交通事故による開放骨折の後遺障害や慰謝料
開放骨折は交通事故で発生しやすい重度の外傷で、後遺障害が残るリスクも大きい怪我です。
治療の緊急性が高く、初期対応が不十分だと深刻な後遺症につながる可能性があるため注意が必要です。
本記事では、交通事故で開放骨折を負った場合の適切な対処方法から、想定される後遺障害や慰謝料を請求する際の注意点までをわかりやすく解説します。
目次
開放骨折とは?全治何ヶ月?
ゴールデンタイムとは?
開放骨折は感染リスクが高く、早期の対応が治療経過や後遺障害の有無を大きく左右します。
開放骨折の定義と交通事故で
起こりやすい理由
開放骨折とは、骨折した骨が皮膚を破り、外に露出してしまっている状態をいいます。
交通事故では車体との衝突や転倒などによって強い衝撃が加わりやすく、腕や脚、指などで開放骨折が発生しやすい傾向があります。
一般的な骨折は皮膚が破れていないため感染リスクは低いですが、開放骨折は創部から細菌が侵入し、感染症を引き起こす危険があるため迅速な治療が求められます。
開放骨折治療における
感染防止のゴールデンタイム
開放骨折は感染リスクが高いため、受傷後の早期処置が極めて重要です。
感染などの合併症を防ぐためには、受傷後6〜8時間以内の「ゴールデンタイム」で対応することが不可欠とされています。
交通事故で開放骨折を負った場合は速やかに救急車を呼び、止血や患部の固定などの応急処置を行う必要があります。
また、患部はできるだけ動かさず、覆うときは感染を防ぐためにも清潔な布などを使用することが求められます。
開放骨折による
日常生活への影響
交通事故で開放骨折を負った場合、受傷部位の固定が必要になるなど、日常生活への影響も大きくなります。
指などの末梢部位は細かい動きや感覚が求められるため、腱や神経が損傷している場合には、痺れや感覚低下、指の屈伸がしにくいといった後遺症が続くこともあります。
適切な治療によって完治することもありますが、通常の骨折に比べると後遺症が残りやすいです。
複雑骨折と開放骨折の違い
「複雑骨折」と「開放骨折」は同じ意味で用いられる骨折であり、いずれも骨折した骨が皮膚を破って外に露出した状態を指します。
以前は「複雑骨折」と呼ばれることが多かったですが、現在は「開放骨折」と呼ぶのが一般的です。
また、複雑骨折と混同されやすい骨折として「粉砕骨折」があります。
粉砕骨折は骨が細かく砕けるように折れている状態をいいますが、骨が粉砕していても皮膚を破っていなければ開放骨折(複雑骨折)には該当しません。
交通事故による開放骨折の
検査・治療・入院期間
開放骨折は重度の外傷であるため、一般的な骨折より治療期間が長くなる傾向があります。
開放骨折の検査方法
交通事故に遭った場合、まず視診によって開放骨折の有無や創部の状態を確認し、その後レントゲン検査やCT検査で骨折部の位置や程度を評価します。
開放骨折が起きるほど強い衝撃が加わっている場合には、骨折部以外にも損傷が生じている可能性があるため、必要に応じて全身のレントゲン検査やCT検査、MRI検査なども実施されます。
また、外傷性ショックの有無や感染リスクの評価も重要となるため、バイタルサインの確認を含めた全身の状態チェックも行われます。
開放骨折治療における
感染予防の重要性
感染症の予防は非常に重要であり、治療期間や後遺症の有無に大きく影響します。
感染症となった場合、入院期間が長くなるだけでなく、患部の一部を切除する処置が必要となることもあります。
開放骨折は骨折部が空気に触れているため、創部を速やかに洗浄し、異物や壊死組織を取り除いて細菌の侵入を防ぎ、必要に応じて抗生剤を使用します。
骨折部への処置としては、骨の整復や固定を行う手術が実施されます。
骨が癒合するまでは安静が必要で、感染を防ぐための薬物療法も行われます。
開放骨折の全治と
歩けるまでの目安
開放骨折の全治期間は、骨折した場所や損傷の程度、感染の有無によって大きく変わります。
感染がなく術後経過が良好であれば、数週間の入院で退院でき、その後は数か月ほどで日常生活の制限が軽減することもあります。
一方、下肢の開放骨折では、骨癒合が進み、ある程度荷重をかけられるようになるまでに時間を要します。
一般的には松葉杖での部分荷重から始め、痛みや骨癒合の状態を確認しながら、段階的に自力歩行へ移行していく流れになります。
開放骨折の後遺障害の種類と
後遺障害等級
交通事故で開放骨折を負った場合、後遺障害が残るケースも少なくありません。
後遺障害は症状によって等級が異なり、その等級によって後遺障害慰謝料の額も大きく変わります。
後遺障害等級認定とは
後遺障害等級認定は、交通事故で残った症状を「後遺障害」として評価してもらうための手続きです。
等級は1級から14級まであり、症状の重さや日常生活・仕事への支障の程度によって判定されます。
後遺障害等級認定は、医師による症状固定の診断を受けたうえで進めることになります。
交通事故の怪我が原因で後遺症が残ったとしても、認定を受けなければ後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することはできません。
開放骨折による後遺障害の種類
開放骨折では骨だけでなく、筋肉・腱・神経などの組織も損傷しやすいため、認定される可能性のある後遺障害は多岐にわたります。
認定される可能性のある後遺障害には以下の種類があります。
一つずつ詳しく解説します。
欠損障害
交通事故によって体の一部を失った場合、欠損障害として認定される可能性があります。
欠損した部位の大きさや機能への影響に応じて、等級が判断されます。
<開放骨折による欠損障害の主な後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 両上肢をひじ関節以上で失ったもの | 1級3号 |
| 両上肢を手関節以上で失ったもの | 2級3号 |
| 両手の手指の全部を失ったもの | 3級5号 |
| 1上肢をひじ関節以上で失ったもの | 4級4号 |
| 1上肢を手関節以上で失ったもの | 5級4号 |
| 1手の5の手指、または親指を含む 4の手指を失ったもの |
6級8号 |
| 1手の親指を含む 3の手指を失ったもの、 または親指以外の 4の手指を失ったもの |
7級6号 |
| 1手の親指を含む 2の手指を失ったもの、 または親指以外の 3の手指を失ったもの |
8級3号 |
| 1手の親指または親指以外の 2の手指を失ったもの |
9級12号 |
| 1足の第1の足指または他の 4の足指を失ったもの |
10級9号 |
| 1手の人差し指、中指または薬指を 失ったもの |
11級8号 |
| 1足の第2の足指を失ったもの、 第2の足指を含む 2の足指を失ったもの、 または第3の足指以下の3の足指を 失ったもの |
12級11号 |
| 1足の第3の足指以下の1または2の 足指を失ったもの |
13級9号 |
| 1手の親指以外の手指の指骨の 一部を失ったもの |
14級6号 |
機能障害
骨折によって腕や脚などの動きが制限され、日常的な動作が正常に行えなくなった場合には、機能障害として認定される可能性があります。
<開放骨折による機能障害の主な後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 両上肢の用を全廃したもの | 1級4号 |
| 両手の手指の全部の用を廃したもの | 4級6号 |
| 1上肢の3大関節中の2関節の用を 廃したもの |
6級6号 |
| 1上肢の3大関節中の1関節の用を 廃したもの |
8級6号 |
| 1上肢の3大関節中の1関節の機能に 著しい障害を残すもの |
10級10号 |
| 1上肢の3大関節中の1関節の機能に 障害を残すもの |
12級6号 |
変形障害
骨折した箇所が適切に癒合せず、変形して残った場合には、変形障害として認定される可能性があります。
<開放骨折による変形障害の主な後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 1上肢に偽関節を残し、 著しい運動障害を残すもの |
7級9号 |
| 1上肢に偽関節を残すもの | 8級8号 |
| 長管骨に変形を残すもの | 12級8号 |
短縮障害
骨折によって脚の長さが短くなった場合、短縮障害として認定される可能性があります。
認定等級は、左右の脚の長さの差によって決まります。
<開放骨折による短縮障害の後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 1下肢を5cm以上短縮したもの | 8級5号 |
| 1下肢を3cm以上短縮したもの | 10級8号 |
| 1下肢を1cm以上短縮したもの | 13級8号 |
神経障害
開放骨折によって痺れや慢性的な痛みが残った場合、神経障害として認定される可能性があります。
<開放骨折による神経障害の後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 局部に頑固な神経症状を残すもの | 12級13号 |
| 局部に神経症状を残すもの | 14級9号 |
醜状障害
開放骨折では、手術による皮膚切開や外傷の影響で、傷痕が残ることがあります。
このような手術や外傷によって皮膚に目立つ傷痕が残り、外見上の変化が生じた場合、醜状障害として認定される可能性があります。
<開放骨折による醜状障害の主な後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 上肢または下肢の露出面に 手のひらの大きさの 3倍以上の醜いあとを残すもの |
12級相当 |
| 上肢の露出面に手のひらの大きさの 醜いあとを残すもの |
14級4号 |
| 下肢の露出面に手のひらの大きさの 醜いあとを残すもの |
14級5号 |
開放骨折の後遺障害等級認定を
受ける際のポイント
開放骨折は後遺障害が残りやすい骨折ですが、認定を受けるためには継続的な治療と経過観察が欠かせません。
症状固定の判断に必要な
継続通院と経過観察
後遺障害は、交通事故による怪我が治療を続けても改善が見込めない「症状固定」に至った場合に対象となります。
症状固定の判断は医師が行いますが、その判断を適切に受けるためには、交通事故後も継続して通院し、治療経過を記録しておくことが欠かせません。
後遺障害等級は慰謝料の
金額に直結する
後遺障害等級が高いほど、後遺障害慰謝料の額は大きくなるため、適切な等級の認定を受けることが非常に重要です。
同程度の後遺症であっても、適切な認定手続きを経なければ、受け取れる慰謝料が減ってしまう恐れがあります。
また、慰謝料の算定基準には複数の種類があり、弁護士基準で算定しなければ十分な金額を受け取れない可能性があります。
そのため、後遺障害等級の申請は、早期から専門家のサポートを受けながら進めることが重要になります。
交通事故で開放骨折を
負った場合は弁護士に要相談
開放骨折は治療が長期化しやすく、後遺障害が残る可能性も高い骨折です。
後遺障害等級の認定や慰謝料の算定には、医学的資料の準備や保険会社との交渉が必要となるため、被害者だけで対応するには大きな負担がかかります。
弁護士に依頼すれば、後遺障害等級申請を含む複雑な手続きを任せられるうえ、不利な条件で示談に応じてしまうリスクを大幅に減らせます。
被害者は示談交渉による心身の負担を避けられ、安心して治療に専念できるようになるため、開放骨折のように重い怪我を負った場合は早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故による開放骨折の後遺障害や慰謝料でお困りの場合は、まずは一度、みらい総合法律事務所の無料相談をご利用ください。
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代表社員 弁護士 谷原誠

















