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死亡事故では任意保険にいくら請求できるか?【ポイントを詳しく解説】

最終更新日 2022年 03月28日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

【6分で解説!】記事を読む前に動画で全体像を把握できます


交通事故で被害者の方が亡くなった場合、加害者側に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求をすることができます。

その手続きや示談交渉などは、ご遺族が行なっていくことになるのですが、損害賠償金(保険金)はいくらくらいになるのか、ご存じでしょうか?

もちろん、事故の状況や被害者の方の立場によっても金額は変わってきますが、大切なご家族を亡くされたご遺族としては加害者に対して、できるだけ多くの保険金で償ってほしいと思われるでしょう。

しかし、加害者側の任意保険会社は、ご遺族が受け取るべき適切な金額を提示してこない、という現実があります。

そこで本記事では、

  • 交通死亡事故の保険金の算定方法
  • 加害者側との示談交渉の現実
  • ご遺族が注意するべきポイント
  • 慰謝料などの保険金の増額方法

などについて詳しくお話ししていきたいと思います。

これから、交通死亡事故にあった場合に保険金をいくら請求できるかついて解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

交通死亡事故の損害賠償【4つのポイント】

損害賠償請求の4項目

損害賠償金と保険金、示談金は何が違う?

交通事故の損害賠償実務では、慰謝料、保険金、示談金などの用語が出てきますが、これらは何が違うのでしょうか?

損害賠償金
被害者側から見ると、被った損害を加害者側から賠償してもらうお金なので、損害賠償金になります。

示談金
被害者側と加害者側の示談によって賠償金額が合意されるので、示談金といいます。

保険金
加害者側の任意保険会社の立場からすると、保険契約に基づいて被害者側に支払うものなので、保険金になります。

このように、見る立場や状況によって言い方が異なるだけで、これらはすべて同じものということを知っておいてください。

慰謝料は1つではない!?


交通事故の被害者の方が被った精神的苦痛を償うために支払われるのが慰謝料です。
つまり、保険金の中の1つの項目として慰謝料がある、ということになります。

ところで、交通事故の慰謝料は1つではなく、次の4つがあります。

  • ・入通院慰謝料(傷害慰謝料)
  • ・後遺障害慰謝料
  • ・死亡慰謝料
  • ・近親者慰謝料

 

よくわかる動画解説はこちら

【交通事故】慰謝料の全て
(傷害、後遺障害、死亡)

【交通事故】本人分とは別の近親者慰謝料を請求できる場合とは。

なお、交通事故後に治療を受けて、その後に亡くなったような場合は入通院慰謝料も受け取ることができます。

死亡慰謝料の受取人は誰になる?

死亡慰謝料は、亡くなった被害者の方の精神的苦痛に対して支払われるものですが、被害者の方は亡くなっているため、受取人はご遺族になります

ただし、ご遺族であればどなたでも受け取ることができるわけではない、ということに注意してください。

受取人は法的に定められた相続人となり、順位、分配割合が変わってきます。

<相続人の順位と分配割合>
配偶者がいる場合は、つねに相続人になります。
そのうえで、相続人の順位と法定相続分は次のようになります。

第1位:子
配偶者:2分の1
子:2分の1

 
※たとえば子が2人の場合、1人分は4分の1(2分の1を2人で分けるため)。

第2位:親
配偶者:3分の2
親:3分の1

 
※両親(父母)がいる場合、1人分は6分の1(3分の1を2人で分けるため)。

第3位:兄弟姉妹
配偶者:4分の3
兄弟姉妹:4分の1

 
※兄弟姉妹が複数人いる場合は4分の1をその人数で分配する。

こちらの記事でも詳しく解説しています

関連記事
【死亡事故の相続の分配】誰が慰謝料・損害賠償金をもらえるのかを解説

 

慰謝料などの計算は基準の違いに注意!


慰謝料などの計算では、次の3つの基準が使われます。
どの基準を使うかで金額に大きな違いがで出るので注意が必要です。

自賠責基準
・自賠責保険で定められている基準。
・賠償金額がもっとも低くなる。

任意保険基準
・各損害保険会社が独自に設定している基準。
・各社非公表としているが、自賠責基準より少し高い金額になる。

弁護士(裁判)基準
もっとも高額になる基準
被害者の方が受け取るべき正当な金額は、この基準で算定したもの
・代理人として弁護士が加害者側と交渉する際には、この基準で算定した金額を主張する。
・これまでの多くの裁判例から導き出されている基準のため、裁判になった場合に認められる可能性が高い

関連記事
【弁護士基準】交通事故の慰謝料をできるだけ高額で示談する方法とは?

 

交通死亡事故で受け取ることができる賠償項目と計算方法


交通死亡事故で、ご遺族が保険金として受け取ることができる損害賠償項目の内訳と計算方法について解説します。

死亡慰謝料

自賠責基準での算定方法

自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と「近親者慰謝料(ご遺族分)」の合算として扱われます。

被害者本人:400万円(一律)

 
ご遺族:配偶者・父母・子の人数によって次のように変わる。

1人場合 550万円
2人場合 650万円
3人場合 750万円

※ご遺族が被扶養者の場合は上記の金額に200万円が上乗せされる。
※父母には、養父母も含まれる。
※子には、養子・認知した子・胎児も含まれる。

こちらの記事でも詳しく解説しています
自賠責保険金の請求手続きを解説(死亡事故編)

なお、自賠責保険には保険金全体の上限額があり、死亡事故の場合は3000万円になります。
この金額を超えた分(不足分)については、ご遺族が任意保険会社と示談交渉していく必要があります

<自賠責保険の損害の範囲と支払い限度>

損害の範囲 支払限度額(被害者1名につき)
傷害(ケガ)による損害 慰謝料・治療関係費・
文書料・休業損害など
最高120万円
後遺障害による損害 慰謝料・逸失利益など 障害の程度により神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合

常時介護が必要な場合:
最高4000万円
随時介護が必要な場合:
最高3000万円
・上記以外の場合
第1級 :最高3000万円~
第14級:最高75万円
死亡による損害 慰謝料(死亡慰謝料・近親者慰謝料)・
葬儀費・逸失利益など
最高3000万円
死亡するまでの傷害による損害 ※傷害(ケガ)による損害の場合と同じ 最高120万円
関連記事
自賠責保険の慰謝料はいくら?手続と計算【死亡事故】

 

任意保険基準での死亡慰謝料

任意保険基準は各社非公表のため正確ではありませんが、経験上、概ね次のように、被害者の方の家庭での立場や属性などによって金額が変わってきます。

一家の支柱(一家の生計を立てている者) 1500~2200万円
専業主婦(主夫)・配偶者 1300~1800万円
子供・高齢者など 1100~1700万円
一家の支柱(一家の生計を立てている者)
1500~2200万円
専業主婦(主夫)・配偶者
1300~1800万円
子供・高齢者など
1100~1700万円

弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料

被害者の方の家庭での立場や状況によって概ねの相場金額が決められています。

<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額>

被害者が一家の支柱の場合 2800万円
被害者が母親・配偶者の場合 2500万円
被害者がその他の場合(子供・高齢者など) 2000万~2500万円
被害者が一家の支柱の場合
2800万円
被害者が母親・配偶者の場合
2500万円
被害者がその他の場合(子供・高齢者など)
2000万~2500万円

もっとも、この金額は絶対的なものではありません。

事故の状況や被害者の方の置かれた立場などによって増額する場合もあるので、一度、無料相談などを利用して弁護士の話を聞いてみるといいでしょう。

このように、弁護士(裁判)基準による金額がもっとも高額になるということを覚えておいてください。

死亡逸失利益


交通事故にあわずに生きていれば被害者の方が将来的に得られたであろうお金を死亡逸失利益といいます。

<死亡逸失利益の計算式>
(基礎収入)×(就労可能年数に対するライプニッツ係数)×(1-生活費控除率)
=(死亡逸失利益)

 
1.基礎収入(年収)
事故の前年に被害者の方が得ていた収入額で、年金なども基礎収入に含まれます。

2.就労可能年数
原則、18歳から67歳までとされますが、被害者の方の職種や地位、能力などによって、67歳を過ぎても就労することが可能だったと判断される場合は、その分の年数が認められる可能性があります。

厚生労働省:令和2年簡易生命表(男)

厚生労働省:令和2年簡易生命表(女)

3.ライプニッツ係数
死亡逸失利益は、将来に受け取るはずだった収入を前倒しで受け取ることになります。
そのため、将来的にお金の価値が変動した際には差額が生じてしまいます。
そこで、この差額を調整するためにライプニッツ係数を用います。

ライプニッツ係数は、あらかじめ定められている係数表から年齢によって求めることができます。

国土交通省:「就労可能年数とライプニッツ係数表」

4.生活費控除率
生きていれば生活費がかかるので、これを控除するために使うのが生活費控除率です。
次のように、被害者の方の家庭での立場や状況によって相場の割合が決められています。

<生活費控除率の目安>

被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合 40%
被害者が一家の支柱で被扶養者2人以上の場合 30%
被害者が女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合 30%
被害者が男性(独身、幼児等含む)の場合 50%
被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合
40%
被害者が一家の支柱で被扶養者2人以上の場合
30%
被害者が女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合
30%
被害者が男性(独身、幼児等含む)の場合
50%

詳しい内容や実際の計算例などは、こちらのページや動画を参考にしてください。

関連記事
【死亡事故の逸失利益】職業別の計算と早見表

 

よくわかる動画解説はこちら

【交通事故】逸失利益の計算方法
(後遺障害、死亡事故)

葬儀関係費

葬儀費用については次のような金額が認められます。

・自賠責保険:60万円(定額)
※この金額を超えた時は、「社会通念上、必要かつ妥当な実費」として、100万円まで認められる場合があります。

・加害者側の任意保険会社の提示額:概ね120万円以内

・裁判で認められる金額:150万円(上限)
※弁護士に依頼して訴訟を起こした場合は弁護士(裁判)基準で算定した金額になります。

なお、墓石建立費、仏壇購入費、永代供養料などについては、これらが認められた裁判例があるので、各事案によって個別に判断されますが、香典返しの費用は認められていません。

弁護士費用

加害者側の任意保険会社との示談交渉が決裂した場合は、提訴して裁判に進みます。
その際、ご遺族だけでは対応できないため弁護士に依頼することになります。

最終的に判決までいった場合は、そこで認められた賠償金の10%程度が相当因果関係のある損害と判断され、弁護士費用相当額として保険金に加算されます。

判決までいった場合は、さらに遅延損害金も加算されます。

ご遺族の中には、「裁判はしたくない」という方もいらっしゃいますが、裁判をすることで賠償金が増額されることも考えながら、提訴するかどうか、弁護士に依頼するかどうかを検討することをおすすめします。

よくわかる動画解説はこちら

【交通事故】被害者が裁判を嫌がると
損をすることがある。
関連記事
交通事故死の損害項目と示談交渉のポイント

 

交通死亡事故の保険金の請求方法


交通死亡事故の保険金については、加害者側の自賠責保険に請求する方法と、任意保険会社に請求する方法があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるので、経済状況などを考えながら選択するのがいいでしょう。

「被害者請求」

被害者の方やご遺族が直接、自賠責保険に損害賠償額の請求をする方法です。

まずは自賠責保険からある程度まとまった保険金を受け取ることができるので、ご遺族に経済的な余裕がない場合などでは生活を安定させることができるというメリットがあります。

自賠責保険からの保険金では足りない部分は、加害者側の任意保険会社に請求することになりますが、先に自賠責保険金分を受け取ることで余裕をもって示談交渉ができるというのもメリットでしょう。

一方、被害者請求では、前述した遅延損害金が賦課されないので、これはデメリットでしょう。

また、保険金請求のための書類などはご遺族が用意しなければいけないため、手間がかかってしまうというデメリットもあります。

「任意一括払い制度」

加害者側の任意保険会社が、被害者側に対して自賠責保険分も一括で支払うことを任意一括払い制度といいます。

任意保険会社は、被害者の方に保険金を支払い、その後に自賠責保険金分を自賠責保険に請求します。

被害者側のメリットとしては、遅延損害金が加算されることがあげられます。
また、手続きは任意保険がやってくれるので、ご遺族の負担が少なくなるのもメリットでしょう。

関連記事
【交通事故】自賠責保険への被害者請求の手続と金額
交通事故における任意保険の「一括払い制度」とは?

 

なぜ任意保険会社は正しい保険金額を提示してこないのか?

保険会社の金額が低い理由

保険会社は保険金を少なくしたい

ところで、交通死亡事故のご遺族には知っておいていただきたい重要なことがあります。

それは、加害者側の任意保険会社は、本来であれば被害者の方とご遺族が受け取るべき正しい保険金額を提示してこない現実がある、ということです。

保険会社は営利法人ですから、利益を上げることがその経営目的です。
そのため、支出となる加害者側への保険金をできるだけ低く抑えようという力が働きます。

一方、ご遺族としては、亡くなった人は帰ってこないのですから、できるだけ高額な保険金を得ることが亡くなったご家族への、せめてもの供養にもなると思われるのではないでしょうか。

つまり、ご遺族と保険会社では求めるものが正反対なため、提示金額で合意が得られず、示談交渉がなかなか解決しないということが起きてしまうのです。

交通事故で頼りになる弁護士という存在


ご遺族が、いくら適切な保険金額を求めても保険会社は増額に応じることは少ないのが現実です。

ところが、法的な根拠をしっかりと示し、立証してくる弁護士が加害者側の代理人となると、保険会社の対応は変わります。
というのも、弁護士は被害者とご遺族のために正しい保険金額を主張し、示談が決裂した場合は提訴して裁判での決着までを行なうからです。

裁判では、前述した弁護士(裁判)基準による金額が認められる可能性が高く、また弁護士(裁判)基準による賠償金の他に遅延損害金や弁護士費用相当額などが付加されてしまうので、そうであれば保険会社としては裁判にいく前に増額した保険金額を提示して和解したほうがいい、と判断するわけです。

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