人身傷害補償特約は、交通事故でどのような場合に使えるのですか?

最終更新日 2015年 09月29日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

交通事故における人身傷害補償特約について、弁護士が解説します。

人身傷害補償特約とは、被保険者が、被保険自動車や他の自動車に搭乗中の交通事故や、歩行中の交通事故により傷害を被った場合に、約款で規定された基準に従って算定された損害額が支払われる保険です。

最大の特徴は、被保険者の損害賠償責任の有無や過失の程度を問わずに支払いを受けることができる点です。したがって、交通事故で過失割合が決定していない場合や相手方との示談交渉などが済んでいない場合でも、支払いを受けることができます。

ただし、支払を受けられる金額は、加害者に対して法律上請求できる金額ではなく、保険約款が定められた金額で、裁判基準の金額よりは低い金額になっているのが通常です。

一般的に、被保険者として認められる者は以下のとおりです。

  • 保険証券記載の被保険者(記名被保険者)
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
  • 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
  • 被保険自動車に搭乗中の者

被保険者に該当したとしても、人身傷害保険から支払いを受けられない場合は主に下記の通りです(契約ごとに若干の相違点はありますので、約款をご確認ください)。

  • 被保険者が他の自動車に搭乗中の場合で、他の自動車が、二輪自動車あるいは原動機付自動車の場合
  • 被保険者が他の自動車に搭乗中の場合で、他の自動車が、記名被保険者及びその配偶者、またはこれらの者の同居の親族が所有する自動車である場合
  • 被保険者が他の自動車に搭乗中の場合で、被保険者が、被保険者の使用者の業務のために、その使用者の所有する他の自動車に搭乗中の場合

弁護士費用等特約は、被保険者が交通事故によって損害を被り、加害者に対し損害賠償請求を行う際に、弁護士等に相談・委任したことによって発生する法律相談料、弁護士報酬、訴訟費用等の支払いを受けることができる特約です。

たとえば、加害者の提示した損害賠償額に納得がいかない場合に、被害者個人で話し合いを行っても交通事故に関する知識がなければ損害賠償額を増額させることは難しいため、専門家である弁護士等に依頼したいというような場合、自分あるいは家族の任意保険に弁護士費用等特約が付いていれば、弁護士に依頼をしてかかった弁護士費用等の支払いを受けることができます。これは、使わないと、損ですね。

支払金額は、1つの事故で被保険者1名に対し300万円を限度とし、法律相談費用については別途10万円を限度とする契約がほとんどです。人身事故の場合に限らず、物損の場合も対象になります。また、支払いを受けるためには、事前に任意保険会社の同意が必要になります。

以上、人身傷害補償特約と弁護士費用特約について、弁護士が解説しました。

弁護士に依頼しようとする時は、必ず弁護士費用特約の有無を確認しましょう。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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