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交通死亡事故の示談の流れとやってはいけない7つのこと

最終更新日 2021年 08月07日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故によりご家族が亡くなった場合、示談交渉や損害賠償手続きを進めていくのは、ご遺族になります。

そこで今回は、交通死亡事故の示談の流れとご遺族がやってはいけない7つのことについて解説します。

【動画解説】交通死亡事故の解決までの道のり(遺族必見)

死亡事故の示談の流れ

大切なご家族を亡くした悲しみは、けっして癒されるものではないでしょう。

しかし、ご遺族にはやらなければいけないことがあります。

ここでは、死亡事故の示談の流れについて解説します。

死亡事故の示談の流れ

  1. 死亡事故が発生
  2.      ▼

  3. 警察からの「聞き取り調査」への協力
  4.      ▼

  5. 加害者の起訴、不起訴の決定
  6.      ▼

  7. 起訴された場合は刑事裁判で量刑の決定
  8.      ▼

  9. 任意保険会社と示談交渉開始
  10.      ▼

  11. 示談が成立
  12.      ▼

  13. 示談が決裂した場合は裁判へ

死亡事故が発生

死亡事故の示談は、死亡事故の発生から始まります。

死亡事故は、即死の場合もありますし、治療を経た後、残念ながら亡くなってしまう場合もあります。

事故が発生すると、警察が現場検証をし、実況見分調書が作成されます。

実況見分調書は、死亡事故がどのような状況で起こったのか、を明らかにするものであり、後日の刑事裁判で証拠として提出されますし、示談交渉でも過失割合を判断するのに使われます。

事故の状況によっては、加害者が逮捕されることもあります。

警察からの「聞き取り調査」への協力

警察の捜査では、加害者の取り調べが行われますが、通常の場合は、被害者にも聞き取りが行われます。

しかし、亡くなったご家族は、もう話すことはできません。

そこで、被害者のご家族に聞き取りが行われることになります。

聞き取り調査では、ご遺族は亡くなったご家族の生前の様子やご遺族の無念な思い、加害者に対する処罰感情などについて感じるままにお話しされるとよいと思います。

加害者の起訴、不起訴の決定

警察の捜査が一通り終わると、加害者の刑事事件は検察庁の捜査に移ります。

検察庁が捜査をした上で、加害者を起訴するかどうかを決定します。

起訴されると、加害者の刑事裁判が開かれます。

刑事裁判には、被害者のご遺族が参加できる「被害者参加制度」もありますので、刑事裁判に参加するかどうか、検討することになります。

【参考記事】
交通事故の被害者参加制度とは

起訴された場合は刑事裁判で量刑の決定

加害者の刑事裁判は、国家が加害者にどのような刑事処分をするか、を決める手続です。

刑事裁判で審理が終了すると、加害者が有罪かどうか、また、有罪の場合には、刑をどうするのか、が決められます。

刑事裁判は、検察庁あるいは加害者が判決に不服がある場合は、控訴、上告をすることもできます。

加害者側の任意保険会社と示談交渉開始

加害者の刑事裁判が終了したら、示談交渉を開始します。

多くの場合に、加害者は、任意保険に入っていますので、保険会社と交渉するのが通常です。

この場合、任意保険会社から自賠責保険分も一括して支払ってもらうか、あるいは、先に自賠責保険に請求をして、自賠責分を受け取り、それで足りない部分を任意保険会社と示談交渉する方法があります。

被害者が自賠責保険に直接請求することを「被害者請求」といいます。

【参考記事】
【交通事故の保険金】自賠責保険への被害者請求の方法を解説

示談が成立

保険会社と示談交渉をし、合意に達したら、示談書あるいは保険会社所定の免責証書という書類に署名押印をして、保険会社に送り返します。

これで示談成立となります。

あとは、保険会社からの振込を待つことになります。

死亡事故の示談交渉が終了した、ということになります。

示談が決裂した場合は裁判へ

保険会社と示談交渉をしても、金額について合意に達しない場合があります。

この場合を示談交渉が決裂した、と言います。

示談交渉が決裂した場合は、死亡事故の解決は、裁判の場に移行することになります。

裁判は、さすがに自分で行うのは難しいでしょうから、交通事故に精通した弁護士を探すことになります。

【参考記事】
交通事故の示談の流れを徹底解説

家族を亡くされた精神状態での示談交渉は苦しいものですし、交渉のプロの保険会社との交渉は難しいものです。プロにお任せください。



死亡事故の保険について知らずに示談を進めてはいけない


自動車に関係する保険には、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と任意保険があります。

自賠責保険

自賠責保険は、人身事故の被害者を救済するために作られた保険で、すべての運転者に加入が義務付けられているため、強制保険と呼ばれることもあります。

そのため、自損事故による自身のケガや物損事故には適用されません。

人身事故を受けて、被害者がケガや死亡をした場合にのみ保険金などが支払われます。

自賠責保険で補償される金額は、被害者が死亡した場合は上限3000万円ですが、これは法律によって定められた金額です。

自賠責保険で補償された損害賠償金額では足りない場合、それを補うために、ご遺族は加害者側の任意保険会社と示談交渉をすることになります。

任意保険

任意保険というのは、ドライバーや自動車の所有者などが自賠責保険だけでは損害賠償しきれない時のために任意で加入する保険です。

各損害保険会社が、さまざまな内容の保険を提供しています。

通常、加害者側が対人賠償保険、対物賠償保険に加入しているので、この保険会社と示談交渉をし、慰謝料などを支払ってもらいます。

任意保険には、この他、人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険などの保険もありますので、以下、説明します。

人身傷害補償保険

人身傷害補償保険とは、契約車両の運行に起因する事故による傷害・後遺障害・死亡による損害を補償するものです。

人身傷害保障保険は、被害者に過失がある場合に差し引かれた過失割合部分を補填してくれる機能もあるので、忘れずに請求したい保険です。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険とは、契約車両が急激かつ偶然な外来の事故に遭った事故において、自動車の搭乗者の身体に生じた損害につき補償する保険となります。

搭乗者傷害保険は、加害者との示談・訴訟手続の結果に関わらず「あらかじめ約款で定められた額」が迅速に支払われるので、便利な保険です。

入通院日数・後遺障害の程度・入通院日数等に応じた額が保険金として支払われます。

車両保険

車両保険とは、契約車両・携行品等の物損を迅速に補償する保険となります。

補償額は「損害が生じた時点での被保険者車両の価額」とされるのが一般的です。

ただし、物損を補償すると言っても、無制限に請求できるわけではありません。

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険とは、加害者側の車両にひき逃げや任意保険に加入していないなどの事情がある場合に、加害者側の損害賠償責任の額を補償するものです。

約款の多くは「死亡または後遺障害」に至った事故しか補償しないとされています。

弁護士費用特約

弁護士費用特約とは、交通事故の加害者との交渉で弁護士に依頼することとなった場合に、その費用を支払ってくれる保険です。

多くは上限300万円となっています。

上限300万円となっていますが、300万円までは無条件で支払ってくれるわけではなく、保険会社が承認した金額のみが支払われます。

依頼する弁護士は、被害者が自分で選ぶことができます。

死亡事故で使える保険について、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】
交通事故で保険金はいくらもらえる?相場と計算を徹底解説

死亡慰謝料について知らずに示談をしてはいけない

損害賠償金の中でも重要なもののひとつに慰謝料があります。

交通事故に関わる慰謝料には、「傷害慰謝料」、「後遺症慰謝料」、「死亡慰謝料」の3つがありますが、ここでは死亡慰謝料について解説します。

死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことにより被った精神的損害を償うもので、被害者が置かれている状況によって金額が異なります。

一家の支柱の場合 2800万円
母親、配偶者の場合 2500万円
その他の方の場合 2000万~2500万円

ご遺族の扶養を支える人がいなくなることに対する補償のため、一家の支柱の方が亡くなったときの慰謝料は高額になっています。

なお、ご遺族が保険会社に請求して受け取ることができる損害賠償金の項目には、大きく次のものがあります。

① 葬儀関係費
② 死亡逸失利益
③ 死亡慰謝料
④ 弁護士費用

死亡逸失利益とは、生きていれば得られたはずの収入などです。

弁護士費用は、死亡事故のご遺族が示談交渉を依頼したり、裁判になった場合にかかる費用です。

仮に弁護士に依頼して裁判を起こした場合は、請求認容額の10%程度が弁護士費用として認められます。

なお、ここで認められる弁護士費用は実際に支払う弁護士費用とは無関係であることに注意が必要です。

なお、治療後に被害者が死亡した場合は、「治療費」、「付添看護費」、「通院交通費」などの実費を請求することができます。

また、損害賠償金を請求する際に必要となる「診断書」、「診療報酬明細書」、「交通事故証明書」等の文書を取得するためにかかった文書費用も、「損害賠償関係費」として請求できます。

※自動で損害賠償金額を計算することができます。
 

加害者の刑事罰が確定する前に示談を成立させてはいけない

通常、被害者の四十九日が終わった頃に任意保険会社から保険金の提示が行なわれますが、すぐに示談を成立させてはいけません。

たとえば、刑事裁判と示談交渉が同時に進んでいる場合、加害者の量刑が確定する前に示談を成立させてしまうと、その後の裁判の結果で加害者の量刑が軽くなってしまう可能性があるのです。

「なぜか?」と疑問に思われるでしょう。

じつは、示談を成立させてしまうと、金銭的な被害弁償が行なわれたとして、一定の損害補償が終了したとみなされてしまうのです。

そのために、加害者の刑事罰の量刑が軽くなってしまう場合があるのです。

これは、ご遺族の感情としては許せないということもあると思いますので、ぜひ慎重に対応していただきたいと思います。

また、ご遺族が加害者の刑事事件に参加できる「被害者参加制度」もあり、ご遺族が刑事裁判において意見陳述などができる場合がありますので、検討してもよいでしょう。

【参考記事】
交通事故の被害者参加制度とは

慰謝料の請求方法を知らずに示談を成立させてはいけない

被害者のご遺族が損害賠償金を受け取る方法には次の2種類があります。
 

1.被害者請求

まず先に自賠責保険に請求して一部を受領してから、その後に加害者側の任意保険会社と示談交渉する方法です。
 

2.任意一括払い

自賠責保険金額を含めた全額を任意保険会社と示談交渉する方法です。

前述したように、刑事裁判で量刑が確定する前に自賠責保険へ申請をして慰謝料などの保険金を受け取ってしまうと、加害者の量刑が軽くなってしまう可能性があります。

これは、加害者側の任意保険会社との示談交渉の時も同様です。

ですから、交通死亡事故の被害者のご遺族は加害者の刑事事件が進行している間、自賠責保険に被害者請求したり、任意保険会社と示談交渉を始めるのを控える場合が多いのです。

つまり、大切なことは、被害者のご家族にとっては、刑事裁判の進行具合を考えながら示談交渉を進めることなのです。

先に自賠責保険会社に請求することのメリット、デメリットはあるのですが、先に自賠責保険会社に被害者請求したほうがいい場合があります。

1.高齢者などで損害賠償金を計算しても自賠責保険の範囲内に収まる場合

2.被害者の過失が大きく自賠責保険の方が高額となる場合(過失減額の関係)

3.加害者側との交渉の前に一定金額を確保したい場合

【参考記事】
【交通事故の保険金】自賠責保険への被害者請求の方法を解説

死亡事故の過失割合を知らずに示談交渉を進めてはいけない

被害者側に過失がある場合、過失割合に基づいて損害賠償額を減額(過失相殺)されてしまいます。

過失割合が10%違っただけで、損害賠償額が数百万円から1000万円以上も違ってくることがあります。

また、亡くなった被害者はもうは話すことができないので、事故の状況や主張ができません。

そのため、加害者の言い分に基づいて、被害者と加害者双方の過失割合が決められてしまうケースもあります。

そうした理由などからも、過失割合が大きい場合は任意保険会社との示談交渉はなかなか成立しにくい傾向があります。

ですから、交通死亡事故の場合、加害者側の任意保険会社との間で過失割合が大きな争点になることが多いという事実を知っておいていただきたいと思います。

では、自賠責保険の場合はどうでしょうか。

過失割合がある程度高くても、損害賠償金や保険金の減額はなく、満額が支払われます。

ただし、これは7割未満の過失の場合です。

自賠責保険では被害者の過失割合が7割を超えたときは、賠償金や保険額から減額されてしまいます。

被害者の過失割合による減額は次のようになります。

過失が7割以上8割未満 2割の減額
過失が8割以上9割未満 3割の減額
過失が9割以上10割未満 5割の減額

これを「過失減額」といいます。

被害者の過失割合が大きい場合は、任意保険会社から支払われる損害賠償金額が自賠責保険会社から支払われる賠償金額におさまってしまうこともありますので、そうしたケースでは先に自賠責保険に被害者請求をしたほうがよいという場合もあることは覚えておいていただきたいと思います。

【参考記事】
図解で解説!交通事故の過失割合と過失相殺で損をしないために大切なこと

ご遺族同士が争うようなことをしてはいけない

損害賠償請求をするのは、ご遺族であるというお話は以前にしました。

では、遺族の中で誰が損害賠償請求をすることができるのでしょうか?

じつは、損害賠償請求権は相続の対象になります。

つまり、加害者側に損害賠償請求ができるのは「相続人」だということです。

被害者の家族であれば誰もができるわけではないことに注意が必要です。

【参考記事】
【交通死亡事故】慰謝料請求…ご家族がやるべきことは?

その際、大切なのは、ご遺族間で揉め事があってはいけないということです。

なぜなら、相続人が複数いる場合には、すべての相続人が合意のうえで代表者を決め、その代表者が加害者側の保険会社と示談交渉を進めるのが効率的だからです。

ですから、遺族のうち、誰が損害賠償請求をすることができるのか、しっかり理解し、加害者側と示談交渉をする際は一致団結することが大切なのです。
 

損害賠償請求にも時効があることを忘れてはいけない

加害者側の任意保険会社と示談交渉を進めていても、損害賠償金額などに納得がいかなければ、示談成立には至りません。

しかし、ここで注意していただきたいのは、損害賠償請求をする権利にも時効があるということです。

時効期間を過ぎると、その後は損害賠償請求できなくなることを覚えておいてください。

加害者に対する損害賠償請求の時効は、「損害及び加害者を知った時」(民法724条)から物損については3年、人身損害部分については5年です。あるいは、損害及び加害者がわからなかったとしても、事故日から20年を経過すれば時効により消滅します。

【参考記事】
【時効】交通事故の示談金が0円に!?損をしないための知識を解説

困った時は弁護士にご相談ください!

交通死亡事故では、目撃者がいない場合などで被害者側が不利になることがあります。

また、ここまでお話ししたように、損害賠償請求から示談交渉まで、さまざまな手続きや注意点があり、示談交渉の経験がない人にとっては難しく、苦痛と感じることもあると思います。

さらに、加害者側の保険会社から提示される示談金は、本来加害者側が受け取ることができる金額より安く設定されていることがほとんどです。

つまり、被害者のご遺族にとっては交渉などを通して触れ合う機会が多い保険会社の担当者ですが、「じつはあなたの味方ではない」ということも理解しておかなければいけません。

では、示談交渉で強い味方になるのは誰かといえば、交通事故に詳しい、経験豊富な弁護士です。

弁護士は、豊富な知識と経験をもとに、示談金が本当に正しい金額なのかをチェックすることができます。

弁護士は、ご遺族に代わって難しい示談交渉を代行することができます。

さらに、示談交渉が決裂した場合は、訴訟を提起して裁判をすることもできます。

依頼者の声はこちらから依頼者の声

また、「弁護士に依頼すると高額の報酬金がかかるのではないか」、「弁護士に依頼するのは、どうも気が引ける」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、じつは裁判を起こしたほうが被害者の方が得をする場合があります。

みらい総合法律事務所では、交通事故問題の解決で経験豊富な弁護士たちが無料相談を実施しています。

死亡事故と後遺症事案に絞って専門性を高めていますので、保険会社から提示された示談金額が本当に正しいかどうかだけでも、まずは弁護士に相談していただければと思います。

ご連絡、お待ちしています。