交通死亡事故での慰謝料相場と慰謝料以外にも請求できるお金
交通死亡事故の慰謝料は相場から大幅に増額される!
目次
交通死亡事故で被害者の方が受け取ることができる慰謝料の相場金額、さらには慰謝料以外に請求できる損害賠償項目などについて解説していきます。
交通事故の慰謝料には4つの種類があります。
交通事故で被害者の方が受け取ることができる慰謝料は1つではありません。
じつは4種類の慰謝料があるのです。
交通死亡事故の慰謝料は亡くなった被害者の方に支払われます。
ただし、受取人はご遺族になります。
そして、誰もが受け取ることができるわけではありません。
慰謝料の受け取りでは、注意するべきポイントがあります。
慰謝料には適切な相場金額というものがあります。
慰謝料には適切な相場金額があるのですが、その金額を受取っていない被害者やご遺族が多くいらっしゃるという現実があります。
正しい慰謝料額を受け取ることが大切です。
慰謝料以外にも受け取ることができる損害賠償項目があります。
交通死亡事故のご遺族が受け取ることができるのは慰謝料だけではありません。
さまざまな損害賠償項目があるので、漏らさず請求して受け取るようにしましょう。
慰謝料は計算基準によって金額が増減します。
ということは、もっとも金額が高くなる基準で計算するべきだということを覚えておいてください。
本記事では、これらのポイントを中心に、交通死亡事故のご遺族が注意するべきポイントについてもお話しします。
これから、交通死亡事故の慰謝料の相場金額やそれ以外にも請求できる損害賠償項目について解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。
交通事故で受け取ることができる慰謝料は4種類
交通事故の被害者の方が受け取ることができるものとして、慰謝料をご存じの方は多いと思います。
ところで、この慰謝料は1つではありません。
被害者の方が受け取ることができる3つの慰謝料と、近親者(ご家族)が受け取ることができる慰謝料の計4つの種類があることを知っておきましょう。
入通院慰謝料(傷害慰謝料)
被害者の方が傷害(ケガ)により入通院したことで被った精神的損害に対して支払われるもの。
【交通事故】入通院慰謝料は1日いくら?通院6か月目の相場金額は?
後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)
ケガが完治せず症状固定し、被害者の方に後遺症(後遺障害)が残った場合に支払われるもの。
交通事故の入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を解説
死亡慰謝料
被害者の方が死亡した場合に、その精神的苦痛に対して支払われるもの。
被害者の方は亡くなっているので、受取人は相続人になる。
【交通死亡事故】慰謝料請求…ご家族がやるべきことは?
近親者慰謝料
被害者の方の近親者(家族など)が被った精神的苦痛・損害に対して支払われるもので近親者固有の慰謝料とも呼ばれる。
参考記事:【近親者慰謝料】被害者の家族が受け取れる固有の慰謝料
被害者の方が亡くなった場合、ご遺族が受け取る事ができるのは死亡慰謝料ですが、その他に近親者慰謝料を受け取ることができる場合があります。
また、被害者の方が交通事故後に入院し、その後に亡くなった場合はその分の入通院慰謝料を受け取ることができます。
慰謝料の算定には次の3つの基準が使われており、どの基準で計算するかによって金額が大幅に変わってきます。 自賠責保険による基準で、もっとも金額が低くなる(自賠法により、自賠責保険が被害者への最低限の補償をするものと定められているため)。 各損害保険会社が独自に設定している基準で、自賠責基準より少し高い金額が算定される。 なぜかというと、自賠責基準の金額内であれば、任意保険会社はその金額をまず被害者の方に支払った後、自賠責保険に請求して受け取ることができる制度があるためです。 これなら、任意保険会社は自らの支出はしなくて済みます。 保険会社というのは利益を追求する営利法人ですから、収入を増やして支出を抑えようとします。 そのため、本来であれば被害者の方が受け取るべき金額よりも2分の1,3分の1、場合によってはさらに低い金額を提示してくるわけです。 ですから、被害者の方やご遺族は加害者側の保険会社が言うことを鵜呑みにしてはいけません。 「大手の保険会社が言うのだから間違いはないのだろう」などと思わないでください。 低い慰謝料の裏には、さまざまな理由、思惑があるのですから。 そのため、交通事故の慰謝料などについて、個別に細かく算定しいていくと膨大な時間がかかってしまい、被害者の方が受け取るのが遅くなってしまうという問題が起きてしまいます。 そのため、死亡慰謝料は被害者の方の家庭での立場などによって、あらかじめ相場金額が決められています。 ただし、どの基準で算定するかによって金額は大きく変わってきます。 ※ご遺族が被扶養者の場合は上記の金額に200万円が上乗せされる。 なお、被害者の方が死亡した場合、自賠責保険の保険金額の上限は3000万円になります。 この金額を超えた分、つまりご遺族にとっては不足分がある場合は任意保険会社と交渉していくことになります。 任意保険基準は各社非公表のためこれまでの経験からの推定金額になりますが、被害者の方の家庭での立場や属性などによって金額が変わってきます。 弁護士基準による死亡慰謝料の相場金額も被害者の方の家庭での立場や状況によって次のように変わってきます。 「弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額」 状況により、次のような事情がある場合は慰謝料が増額する可能性あります。 加害者側の任意保険会社から慰謝料などの提示があった場合は、金額をよく確認するようにしましょう。 前述したように、死亡慰謝料は亡くなった方の精神的苦痛、損害に対して支払われるものですが、受取人はご遺族となります。 ただし、ご遺族といっても受取人の順位が決まっており、これは法的な相続人の順位になります。 相続人の順位は次のようになります。 第1位:子 なお、配偶者はつねに相続人になります。 分配の割合など詳しいことは、こちらのページを参考にしてください。 保険会社は自社の都合、基準、主張をもとに算定した慰謝料を被害者側に提示しているだけです。 つまり、絶対的に正しい慰謝料額ではない、ということですね。 ですから、死亡事故の被害者のご遺族は、正しい相場金額である弁護士(裁判)基準で算定した慰謝料を主張していけばいいのです。 ただ、正確な金額を算定し、保険会社と交渉して認めさせるのは被害者のご遺族にとっては、かなり難しいことになります。 保険会社は裁判にならなければ、被害者側の主張は認めなくてもいいと思っているふしがあり、いくらご遺族が交渉してもなかなか希望通りには進まないという現実があります。 ですから、まずは一度、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。 みらい総合法律事務所では随時、無料相談を受け付けています。 無料相談を利用すれば出費は抑えられますし、弁護士の説明を聞いて納得できたなら、正式に依頼をすればいいので安心だと思います。 次に、死亡慰謝料以外にご遺族が受け取ることができる損害賠償項目についてお話しします。 慰謝料と損害賠償金(状況によって保険金、示談金ともいいます)が同じものと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、慰謝料は損害賠償金の一部ということになります。 これからお話しする、さまざまな損害賠償項目を合計したものが、ご遺族が受け取ることができる金額ということになります。 死亡逸失利益は、次の計算式で求めます。 (年収)×(就労可能年数に対するライプニッツ係数)×(1-生活費控除率)=(死亡逸失利益)
逸失利益は交通事故の損害賠償項目の中でも金額が大きくなる項目の1つですから、正しい金額を算出することが大切です。 最終的に判決までいった場合、裁判で認められた損害賠償金額の10%程度を相当因果関係のある損害として、弁護士費用相当額が加算されます。 また、さらに遅延損害金というものも加算されるので、ご遺族が受け取る金額は増額することになります。 「裁判まではしたくない」というご遺族もいらっしゃるともいますが、このように大きな利点もあることは知っておいていただきたいと思います。 以上、交通死亡事故の慰謝料の正しい相場金額や請求できる損害項目などについてお話ししました。 交通事故を弁護士に相談・依頼することで、ご遺族は煩わしい示談交渉から解放され、慰謝料なども増額する可能性が非常に高くなります。 まずは一度、ご相談いただければと思います。自賠責基準
任意保険基準
弁護士(裁判)基準
なぜ保険会社は相場より低い慰謝料を提示してくるのか?
加害者側の任意保険会社は通常、自賠責基準や任意保険基準で計算した慰謝料を被害者の方に提示してきます。死亡慰謝料の正しい相場金額を知る
交通事故の態様、状況はすべてが違い、1つとして同じものはありません。自賠責基準による死亡慰謝料の相場金額
自賠責基準による死亡慰謝料は、被害者本人の死亡慰謝料と、ご家族などの近親者慰謝料の合算として扱われます。被害者本人:400万円(一律)
ご遺族:配偶者・父母・子の人数によって変わる。
※父母には、養父母も含む。
※子には、養子・認知した子・胎児も含む。
自賠責保険の慰謝料はいくら?手続と計算【死亡事故】
任意保険基準による死亡慰謝料の相場金額
一家の支柱(一家の生計を立てている者)
1500~2000万円
専業主婦(主夫)・配偶者
1300~1600万円
子供・高齢者など
1100~1500万円
弁護士基準による死亡慰謝料の相場金額
被害者が一家の支柱の場合
2800万円
被害者が母親・配偶者の場合
2500万円
被害者がその他の場合(子供・高齢者など)
2000万~2500万円
慰謝料が増額する場合とは?
ただし、上記の金額はあくまでも相場です。1.加害者に重過失や故意があった場合
2.加害者の態度が悪い場合
3.被害者や遺族の精神的苦痛が大きい場合
ご遺族が知っておくべき死亡慰謝料の注意ポイント
ここからはご遺族がおさえておくべき死亡慰謝料のポイントを解説いたします。死亡慰謝料は誰が受け取ることができるのか?
第2位:親
第3位:兄弟姉妹
【死亡事故の相続の分配】誰が慰謝料・損害賠償金をもらえるのかを解説
死亡慰謝料は弁護士(裁判)基準で主張していくべき
ところで、慰謝料は誰が算定しているのかといえば、加害者側の任意保険会社です。
交通事故示談を弁護士に相談すべき理由と注意点
死亡慰謝料以外に受け取ることができる損害賠償項目
(1)葬儀関係費
自賠責保険から支払われるのは定額で60万円ですが、これを超えた場合、「社会通念上、必要かつ妥当な実費」として100万円までが認められます。
加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は、おおよそ120万円以内です。
弁護士に依頼して訴訟を起こした場合、裁判で認められる金額は150万円が上限になります。
(2)死亡逸失利益
被害者の方が生きていれば将来に得られたはずのお金、収入を逸失利益といいます。(3)弁護士費用
加害者側の任意保険会社との示談交渉が決裂することはよくあることですが、その場合、ご遺族としては弁護士に依頼して訴訟、裁判での決着という流れで進んでいきます。