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むち打ち後遺障害14級の慰謝料の計算方法と注意ポイント

最終更新日 2024年 02月17日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

【むち打ち後遺障害14級】慰謝料の計算方法と注意ポイント

交通事故の傷害(ケガ)というと、「むち打ち」をイメージする人も多いかもしれません。

実際、もっとも多いケガのひとつが、むち打ちであり、同時に損害賠償実務での扱いが非常に難しいのも、むち打ち症なのです。

チェックボックスむち打ちになると、どのような症状が現れるのか?
チェックボックス後遺症が残ってしまった場合、誰が、何を補償してくれるのか?
チェックボックス後遺障害等級を受けるには、どんな手続きが必要なのか?
チェックボックス損害賠償金はできるだけ多く受け取りたいが、どうすればいい?

このような疑問や不安を抱えている被害者の方も多いでしょう。

そこで本記事では、むち打ちの後遺症で後遺障害14級が認定された場合について、その前後で必要な手続きや慰謝料などの損害賠償金の増額方法などについて解説していきます。

むち打ちの症状や後遺症について

(1)むち打ちの原因と症状

チェックボックスむち打ちは、外部から首に大きな力が加わることで頭が揺さぶられ、首(頚椎)に負担がかかることで起きるものです。

チェックボックス交通事故でもよく起きるもので、たとえば信号待ちのために停車中、後ろから衝突されることで首に強い衝撃が加わり、むち打ちになる場合が多くあります。

チェックボックスむち打ちでは、首や背中の痛み、手足のしびれ、首が動かしにくい、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気など、さまざまな症状、不調が現れます。

チェックボックス診断名としては、頸椎捻挫、頸部挫傷、外傷性頸部症候群などとも呼ばれます。

(2)むち打ちの後遺症と後遺障害等級

チェックボックス通常、2、3か月以内で各症状は改善されていくとされていますが、中には半年以上、数年にわたって痛みなどに苦しむ被害者の方もいます。

チェックボックスそうした場合、医師から症状固定の診断があると後遺症が残ることになります。

チェックボックスむち打ちの後遺症で認定される後遺障害等級には、12級13号と14級9号があります。

チェックボックス認定の条件は次のものです。

・12級13号の要件:局部に頑固な神経症状を残すもの
他覚所見により神経系統の障害が証明されるもの

・14級9号の要件:局部に神経症状を残すもの
神経系統の障害が医学的に説明可能なもの

(3)むち打ち症での示談交渉がまとまりにくい理由

チェックボックスまず、むち打ちの症状は神経症状であるため、傷などと違って外からは見えないことがあげられます。

つまり、目に見えない傷害(ケガ)のため、わかりにくいのです。

チェックボックスまた、その原因が医学的にはっきりわかっておらず、明確で医学的な診断方法や治療方法が確立されていないという理由もあります。

チェックボックス被害者の方としては、痛みなどの症状があれば治療を続けたいと考えるでしょう。

一方、加害者側(加害者が任意保険に加入していれば、その保険会社)としては、早く示談を成立させたいのにいつまでも治療を続けているのは、言葉は悪いですが「被害者はウソをついているのでは?」と考える場合があることも事実です。

チェックボックスその場合、過剰診療が疑われてしまうケースもあります。

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チェックボックス14級は、もっとも軽い後遺障害と判断されるわけですが、12級との違いは「頑固な」神経症状があるかないか、そして、神経系統の障害が医学的に証明できるものかと、説明可能なものかの違いです。

チェックボックス後遺症の症状のつらさは被害者本人でないとわかりません。

しかし、頑固な神経症状か、そうでないかの違いを被害者本人がその違いを証明することは困難なため、後遺障害等級の認定ではさまざまな書類や医師の診断書などの提出が必要になります。

<後遺障害等級認定で提出する主な書類・資料>
・支払請求書兼支払指図書
・交通事故証明書
・交通事故発生状況報告書
・診断書
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
・休業損害証明書
・印鑑証明書
・委任状(被害者本人が請求できないとき)
・自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
・レントゲン、MRI画像等
・その他症状を裏付ける検査結果や意見書等の医学的な資料 など

チェックボックス前述のように、むち打ち症の症状はさまざまあるため、医学的な証明がしっかりできないと正しい後遺障害等級が認定されません。

チェックボックスまた、加害者側の任意保険会社は営利法人のため、利益を上げることが目的です。

そのため、支出となる被害者の方への慰謝料などの損害賠償金は、できるだけ低く抑えようとします。

チェックボックス一方、被害者の方としては、突然の交通事故の被害で後遺症が残ったのですから、できるだけ多く補償をしてほしいと思うでしょう。

そのため、示談交渉でもめてしまうことがあるのです。

こちらの記事でも詳しく解説しています

後遺障害14級9号(むち打ち症)の場合の注意ポイント

(1)後遺障害14級の内容

次の表に後遺障害の内容と保険金額をまとめました。

後遺障害 保険金
(共済金)
1.一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2.3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3.一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
4.上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5.下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6.一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7.一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8.一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9.局部に神経症状を残すもの
75万円

※むち打ちの場合は14級9号

(2)後遺障害14級9号の認定で大切なこと

チェックボックス前述したように、神経障害における12級と14級の認定条件の違いは、自覚症状を裏づける外傷性の画像所見と神経学的所見の有無にあります。

チェックボックスたとえば、手にしびれがある場合、MRIなどの画像所見では神経圧迫が認められる。

しかし、その原因が外傷によるものなのか、加齢によるものなのかまでは判断できない。

といった場合、その神経系統の障害(しびれ)が他覚所見により医学的に証明はできないが、説明は可能であるということになり、14級9号が認定されるのです。

チェックボックスですから、むち打ちの後遺症が残った場合は、必ずMRI等の撮影を行なうことが大切です。

さらに、スパーリングテストや徒手筋力テスト、知覚検査なども行なってもらってください。

【参考記事】
公益社団法人日本整形外科学会「むち打ち症」

後遺障害14級で受け取ることができる慰謝料は?


交通事故の慰謝料はひとつではありません。

「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」「近親者慰謝料」の4つがあるのですが、ここでは後遺障害等級14級に関わる2つの慰謝料について計算方法と金額をご紹介します。

(1)入通院慰謝料(傷害慰謝料)

交通事故で傷害(ケガ)を負い、入通院した場合に受け取ることができる慰謝料で、対象となる期間は、ケガをしてから治療を続け、症状固定までとなります。

(2)後遺障害慰謝料

症状固定の診断がされると入通院慰謝料を受けることができなくなりますが、後遺障害等級が認定されれば後遺障害慰謝料を受け取ることができます。

症状固定の前後で交通事故の損害賠償のステージが変わることに注意が必要です。

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実際に慰謝料を計算してみましょう!

ここでは、自賠責基準と弁護士(裁判)基準で慰謝料計算をしてみます。

基準の違いによって、どのくらい金額が変わってくるのか、本来であれば被害者の方が受け取るべき金額はいくらくらいなのかを知っておくことが大切です。

(1)自賠責基準による入通院慰謝料

①入通院慰謝料は日額から計算する

自賠責基準での入通院慰謝料は、1日あたりの金額が4300円と定められているため、慰謝料の対象となる入通院の日数によって金額が決まります。

<入通院慰謝料の計算式>

4300円(1日あたり) × 入通院日数
= 入通院慰謝料

※改正民法(2020年4月1日施行)により改定されたもので、2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合は4200円(1日あたり)で計算する。

②対象となる日数に注意する

入院・通院をして治療した場合は、対象日数に注意が必要です。

A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」

このうち、どちらか短いほうが採用されます。

たとえば、入院せず、治療期間が5か月(150日)で、平均5日に1回(計30日間)通院した場合で考えてみます。

A)4300円×150日=645,00円
B)4300円×(30日×2)
=258,000円

となるので、
入通院慰謝料はB)の258,000円が採用されることになります。

(2)弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料

①入通院慰謝料は算定表から割出す

弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は計算が複雑になります。

そのため、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている算定表から金額を割り出します。

算定表は弁護士や裁判所も使用するもので、ケガの程度の違いによって「軽傷用」と「重傷用」の2種類の算定表があります。

「弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなど軽傷用)」

前述と同じ条件、入院は0、治療期間が5か月(150日)の場合で考えてみます。

軽傷用の「入院0か月」と「通院5か月」が交わったところの数字が弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料になります。

弁護士(裁判)基準では79万円、自賠責基準では25万8000円ですから、3倍以上も金額が違ってくることがわかります。

やはり、慰謝料などの損害賠償金は弁護士(裁判)基準で示談解決することが大切なのです。

(3)後遺障害慰謝料でも基準の違いは歴然!

自賠責基準と弁護士(裁判)基準での後遺障害慰謝料の等級別の金額についてまとめてみました。

後遺症による精神的苦痛の程度は事故ごと、被害者ごとで違うため、各事案によって個別に判断するのが難しく、等級認定までに膨大な時間がかかってしまうという問題もあります。

そこで、後遺障害慰謝料は次の表のように概ねの相場金額が、あらかじめ設定されています。

これは、被害者の方が慰謝料を迅速に受け取ることができるようにするためでもあります。

<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の金額表>

むち打ち症で14級が認定された場合、3倍以上違い、その差は78万円にもなります。

後遺障害慰謝料でも、弁護士(裁判)基準で示談解決することがいかに重要か、おわかりいただけるでしょう。

ここまで、むち打ち症で後遺障害14級9号が認定された場合の慰謝料など損害賠償金についてお話ししてきました。

なお、次の記事でも、むち打ち症について詳しく解説しています。

チェックボックス後遺障害14級9号が認定された場合に受け取ることができる損害項目(休業損害・逸失利益・慰謝料など)と金額
チェックボックス後遺障害12級13号の場合の損害賠償額と、14級9号との違いや金額の差

これらのことを知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

むちうちの後遺障害(12級、14級)の慰謝料の相場と計算【弁護士基準】

【解説動画】交通事故のむち打ち後遺障害(12級、14級)のポイントと増額事例

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