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外貌醜状の後遺障害等級認定と解決事例

最終更新日 2024年 07月12日

醜状障害

醜状障害には、外貌醜状、上下肢の醜状障害、日常露出しない部位の醜状障害があります。

外貌醜状の外貌とは、頭部、顔面部、頚部など、上肢および下肢以外の日常露出する場所をいいます。

上下肢の醜状障害の上肢は、上腕(肩関節以下)から指先まで、下肢は、大腿(股関節以下)から足の背までをいいます。

日常露出しない部位の醜状障害は、胸部、腹部、背部、臀部などです。

自賠責後遺障害等級認定の対象となる外貌醜状は、「他人をして醜い」と感じさせる程度でなければならないので、線状痕や瘢痕があったとしても、眉毛や頭髪等に隠れる部分については醜状とは取り扱われません。

頭蓋骨の手のひら大以上の欠損により、頭部の陥没がある場合で、脳に神経症状が生じている場合は、外貌醜状の等級と神経症状の等級のどちらか高い等級が認定されます。

外貌醜状の後遺障害等級


外貌醜状で認定される後遺障害等級としては、次のとおりとなります。

・7級12号(外貌に著しい醜状を残すもの)

・9級16号(外貌に相当程度の醜状を残すもの)

・12級14号(外貌に醜状を残すもの)

「外貌」とは、頭部、顔面部、頚部のように、上肢および下肢以外の日常露出する部分です。

胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すものには14級相当が認定され、2分の1以上の範囲に瘢痕を残すものには12級相当が認定されます。

7級12号「著しい醜状」

次のもののうち、人目に付く程度以上のもの

①頭部については手のひら大(指の部分は含みません。以下同じ。)以上の瘢痕または頭蓋骨の手のひら大以上の欠損

②顔面については、鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没

③頚部については、手のひら大以上の瘢痕

9級16号の「相当程度の醜状」

顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目に付く程度以上のものを指します。

12級14号「醜状」

次のもののうち、人目に付く程度以上のもの。

①頭部については、鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損

②顔面部については、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕

③頚部については、鶏卵大面以上の瘢痕

12級相当

①上肢または下肢に、手のひらの大きさを相当程度超える瘢痕、つまり、手のひらの大きさの3倍程度以上を残した場合

②胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の2分の1以上の範囲に瘢痕を残すもの

14級4号

上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残す場合

上肢又は下肢の露出面とは、上肢にあっては、肘関節以下(下部を含む。)、下肢にあっては、膝関節以下(足背部を含む。)をいいます。

14級5号

下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残す

14級相当

胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの

瘢痕や線状痕が複数あって、それらが1個の瘢痕や線状痕と同程度以上の醜状と評価できるような場合は、それらの面積や長さを合算して等級の認定を行います。

認定手続では、損害調査事務所による面接調査が行われます。

自賠責の後遺障害認定は、原則として、労災補償の災害補償の障害認定基準に準拠すべきとされています。

【参考記事】
「外貌の醜状障害に関する障害等級認定基準について」厚生労働省

外貌醜状の逸失利益

外貌醜状の逸失利益の問題点

後遺症が残った場合には、障害のために、仕事に支障が生じ、将来の収入が減少することになります。

そこで、その収入の減少分を加害者に対して請求することになります。これを「逸失利益」といいます。

逸失利益の計算式は、(事故前年度の年収✕労働能力喪失率✕ライプニッツ係数)です。

ライプニッツ係数というのは、損害賠償金は将来の分を現時点で受け取るので、中間利息を差し引く、という考え方です。

ところが、外貌醜状の場合には、手足切断や関節可動域制限のように身体機能に障害が出るものではありません。

そこで、仕事への支障がないとして、加害者側からは、逸失利益の支払いを拒絶されることが多くなります。

しかし、過去の裁判例では、外貌醜状でも逸失利益を認めたものがあります。

後遺障害等級7級の事例

ラウンジ風飲食店、鍋料理専門店を経営する52歳の女性の交通事故です。

自賠責後遺障害等級は、外貌醜状7級、神経症状14級、眼科12級と14級の併合6級が認定されました。

裁判所は、事故による原告の外貌醜状の程度は著しいものであり、原告は飲食店を経営する接客業であり、業務の遂行に与える影響も大きいことからすると、労働能力に対する影響も無視できず、その他の神経症状も、事故の程度と原告の年齢に照らしても、外貌醜状とは別個に労働能力に対する影響も考えることができるとして、17年間60%の労働能力喪失を認めました(大阪地裁平成22年3月15日判決、出典:交通事故民事裁判例集43巻2号332頁)。

31歳女性の寿司職人の交通事故です。

右顔面の変形・醜形の外貌醜状により、自賠責後遺障害等級7級が認定されました。

裁判所は、各後遺障害(外貌醜状、味覚低下、複視、右感音難聴等)は、客と対面して寿司を握る寿司職人としての労働能力に重大な影響を与えることが明らかであるとして、36年間56%の労働能力喪失を認めました(東京地裁平成6年12月27日判決、出典:交通事故民事裁判例集27巻6号1892頁)。

25歳女性のアルバイトの交通事故です。

顔面の外貌醜状により、自賠責後遺障害等級7級が認定されました。

裁判所は、被害者が、本件事故により、左下眼瞼が右より下垂しており、笑ったときに左目が開いている、左鼻穴形態が右と異なり6cmの線状痕の後遺障害を負ったこと、本件事故当時喫茶店と、居酒屋で接客業のアルバイトをしていたことなどを理由として、42年間30%の労働能力喪失を認めました(大阪地裁平成17年9月21日判決、出典:交通事故民事裁判例集38巻5号1291頁)。

26歳女性の主婦の交通事故です。

オトガイ部瘢痕による外貌醜状により、自賠責後遺障害等級7級、歯牙損傷による14級の併合7級が認定されましたた。

裁判所は、主婦とはいえ全く影響がないとはいえず、ひきつれによる違和感があることなどから、41年間16%の労働能力喪失を認めました(東京地裁平成22年8月31日判決)。

後遺障害9級の事例

空港ラウンジで接客業に従事する契約社員である女性(33歳)の交通事故です。

自賠責後遺障害等級9級が認定されました。

裁判所は、化粧をしても正面から見て右頬の9センチの線状痕が残ことから、34年間35%の労働能力喪失を認めました(名古屋地裁平成26年5月28日判決、出典:自保ジャーナル1926号144頁)。

37歳女性の地方公共団体の嘱託職員で兼業主婦の交通事故です。

顔面に長さ5.6センチの線状痕及び1.6センチの線状痕の外貌醜状により自賠責後遺障害等級9級が認定されました。

裁判所は、後遺障害の内容・程度に加え、性別・職種・心理的影響に照らし、29年間25%の労働能力喪失を認めました(神戸地裁平成28年10月26日判決)。

12級の事例

2歳の女児の交通事故です。

自賠責後遺障害等級は、顔面の外貌醜状で12級14号が認定されました。

裁判所は、顔面の傷痕は今後改善される可能性もあるものの現時点での予想としては、今後も大差ない状態で残る蓋然性が高いと認めた上で、これにより女性である原告が将来就業する際に不利な要因として働き就職の機会の困難さを招く高度の蓋然性が認められ、この不利益は、就職、転職を問わず就業機会及びより多くの収入を得る機会を事実上制約する不利益な要素として、労働可能な限り存続すると予想される労働能力の一部喪失と評価されるべきものであるとして、18歳から67歳まで14%の労働能力喪失を認めました(福井地裁敦賀支部平成14年5月17日判決、交通事故民事裁判例集35巻3号686頁)。

29歳女性会社員の交通事故です。

顔面醜状による外貌醜状で自賠責後遺障害等級12級、下顎骨折に伴う左顎痛で12級12号、7歯欠損で12級3号の併合11級が認定されました。

裁判所は、外貌醜状により接客や対人関係の障害による就労への影響があるとして、21年間20%の労働能力喪失を認めました(東京地裁平成13年8月7日判決)。

12歳女性の小学生の交通事故です。

顔面線状痕及び陥没痕の外貌醜状により自賠責後遺障害等級12級が認定されました。

裁判所は、今後の進路ないし職業の選択、就業等において不利な扱いを受ける蓋然性があるとして、49年間5%の労働能力喪失を認めました(名古屋地裁平成24年11月27日判決)。

逸失利益を否定して慰謝料を増額した裁判例


外貌醜状で慰謝料を相場の金額より増額した裁判例として、以下のものがあります。

23歳婦人服販売員の女性の交通事故です。

下顎部線に4mm×1mmの線状痕が残り、自賠責後遺障害等級12級15号が認定されました。

裁判所は、給与及び賞与が一貫して上昇傾向にあり、事故2年後には9%を超える昇給があること、醜状痕が就労及び収入に現実的に影響を与えたと認めることはできないとして、逸失利益を否定しました。

しかし、後遺症慰謝料において、上記後遺症、他の外貌醜状(左肩胛骨周囲及び臀部ないし腰部の挫創痕、外傷性刺青。自賠責非該当)も考慮し、12級の一般的な慰謝料額の290万円より30万円増額した320万円を認定しました。(大阪地裁平成19年7月17日判決、出典:交民集40巻4号899頁)

症状固定時16歳の男性の交通事故です。定時制高校に通学しながら、派遣社員として工場員勤務をしていました。

自賠責後遺障害等級は、眉間上部の長さ約34mmの瘢痕拘縮(12級15号)、右足背部の長さ約34mmの瘢痕(14級5号)、右足指の可動域制限(11級9号)との併合10級が認定されました。

相場となる労働能力喪失率は、27%でしたが、裁判所は、醜状部分の労働能力喪失率を認めず、20%としました。

しかし、慰謝料が一般的な基準では傷害部分が180万円程度(入院約1.5カ月、総通院約7.5カ月)、後遺症部分が550万円の合計730万円程度のところ、傷害部分と後遺症部分をあわせて800万円と認定されています。(大阪地裁平成20年12月16日判決、出典:自保ジャーナル1797号)

5歳男児の交通事故です。

自賠責後遺障害等級は、顔面に3か所にわたり人目につく程度の線状痕で12級14号が認定されました。

裁判所は、具体的な線状痕については明らかではなく、これが改善されることも予想されること等の事情から、将来の労働能力に影響を与えるものと認めることはできないとして、逸失利益を否定しました。

しかし、慰謝料相場290万円のところ、440万円を認めました。(さいたま地裁平成22年6月25日判決、自保ジャーナル1836号)

みらい総合法律事務所の増額事例


8歳男子の交通事故で、頭部裂傷、右上腕骨骨幹部骨折などのケガで外貌醜状が残った事例がありました。

自賠責後遺障害等級認定は、12級14号でした。

被害者の両親が保険会社と交渉したところ、示談金額は、308万1441円となりました。

被害者男子の両親が、みらい総合法律事務所の弁護士に示談交渉を依頼しましたが、保険会社は外貌醜状を理由として、逸失利益を拒否しました。

そこで、裁判を起こした結果、裁判所は、逸失利益を認め、当初提示額の約3倍超となる950万円で解決しました。

【参考記事】
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【動画解説】交通事故で外貌醜状になった場合の後遺障害等級と解決事例

監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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