交通事故で過失割合10対0の場合の慰謝料の計算方法

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交通事故の被害に遭った際、本来もらえるはずの慰謝料などの損害賠償金が、なぜか減らされてしまうことがあるのをご存じでしょうか?
これには「過失相殺(かしつそうさい)」という仕組みが大きく関わっています。
しかし、もしあなたに一切の落ち度がない「過失割合10対0」の事故であれば、賠償金を減らされることなく全額を受け取ることが可能です。
では、自分に過失がない場合、慰謝料は一体どのように計算されるのでしょうか?この記事では、以下の内容について分かりやすく解説していきます。
ある?
増額することはできる?
目次
まずは知っておきたい
過失相殺・過失割合の基礎知識
ここでは、過失相殺と過失割合の以下の項目について詳しく解説します。
過失相殺とは何でしょうか?
過失相殺とは、交通事故の発生、またその事故に関する損害の拡大について、被害者側にも過失がある場合、その割合に基づいて損害賠償額を差し引く = 減額することです。
つまり、事故の責任(落ち度)が被害者側にもある場合に、その割合に応じて「もらえる賠償金が減らされる仕組み」のことです。
過失割合は、被害者側と加害者側それぞれの過失、責任の割合のことになります。
たとえば、加害者側の過失割合が7の場合は、被害者側は3になります。
加害者7対被害者3、というように表現されることが多いでしょう。
損害賠償金額:1,000万円
被害者側の過失割合:3割
の場合……
1,000万円 × (1 - 0.3)= 700万円
この例だと、損害賠償金が300万円も減額されてしまいます。
過失割合は誰が
決めているのでしょうか?
では、過失割合は誰が決めているのかというと、加害者側の任意保険会社が自分の見解に基づき主張してきます。
その見解は被害者の方の思いや考えとは相容れないため、示談交渉や民事裁判でしばしば争点になるのです。
警察には民事不介入のルールがあり、検察は加害者を起訴するかどうかを決めるので、交通事故の過失割合には関わりません。
ここで注意していただきたいのは、保険会社が主張してくる過失割合は正しいとは限らないということです。
保険会社は営利法人ですから利益を追求することが、その企業の大きな目的です。
その目的のためには、収入を増やし、支出を減らす必要があります。
被害者の方へ支払う損害賠償金(示談金とも保険金ともいいます)は支出ですから、これをできるだけ抑えようとします。
被害者の方の過失割合を高くすれば、加害者の割合は低くなり、結果として自らの支出を削減することができます。
とてもシンプルにいうと、こういう理由があるのです。
そして、過失割合や慰謝料などの損害賠償金額は、最終的には被害者側と加害者側双方の合意によって決定されます。
(裁判まで進んだ場合は、裁判所の和解案に応じるか、最終的には裁判所の判決に従うことになります。)
実況見分調書と供述調書は
重要な証拠になります
交通事故の発生後、警察は実況見分(現場検証)を行ない、実況見分調書を作成します。
実況見分調書には、
- 見分の日時・場所・立会人名
- 現場道路や運転車両の状況
- 立会人の説明
- 最初に相手を発見した地点、ブレーキを
で踏んだ地点、衝突した地点など
といったことが書かれ、これに事故現場の見取図や写真などが添付されます。
また、加害者と被害者それぞれに聞き取り調査を行ない、供述調書を作成します。
実況見分調書と供述調書は、「事件の客観的な事実(物証)」と「当事者の主観的な記憶(人間側の証拠)」という、事件を再現するための2大要素を形にしたものであるため、刑事事件のもっとも重要な証拠の1つになります。
また、当事者の「どちらの言い分が正しいか」を決める判定基準になるため、過失割合の決定にも大きく影響します。
示談交渉、さらにはその後の民事裁判でも重要な証拠、判断材料の1つになるので、とても重要なものなのです。
警察の聞き取り調査には素直に応じて協力し、正しい記憶に基いて、正しく説明することが大切です。
事実とは異なることが記載されてしまうと、被害者の方には不利な状況が生まれてしまいます。
後から内容を訂正することはできないので注意してください。
警察から「あなたは100%
悪くない」と言われたら?
ところで、警察の聞き取り調査の際、被害者の方が「あなたは100%悪くない」と言われることがあります。
ここで知っておいていただきたいのは、これは示談交渉や民事裁判での過失割合とはまったく関係がないこと。
警察は当然、刑事事件に関わりますが民事には介入しませんから、「あなたには刑事責任はありませんよ」と言っているわけです。
ですから、「警察から言われたのだから自分には過失も責任もない」とは思わないようにしてください。
過失割合はどのように
判断するのか?
過失割合には一定の基準があり、裁判所、弁護士、保険会社はすべて同じ基準により算定します。
なお、過去の裁判例から「基本となる過失割合」の目安は決まっていますが、実際の交通事故には全く同じものは1つもありません。
そのため、個別の事故状況(スピード超過や脇見運転の有無など)に応じて、被害者と加害者双方の基本過失割合に5〜20%程度の「修正(加算・減算)」を行って、最終的な過失割合を調整していきます。
過失割合の事例①
歩行者が横断歩道のない道路を横断して、直進車に衝突された事例です。
※横にスクロールすると続きが見れます。
| 状況 | 割合の変動 | 加算・減算の理由 |
|---|---|---|
| 歩行者 (被害者)の 基本過失割合 |
20% | – |
| 夜間 | +5%(歩行者不利) | 夜間は車から歩行者が見えにくくなるため、 歩行者側もより慎重に車を警戒すべきと されるから。 |
| 幹線道路 | +10%(歩行者不利) | 車のスピードが出やすく交通量も多い幹線道路を、 横断歩道がない場所で渡るのは極めて 危険だから。 |
| 児童・高齢者 | -5%(歩行者有利) | 子供や高齢者は、とっさの回避行動をとるのが難しく 「交通弱者」として保護されるべき だから。 |
| 住宅地など | -5%(歩行者有利) | 人が飛び出してくることが予想される場所で あり、 車側はより減速して注意を払うべき だから。 |
信号も横断歩道もないところを横断したので過失が多少大きいと判断されますが、それは絶対的なものではなく、上記のような修正要素によって過失割合がプラス、マイナスされます。
夜間の幹線道路を横断する際は十分注意するべき、ということで歩行者の過失割合がプラスされますが、歩行者が児童や高齢者の場合や住宅地などでは運転者が十分に注意しなければいけない、と判断されるわけです。
過失割合の事例②
信号機のない交差点で、明らかに優先順位が高い道路を走っていた車(優先車A)と、そうではない道路から入ってきた車(劣後車B)が衝突したケースです。
道路交通法上、優先側の車(A)が強く保護されますが、交差点である以上、A側にも一定の注意義務があるため、10%の基本過失が課せられます。ここから、お互いの運転状況によって割合が調整されます。
※横にスクロールすると続きが見れます。
| 状況 | 割合の変動 | 加算・減算の理由 |
|---|---|---|
| 優先車Aの基本過失割合 | 10% | – |
| 劣後車Bの明らかな先入 | +10% (A不利) |
優先車Aが交差点に入るより「明らかに前」に、 劣後車Bが交差点にゆっくり進入していた場合です。 A側は前を見ていればBに気づいてブレーキを 踏めたはず、とされるためAの過失が 増えます。 |
| 優先車Aの著しい過失 | +15% (A不利) |
優先車A側に、「著しい過失」があった場合、 Aの責任が重くなります。 |
| 劣後車Bの著しい過失 | -10% (A有利) |
逆に、劣後車B側に「著しい過失」があった 場合は、 B側の責任がさらに重くなるため、 結果としてA側の 過失が10%減らされます。 |
優先ではないB車が先に交差点に入ったのが明らかな場合は、10%の過失がプラスされます。
(著しい過失の内容については、のちほどお話します)
過失割合が10対0のケースもある
被害者の方としては、「自分には過失はない」「一方的に被害にあった」と感じることもあると思いますが、多くの場合、交通事故は当事者双方に過失(責任)があるとされます。
交通ルールを守っていたとしてもです。
しかし、中には被害者の方の過失が0、加害者が10と認められるケースもあります。
以下のケースごとに詳しく解説します。
自動車(四輪車)同士の事故の場合
ここでは、自動車(四輪車)同士の事故で過失割合が「10:0」になりやすいケースを見ていきます。
追突事故
いわゆる「もらい事故」ともいわれるのが次のような追突事故の被害です。
- 信号待ちで停車中に、後方から
走行してきた自動車に追突された - 駐車場などに止めていたら、後ろから車に
追突された
追突事故は、交通事故でもっとも多いものの1つで、四輪車同士、四輪車と二輪車、二輪車同士の事故があります。
自分が運転する自動車が少しでも動いている場合は過失を認められることが多いので、過失割合が0と判断されるのは停車中の場合です。
ところが、被害者の方に何の過失もないにも関わらず、加害者側(加害者が任意保険に加入している場合は、その保険会社)が、こんなことを主張してくる場合があります。
- 「突然、前方の自動車がブレーキを
踏んだから衝突してしまった…」 - 「追い越しをしようとしたら
妨害されたので衝突してしまった…」
突然のもらい事故ですから、事故当時のことは完全に覚えていなかったり、時間の経過とともに記憶は薄らいでいくものですから、「自分にも非があったかもしれない…」と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、それを認めてしまうと、当然ですが過失割合は10対0にはならないので注意してください。
なお、駐車場の駐車禁止の場所に停車していた場合の追突事故被害では過失を問われます。
対向車の車線はみ出し
対向車がセンターラインを越えてはみ出してきて衝突された場合、10対0と判断される場合が多くあります。
ただし、道路にセンターラインがある場合でも被害者の方の過失割合が0にならない場合があります。
なお、センターラインがない道路では、被害者も注意をするべきだったとされて、加害者8対被害者2の過失割合になることが多いのですが、状況によって割合は変わってくるので、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。
信号無視
加害者の信号無視による交通事故の場合も、10対0になる場合が多いといえます。
なお、自動車同士の事故では次のような場合が被害者、加害者どちらかにある時には、その当事者側に過失割合が加わります。
- 大型車
- 速度超過
- 前方不注意
- 左右折禁止違反
- 早回り左右折
- 大回り左右折
- 直近左右折
- 徐行なし
- ウィンカーなし
- 著しい過失・重過失
自動車と二輪車の事故の場合
多くの場合で、自動車と二輪車の事故では、自動車対自動車の場合に準じた過失割合になります。
自動車と自転車の事故の場合
通常、自転車よりも自動車のほうが過失割合が大きくなる傾向があります。
しかし道路交通法上、自転車は軽車両となり一定の危険もともなうため、自転車側の過失が0となるケースはそれほど多くはない 、というのが現実です。
ただし、次のような場合は自転車の過失が0と判断されます。
一つずつ詳しく解説します。
自動車が自転車を追い越して
曲がろうとした場合
たとえば、信号機のない交差点の手前で自動車が自転車を追い越し、左折した際に衝突した場合は、自動車10対自転車0の過失割合になります。
ただし、自動車が自転車に先行していた場合は、自転車は注意しなければいけませんから、自転車の過失が認められます。
対向車の車線はみ出し
対向車(自動車)がセンターラインを越えて自転車と衝突した場合は、自転車側の過失は0になります。
自動車と歩行者の事故の場合
自動車と歩行者の事故の場合は、基本的には歩行者の過失割合は小さくなる傾向がありますが、次のようなケースでは歩行者の過失割合は0になります。
一つずつ詳しく解説します。
歩行者側の信号が青信号の場合
青信号で歩行者が横断歩道を渡っていた際に、進行方向の信号が赤信号にも関わらず自動車が直進して衝突した場合、歩行者の過失割合は0になります。
なお、歩行者が横断歩道を渡っている途中で信号が黄信号や赤信号に変わった場合でも歩行者の過失割合は0になります。
また、信号機のない横断歩道の場合、歩行者が横断歩道上、あるいは横断歩道から1、2メートル付近を歩行していたなら原則として過失割合は0になります。
歩道に自動車が進入してきた場合
歩道に自動車が進入してきた場合は、歩行者の過失割合は0になります。
歩道と車道の区別のない道路を
歩行者が右側通行していた場合
歩行者が右側通行をしていれば、過失割合は0になります。
ただし、歩行者が左側通行をしていたケースや、ふらつきながら歩行していたようなケースでは歩行者の過失割合は0.5(5%)になります。
過失割合を10対0にする
方法とは?
交通事故には1つとして同じものはなく、事故状況や被害者、加害者それぞれの属性や家庭での立場などすべて違ってきます。
ですから、ここまでお話ししてきた交通事故の状況と過失割合が絶対的に認められるわけではありません。
実際の損害賠償実務では、次のようなさまざまな「修正要素」が考慮されます。
加害者の場合、被害者の場合、歩行者の場合に分けてみていきましょう。
加害者側に過失が加算される
場合の例
以下のケースでは、加害者側に過失が加算されます。
- 住宅地・商店街における事故
- 被害者(歩行者)が児童や高齢者
- 歩行者が集団
- 速度違反・飲酒・合図なしなどの道路交通法違反がある
- 著しい過失・重過失がある
被害者側に過失が加算される
場合の例
以下のケースでは、被害者側に過失が加算されます。
- 夜間
- 幹線道路(歩行者の場合)
- 横断禁止場所の横断
- 速度違反などの道路交通法違反がある
- 著しい過失・重過失がある
過失と重過失の内容
<過失の例>
- 酒気帯び運転
- 15~30km/h程度の速度超過
- 運転中のスマートフォンなどの使用
- 脇見運転
- ハンドル、ブレーキ等の不適切な操作 など
<重過失の例>
- 酒酔い運転
- 居眠り運転
- 無免許運転
- 30km/h以上の速度超過
歩行者の過失割合の修正要素
歩行者の過失がプラスされる例とマイナスされる例をみていきましょう。
歩行者の過失がプラスされる例
- 自動車の通行量の多い幹線道路での
交通事故 - 夜間の交通事故被害者が車両の
直前・直後を横断 - 横断禁止の規制がある場所の横断した場合
- 被害者が立ち止まる、ふらつき歩き、
後退したような場合
歩行者の過失がマイナスされる例
- 被害者が幼児、児童、高齢者、身体障害者などの場合
- 被害者が集団横断中の場合
- 住宅地・商店街での交通事故
- 歩道と車道の区別がない道路での交通事故
- 自動車側に著しい過失や重過失があった
場合
また、これら以外にも交通事故の状況などによって過失がプラス、マイナスされるケースは、さまざまあります。
しかし被害者の方が、こうした状況をすべて把握し、知識を身に着けたうえで加害者側の過失を立証していくのは、現実的には困難だと言わざるを得ません。
ですから、示談交渉で過失割合が争点になった場合は、交通事故に強い弁護士に相談し、強力なサポートを依頼することも大切になってきます。
保険会社は被害者の味方ではありません。
それを忘れないでいただきたいと思います。
過失割合10対0の場合の
慰謝料の計算方法
過失割合が10対0の場合、被害者の過失による減額(過失相殺)はありません。そのため、発生した損害の全額を加害者側に請求できます。
ここでは、実際に慰謝料をどのように計算するのか、その手順と計算式を具体的に見ていきましょう。
そもそも「慰謝料」は
損害賠償金の一部
まず前提として、被害者の方が受け取れる「損害賠償金」の全体像を押さえておきましょう。損害賠償金は慰謝料だけではなく、次のような項目の合計です。
- 治療費、入院費
- 通院交通費
- 休業損害
(ケガで仕事を休んだことによる収入減) - 入通院慰謝料
(ケガによる精神的苦痛への補償) - 後遺障害慰謝料
(後遺障害が残った場合の
精神的苦痛への補償) - 逸失利益
(後遺障害・死亡により
将来得られたはずの収入)
このうち「慰謝料」にあたるのは、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料(死亡事故の場合は死亡慰謝料)です。ここからは、それぞれの計算方法を解説します。
①入通院慰謝料の計算方法
入通院慰謝料は、ケガの治療のために入院・通院した期間に応じて計算されます。弁護士(裁判)基準では、「赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)」の算定表をもとに金額が決まります。
入院・通院の期間が長いほど、また症状が重いほど金額は高くなります。むち打ち症などの他覚症状がないケガの場合は、金額がやや低く設定された別の表を使います。
入通院慰謝料の目安
(弁護士基準・通院のみの場合)
| 通院期間 | むち打ち等 | 骨折等の重傷 |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | 19万円 | 28万円 |
| 3ヶ月 | 53万円 | 73万円 |
| 6ヶ月 | 89万円 | 116万円 |
※金額は目安です。実際の金額は治療内容や通院頻度により変動します。
②後遺障害慰謝料の計算方法
治療を続けても症状が回復せず後遺障害が残った場合は、後遺障害慰謝料を請求できます。
後遺障害慰謝料は、相場としては、認定された等級によって金額が決まります。等級が重い(数字が小さい)ほど高額になります。
後遺障害慰謝料の目安(弁護士基準)
各等級ごとの詳しい金額や認定基準については「後遺障害等級の一覧表」で解説しています。
過失割合10対0なら「過失相殺」で
減額されない
ここが過失割合10対0のケースの最大のポイントです。①と②で計算した慰謝料に、治療費や休業損害などを加えた損害賠償金の総額から、過失相殺による減額が一切行われません。
損害賠償金の総額が1,000万円の場合
- 過失割合10対0(被害者の過失0%)→
1,000万円を満額受け取れる - 過失割合8対2(被害者の過失20%)→
1,000万円 ×(1-0.2)= 800万円
(200万円減額)
つまり、過失割合が10対0であること自体が、被害者にとって金額面で非常に大きな意味を持つのです。
注意:10対0でも
「弁護士基準」で計算される
とは限らない
過失割合が10対0でも、加害者側の保険会社が最初に提示してくる金額は、自賠責基準や任意保険基準で計算された低い金額であることが多いです。
また前述のとおり、ご自身の保険会社が示談交渉を代行することができません。そのため、被害者自身が加害者側のプロの保険会社と直接交渉しなければならないという高いハードルがあります。
弁護士に依頼すれば、これらの慰謝料をすべて弁護士基準で計算し、加害者側の保険会社に請求することができます。その結果、当初の提示額から慰謝料が増額されるケースが数多くあります。
被害者の過失割合が0の場合に
注意するべきこととは?
ここでは、被害者の過失割合が0の場合に注意すべきことを解説します。
過失割合0の場合では保険会社は
示談代行してくれない!?
自動車保険(任意保険)に加入すると、近年では多くの契約に「示談代行サービス」が付帯しています。
加害者が任意保険に加入している場合、示談代行サービスがついていれば被害者の方との示談交渉は保険会社が代行します。
被害者の方は、加害者側の保険会社と示談交渉を進めていくことになるわけです。
一方、被害者ご自身が加入している任意保険に示談代行サービスがついていれば、その保険会社が示談交渉をしてくれるのですが、被害者の方に過失がなく、賠償責任がない事故の場合は注意が必要です。
というのは、「弁護士法」という法律により、保険会社が被害者の立場で加害者側保険会社と交渉することが禁止されているためです。
つまり、過失のない被害者の場合、自身の保険会社による示談代行は利用できず、加害者側の保険会社と直接交渉を行なっていかなければいけないのです。
過失割合が0のケースでは
示談成立に時間がかかる!?
前述したように、加害者側の任意保険会社は支出となる被害者の方への損害賠償金をできるだけ低く抑えようとします。
一方、被害者の方としては、できるだけ高額の賠償を求めるでしょう。
このように利害が正反対の両者が示談交渉を行なうのですから、すんなりと進まないことが多くあります。
特に、被害者の方の過失割合が0になり得る交通事故の場合は慰謝料などの損害賠償金が高額になる傾向があるため、示談金額で折り合いがつかず、示談交渉がなかなか進まないといったことが起きがちです。
こうした場合は、まずは一度、交通事故に精通した弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士は、あなたの力になってくれるでしょう。
よくある質問
Q1. 過失割合10対0とは
どういう意味ですか?
交通事故の民事責任が一方(加害者)に100%あり、もう一方(被害者)には一切の過失がない状態を指します。「完全無過失」とも呼ばれます。この場合、被害者の慰謝料から「過失相殺」による減額が行われないため、算定された損害額を満額請求できます。
Q2. 停車中に追突された場合、
過失割合は10対0に
なりますか?
原則として10:0(被害者完全無過失)になります。赤信号での停車中・渋滞中の停車中など、被害者に回避可能性がない状況での追突事故は、加害者の過失が100%と判断されるケースがほとんどです。ただし被害者側にハザードランプの不点灯など特別な事情がある場合は修正が加わることがあります。
Q3. センターラインオーバーの
事故は過失割合10対0に
なりますか?
センターライン(中央線)を大きく越えて逆走してきた車両との正面衝突では、多くの場合10:0(逆走車が100%)と判断されます。被害者側が回避行動をとることが困難であるため、過失が認められないケースが多いです。ただし被害者にスピード超過などがあると修正が加わる場合もあります。
Q4. 過失割合10対0の事故で
自分の保険会社が示談代行
できないのはなぜですか?
被害者に過失がない場合、自分の保険会社は示談交渉を代行できません。弁護士法第72条(非弁行為の禁止)により、被害者の代理人として加害者側と示談交渉することが禁止されているためです。そのため被害者自身が交渉するか、弁護士に依頼する必要があります。弁護士費用特約があれば被害者本人の費用負担なしで依頼できることがあります。
Q5. 過失割合10対0の場合の
慰謝料はいくらですか?
過失相殺がないため算定された慰謝料を満額受け取れます。例えば3か月通院(むち打ち)の場合、弁護士基準では約53万円、自賠責基準では約28万円が目安です。過失割合が30%ある場合と比べると、弁護士基準で約16万円の差が生じます。後遺障害が残る場合はさらに大きな差になるため、弁護士への相談が重要です。
Q6. 相手が「10対0ではない」
と主張してきた場合は
どうすればよいですか?
まずドライブレコーダー映像・実況見分調書・目撃者の証言など客観的な証拠を収集・保全してください。相手の保険会社が提示する過失割合に納得できない場合は、弁護士に依頼して交渉・ADR(裁判外紛争解決手続)・訴訟といった手段で争うことができます。特にドライブレコーダーの映像は上書きされる前に早急に保存することが重要です。
みらい総合法律事務所は無料相談を行なっています。ぜひご利用ください。
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弁護士へのご相談の流れ
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代表社員 弁護士 谷原誠






















