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交通事故相談SOS | みらい総合法律事務所

実例でわかる!交通事故の慰謝料の計算方法

最終更新日 2022年 12月02日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

【6分で解説!】記事を読む前に動画で全体像を把握できます

 

交通事故の被害者の方は、被った精神的な苦痛や損害への補償として慰謝料を受けとることができます。

しかし、この慰謝料、じつは単純なものではありません。

慰謝料は全部で4種類あるのを知っていますか?
慰謝料には3つの計算基準があり、どの基準で算定したかによって受け取る金額が大きく変わってくるのを知っていましたか?

慰謝料に関する知識を身につけておかないと、被害者の方は損害賠償金でも大きな損害を被りかねないのです。

そこで本記事では、交通事故の慰謝料の計算について、実例を紹介しながらわかりやすく解説していきたいと思います。

これから、交通事故の慰謝料の計算について実例を交えて解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

まずは知っておきたい慰謝料の基礎知識

まずは知っておきたい慰謝料の基礎知識

慰謝料は損害賠償項目のひとつ

治療費や交通費、休業損害、逸失利益、将来介護費など、交通事故の被害者の方が受け取ることができる損害賠償金には、さまざまな項目があります。

それらの中に慰謝料があり、被害者の方が受けた精神的な損害や苦痛に対して支払われます。

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交通事故の慰謝料は4種類ある

交通事故の被害者の方が受け取ることができる慰謝料は3種類あり、さらにご家族が受け取ることができる慰謝料と合わせて全部で4種類あります。

1.入通院慰謝料(傷害慰謝料)

・傷害(ケガ)を負い、その治療のために入院・通院した場合に支払われる慰謝料です。
・対象となる期間は、ケガの治療を始めてから症状固定までになります。

2.後遺障害慰謝料

症状固定の診断後、後遺症が残り、後遺障害が認定された場合に、その等級に応じて支払われる慰謝料です。

3.死亡慰謝料

・被害者の方が亡くなったときに支払われる慰謝料です。
・被害者の方はすで亡くなっているので、受取人は法的な相続人になります。

4.近親者慰謝料

被害者の方が亡くなった、あるいは重傷事故で重度の後遺障害が残ってしまった場合に、ご家族の精神的苦痛・損害に対して支払われる慰謝料です。

慰謝料額が大きく変わる!3つの計算基準の違いについて

慰謝料額が大きく変わる!3つの計算基準の違いについて
交通事故の慰謝料を算定する際、次の3つの基準が使われます。
どの基準で計算するかによって金額が大きく違ってくるので、被害者の方は注意する必要があります。

1.自賠責基準

自賠責保険で定められている基準で、もっとも金額が低くなります。

2.任意保険基準

各任意保険会社が独自に設けている基準(各社非公表)で、
自賠責基準よりも少し高い金額になるように設定されています。

3.弁護士(裁判)基準

金額がもっとも高額になる基準で、被害者の方が本来受け取るべき金額になります。
・過去の膨大な裁判例から導き出されている基準で、弁護士や裁判所が用います。
・弁護士が被害者の方の代理人として加害者側の任意保険会社と示談交渉をする場合や、裁判になった場合に主張します。

交通事故の被害者の方やご遺族は、弁護士(裁判)基準で慰謝料を解決することが大切です。

詳しい解説はこちら

【注意】慰謝料の3つの計算基準

慰謝料などの損害賠償金の示談交渉の流れと仕組み

慰謝料などの損害賠償金の示談交渉の流れと仕組み

交通事故の発生から症状固定まで

☑前述したように、交通事故で負った傷害(ケガ)の治療中については入通院慰謝料(傷害慰謝料)が支払われます。

☑ケガの治療を続けていく過程で、これ以上の回復は見込めない、完治は難しいという段階がきた場合は、医師から「症状固定」の診断を受けます。

後遺障害等級認定から示談交渉まで

☑通常、加害者が任意保険に加入している場合は、その保険会社から慰謝料や逸失利益など各損害項目と合計金額が提示されます。

☑しかし症状固定後、後遺症が残ったままにしていると損害賠償金の提示はされません。
というのは、被害者の方の後遺障害等級が認定されることで、保険会社は損害賠償金の算定ができるからです。

☑後遺障害等級は、もっとも重度の1級から順に14級まであり、後遺障害が残った部位などによって各号数が設定されています。
たとえば、高次脳機能障害で1級1号、脊髄損傷で3級3号、むち打ちで12級13号というように表されます。

☑保険会社からの提示額に納得がいくなら交渉は行なわず、示談成立に進みます。
しかし、提示額に納得がいかないなら示談交渉に入ります

参考情報:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)

<チャートで理解する交通事故解決までの流れと手続き>

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算方法と金額

自賠責基準による入通院慰謝料の計算

1.自賠責基準による入通院慰謝料の算定式
自賠責基準による入通院慰謝料は、1日あたりの金額が4,300円と定められており、次の計算式で求めます。

4300円(1日あたりの金額)×入通院日数=入通院慰謝料

 

2.自賠責基準による入通院慰謝料の注意ポイント
入通院日数=治療の対象日数は、次のどちらか短いほうが採用されることに注意が必要です。

A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」

 
ここでは次の場合で考えてみます。

・治療期間:6か月(1か月の入院+5か月の通院)=180日間
・実際に治療した日数:入院1か月=30日間  
           通院5か月(平均で週に2回の通院)=23週×2日=46日間

A)4,300円×180日=774,000円
B)4,300円×76日=326,800円

 
この場合、B)のほうが日数が少ないので、326,800円が入通院慰謝料として認められます。

※入通院慰謝料は、1日のみの入院・通院から受け取ることができます

3.自賠責保険には上限の金額が設定されている
自賠責保険から支払われる保険金(損害賠償金)には限度額があります。

・傷害部分/120万円
※120万円を超える金額については、加害者側の任意保険会社に請求していくことになります。

・後遺障害部分/・介護が必要な場合(自賠責法別表第1)は4,000万~3,000万円
・その他の後遺障害の場合(自賠責法別表第2)は、1級から14級の後遺障害等級に応じて3,000万円~75万円です。

自賠責法別表第1

等級 保険金額
第1級 4000万円
第2級 3000万円

 
自賠責法別表第2

等級 保険金額
第1級 3000万円
第2級 2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円
第5級 1574万円
第6級 1296万円
第7級 1051万円
第8級 819万円
第9級 616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級 75万円

参考情報:国土交通省「自賠責保険(共済)の限度額と保障内容」

弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の計算

弁護士(裁判)基準の場合は計算式ではなく、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出します。

※算定表は、ケガの程度によって「軽傷用」と「重傷用」があります。

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなどの軽傷用)>

 
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(重傷用)>

ここでも、1か月の入院+5か月の通院の場合で考えてみます。

上記の「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院5か月」が交わった部分を見てください。
「141」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は141万円になります。

この条件では、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、4倍以上も慰謝料が変わってきます。
こうした事実を被害者の方には、ぜひ知っていただきたいと思います。

やはり、慰謝料は、弁護士(裁判)基準で解決するべきなのです。

詳しい解説はこちら

自賠責保険の金額・手続と計算

後遺障害慰謝料の計算方法と金額

後遺障害慰謝料の計算方法と金額

自賠責基準と弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の計算

後遺障害慰謝料は、被害者の方が認定された後遺障害等級に応じて、あらかじめ相場金額が定められています。

ただし、これは後ほど詳しくお話しますが、あくまでも相場金額であって絶対ではありません

実際の損害賠償実務では、慰謝料額が増額することはよくあるので注意が必要です。

ここでは、自賠責基準と弁護士(裁判)基準それぞれによる、後遺障害等級1級から14級までの「後遺障害慰謝料早見表」を参考にしてください。

<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の金額表>

ここでも注目していただきたいのは、基準の違いによる金額の差です。
たとえば、12級で比較してみると、弁護士(裁判)基準と自賠責基準では3倍以上も金額に差があるのです。

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慰謝料増額事由がある場合は弁護士に相談を!

交通事故の状況によっては、被害者の方やご遺族の精神的苦痛、損害がより大きいと判断され、後遺障害慰謝料と死亡慰謝料が増額するケースがあります。

次のような事情がある場合は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

1.加害者の悪質運転(故意や重過失がある場合)

  • ・著しいスピード違反
  • ・飲酒運転
  • ・ながら運転
  • ・薬物使用
  • ・無免許運転
  • ・信号無視
  • ・センターラインオーバー
  • ・ひき逃げ(救護義務違反) など

 

2.被害者の方に特別な事情がある場合
過去の裁判例では、次のような事例があります。

  • ・交通事故による傷害(ケガ)が胎児にも影響し、人工中絶を余儀なくされた。
  • ・腕や脚、指などの運動機能に麻痺の後遺症が残り、将来の夢が絶たれた。
  • ・後遺障害を負ったことで、肢体障害を持つ家族の介護などができなくなった。
  • ・交通事故で負った後遺障害が原因となり、婚約破棄や離婚に至った。
  • ・被害者がまだ幼い
  • ・ご遺族の精神的ショックが大きく、精神疾患を患ってしまった。 など

 

3.加害者の態度が悪質な場合

  • ・被害者や遺族への謝罪がない。
  • ・被害者や遺族に対して悪態をつく。
  • ・警察に虚偽の供述をした。 など

 

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交通事故の慰謝料増額ケースを実例で解説

ここでは、みらい総合法律事務所で実際に解決した慰謝料増額の実例をご紹介します。

示談交渉はどのように進むのか。また弁護士が交渉に入ると、どのくらい増額するのか、参考にしていただければと思います。

増額実例1.54歳女性の慰謝料などが約2.4倍に増額

【交通事故の概要】
・バスの交通事故により、乗車中だった54歳の女性が頸椎捻挫(むち打ち症)の後遺症を負った交通事故。
・後遺障害等級14級9号が認定され、加害者側の任意保険会社から約138万円の示談金(損害賠償金)が提示。
・この金額が妥当なものかどうか確認するため、被害者の方がみらい総合法律事務所の無料相談を利用し、示談交渉を依頼。

【示談交渉の結果】
・加害者側の任意保険会社は、自賠責基準による慰謝料と逸失利益を主張。
・そこで弁護士が交渉した結果、最終的に弁護士(裁判)基準による金額を保険会社が受け入れ、約318万円で解決。
・保険会社の当初提示額から約2.4倍に増額。

 

増額実例2.55歳男性の慰謝料などが約7倍に増額
【交通事故の概要】
・道路を歩いて横断していた55歳の男性が、直進車に衝突された交通事故。
・被害者男性は前額部瘢痕(はんこん)などを残し、後遺障害等級12級14号が認定。
・示談交渉を行なった結果、被加害者側の任意保険会社は約48万円を提示。
・保険会社の担当者から、「弁護士ではないので、弁護士(裁判)基準による金額は提示できない」と言われたため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、示談交渉を依頼。

【示談交渉の結果】
・弁護士が保険会社と交渉して、計算基準を弁護士(裁判)基準に引き上げたうえで、過失割合を15%から10%に譲歩させることに成功。
・当初提示額から約7倍増額の340万円で解決となった。

 

増額実例3.65歳男性の慰謝料などが相場より2割増額

【交通事故の概要】
・自動車を運転していた65歳の男性(会社役員)が、対向車線を逆走してきた自動車に衝突された交通事故。
・加害者は無免許で、かつ危険ドラッグ使用して運転操作が困難な状態だった。
・被害者男性は、右肘関節機能障害、左手関節機能障害、右下肢感覚障害などの後遺症が残り、後遺障害等級は併合8級が認定された。
・被害者男性は、示談交渉は弁護士に任せたほうがいいと判断し、みらい総合法律事務所に依頼した。

【示談交渉の結果】
・弁護士は、加害者が危険運転致傷罪に問われるほど悪質な危険運転であることを主張し、通常、示談交渉では認められにくい慰謝料増額を加害者側の任意保険会社に認めさせることに成功。
・相場より2割増額の慰謝料などを含め、最終的に約1,856万円で解決となった。

 

増額実例4.50歳男性の慰謝料などが異議申立で約4.3倍に増額

【交通事故の概要】
・横断歩道を歩行中の50歳の男性(会社役員)が、右折してきた自動車に衝突された交通事故。
・被害者男性は、右足指欠損、右足指機能障害、右足底部知覚鈍麻などの後遺症が残り、後遺障害等級は併合9級が認定された。
・被害者男性が加害者側の任意保険会社と交渉した結果、示談金は約609万円になったが、金額が妥当なものかどうか確認するため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。
・弁護士の見解は、「後遺障害等級が間違っており、低い可能性がある」というものだったため、異議申立を弁護士に依頼。
・異議申立の結果、後遺障害等級が併合8級に上り、弁護士が提訴して裁判に突入した。

【示談交渉の結果】
・裁判では弁護士の主張が認められ、最終的に約4.3倍に増額し、慰謝料を含めた示談金は2,600万円で解決した。

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死亡慰謝料の計算方法と金額

死亡慰謝料の計算方法と金額

自賠責基準による死亡慰謝料

自賠責基準による死亡慰謝料は、次の表のように相場金額が決められています。

「自賠責基準による死亡慰謝料の金額早見表」

家族構成 金額
本人 400万円(一律)
遺族が1人の場合 550万円
遺族が2人の場合 650万円
遺族が3人以上の場合 750万円
扶養家族がいる場合 200万円が加算

※遺族には被害者の方の両親、配偶者、子が含まれます。
※自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われることに注意が必要です。
たとえば、死亡した被害者の方に妻と子供2人がいて、一家の大黒柱として家族の生計を支えていた場合の死亡慰謝料の相場金額は次のようになります。

400万円+750万円+200万円=1350万円(死亡慰謝料)

弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料

弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額は、次の表のように大体の相場金額が決められています。

<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額早見表>

被害者の状況 死亡慰謝料の目安
(近親者への支払い分を含む)
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
独身の男女、子供、幼児等 2000万円~2500万円

死亡慰謝料の増額ケースを実例で解説

最後に、みらい総合法律事務所で実際に解決した、死亡慰謝料の増額実例をご紹介します。

死亡慰謝料の増額理由を弁護士が丹念に主張していくことで、増額が実現することが多くあるので、弁護士に相談・依頼することを検討していただきたいと思います。

増額実例1.83歳女性の慰謝料が増額して約2,909万円を獲得
【交通事故の概要】
・道路を横断していた83歳の女性が、直進してきた自動車に衝突された交通死亡事故。
・ご遺族が、みらい総合法律事務の無料相談を利用し、弁護士の説明に納得がいったため、示談交渉のすべてを依頼。

【示談交渉の結果】
・交渉の結果、死亡慰謝料の相場金額が上限の2,500万円で解決し、葬儀費用は上限以上に増額。
・最終的に、約2,909万円で解決した。

 

増額実例2.21歳男性の慰謝料などが約3,300万円増額

【交通事故の概要】
・道路上にいた21歳の男性が、直進してきた自動車に衝突された交通死亡事故。
・加害者側の任意保険会社は、ご遺族に示談金として約6,171万円を提示。
・ご遺族は、示談金の妥当性を確認するため、みらい総合法律事務の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼。

【示談交渉の結果】
・弁護士と保険会社の交渉は、保険会社が被害者男性が路上にいたことの過失割合を主張し、紛糾したため決裂。
・弁護士が提訴して、裁判では加害者の速度超過を主張。
・最終的には弁護士の主張が認められ、当初提示額から約3,300万円増額の9,500万円で解決に至った。

 

増額実例③78歳男性の慰謝料などが相場金額より増額して解決

【交通事故の概要】
・78歳の無職男性の交通死亡事故。
・ご遺族の希望は、加害者の刑事裁判への被害者参加と、できる限り高額の示談金での解決とのことで当初から、みらい総合法律事務所に示談交渉を依頼。

【示談交渉の結果】
・刑事裁判への被害者参加後、弁護士が示談交渉に入り、加害者の飲酒・ひき逃げ運転による慰謝料等の増額を主張。
・最終的には弁護士の主張が認められ、相場金額より高額の2,800万円の慰謝料が認めた。
・また、損害賠償金も弁護士(裁判)基準での金額が認められ、最終的に3,200万円で解決した。

 

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