交通事故の加害者が未成年者だったのですが、親に損害を賠償してもらうことができますか?

最終更新日 2015年 09月30日
執筆:みらい総合法律事務所 弁護士 谷原誠

未成年者による交通事故の責任について、弁護士が解説します。

民法712条は、未成年者が他人に損害を与えた場合、自己の行為の責任を弁識する能力を備えていなかった場合は、その行為について責任を負わない、と規定されています。この自己の行為の責任を弁識する能力を、責任能力といいます。

未成年者に責任能力が認められない場合、民法714条1項では、その未成年者を監督する法定の義務を負う者(一般的には親)が、その損害を賠償する責任を負うと規定されています。したがって、交通事故の加害者が未成年だった場合でかつ責任能力が認められない場合は、親に損害賠償を請求することができます。

責任能力が何歳から認められるのかについて規定はありません。裁判例では、具体的な行為の内容や、その未成年者の状況などを個別に考慮し決定しており、11歳11ヶ月の少年の責任能力を認めたもの、反対に12歳2ヶ月の少年の責任能力を否定したものなどがありますが、おおむね11~12歳で判断が分かれることになるでしょう。

ですので、未成年者であっても、バイクや自動車の免許を取得して運転をしているような年齢に達している場合には、交通事故で、通常責任能力が認められると考えられますので、親が民法714条1項の監督義務者としての責任を負うことはありません。

しかし、この場合でも、親の監督義務違反と未成年者の不法行為との間に因果関係が認められるときは、親に民法709条の不法行為責任が生じるとした裁判例もあります。
ですので、未成年者の交通事故が、親の監督義務違反によって生じたと認められるような事情がある場合には、親にも責任が生じる場合があると考えます。

また、未成年者が運転していたバイクや自動車が、親の名義で、自賠責保険なども親が加入していた場合などは、監督義務者としての責任とは別に、親に運行供用者責任が認められる場合があります。

運行供用者とは、自動車損害賠償保障法第3条に規定されている「自己のために自動車を運行の用に供する者」のことで、自動車の使用についての支配権を有し、かつ、その使用により享受する利益が自己に帰属する者を意味します。したがって、親に自動車の使用権と利益の帰属が認められるならば、運行供用者として親に損害賠償を請求できる場合もあります。

以上、未成年者による交通事故について、親の責任問題に関し、弁護士が解説しました。

未成年者による交通事故で争いになった時は、弁護士にご相談ください。

「交通事故の被害者が弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」は、こちらです。
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