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交通事故の示談交渉で被害者が避けておきたい7つのこと

最終更新日 2021年 03月20日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠


この記事を読んでわかること

交通事故の示談交渉で注意しなければならないこと、決してやってはいけないことはいくつもあります。

ここでは、重要ポイントを7つにまとめてみました。

まずは、以下の動画で確認してみましょう。

【動画解説】交通事故の示談交渉でやってはいけない7つのこと

いざ、交通事故の示談交渉を始めようとしても、どんなタイミングで、誰に、何を、どうやって交渉すればいいか、わからないでしょう。

当然、専門的な知識も必要です。

示談交渉において、やってはいけないこともあります。

でも、安心してください。

これから、交通事故の示談交渉で気をつけるべきことを、包括的かつ網羅的に解説していきます。

この記事を読むと、次のことがわかります。

ぜひ、最後まで読んでみてください。

  • 示談交渉に入る前にやっておくべきことがわかります。
  • 保険会社が低い金額を提示してくる理由と対処法がわかります。
  • 後遺障害等級認定が間違っている場合の対応方法がわかります。
  • 交通事故の示談交渉で避けておきたい7つのことがわかります。
  • 交通事故の被害者が弁護士に相談すべき理由がわかります。

交通事故の被害者が損害賠償金を受け取るためには示談交渉をしなければいけません。

しかし、交通事故は人生でそう何度もあうわけではないため、示談交渉は初めての体験という人がほとんどでしょう。

実際、示談交渉には、入る前、示談交渉中、示談成立後でさまざまな手続きが必要なため、後遺症を抱えて精神的にも肉体的にもつらい被害者にとっては厄介なものです。

また、大切なご家族を交通事故で亡くしてしまった死亡事故のご遺族には辛いものとなるでしょう。

そこで今回は、示談交渉で被害者が避けておきたいことについて解説します。

私たち、みらい総合法律事務所では、交通事故の被害者からのご相談を年間1000件以上受けており、多数の交通事故を解決に導いてきました。

その経験を踏まえて説明していきます。

交通事故の示談交渉とは?

そもそも示談とは

まず、「示談」とは、どういう意味があるのでしょうか?

示談とは、交通事故が起きた場合に被害者と加害者の間で問題となる次のことを、話し合いによって解決をして、和解することです。

  • どのような損害が生じたのか?
  • その損害額はいくらになるのか?
  • 支払い方法はどのようにするのか?

上記のような内容を話し合って合意するものであり、示談交渉とは、裁判のように争って白黒決着をつけるものではありません。

基本的には、交通事故の当事者同士がお互いに話し合い、譲歩しながら、損害賠償の内容を決定していくプロセスです。

そして、示談が成立すると、示談書あるいは保険会社の書式である免責証書を締結して、示談金が支払われ、損害賠償事件は終了ということになります。

示談が成立した後は、原則としてそれ以上の請求はできないこととなります。

【参考論文】
「後遺症と示談 追加的請求放棄の確定効と後遺障害」(梅村英行 著)

話し合いで、すんなり合意でき、和解に至ればいいのですが、多くの場合でスムーズに事が運ばないということが起こります。

被害者としては、突然の交通事故で、それまでの生活や健康な体を奪われるのですから、簡単に納得できるものではないでしょう。

しかも、多くの場合、保険会社は、適正な金額を提示してくれないのです。

そして、被害者が交渉しても、すんなり増額してくれないのです。

ここで、一つ、私たちが実際に依頼を受け、解決したオリジナルの事例をご紹介します。

示談金が約22倍に増額した事例

49歳男性が、自動車事故により、骨折等の傷害を負い、自賠責後遺障害等級は、12級6号が認定されました。

保険会社は、被害者に対し、賠償金として、58万3236円を提示しました。

被害者が交渉しても増額しないので、みらい総合法律事務所に依頼。

弁護士が交渉した結果、最終的に1200万円で解決しました。

保険会社提示額が約60万円ですから、約22倍に増額したことになります。

大企業である保険会社を相手にして、なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

また、交通事故を弁護士に依頼すると、なぜ、このように増額するのでしょうか?

その理由は後で述べていきますが、まずは、交通事故の示談交渉の基礎知識を少しずつ身につけていきましょう。

【その他のみらい総合法律事務所の解決事例は、こちら】

示談解決までの流れとは?

ところで、交通事故の示談交渉は、どのように進むのでしょうか?

示談交渉を始める前に、示談のプロセスに頭に入れておき、今、自分はどの段階にあるのかを知っておくことが示談交渉を上手に進めるコツです。

通常、交通事故が発生してから示談が成立して交渉が終了するまでには次のような流れで事が進んでいきます。

①交通事故が発生
 ↓
②事故状況や相手(加害者)の身元の確認
 ↓
③警察への通報、実況見分調書の作成
 ↓
④加害者、被害者双方の保険会社への通知
 ↓
⑤ケガの治療
 ↓
⑥治療完了により症状固定
 ↓
⑦後遺障害等級の認定により賠償損害額確定
 ↓
⑧加害者側の保険会社と示談交渉
 ↓
⑨示談成立、法的手続き
 ↓
⑩決裂した時は紛争処理機関、法的機関へ

示談交渉に入る前にやるべきこととは?

上記「示談解決までの流れ」を見れば、示談交渉に入る前に被害者がやっておく必要があることがわかります。

  • 警察に通報する
  • 加害者の身元を確認する
  • 警察の実況見分調書の作成に協力する
  • 被害者と加害者の双方の保険会社へ連絡する
  • 入通院等でケガの治療をする

当たり前のことのように思うでしょうが、交通事故被害にあった当初は心が動揺しているものですから、どれかが抜け落ちてしまうこともあります。

しかし、全て必要なことです。

特に警察の実行見分調書の作成では、必ず記憶に基づいて供述するようにし、警察の誘導に乗らないよう注意が必要です。

一度作成されると、後で訂正等取り合ってくれませんし、作成された実況見分調書は、後日の裁判で大変重要な証拠として取り扱われるためです。

ところで、通常怪我の場合、治療費は、加害者の保険会社が支払ってくれます。

中には、特に親切な担当者もいます。

しかし、保険会社の担当者の言うことを全てうのみにしてはいけません。

それは、なぜでしょうか?

加害者側の保険会社の言い分をうのみにしてはいけない

ケガの治療を行なったものの、残念なことに完治しない、これ以上治療を続けても回復の見込みがない、ということがあります。

その場合は主治医から「症状固定」の判断を受けることになります。

これ以降、体に残った不具合は後遺症となります。

ところで、ケガの治療中に加害者側の保険会社から連絡が来ることがあります。

電話口で担当者は、こんなことを言うかもしれません。

今月で治療費の支払いを打ち切りたいと思うので、そろそろ症状固定としてください

これは要注意です! こうした話を、うのみにしてはいけません。

被害者の治療費や入院費を支払うのは、加害者が加入している任意保険会社のことが多いのですが、保険会社としては、早く治療費を確定させ、示談交渉に入りたいのでこんなことを言っている可能性があります。

注意すべきは、症状固定となると、原則として症状固定日以降に治療を行なった場合の治療費や交通費、休業損害などを加害者側に請求することができなくなってしまうことです。

症状固定については、保険会社ではなく、主治医としっかり話し合って判断するようにしてください。

後遺障害等級の認定の前に示談交渉を始めてはいけない

【動画解説】交通事故の後遺障害等級認定の秘訣

症状固定となった場合、被害者は自賠責後遺障害等級の認定を受けなければいけません。

なぜなら、ご自身の後遺障害等級が認定されないと示談交渉を進めることができないからです。

しかし、中には

早く示談交渉を始めなければいけないのではないか

とか、

精神的、肉体的につらいから、面倒な交渉は早く終わらせてしまいたい

といったような理由から示談交渉を始めようとする人がいますが、それは得策ではありません。

というのは、ご自身の後遺障害等級が決定してからでないと、慰謝料などの正確な金額が出せないため、たとえ示談交渉したとしても、それが無駄になってしまうからです。

まずは焦らず、後遺障害等級の認定を受けてから示談交渉にのぞみましょう。

ところが、せっかく受けた後遺障害等級認定が、間違っていることがあります。

そうすると、示談金額も大きく変わってきてしまい、気づかない被害者は大変な損をしてしまうことになります。

【参考情報】
国土交通省 「自賠責後遺障害等級表」

間違った等級認定を見逃してはいけない

後遺障害等級による慰謝料額の違い

自賠責後遺障害等級は1級から14級まであり、1級の方が障害が重いと判断されます。

後遺障害等級認定を受けると、ご自身の後遺症は後遺障害となり、その等級によって慰謝料などの損害賠償金額が決まります。

ところが、ここで見逃しに注意すべきことがあります。

自賠責後遺障害等級は、損害保険料率算出機構(損保料率機構)という専門の機関が認定するのですが、じつは、ご自身の自賠責後遺障害等級が間違って認定されることがあるのです。

間違った等級が認定されると、慰謝料などの損害賠償金額で大きな差が出てきてしまうのですから、これは避けなければいけません。

裁判基準による後遺障害慰謝料の相場金額

等級慰謝料額
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

上の表で見ると、仮に本来は2級の後遺障害の人が4級と認定されてしまった場合、後遺障害慰謝料だけで700万円もの差が出てしまうのです。

これは被害者にとっては大きな損失です。

全体となると、もっと大きな金額となります。

みらい総合法律事務所の実際の解決事例

みらい総合法律事務所が実際に解決したオリジナルの事例では、後遺障害等級が間違っていたために、危うく約4250万円も損しそうになった被害者がいます。

ご紹介します。

ある男性が、交通事故に遭い、右膝骨折の傷害を負い、自賠責後遺障害等級14級10号が認定されたので、保険会社は、被害者に対し、示談金を提示しました。

提示された示談金は、248万6647円。

被害者がみらい総合法律事務所に相談したところ、後遺障害等級が間違っているのではないか、と指摘を受けたので、弁護士に依頼し、異議申立をしました。

異議申立の結果、12級13号が認定され、示談交渉を開始しましたが、裁判となりました。

その結果、4500万円での決着となりました。

保険会社の提示額が約250万円ですから、約4250万円増額したことになります。

つまり、後遺障害等級が間違ったまま示談していたら、被害者は、約4250万円もの損をしていた可能性がある、ということです。

後遺障害等級の認定には、主治医の診断書などさまざまな書類や文書を提出しなければいけないのですが、これらに不備や間違いがあると本来の等級とは違うものが認定されてしまうことがあるのです。

後遺障害等級が間違っていた場合には、「異議申立」をすることができますので、必要であれば検討することをお勧めします。

【参考情報】
国土交通省「異議申立」

ただし、異議申立は、単に異議を申し立てるだけではなく、後遺障害等級認定システムを熟知し、どの等級を狙うかを検討し、等級認定に必要な医証を収集し、的確な主張をしなければなりません。

とても専門性の高い作業と言えるでしょう。

必ず交通事故に強い弁護士の助言を得ながら進めるようにしましょう。

【関連記事】
交通事故の後遺障害等級が間違っていたら

損害賠償金の3つの基準を知らずに示談してはいけない

ご自身の自賠責後遺障害等級が認定されると、いよいよ示談交渉が開始されます。

正しい後遺障害が認定される前に示談交渉を開始しないようにしてください。

示談交渉ではまず加害者側の任意保険会社から示談金の提示があります。

さて、損害賠償金を提示されて、あなたはそれを妥当な金額と思うでしょうか?

それとも低すぎると感じるでしょうか?

じつは、知らない人も多いのですが、示談交渉を開始して、保険会社から提示される損害賠償金は、本来被害者が手にすることができる金額よりも低く設定されていることが多いのです。

ですから、「金額が低すぎる」と感じることがあったら、あなたのその感覚が正しい可能性があります。

ほとんどの人は、示談交渉で提示された金額が適正な金額かどうか、判断できないでしょう。

無理もありません。

交通事故に遭うことなど、一生に一度あるかどうかなのです。

しかし、決して不要に示談書にサインをしてはいけません。

一度サインをすると、交通事故が解決したものとして、後で覆すことができなくなります。

そして、必ず適正な金額で示談しなければなりません。

なぜなら、後遺症の場合、示談金は、「失った身体の値段」であり、死亡事故の場合には、示談金は、「命の値段」だからです。

しかし、なぜ、保険会社、交通事故の示談交渉で適正な金額を提示してくれないのでしょうか。

それは、損害賠償金には3つの基準があるからです。

自賠責基準

まず、交通事故の被害者には加害者が加入している自賠責保険から損害賠償金が支払われることになります。

これは、自動車を運転する者は自賠責保険に加入しなければいけないと法律により義務付けられているからです。

自賠責法別表第1

第1級4000万円
第2級3000万円

自賠責法別表第2

第1級3000万円
第2級2590万円
第3級2219万円
第4級1889万円
第5級1574万円
第6級1296万円
第7級1051万円
第8級819万円
第9級616万円
第10級461万円
第11級331万円
第12級224万円
第13級139万円
第14級75万円

この表のように等級によって金額の基準が決まっており、これを自賠責基準といいます。

被害者が死亡した場合は3000万円、傷害による損害の場合は120万円、介護が必要な後遺障害が残った場合は4000万~3000万円が相場となっています。

その他の後遺障害の場合は、上記の表のように1級から14級の後遺障害等級に応じて3000万円~75万円となっています。

自賠責基準では被害者に対する補償として、最低限の金額が設定されています。

そのため、比較的ケガの程度が軽く、自賠責保険の範囲内で納まる場合には自賠責基準をもとに損害賠償金が算出されます。

さらに詳しく自賠責保険の支払基準を知りたい方は、国土交通省のホームページをご参照ください。

【参考情報】
国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」

しかし、自賠責保険ではカバーしきれない部分(足りない分)の損害賠償が発生する場合は、加害者が加入している任意保険から支払われます。

任意保険基準

すべてのドライバーは法律により自賠責保険への加入が義務付けられているわけですが、自賠責保険から支払われる保険金だけでは被害者への損害賠償金を賄えない場合があります。

そうした万が一の時のため、多くのドライバーは任意の自動車保険に加入する場合が多いと思いますが、それぞれの保険会社が内部で設定しているのが任意保険基準ということになります。

明確な基準が外部に公表されているわけではありませんが、自賠責基準と弁護士基準(裁判基準)の間で金額が設定されています。

保険会社は、それぞれの社内内部基準によって算出した損害賠償金を示談交渉において、被害者に提示してきます。

弁護士基準(裁判基準)

示談交渉が決裂して、裁判をした場合に認められる可能性が高いのが、この基準による金額です。

弁護士基準(裁判基準)は、実際の交通事故の裁判の事例から導き出された損害賠償金の基準ですから、法的根拠がもとになっています。

裁判所や弁護士は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)という本に記載されている金額をもとに、損害賠償額を算定していきます。

【出典】
公益財団法人交通事故相談センター 「当センターの刊行物について」

3つの基準の中でもっとも金額が高いのが、この弁護士基準(裁判基準)になります。

そもそも被害者が受け取ることができる金額よりも低い金額が設定されているのが任意保険基準ですが、保険会社の担当者は保険のプロですから被害者がご自身で示談交渉して金額を上げる、つまり適正な金額にすることは非常に難しいものです。

そこで、被害者から依頼を受けた弁護士が代理人となり示談交渉をし、そこで合意が得られなければ訴訟を提起して裁判に突入するわけですが、ここで弁護士が主張するのが弁護士基準(裁判基準)で算出した損害賠償金となります。

ですから、被害者は保険会社から示談金額の提示があったからといって、簡単にそれを信じて示談書にサインをすることには注意が必要なのです。

みらい総合法律事務所による弁護士基準での解決事例

では、私たちが実際に依頼を受け、慰謝料を増額し、解決した事例をご紹介します。

24歳女性が、交通事故により、頭部に傷害を負い、完全四肢麻痺となりました。

自賠責後遺障害等級は、最も重い1級1号が認定されました。

保険会社は、示談金として、被害者に対し、8985万7547円を提示しました。

任意保険基準で訂正額だと主張したのです。

被害者は、自分が交渉しても難しいと考え、みらい総合法律事務所に依頼しました。

示談交渉では解決できず、裁判になりましたが、最終的には、当事務所の主張が認められ、最終的に、2億3900円で解決しました。

保険会社提示額は、約9000万円でしたので、約1億4000万円増額したことになります。

信じられないかもしれませんが、弁護士に依頼すると、こんなことも起こる、ということです。

【弁護士基準】交通事故の慰謝料をできるだけ高額で示談する方法とは?

損害賠償金額と項目を確認せず示談してはいけない

示談交渉では、加害者側の任意保険会社から「損害賠償金額の計算書」が提示されますので必ずチェックをしてください。

ここには、損害賠償における各項目と金額が明記されていますが、本来あるべき項目が漏れている場合や金額が間違っている場合があるので注意が必要です。

損害賠償金の項目には次のようなものがあります。

治療費、付添費、将来介護費、入院雑費、通院交通費、装具・器具等購入費、家屋・自動車等改造費、葬儀関係費、休業損害、傷害慰謝料、後遺症慰謝料、逸失利益、修理費、買替差額、代車使用料 など

このように、じつは損害賠償金というのはひとつの項目ではなく、上記のようなさまざまな項目をまとめたものなのです。

ですから、示談交渉を進めていく際は「示談金」と呼び、保険会社から受け取る時に「保険金」という名称を使うことがあるのですが、これらはすべて損害賠償金と同義だということです。

なお、慰謝料というのは損害賠償項目の中のひとつということになります。

信じがたいことですが、これらの項目が抜けていたり、金額が間違っていることがあります。

そして、一度示談が成立してしまうと、あとから新たに請求することはできません。

ですから、損害賠償金額と項目を確認せず示談することには注意が必要なのです。

示談交渉相手の保険会社を“味方”とは思ってはいけない

そしてもうひとつ、被害者の方にお伝えしたいのは、加害者側の保険会社を“味方”とは思わないでいただきたい。ということです。

前述の通り、示談交渉が始まると、加害者側の保険会社は任意保険基準によって算出した損害賠償金を被害者に提示してきます。

その時、担当者はこんなことをあなたに言うかもしれません。

当社の規定では最高の金額をご提示させていただきました

被害者としては、

「大手保険会社がいうことなのだから金額に間違いはないだろう」

とか、

「ここまで丁寧に対応してくれたのだから示談しないと申し訳ない」

などと考えてしまう方もいらっしゃいますが、それは正しい判断とはいえないかもしれません。

なぜなら、ここまでお話ししてきたように任意保険基準による示談金額は、場合によっては弁護士基準(裁判基準)の2分の1や3分の1、あるいは数十分の1という金額であることもあるからです。

保険会社は営利を追求することを忘れてはいけない

なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。

それは、保険会社が株式会社の場合、その存在自体が営利目的であるためです。

株式会社は、営利を追及しなければなりません。

売上を増やすと同時に、支払を減らさなければならないのです。

被害者と示談交渉をし、高額の示談金を支払っていたら、支払が増えてしまい、利益が減少してしまいます。

利益が減少すると、株主は、役員の交替を求めます。

それは、困るので、利益を出すため、保険会社の役員は、被害者への支払を抑えるよう社員い命じることになるのです。

社員は、被害者のことが可哀想だと思ったとしても、会社の方針に逆らうことはできないのです。

これが、保険会社が交通事故の示談交渉で、適正な金額を提示したがらない理由です。

しかし、弁護士が示談交渉に出てくると、ある程度適正な金額を提示しないといけなくなります。

なぜなら、そうしないと、裁判を起こされ、適正な金額を支払うことになる上に、保険会社は自分の弁護士の弁護士費用を払わないといけなくなるからです。

裁判では、最も高額の「弁護士基準」で判決が出されます。

また、事故日からの遅延損害金や被害者の負担する弁護士費用相当額を本来の賠償金に付加して支払うよう命じられます。

つまり、示談するよりも支払が多くなってしまうのです。

そうであれば、弁護士が出てきたら、示談交渉で、ある程度増額してでも解決した方が得、という判断になるのです。

交通事故で弁護士が代理すると慰謝料が増額する理由はこれ

まとめ

では、ここで、交通事故の被害者が示談交渉でやってはいけない7つのポイントをまとめます。

(1)加害者側の保険会社の言い分をうのみにしてはいけない
(2)後遺障害等級の認定の前に示談交渉を始めてはいけない
(3)間違った等級認定を見逃してはいけない
(4)損害賠償金の3つの基準を知らずに示談してはいけない
(5)損害賠償金額と項目を確認せず示談してはいけない
(6)示談交渉相手の保険会社を“味方”とは思ってはいけない
(7)保険会社は営利を追求することを忘れてはいけない

以上の知識を持って、交通事故の被害者の方は、決して損をしないように気をつけてください。