損害です。

死亡の場合には、将来の収入が100%失われることになります。

精神的損害としては、まず本人の慰謝料が挙げられます。交通事故によって、本人の慰謝料が発生し、相続によって相続人に承継されます。

また、被害者の近親者も、死亡事故によって精神的苦痛を被りますので、近親者固有の慰謝料が認められます

【参考記事】
【交通死亡事故】慰謝料請求…ご家族がやるべきことは?

 

遅延損害金


以上を損害元本と言いますが、裁判を起こして、判決まで行くことによって、損害元本のほかに、さらに請求できるものがあります。

弁護士費用相当額と遅延損害金というものです。

これらについては、保険会社と交渉しても、まず認めてくれる事はありませんので、裁判を起こして請求していくことになります。

弁護士費用は、本来は、被害者本人が負担しなければなりませんが、裁判を起こすと、判決で、損害元本の約1割の弁護士費用について、加害者に支払いを命じてくれます。

遅延損害金は、損害賠償支払債務が遅滞に陥ったとして、利息のようなものをつけてくれます。

交通事故は、不法行為に基づく損害賠償債務ということになりますが、交通事故の発生時点から損害賠償債務を履行遅滞に陥るとされます。

履行遅滞というのは、損害賠償債務を払わなければならない時に払わなかったという状態です。

本来であれば、治療費等の積極損害の場合は、交通事故の時点では、まだ支出をしていないので、履行遅滞に陥る事は無いはずですが、実務では、それら積極損害についても、交通事故の時から履行遅滞に陥るとされています。

最高裁昭和58年9月6日判決は、弁護士費用相当額についても、不法行為の時に発生し、かつ遅滞に陥ると判決をしました。

不法行為に基づく損害賠償債務は、なんらの催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥るものと解すべきところ、弁護士費用に関する前記損害は、被害者が当該不法行為に基づくその余の費目の損害の賠償を求めるについて弁護士に訴訟の追行を委任し、かつ、相手方に対して勝訴した場合に限つて、弁護士費用の全部又は一部が損害と認められるという性質のものであるが、その余の費目の損害と同一の不法行為による身体傷害な- 1 -ど同一利益の侵害に基づいて生じたものである場合には一個の損害賠償債務の一部を構成するものというべきであるから、右弁護士費用につき不法行為の加害者が負担すべき損害賠償債務も、当該不法行為の時に発生し、かつ、遅滞に陥るものと解するのが相当である。
【参考記事】
「最高裁昭和58年9月6日判決」裁判所ホームページ

 

自賠責保険と遅延損害金

自賠責保険金で支払われた保険金相当額に対する事故発生日から自賠責保険金支払日までの遅延損害金の発生を認めた最高裁平成11年10月26日判決があります。

不法行為に基づく損害賠償債務は、損害の発生と同時に、何らの催告を要することなく、遅滞に陥るものであって、後に自動車損害賠償保障法に基づく保険金の支払によって元本債務に相当する損害がてん補されたとしても、右てん補に係る損害金の支払債務に対する損害発生日である事故の日から右支払日までの遅延損害金は既に発生しているのであるから、右遅延損害金の請求が制限される理由はない。したがって、本件においては、自動車損害賠償保障法に基づき支払われた保険金に相当する損害額に対する本件事故の発生日から右保険金の支払日までの遅延損害金請求は認容されるべき
【参考記事】
交通事故の慰謝料で被害者がやってはいけない6つのこと

 

対人賠償責任保険会社に対する請求


加害者が加入している対人賠償責任保険会社に対する請求については、加害者に対する損害賠償の裁判と同時に被保険者に対する判決の確定を条件として任意保険会社に対して訴訟を起こすことがあります。

この場合、任意保険会社の支払債務の遅延損害金の起算点がいつかについて問題となりますが、東京地裁平成8年7月31日判決は、任意保険会社に対する請求については、判決確定を条件として事故日から遅延損害金を起算すると判示しました。

被害者が加入する保険会社に対する保険金請求

被害者が加入している保険会社に対して、人身傷害保険等の請求をする場合があります。

この点について、最高裁平成24年2月20日判決は、被害者が被る損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払い請求権を代位取得するものであって損害金元本に対する遅延損害金の支払い請求権を代位取得するものではない、としました。

そして、人身傷害保険金の遅延損害金への充当をそもそも否定しました。

遅延損害金の利率

不法行為の損害賠償債務については、損害の発生とともに遅滞に陥ると解釈されますので、交通事故の損害賠償債務の起算日は、事故日となります。

交通事故で、自賠責から支払われた保険金については、事故日から賠償金支払日までの遅延損害金を請求することもできます(確定遅延損害金)。

その割合は、2020年4月1日より前の交通事故の場合は、事故時から年5%の遅延損害金が付加されることになります。

この遅延損害金は、民法改正により、2020年4月1日以降に発生した交通事故については、年3%の割合で計算し、その後3年毎に率が見直されることとなっています。

【動画解説】賠償金とは別に請求できる遅延損害金とは

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