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信号無視による交通事故の過失割合と違反点数・反則金を解説

信号無視による交通事故の過失割合と違反点数・反則金を解説

信号無視で起った交通事故は信号を無視した側に非がありますが、被害者側に過失があると判断されるケースも少なくありません。

被害者の過失割合が高いと、その分だけ損害賠償金の額が減ってしまいますので、交通ルールを守っていたことを主張することが大切です。

本記事では、信号無視による事故の場合の過失割合と違反点数・反則金、示談交渉を行う際の注意点について解説します。

信号無視の過失割合

交通事故の過失割合は、事故が起きた責任の割合を示すものです。

たとえば加害者に全面的な非がある場合、過失割合は10:0となるため、損害賠償金の額も多くなります。

一方、被害者に過失があれば、過失分だけ加害者の責任が軽減(過失相殺)されることから、被害者が受け取れる損害賠償金は減少します。

信号無視を原因とした自動車同士の交通事故の過失割合は、次の通りです。

<交差点の直進車同士の事故>

信号の色 過失割合(A:B)
直進車A(青):直進車B(赤) 0:10
直進車A(黄):直進車B(赤) 2:8
直進車A(赤):直進車B(赤) 5:5

<交差点の右折車と直進車の事故>

信号の色 過失割合(A:B)
右折車A(青):直進車B(赤) 0:10
右折車A(青):直進車B(青) 8:2
右折車A(青):直進車B(黄) 3:7
右折車A(黄):直進車B(黄) 6:4
右折車A(赤):直進車B(赤) 5:5

信号無視による交通事故は基本的に信号を無視した側の過失割合が大きく、直進車同士の事故であれば、赤信号で直進した側の車の過失割合が10割となります。

黄色信号での交通事故の過失割合は赤に比べれば低いですし、事故が先行車のトラブル等で信号が黄(青)から赤になったことで生じた場合、過失割合は軽減されます。

双方の信号が赤のケースでは、それぞれに過失があると判断されますので、過失割合は各5割となり、相手に対して損害賠償を求めるのが難しくなります。

一方で、交通ルールは基本的に直進車が優先となっているため、双方とも青信号の状態で交通事故が発生した際の過失割合は8:2と、右折した車の責任が重くなる点には注意してください。


信号無視とはなんなのか?

信号無視とはなんなのか?
交差点で使用する信号機は青・黄・赤の3色であることや、信号機の各色の基本的な意味はほぼ全員が理解していると思いますが、細かいルールまで把握している人は意外と少ないです。

道路交通法施行令第2条では、信号の意味を具体的に示しております。

<信号機の意味(抜粋)>

信号機の色 意味
青の灯火 ・歩行者等は進行することができる
・自動車や一般原動機付自転車等は、直進・左折・右折することができる
黄の灯火 ・歩行者等は道路の横断を始めてはならない
・道路を横断している歩行者等については、速やかに横断を終わるか、横断をやめて引き返さなければならない
・車両等は、停止位置を越えて進行してはならない
(黄色の灯火の信号が表示された時において、停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く)
赤の灯火 ・歩行者等は道路を横断してはならない
・車両等は停止位置を越えて進行してはならない
・交差点において既に左折している車両等は、そのまま進行することができる
・交差点において既に右折している車両等(多通行帯道路等通行一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車および軽車両を除く)は、そのまま進行することができる
この場合において、当該車両等は青色の灯火により進行することができることとされている車両等の進行妨害をしてはならない

信号に関する情報で勘違いしやすいのが、信号機が黄色となった際の判断です。

歩行者等については黄色信号になってから歩行を開始されており、すでに渡っている途中の場合には急いで渡るか、引き返す必要があります。

車についても、黄色になってから停止線を超えて進行することはできないので、黄色信号に変わりましたら停止することが求められます。

青信号は交差点に進行することが認められていますが、法律上では進行が認められているだけで、青信号になったら必ず進まないといけないルールは存在しません。

直進優先のルールはマナーではなく、道路交通法第37条に定められている法律上の規定です。

第37条では「車両等は交差点で右折する際、直進または左折しようとする車両等がある場合、それらの車両等の進行妨害をしてはならない」と定められていますので、自身の信号が青であったとしても、対向車の信号が青であれば相手が直進(左折)する際に右折をしてはいけません。

信号無視が原因の事故でも過失割合が10対0になるとは限らない?

信号無視による交通事故は基本的に信号を無視した側に非がありますが、信号無視による交通事故でも、次に該当するケースでは過失割合が10:0にならないことがあります。

信号が変わるタイミングで交通事故が発生した場合

信号無視による交通事故でポイントになるのが、事故発生時点における当事者の信号機が何色であったかです。

信号機が赤の状態で進行したと判断されれば過失割合は重くなりますが、赤信号である状態で直進した場合と、直進後に赤信号になった場合では状況が異なります。

青信号で進行した場合でも、渋滞で先行車が思うように進まず、結果的に信号が黄や赤色に変わったタイミングで事故が起ってしまうこともあります。

信号機が赤と青の事故なら過失割合10:0ですが、信号機が途中で変わったタイミングでの事故であれば、過失割合が7:3程度になることも考えられます。

ただし、信号機の色が途中で変更した時の事故でも、右折車が信号無視をしていた場合には、直進優先のルールも守っていないことから、過失割合は9:1程度になる点にはご注意ください。

被害者側に追突を回避する余地があった場合

車の運転者には危険を回避することが求められていますので、交通事故を避けることができたものと判断されれば、被害者にも過失があったと認定されます。

たとえば、広い交差点は停止線から交差点の中央に入るまでの距離があるため、交差点に進入した後でも、相手が信号無視をしていることを把握できることもあります。

そのような状況で交通事故が起きてしまった場合、被害者側に周囲の安全確認を怠った過失を問われることもあるので注意が必要です。

信号無視の交通事故は原則として信号を無視した側の責任が重いので、安全確認を怠ったケースでも過失割合が5:5まで下がることは考えにくいです。

しかし、過失割合の比率が低くなれば、その分だけ損害賠償金を得られなくなりますので、日頃から安全運転を意識してください。

信号を無視したのが歩行者等の場合

自動車を運転している際に気を付けなければならないのが、歩行者等との交通事故です。

原則として自動車は歩行者等を優先しなければならず、歩行者側が信号無視をしたとしても過失割合が10:0になる可能性は低いです。

自転車も歩行者ほどではありませんが、自転車も自動車より事故による被害が出やすい立場にあるため、自転車側に非がある事故でも過失割合が10:0にはなりません。

交通事故発生の原因が信号無視以外にあった場合

交通事故は色々な要素を総合的に加味して判断しますので、被害者に非がある要素がある分だけ過失割合の比率は変わってきます。

青信号で進行した車が法定速度を超過していれば、交通ルールを無視したことが事故が起った原因と問われることもありますし、わき見運転も過失割合が変動する要因の一つです。

交通事故の直接的な原因が信号無視であったとしても、それ以外の要因で被害者側の過失があると判断することもあるので気を付けてください。

信号無視の違反点数と反則金

信号無視の違反点数と反則金
交通事故を起こした人は、刑事罰や損害賠償金の支払いだけでなく、行政処分として違反点数と反則金のペナルティを受けることになります。

違反点数

違反点数は交通違反等をした際に付される点数をいい、信号無視による違反点数は2点です。

ゴールド免許(優良運転者)は、5年以上無事故・無違反の運転手に交付される免許ですので、違反点数が付されてしまうとゴールド免許の対象外となってしまいます。

違反点数は累積式であり、過去3年間の合計点数が一定以上になると、免許の停止や免許が取り消しになります。

1年間無違反であれば点数はリセットされますので、繰り返し事故を起こさないことが大切です。

なお、運転歴2年以上かつ2年間無違反の人については、1点から3点までの軽微な交通違反をした際、その後の3か月の間で違反を起こしていなければ点数がリセットされる、3か月特例制度の対象です。

反則金

信号無視の反則金は車両の種類だけでなく、赤信号無視と点滅信号無視で金額が異なります。

違反した際に交通反則告知書(通称:青キップ)が交付されますので、7日以内に反則金を納めなければなりません。

<信号無視の反則金>

違反の種類 反則金の額
赤信号無視 大型車:12,000円
普通車:9,000円
二輪車:7,000円
小型特殊者:6,000円
原付:6,000円
点滅信号無視 大型車:9,000円
普通車:7,000円
二輪車:6,000円
小型特殊者:5,000円
原付:5,000円

信号無視の交通事故の示談交渉で発生するトラブルの対処法

信号無視による交通事故が発生した場合、加害者と被害者が話し合って損害賠償金などを決めることになりますが、交通事故の状況次第では示談交渉が難航することが想定されます。

加害者が信号無視を否定する場合

信号無視が原因で交通事故が発生した場合、信号無視をした側の立場が悪いため、加害者は少しでも過失割合を下げるために信号無視を否認することがあります。

赤信号で進行した時の過失割合は10:0になりますが、進行時の信号が赤色ではなく黄色であったと認められるだけでも過失割合は下がります。

被害者が加害者の主張を退けるためには、主観的な意見だけでなく客観的な主張や証拠が重要です。

たとえば自動車にドライブレコーダーを搭載していれば加害者側の信号を確認できますし、防犯カメラがあれば交差点の情報を確認できます。

また、その場に居合わせた人が事故状況を証明してくれれば、被害者の主張が強固なものとなりますので、交通事故が発生したときは客観的事実を確認できる証拠をできるだけ集めてください。

加害者が被害者の信号無視を主張する場合

加害者が自身の非を認めたくない場合、信号無視を否定するだけでなく、被害者側の信号無視を主張することも考えられます。

加害者の主張に対抗するためには、ドライブレコーダーや防犯カメラなど、主観ではなく客観的に事実を確認できる証拠を収集することが大切です。

被害者の主張が正しかったとしても、その主張を裏付ける証拠が存在しないと過失割合は変わる危険があるため、相手の主張が間違っていることを指摘しなければなりません。

信号無視以外の要因を指摘する場合

交通事故は信号無視以外の要因で起こることもあるので、過失割合は色々な要素を総合的に加味して判断します。

加害者が意図的に過失割合を下げようとする場合、ドライブレコーダーなどでは確認できない要素を事故原因として主張することもあります。

被害者側の車が法定速度を超過していれば過失割合が下がることもありますので、信号無視以外の要因を排除するためにも証拠の提示は不可欠です。

ただ、わき見運転の有無はドライブレコーダーだけで確認することは難しいですし、被害者の安全確認が不十分だったと訴えることも想定されます。

事故発生当時の記憶は日が経過するにつれて曖昧になりますので、できるだけ早い段階でメモを取るなどして証拠を保全しましょう。

交通事故の示談交渉は弁護士へ

交通事故の示談交渉は弁護士へ
交通事故が発生した直後は加害者側が非を認めた場合でも、損害賠償の話になった途端、主張を変えてくることもあります。

加害者が保険に加入していれば保険会社と示談交渉を行うことになりますが、保険会社は少しでも支払いを減らすために、様々な主張をしてくることも考えられます。

一般の方が交渉の専門家と対峙するのは難しいですし、示談交渉が上手くいかないと損害賠償金が減るだけなく、問題が解決するまでに時間を要しますので、交通事故の示談交渉を行う際は弁護士を立てることを検討してください。

※本記事は、令和6年2月15日時点での法令に基づいて執筆しています。

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