40代の交通事故(死亡、後遺障害)の慰謝料額の計算
交通事故の被害者の方は損害賠償金を受け取ることができます。
加害者が任意保険に加入している場合は通常、その保険会社から示談金として提示があり、その金額に納得がいくなら示談成立、不服なら示談交渉を行なっていきます。
慰謝料とは、さまざまある損害賠償項目の中の1つで、もっとも金額が大きくなるものの1つです。
そのため、加害者側との示談交渉では争点になることが多いものです。
本記事では、後遺障害が残った場合や死亡事故などの被害者の方が40代の場合の慰謝料について解説していきますが、基本となる知識や計算方法などを詳しくお話していきますので、ぜひ今後の参考にしていただければと思います。
これから、40代の方の交通事故(死亡、後遺障害)の慰謝料額の計算と注意ポイントについて解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。
みらい総合法律事務所の慰謝料等増額事例を解説
まず、あなたに知っていただきたいことは、実際の示談交渉の現実についてです。
みらい総合法律事務所では年間1,000件以上のご相談をいただいており、多くの事案で慰謝料などの増額を実現してきました。
豊富な解決実績の中から、ここでは40代の被害者の方の慰謝料等増額事例をご紹介します。
・示談交渉では、どのようなことが行なわれているのか。 |
・加害者側の保険会社は、どういった主張をしてくるのか。 |
・弁護士が示談交渉に入ると、どのように増額解決するのか。 |
40代の被害者の方やご遺族には、今後の示談交渉や弁護士への相談・依頼などの際の参考にしていただきたいと思います。
解決事例①40歳男性の慰謝料等が約6,320万円増額して約8,971万円で解決
引用元:みらい総合法律事務所
40歳の男性が自動車を運転中、後方から追突されて頚環軸骨折などの傷害(ケガ)を負った交通事故。
治療をしましたが症状固定により後遺症が残り、後遺障害等級は8級と14級の併合8号が認定され、加害者側の任意保険会社は既払い金を除き、慰謝料などの損賠賠償金として約2,651万円を被害者の方に提示してきました。
この金額に疑問を感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉を開始しましたが決裂したため提訴。
保険会社は「後遺障害等級が間違っている」と主張しましたが、最終的には裁判所が弁護士の主張を認め、後遺障害等級8級を前提として、約8,971万円を認定しました。
保険会社の提示額から約6,320万円増額の約3.38倍で解決した事例です。
こちらは動画でも詳しく解説しています。
詳細はこちら→
「解決実績」
解決事例②49歳男性の慰謝料等が約3.8倍に増額
ご相談者 49歳男性 部位 脊柱 ご相談の経緯 被害者は保険会社と交渉後、示談交渉をみらい総合法律事務所に依頼。
症状 脊柱変形 後遺障害等級 11級7号 保険会社
提示の示談金522万4100円 解決額 2006万2075円
引用元:みらい総合法律事務所
40歳の男性が高速道路を走行中、後方から加害車両に追突された交通事故。
被害者の方には脊柱変形の後遺症が残り、後遺障害等級11級7号が認定され、加害者側の任意保険会社と交渉をしたところ、約522万円の損害賠償金を提示されました。
この金額に疑問を感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、弁護士の説明に納得がいったことで示談交渉を依頼。
弁護士が保険会社と交渉した結果、最終的に示談金が約2,006万円で解決した事例です。
約1,500万円アップで、約3.8倍に増額したことになります。
詳細はこちら→
「解決実績」
解決事例③46歳男性の慰謝料等が異議申立で約4.7倍に増額
46歳の男性が自転車で走行中、対向してきたバイクに衝突され、第三腰椎圧迫骨折の傷害(ケガ)を負った交通事故。
被害者の方には脊柱変形の後遺症が残ってしまい、後遺障害等級11級が認定され、加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約388万円を提示してきました。
被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士から「後遺障害等級が間違っている可能性があるので、異議申立するべき」との意見があったため、異議申立の申請から示談交渉までのすべてを依頼されました。
弁護士が異議申立を申請すると8級にアップ。
その後、保険会社との交渉に入りましたが決裂したため提訴して、裁判での決着に移行。
最終的に裁判所は弁護士の主張を認め、約1,819万円が認めらました。
保険会社の当初提示額から約1,430万円増額の約4.7倍で解決した事例です。
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「解決実績」
解決事例④41歳女性の慰謝料等で約1億1,000万円を獲得
ご相談者 41歳女性 ご相談の経緯 被害者は、自分で示談交渉するのは困難と考え、みらい総合法律事務所に示談交渉を依頼。
症状 多数の後遺障害 後遺障害等級 併合3級 解決額 1億1019万円
引用元:みらい総合法律事務所
41歳の専業主婦の女性が自動車を運転中、センターラインオーバーの対向車に衝突された交通事故です。
被害者の方は全身に多数の後遺障害を負い、後遺障害等級は併合3級が認定され、ご自身では示談交渉は困難と考えたため、みらい総合法律事務所の弁護士に一任されました。
弁護士が加害者側の任意保険会社と交渉を開始し、。
被害者の方の将来介護費用を求めましたが、保険会社が拒否したため提訴。
最終的に裁判では将来介護費用が認められ、1億1,019万円で解決したものです。
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「解決実績」
解決事例⑤49歳女性の慰謝料等が3,100万円の増額
引用元:みらい総合法律事務所
49歳の女性(主婦)が自動車を運転中、対向車がセンターラインオーバーをして衝突してきた交通死亡事故です。
加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約3,939万円を提示しましたが、この金額は低いと感じたご遺族が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士と保険会社の交渉が決裂したため、最終的には裁判での判決となり、約3,100万円増額の約7,060万円で解決した事例です。
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「解決実績」
解決事例⑥40代男性の慰謝料等が増額して約9,490万円で解決
被害者 40代 男性 事例 死亡事故 ご相談の経緯 ご遺族は、当初よりみらい総合法律事務所の弁護士に刑事・民事をあわせて依頼。
解決額 9490万0964円
引用元:みらい総合法律事務所
40代の男性が酒に酔い、路上で寝ていたところをひき逃げされた交通死亡事故。
ご遺族は当初から、みらい総合法律事務所に事件対応を依頼し、刑事事件への被害者参加制度を利用。
刑事事件の終了後に弁護士が訴訟を提起し、裁判に突入しました。
裁判で弁護士は、「事故は加害者の悪質性が高く、慰謝料は相場より増額されるべき」と主張し、次のように慰謝料の大幅増額が認められました。
・本人分:3,000万円(相場金額2,800万円)
・妻と子の近親者慰謝料:400万円
・合計3,400万円(相場金額から600万円ほど増額)
結果的に、慰謝料などの損害賠償金として約9,490万円が認められた事例です。
詳細はこちら→
「解決実績」
知らないことが損害となる!慰謝料の基礎知識
交通事故の慰謝料は全部で4種類
慰謝料というと、1つのまとまったものと思っている方もいるでしょう。
ところが、交通事故の慰謝料には次の4種類があります。
①入通院慰謝料(傷害慰謝料)
傷害(ケガ)を負い、治療のために入院・通院した際に被った精神的苦痛や損害に対して支払われる。
②後遺障害慰謝料
- ・治療をしたものの、症状固定後に後遺障害が残ってしまった場合の精神的苦痛や損害に対して支払われる。
- ・後遺障害慰謝料は、認定された等級の違いや計算基準の違いによって金額が大きく変わってくる。
③死亡慰謝料
- ・被害者の方が死亡したことで受けた精神的苦痛や損害に対して支払われる。
- ・被害者の方はすで亡くなっているため、受取人はご家族などの相続人になる。
- ・法的に相続人の順位や分配割合が規定されている。
④近親者慰謝料
- ・被害者の方の近親者(家族など)が被った精神的苦痛や損害に対して支払われる。
- ・ご家族が亡くなった場合や重度の後遺障害が残り、将来に渡った介護が必要な場合などに認められる。
ご自身が受け取ることができる慰謝料を把握しておくことは大切です。
たとえば、次のようなケースでは複数の慰謝料を受け取ることができます。
ケガの治療のために入院・通院したものの、その後に症状固定となり後遺症が残ってしまった場合
⇒入通院慰謝料+後遺障害慰謝料
交通事故の発生後に入院し、その後に亡くなった場合
⇒入通院慰謝料+死亡慰謝料
慰謝料と示談金、損害賠償金の違いとは?
交通事故の被害者の方は、慰謝料以外にも治療費や逸失利益、将来介護費などさまざまな損害項目について賠償を受け取ることができます。
ところで、交通事故の損害賠償では示談金や損害賠償金などの用語がでてきますが、これらは何が違うのでしょうか?
「損害賠償金」
被害者側から見た場合、加害者から被った損害について金銭的に賠償してもらうもの。
「示談金」
被害者側と加害者側(任意保険会社)の示談によって賠償金額が合意され、加害者側から被害者側に支払われるもの。
「保険金」
加害者側の任意保険会社の立場から見た場合、加害者との保険契約に基づいて被害者に支払うもの。
このように、これらはすべて同じものなのですが、それぞれの視点や立場の違いによって呼び方が変わり、状況によって使い分けられているのです。
つまり、こういうことです。
☑慰謝料というのは、さまざまある損害賠償項目の1つ。
☑慰謝料を含め、その事故の損害賠償で被害者の方に該当する項目を合計したもの=損害賠償金を、加害者側の任意保険会社は被害者の方に対して「示談金」として提示してくる。
☑この金額に納得がいけば示談成立、不服なら示談交渉に入る。
☑最終的に示談で金額が合意されれば、加害者側の保険会社は被害者の方に対して、示談金(損害賠償金・保険金)を支払う。
☑示談交渉が決裂した場合は、裁判に進み決着を図る。
交通事故の慰謝料を増額させるために必要なこと
保険会社の提示額が極端に低い理由
加害者側の任意保険会社が提示してくる慰謝料などの示談金額が低いのには理由があります。
①保険会社は利益を追求するから
保険会社が株式会社の場合、その運営目的は利益の追求です。
ボランティア活動をしているわけではないので、保険会社は売上を増やし、支出をできるだけ減らそうとします。
そのため、被害者の方に支払う示談金(損害賠償金・保険金)を低く見積もってくるのです。
【動画解説】あなたの慰謝料が少ない5つの理由。弁護士解説
引用元:みらい総合法律事務所
慰謝料額は計算基準によって大きく変わる
慰謝料などの示談金を算定する際、次の3つの基準が使われます。
①自賠責基準
自賠責保険で定められている算定基準で、もっとも金額が低くなる。
②任意保険基準
各任意保険会社が独自に設けている基準(各社非公表)で、自賠責基準より少し高い金額になるように設定されている。
③弁護士(裁判)基準
- ・金額がもっとも高額になる基準で、被害者の方が本来受け取るべき金額になる。
- ・過去の膨大な裁判例から導き出されている基準で、弁護士や裁判所が用いる。
- ・弁護士が被害者の方から依頼を受けて加害者側の任意保険会社と示談交渉をする際や、提訴して裁判になった場合に主張する。
保険会社は示談金を低く抑えるために、自賠責基準や任意保険基準で計算した金額を提示してきます。
そのため、被害者の方が受け取るべき適正な金額との差が大きくなってしまい、示談交渉が長引いてしまうことがよくあるのです。
ですから、被害者の方は弁護士(裁判)基準での解決を目指していくことが重要になってくるのです。
入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算方法
自賠責基準による入通院慰謝料の計算と注意ポイント
自賠責基準による入通院慰謝料の計算と注意ポイント
ここで注意が必要なのは、入通院日数(治療の対象日数)については、次のどちらか短いほうが採用されることです。
B)「実際に治療した日数×2」
例として、ここでは次の条件で計算してみます。
・治療期間:4か月(1か月の入院+3か月の通院)=120日間
・実際に治療した日数:1か月入院=30日間
3か月の通院のうち平均で週に2回の通院=13週×2日=26日間
A)4,300円×120日=516,000円
B)4,300円×(30日+26日)=240,800円
この場合、日数が短いB)が採用されるので、240,800円が入通院慰謝料として認められることになります。
弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の計算方法
弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定では計算式は使わず、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出します。
この算定表には、ケガの程度によって「軽傷用」と「重傷用」があります。
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなどの軽傷用)>
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(重傷用)>
ここでも、自賠責基準での計算例と同条件(1か月の入院+3か月の通院)で金額を割り出してみます。
「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院3か月」が交わった部分を見ると、「115」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は「115万円」になります。
このように、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では慰謝料額が大きく違ってくることをまずは知っていただきたいと思います。
後遺障害慰謝料の計算方法と相場金額早見表
被害者の方に後遺症が残ってしまった場合は、ご自身の後遺障害等級が認定されることで後遺障害慰謝料を受け取ることができます。
後遺障害慰謝料は認定された後遺障害等級によって金額が変わってきます。
次の早見表では、自賠責基準と弁護士(裁判)基準について、等級別の概ねの相場金額を表示しています。
<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の金額表>
このように、後遺障害慰謝料も弁護士(裁判)基準で算定した金額のほうが高額になることを知っていただきたいと思います。
死亡慰謝料の相場金額早見表
自賠責基準の場合の相場金額
自賠責基準による死亡慰謝料は、次のように概ねの相場金額が決められています。
家族構成 | 金額 |
---|---|
本人 | 400万円(一律) |
遺族が1人の場合 | 550万円 |
遺族が2人の場合 | 650万円 |
遺族が3人以上の場合 | 750万円 |
扶養家族がいる場合 | 200万円が加算 |
※「遺族」には、亡くなった被害者の方の両親、配偶者、子が含まれる。
自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われることに注意してください。
被害者の方(40代)が家族の生計を支えていて、妻と2人の子供がいる場合の死亡慰謝料の相場金額(合計)は次のようになります。
400万円(本人分) + 750万円(遺族3人分) + 200万円(扶養家族分) = 1350万円
弁護士(裁判)基準の場合の相場金額
被害者の状況 | 死亡慰謝料の目安 (近親者への支払い分を含む) |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
母親、配偶者 | 2500万円 |
独身の男女、子供、幼児等 | 2000万円~2500万円 |
40代で家族の生計を支えていた方の場合の相場金額は2,800万円になります。
死亡慰謝料も自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、金額に2倍以上の差があることに注意してください。
なお、上記金額はあくまでも相場金額です。
事故の態様や被害者の方の固有の事情などによって、さらに増額する可能性があります。
加害者の悪質運転などの慰謝料増額理由がある場合は一度、弁護士に相談されることをおすすめします。
交通事故の慰謝料が争点になったら弁護士に相談を!
交通事故で被害者の方やご遺族が適切な慰謝料を受け取るには、加害者側の保険会社という手強い相手がいることがわかりました。
彼らは損害保険のプロですから、示談金を少しでも低く抑えるために、被害者の方の過失割合を高く見積もったり、逸失利益を低く見積もったり、さまざまな理由を主張してきます。
被害者の方は、それらに対して正しい計算方法で慰謝料や逸失利益を計算し、正しい過失割合を主張し、立証して認めさせていかなければいけません。
しかし、シビアな金額交渉の経験のない方には難しいことだと思います。
そこで心強いパートナーになるのが交通事故に強い弁護士という存在です。
冒頭で、みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例をお伝えしましたが、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼すると、さまざまなメリットが得られます。
☑ご自身の正しい後遺障害等級を知ることができる。
☑等級が間違っていたら、異議申立を依頼して正しい等級認定を受けることができる。
☑適正な過失割合がわかり、慰謝料などの損害賠償金を適切に算定してもらえる。
☑結果的に慰謝料などの損害賠償金の増額が可能になる。
☑裁判を起すことで、さらに損害賠償金が増額する場合がある
☑加害者側の任意保険会社との難しい示談交渉から解放される。
被害者の方やご遺族から依頼を受けた弁護士は、適切な慰謝料などの損害賠償金を獲得するために、加害者側の任意保険会社と交渉を進め、決裂した場合は提訴して裁判での決着を図ることができます。
なお、示談交渉が長引いて、なかなか合意できないような場合は、時効消滅により慰謝料請求権がなくなってしまう可能性もあります。
慰謝料でお困りの場合は、まずは一度、みらい総合法律事務所の無料相談をご利用ください。