交通死亡事故の慰謝料増額法と実際の解決事例集
死亡事故の慰謝料には相場がありますが、慰謝料を相場より増額するには、主に次の方法があります。
- 最も高額になる「弁護士(裁判)基準」で慰謝料を計算する。
- 加害者の故意や重過失などの慰謝料増額事由を主張・立証する。
また、加害者側との示談交渉では、被害者の方が交渉しても増額しなかったのに、弁護士に依頼すると慰謝料などが増額することが多くあります。
そこで本記事では、交通死亡事故の被害者の方やご遺族が慰謝料の増額を勝ち取るための方法を、みらい総合法律事務所で実際に解決した増額事例を交えながら見ていきたいと思います。
交通事故の示談交渉で弁護士が必要な理由
なぜ加害者側の保険会社は慰謝料を低く提示してくるのか?
被害者の方やご遺族としては、交通事故により精神的、肉体的に大きな苦痛と損失を被っています。
ですから、交通事故の示談交渉などできればやりたくない、早く解決してしまいたい、と思われる方がほとんどでしょう。
しかし、示談交渉が遅々として進まない、なかなか示談を成立できない、ということがよく起きてしまいます。
それにはさまざまな理由があるのですが、もっとも大きな理由として加害者側の任意保険会社(加害者が任意保険に加入している場合)が、被害者の方が納得できないような低い金額の損害賠償金を提示してくることがあげられます。
保険会社は営利法人ですから、利益の追求のために活動しています。
収入を増やし、支出を減らすことができれば利益が上がります。
そのため、被害者の方が受け取るべき金額の2分の1や3分の1、場合によっては10分の1やそれ以下という慰謝料を自賠責基準や任意保険基準で計算して提示してくるのです。
弁護士に依頼すると慰謝料などが増額します!
みらい総合法律事務所では、年間1000件以上のご相談をいただいており、死亡事故と後遺症が残る事案に注力して日々、専門性を高めています。
ところで、なぜ交通事故の問題解決で弁護士が必要なのかというと、主に次のことがあげられます。
・被害者の方が示談交渉から解放されストレスが軽減されるから
・慰謝料などの増額が実現できるから
被害者の方とご家族は、交通事故によってさまざまな苦痛、損害を被っているのですから、これ以上の苦しみを味わう必要はないのです。
ですから、示談交渉は交通事故に強い弁護士に任せてしまうという選択も、ぜひ検討してください。
・なぜ、交通事故の示談金は弁護士が代理すると増額することが多いのか?
・交通事故で高額の弁護士基準で示談するために大切なこと
知っておきたい死亡慰謝料の知識
死亡事故の慰謝料の相場金額
死亡慰謝料は、被害者の方の家庭での状況や立場によっておおよその相場金額が決められています。
①自賠責基準による死亡慰謝料
自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われます。
☑被害者本人の死亡慰謝料:400万円(一律)
☑近親者慰謝料:配偶者・父母(養父母も含む)・子(養子・認知した子・胎児も含む)の人数によって金額が変わる。
・1人の場合/550万円
・2人の場合/650万円
・3人以上の場合/750万円
※被扶養者の場合は上記の金額に200万円が上乗せされる。
②弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料
被害者の方の家庭での立場の違いなどによって、次のように相場金額が設定されています。
被害者が一家の支柱の場合 | 2,800万円 |
---|---|
被害者が母親・配偶者の場合 | 2,500万円 |
被害者がその他(独身者・幼児・高齢者など)の場合 | 2,000万~2,500万円 |
被害者が一家の支柱の場合 - 2,800万円
被害者が母親・配偶者の場合 - 2,500万円
被害者がその他
(独身者・幼児・高齢者など)の場合- 2,000万~2,500万円
ただし、すべてのケースでこの金額のとおりに認定されるわけではなく、事故の状況や加害者の危険運転、その悪質性(ひき逃げ、信号無視、飲酒運転等)などの要因によっては慰謝料額が増額する可能性があります。
死亡慰謝料が増額されるケースとは?
次のようなケースでは、慰謝料の増額が認められる場合があります。
1.被害者の精神的苦痛がより大きいと思えるような場合
・加害者に以下のような危険悪質運転(故意や重過失がある)などの行為があった場合
- ☑飲酒運転
- ☑著しいスピード違反
- ☑薬物使用
- ☑無免許運転
- ☑センターラインオーバー
- ☑ひき逃げ(救護義務違反)
- ☑信号無視 など
・事故後、遺族に暴言を吐くなど、反省の態度がまったく見えない場合
・警察に虚偽の供述をした場合
・被害者やご遺族への謝罪がない場合
増額解決事例:21歳男性の慰謝料などが約3300万円増額
路上にいた21歳の男子学生が、直進自動車に衝突された死亡事故。
加害者側の任意保険会社は、示談金として約6171万円を提示。
ご遺族は、この金額が妥当なものかどうか確認するため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉を依頼されました。
弁護士が交渉したところ、保険会社は被害者の方が路上にいたことから過失割合を主張。
交渉が決裂したため、弁護士が提訴して裁判に突入しました。
裁判では弁護士が、加害者の速度超過を主張立証。
最終的には、約3300万円増額の9500万円で解決したものです。
増額解決事例:78歳男性の飲酒・ひき逃げ事故で慰謝料が増額
78歳無職の男性の死亡事故です。
ご遺族の希望は、①加害者の刑事事件への被害者参加、②できるだけ高額の示談解決、というものだったため、当初から、みらい総合法律事務所にすべてを依頼されました。
ご遺族が刑事事件に被害者参加した後、弁護士が交渉を代理。
飲酒・ひき逃げによる慰謝料増額の主張に対し、加害者側の任意保険会社がはこれを認めたことで、慰謝料の相場金額2000~2500万円のところ、2800万円に増額。
合計の損害賠償金額も弁護士(裁判)基準による3200万円で解決した事例です。
増額解決事例:17歳女性の死亡事故で約3000万円増額
自転車に乗っていた17歳の女性が、飲酒・脇見運転の自動車に追突された死亡事故。
当初、ご遺族は地元の弁護士に依頼し、加害者側の任意保険会社から約5893万円の示談金の提示を受けました。
すると弁護士から、「裁判になると金額を下げられる可能性がある」として示談をすすめられ、これに疑問を感じたご遺族が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したという経緯がありました。
みらい総合法律事務所の弁護士の見解は「増額可能」というものだったので、示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が丁寧に立証を重ねた結果、慰謝料の相場が2000~2500万円のところ、2800万円が認められ、最終的な示談金額は約3000万円増額して、約8835万円で解決した事例です。
2.被害者側に特別な事情がある場合
過去の判例では、次のような場合に慰謝料増額が認められています。
- ・交通事故で負った傷害(ケガ)が胎児にも影響し、人工中絶を余儀なくされた。
- ・将来、音楽教師になる夢があったが努力が水の泡となった。
- ・子供に重度の肢体障害があったが、事故により介護・訓練ができなくなり、子供の身体機能が後退した。
- ・婚約破棄、離婚になった。
- ・後遺障害を負ったことで、肢体障害のある家族の介護などができなくなった。
- ・ご遺族が大きな精神的ショックのため、精神疾患を患ってしまった。
など
3.その他の損害賠償の項目を補完するような場合
過去の判例では次のものがあります。
女性が腕に外貌醜状を負ったが、労働能力の喪失は認められず、逸失利益(将来的に得られたはずの利益、収入)が否定されたが、慰謝料の増額は認められた。
(大阪地裁平成11年8月31日判決)
みらい総合法律事務所では無料相談を行っています。
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代表社員 弁護士 谷原誠