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交通事故の過失割合の修正要素をケース別に解説

最終更新日 2024年 04月12日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の過失割合の修正要素をケース別に解説

交通事故の過失割合は事故類型により一応の基本過失割合がありますが、具体的な事故の態様に応じて修正されます。

修正のもととなる事故の態様を「修正要素」といいます。

修正要素には過失割合が高くなるものと低くなるものがあり、正しく修正要素を取り入れないと、受け取ることができる損害賠償金の額が少なくなるので要注意です。

本記事では、交通事故における過失割合の修正要素を図表を用いて解説します。

過失割合の修正要素とは

過失割合の修正要素は、過失割合の比率が加算・減算される要素をいいます。

交通事故はいくつかの種類に分類することができ、それぞれに過失割合が定められていますが、同じ種類の事故でも態様は個々に違うため、修正要素を加味して過失割合を決めることになります。

<過失割合の主な修正要素>

事故の時間帯 ・夜間(日没から日の出)
事故発生の場所
  • ・幹線道路
  • ・歩車道の区別がない道路
  • ・見通しの悪い道路
  • ・住宅街
  • ・繁華街
  • ・人通りの激しい場所
被害者の属性
  • ・幼児
  • ・児童
  • ・高齢者
  • ・身体障害者
  •   ○車いす利用者
  •   ○視覚障害者
  •   ○聴覚障害者など
著しい過失
  • ・前方不注意
  • ・わきみ運転
  • ・運転操作不適切
  • ・携帯電話の使用
  • ・酒気帯び運転
  • ・速度違反
  •  (時速15㎞以上30㎞未満)
重過失
  • ・酒酔い運転
  • ・居眠り運転
  • ・無免許運転
  • ・正常な運転ができない状態
  • ・速度違反(赤切符)
  •  (時速30㎞以上)
事故状況
  • ・直前直後横断
  • ・歩行者の立ち止まり、後退
  • ・飛び出し
  • ・ふらつき運転
  • ・ふらつき歩行
車種 ・大型車

著しい過失」は、事故態様ごとに通常想定される程度を超えるような過失をいい、自動車であれば、わき見運転や速度違反(時速15㎞以上30㎞未満)などが著しい過失に該当します。

重過失」は、故意に起こした事故と同程度の扱いがされるものをいい、居眠り運転や無免許運転だけでなく、時速30㎞以上の速度違反についても重過失に分類されます。

交通事故に修正要素がある場合、過失割合の加算・減算を行うことになりますが、修正幅は修正要素の種類等によって異なります。

修正要素に重過失に該当するものがあれば過失割合は大幅に加算されますし、自動車だけでなく、バイクや自転車においても、著しい過失や重過失に問われる可能性があるので気を付けてください。

<自動車・バイクにおける主な過失の分類>

著しい過失
  • ・ わき見運転等
  • ・ 前方不注視
  • ・ ハンドル・ブレーキ操作不適切
  • ・ 携帯電話等での通話や画像を注視しながらの運転
  • ・ 時速15㎞以上30㎞未満の速度違反
  •  (高速道路を除く)
  • ・ 酒気帯び運転
  • ・ 一般道路におけるヘルメット不着用
  •  (バイクに限る)
重過失
  • ・ 酒酔い運転
  • ・ 居眠り運転
  • ・ 無免許運転
  • ・ 時速30㎞以上の速度違反
  •  (高速道路を除く)
  • ・ 過労や病気、薬物等の影響で、正常な運転ができないおそれがある状態での運転
  • ・ 高速道路におけるヘルメット不着用
  •  (バイクに限る)
  • ・ことさらに危険な体勢での運転
  •  (バイクに限る)

<自転車における主な過失の分類>

著しい過失
  • ・ 脇見運転
  • ・ 前方不注視
  • ・ 酒気帯び運転
  • ・ 二人乗り
  • ・ 無灯火
  • ・ 並進
  • ・ 傘を差すなどしてされた片手運転
  • ・ 携帯電話等での通話や画像を注視しながらの運転
  • ・ 右側通行
重過失
  • ・ 酒酔い運転
  • ・ 制動装置不良
  •  (ブレーキ未装着など)

交通事故の過失割合の考え方

交通事故の過失割合は、「基本過失割合」をベースに「修正要素」を加味して決定します。

基本過失割合は、事故の類型によって決められている基本的な過失割合をいい、交差点で赤信号の車と青信号の車で起きた事故や車と自転車の事故など、ケースに応じて基本的な過失割合が定められています。

修正要素は事故状況を踏まえて判断することになり、修正要素があれば過失割合を加算または減算するので、修正要素の判定も重要です。

被害者に非がある場合には過失割合の比率が高くなりますし、加害者に非がある修正要素があれば、被害者の過失割合の比率は低くなります。

たとえば損害額が1,000万円の場合において、過失割合が7:3のケースでは、被害者は、700万円しか賠償金を受け取ることができません。

しかし、修正要素を加味したことで過失割合が9:1になった場合、被害者は、900万円の賠償金を受け取ることができます。

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交通事故のケース別の修正要素

交通事故は自動車同士の事故もあれば、歩行者と自動車の事故もありますので、ケースごとの修正要素をご紹介します。

歩行者と自動車・バイクの交通事故の修正要素

歩行者と自動車の交通事故の場合、基本的に自動車側に責任があります

しかし、歩行者が飛び出したことで事故が発生したときは、歩行者側にも責任が問われますし、横断禁止の場所を横断したことで起こった事故であれば、歩行者側の過失があると判断されます。

歩行者の減算要素としては、歩行者の年齢や身体状況、自動車・バイクの著しい過失や重過失などが挙げられますが、歩行者は自動車と違い、ドライブレコーダーで証拠を揃えることができません。

したがって、事故の被害者となったときは、事故発生時点における状況を確認できる情報や証拠を集めることが求められます

<歩行者側の主な修正要素>

加算要素
  • ・ 夜間
  • ・ 直前直後横断・佇立・後退
  • ・ 歩行者の横断歩道上の事故
  • ・ 直前直後横断
  • ・ 佇立・後退
  • ・ 飛び出し
  • ・ ふらつきながらの歩行
  • ・ 横断禁止場所の横断
減算要素
  • ・ 自動車・バイクの過失・重過失
  • ・ 幼児、児童、高齢者
  • ・ 身体障害者
  • ・ 自動車の著しい過失
  • ・ 自動車の重過失
  • ・ 歩車道の区別なし

自動車同士の交通事故の修正要素

自動車同士の交通事故が発生した場合、信号機がある場所の事故であれば、交差点に侵入した際の信号機の色が過失割合に影響します。

自動車が赤信号で先入していれば、赤信号側の自動車に対する過失が重くなり、青信号側の自動車は基本的に被害者側となります。

しかし、青信号側にも過失があったときは、青信号側の加算要素として加味されるので注意してください。

信号機のない場所での事故には、一時停止無視見通しのよさ、直進・右左折なども修正要素に含まれます。

高速道路上の修正要素は速度に関係するものが多いため、法定速度を守るだけでなく、急発進、急停車をしないことも大切です。

<自動車同士における交通事故の主な修正要素>

加算要素
  • ・ 青信号側者の過失
  • ・ 赤信号側の明らかな先入
  • ・ 青信号側の著しい過失、重過失
  • ・ 一時停止無視
  • ・ 速度違反
減算要素
  • ・ 赤信号側の著しい過失
  • ・ 赤信号側の重過失

<高速道路における事故の主な修正要素>

加算要素
  • ・ 時速20㎞以上40㎞未満の速度違反
  • ・ 40㎞以上の速度違反
  • ・ 合流地点の手前での無理な急加速
  • ・ 本線車線上にはみ出しての駐停車
  • ・ 急ブレーキ

交通事故の過失割合を決める際の流れ

交通事故の損害賠償金や慰謝料の額は過失割合が確定しないと決まりませんので、示談交渉の場で話し合うことになります。

発生した事故の基本過失割合の確認

交通事故の過失割合は事故状況で判断することになり、事故状況について加害者と被害者に争いがない場合、事故内容を踏まえて過失割合を決定します

自動車と自動車の事故であれば、直進同士の事故と直進者と右折車の事故では扱いが変わりますし、信号の有無や信号機の色によっても過失割合は異なります。

ドライブレコーダー等で事故発生時点の状況が確認できれば、基本過失割合の争いは起きにくいため、示談交渉をする前に証拠書類を揃えておくことが望ましいです。

修正要素の確認

基本過失割合が決まりましたら、修正要素を確認し、加害者と被害者の過失割合を加算・減算します。

交通事故の当事者が、歩行者・自動車・バイク・自転車等のいずれに該当するかによって修正要素は異なります。

また、大型車の運転手には高い注意義務が課されているため、自動車が大型車に該当するだけで過失割合が加算されるので注意してください。

判例タイムズや裁判事例等を確認

基本過失割合や修正要素は、基本的には、「別冊判例タイムズ38号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(東京地裁民事交通訴訟研究会編集、判例タイムズ社)で判断されます。

しかし、一つとして同じ事故はありませんので、上記書籍を参考に、最終的には過去の裁判例なども参考に裁判所が判断します。

たとえば類似する事故でも、自動車や自転車、歩行者など当事者の立場が異なれば参考にすべき裁判例は違いますし、加害者と被害者が異なる判例を提示することも考えられます。

修正要素の加算・減算がまとまらない場合の対処法

修正要素の加算・減算は、損害賠償金や慰謝料の受取額に影響してくるため、被害者は必要に応じて、修正要素を提示しなければならない場面もあります。

ただ修正要素を提示したとしても、加害者が修正要素を認めるとは限りませんし、加害者が被害者の過失があったことを主張することも想定されます。

過失割合は基本的に示談交渉で決めることになりますが、話し合いが折り合わない場合には裁判で決着を付けることも選択肢の一つです。

なお、裁判を起こすには手続きが必要であり、多大な労力を要することから、状況次第では裁判手続きを弁護士に任せることも検討してください。

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修正要素の判断は弁護士に依頼すること

交通事故の被害者は示談交渉の際に加害者ではなく、加害者が加入している保険会社と対峙する可能性もあります。

保険会社の立場からすると、補償額が大きくなるだけ支出が伴いますので、被害者が不利になるような修正要素を提示してくることも予想されます。

一般人である被害者が専門家と示談交渉するのは大変ですし、不利益を受け入れてしまうと損害賠償金や慰謝料の額が減ってしまいます。
そのため、示談交渉をする際は味方として弁護士を付けるなど、満額の補償を受けられるような対策を講じてください。


 
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